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Web www.jtnews.jp

プロフィール
コメント数 1446
性別 男性
自己紹介 初めてこちらのサイトに投稿させていただいたのが2004年の1月。間もなく15年目の節目を迎える事に。
何かきっかけだったのかなあ・・・と思い返してみると、モンゴメリー・クリフト&エリザベス・テイラー主演「愛情の花咲く樹」(1957)が、なんで作品登録されてないんだ!って義憤(?)に駆られ投稿を始めたことを思い出しました。
レビュー数、今日現在1337本。自分が投稿した作品のレビュー読み返してみると結構気恥ずかしいことをつらつらと、とりとめもなく書いてるなあと反省しきり。
でも「冷たい熱帯魚」(2点)と「パッセンジャーズ」(6点)「3時10分、決断の時」(8点)なんか我ながら良くこんな文章書けたなと感心。
これからも宜しゅうお願いいたします。

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41.  北の国から '84夏<TVM> 《ネタバレ》 観たのがもうずいぶん昔だから、れいちゃん(横山めぐみ)に一目惚れした、私にとってのシリーズ最高傑作の「初恋」より、印象が若干薄れている点でこの点数です。丸太小屋が炎に包まれるシーン、「北の国から」ファンの方なら触れずにはいられない、閉店間際のラーメン屋丼下げシーンも文句なし。やっぱり「北の国から」屈指の、全シリーズを通じても忘れられない名場面のひとつですよね。しかも当時は気づかなかったけれど、ラーメン屋の鬱陶しげな女店員というチョイ役に、名脇役伊佐山ひろ子さんを使っているのも贅沢。本日、中畑のおじさん=地井武男さんの思いがけない訃報に接しました。今年3月「あゝ野麦峠」(7点)のレビューをした少し前、入院されたというニュースを聞いた時には容態がそれほど悪いとは思わず、復帰の願いをこめレビューさせて頂いたんですが・・・残念です。最初に地井さんを意識したのは「犬神家」での「菊人形佐武」でした。もちろん「太陽にほえろ」の実直そうな刑事役もリアルタイムで観てた。でも、私にとってはそれ以上に地井さんという役者さんは、「中畑のおじさん」に代表される「近所の(←決して親戚ではない)頼りになるおじさん」っていうイメージの方でした。多少ちゃらんぽらんな部分がある草太兄ちゃんにはちょっと打ちあけずらい、深刻で重い相談も中畑のおじさんになら思いきって話せる、いつのまにかドラマの純の視線になって、ブラウン管の中の地井さんをずっと今まで眺めていたような気がします。子供の頃からずっと映画やドラマで活躍されてた役者さんたちが、少しずつ少しずつ亡くなられていく時に感じる寂しさって、きっとこれからもっともっと増えていくんだろうなあ・・・。地井さん、長い間本当にお疲れ様でした![地上波(邦画)] 8点(2012-06-29 23:14:25)(良:3票)

42.  12人の優しい日本人 《ネタバレ》 居酒屋で「ジンジャーエール」を注文するたんびに(←自分下戸です)この映画の事を思い出します。確かにそう聴こえるし。試しに今度、店員さんに面と向かって「死んじゃえ~♪」って言ったら、ちゃんと注文聞きとってくれるかな?忘年会で試してみよっと(←ウソ。海○蔵氏みたくボコボコにされそう)日本でも、陪審員制度ならぬ裁判員制度、ようやくスタートしましたもんね。感無量。[DVD(邦画)] 8点(2010-12-12 11:09:46)

43.  女は二度生まれる 《ネタバレ》 初期の頃はともかく、いつも何かを企んでほくそ笑んでいる悪女的役柄が多い若尾文子としてはこんな表裏のない天衣無縫な女性の役は珍しく、それが逆に新鮮でとにかく魅力的でしたね。↓でも述べられてる方がいますが、同じ水商売の女性をヒロインにした、同年池内淳子主演川島作品「花影」(5点)より遥かに出来が良い。彼女に筆下ろし?をさせてもらった童貞少年君は、おそらく日本映画の中でも一番の果報者かと(笑)芸者置屋を舞台にした映画だと、成瀬の「流れる」を思い出しましたが、柳橋と九段という場所柄の違いで芸者の生態?がこうも違うのかと興味深かったです。美人なのに貞操観念が割と希薄でガードが甘い女性っていうのは、男性諸氏ににとってはユートピアでしょうね。若尾文子という類まれな魅力を持つ女優に乾杯!もとい、完敗!いや、もうどっちでもいいや・・・。[DVD(邦画)] 8点(2010-03-27 11:20:47)(良:2票)

44.  幸福(1981) 「1981年当時の現代」を普遍的に描くため、「シルバーカラー」という手法を使ったと市川監督は発言されてましたが、その地道な効果は30年経過した今、初見で鑑賞しても抜群だと思います。同じ姓の市川準監督「BU・SU」(9点)が、僕が大学進学の為上京した頃の「東京」だとしたら、この映画はまぎれもなくガキの頃、半ズボン姿で家族旅行で初めて上京した頃の、記憶にある「東京」。西新宿あたりの、まだ都庁建設前の遠景が数回インサートされますが、そのたんびに何故か胸が締め付けられるような気持ちに。メインの主役三人、水谷豊(熱中時代教師編での「みねっこ~♪」を思い出す)中原理恵、永島敏行も、決して巧い芝居などしていないけれど、市川監督の巧みな演出で、その拙さはカバーされていました。その分市原悦子がやたら目立つ。水谷が兄弟喧嘩の仲裁も含め、時折子供ふたりを抱き寄せ、抱擁するシーンが何度か出てきましたが、親子って何も言わなくてもいいから、この「ぎゅっと抱きしめてあげる」行為っていうのがやっぱ必要なんですよね。「鬼畜」とともに、親の自覚がないまま子供が出来て困ってしまった人に見せたい映画。単なる犯人探し推理小説の映画化として観たら肩透かしを食うかも。加藤武の出演は「金田一シリーズ」ファンへのサービスかな?(笑)80年代の市川映画で、権利の関係か唯一観られない「鹿鳴館」が観たい!![DVD(邦画)] 8点(2010-03-13 10:30:08)(良:2票)

45.  浮かれ三度笠 あ~、面白かった面白かった~♪♪・・・一体何だろう・・・、観た後のこの幸福感っていうのは・・・。たとえ映画史には残らない娯楽時代劇とはいえ、こういう作品は本当に貴重だと思います。最近観た新作がどれもイマイチ不発だっただけに、久しぶりに「映画的昂奮」を味わえた事で高得点を付けさせて頂きます。まず大好きなロード・ムービーで、しかもストーリーが面白く脚本もよく練られ、出演スターたちのキャラクターも魅力も頗る生かされている。確信犯的に、時代劇にはあるまじき台詞「ファニーフェイス」だの「蛍光灯」だの「バックシャン」(←後姿のみ美人って意のはず)等を、そこかしこに散りばめたりして遊び心も十分。いや~、笑った、笑った。大映って、役者さんの顔も厚みあるセットも時代劇向きなのに、チャンバラの迫力は何故か他社に負けているような気がするんですが、やっぱりこの映画でもそうでしたね。まあでも、この作品ではそれもご愛嬌という事で(笑)左幸子をこの手の姐御役で使うのも楽しいし、とにかく中村玉緒の浮かれ姫君がメチャメチャ可愛いっす!!さては「志村けんバカ殿」の「バカ姫」役優香はこのキャラをパクッたな!!←違う[DVD(邦画)] 8点(2010-03-07 10:08:18)

46.  黒い画集 第二話 寒流 《ネタバレ》 「殺人」「自殺」「事故死」等、人間の死は一切出て来ないにも関わらず、サスペンスとしては一級品の松本清張原作のミステリー映画。とにかく主役三人(池部・新珠・平田)の色と欲を巡る人間模様と、行き交う視線のからみあいがすさまじい。超エリート銀行員を演じる、平田昭彦っていう役者さん、失礼ながらこれまで「眼鏡をかけたごく誠実そうな久我美子のダンナだった方」っていう地味目な印象しかなかったんですが、よもやこんなに観客に嫌悪を催させるイヤらしい役柄を巧みに演じていたとは・・・知らなかった・・・。噂では良く聞く「夜這い」シーンが、ポルノ映画以外でこんな具体的に描かれる事なんか、滅多にないような気がします。新珠三千代が、のちのちの成瀬巳喜男監督「女の中にいる他人」に連なる「淑女」から「打算する悪女」への転換を、ここでも魅力的に演じてくれてますね。木の葉のように彼らに翻弄されまくる「何事にも詰めが甘い」池部良も、茫洋とした彼のキャラクターに巧く合っていました。丹波哲郎先生の唐突な登場にはびっくり。人なんか殺さなくったって立派なサスペンスは出来るんだっていう見本のような映画。単なる勧善懲悪サスペンスに飽き足らない方は是非これを!![DVD(邦画)] 8点(2009-12-26 10:50:59)(良:1票)

47.  野良犬(1949) 《ネタバレ》 この時期の黒澤の現代を舞台にした映画って、どれもギラギラギラギラしてますよね。本来人間が持っていたはずの、いまにも暴発しそうな「生」のエネルギー。タイトル「野良犬」の息使いにも似た獰猛な危険さ。戦後復興時の街の情景とも相まって、なにやら画面からもやもやと、エネルギーの飛沫が立ち昇ってくるようなイメージ。クライマックス犯人逮捕シーンでの草むらでの俯瞰慟哭シーンと、どこぞのお屋敷から流れてくる穏やかなピアノの音色との対比が忘れ難い鮮烈な印象を残します。今のニッポン人は、この爆発寸前のエネルギーを昭和のいつかどこかに置き忘れてしまったんでしょうか?[ビデオ(邦画)] 8点(2009-11-30 15:05:45)

48.  おくりびと 《ネタバレ》 僕みたいなすれっからしの人間になってしまうと、洋画ならともかく、こういう地に足が着いた良心的に作られた邦画の場合、序盤で大体のその後の展開を読んでしまうという悪癖があるんです。自分でもつくづく嫌なヤツだと思ってるんですが。失業→帰郷→納棺師としての再就職→悪戦苦闘の日々→職業意識へ目覚め→妻を含めた周囲の偏見無理解に対する反発・・・。ここまでで殆どブレがない予定調和な展開に、正直びっくりしてしまいました。銭湯のおかみさん吉行和子の死により、一気に全ての軋轢が実に都合良く氷解。ずっと引っ張ってきた父親との和解も含め、なんら驚くべき展開はなにひとつなかったんですが・・・。でも、なぜか泣かされましたね自分は、この映画に。分かっていながらも泣かされてしまう、この作品にはそんな予定調和を凌駕する力強さが備わってると思います。邦画の最良の部分が巧く出せています。本木&広末の夫婦コンビも悪くないけれど、この映画に厚みと風格を与えた最大功労者は、ベテラン納棺師役の山崎努![DVD(邦画)] 8点(2009-07-26 10:41:42)(良:1票)

49.  にごりえ 《ネタバレ》 「文学的香気」の高い、明治時代の情趣溢れる立派な作品ですね。自分は邦画のオムニバス映画なんて、これまで「バカヤロー!」くらいしか観たことないんですが(笑)そんな映画の名前を出すのも憚れる、原作樋口一葉の短編世界の美事な映像化だと思います。一話はヒロイン(丹阿弥谷津子)が実家を出た後、幼馴染が曳く人力車に乗り不忍池に出るまでの雰囲気描写が素晴らしい。第二話が一番物語性が強い。良くも悪くも「演出」を一番感じさせる挿話です。自分は久我美子のファンなので、盗みがばれやしないかとドキドキしながら観てました。オーラスの第三話は後半から杉村春子が出てきて、画面をぎゅっと締める。実に手堅い。ふーむ、これがこの年のベストワン作品。「東京物語」よりも当時は高く評価されたんですか。当時の観客がどんな趣向の映画を求めていたかよくわかります。(池袋新文芸座「淡島千景特集」にて鑑賞)[映画館(邦画)] 8点(2009-05-03 10:53:33)(良:1票)

50.  笛吹川 これはちょっと凄い映画でびっくりしました。好きか嫌いかは別として、戦国時代のハナシでは有るけれど、間違いなくこれは同監督「二十四の瞳」(10点)を凌ぐ反戦映画だと思います。極めて客観的な観察眼の持ち主である主演高峰秀子をして、自叙伝「わたしの渡世日記」の中で「木下監督の心象と人生観を映し出した傑作」と言わしめた作品。長い間、木下監督の時代劇?畑違いちゃうんか~?と思い、ずっと敬遠していたんですが、いやはや、これは後からジワジワジワジワ来る秀作でした。大体木下監督の映画っていうのは、豪華スター競演が売り物で、監督の名前よりも先ず「高峰秀子主演の~」「佐田啓二主演の~」っていう印象が強いんですが、この映画に限って言えば、極端に少ないクローズアップ等から見ても、役者の顔は先に出てこない。高峰秀子など、主役で有るにも関わらず、最後までまともに顔さえ拝めない始末。まさしくこれは「円熟期木下恵介演出による秀作」に仕上がっています。あの「二十四の瞳」でさえも、全編に流れる唱歌やセンチメンタリズム故、肝心のテーマが掠め取られてしまった感が有るが(←でもだからこそ再見に値する!)ここにはそれすらない。鑑賞後に残るのは、ただひたすら空しい無常観。累々たる屍体を前にし「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり・・・」平家物語の一節が浮かんできます。合戦の間中鳴っている風鈴の音が異様で不気味。実験的なパートカラーの効果も抜群の効果を上げています。年老いた高峰秀子が馬に乗る岩下志麻に追いすがり、力なく足を叩く「手」の演技に私は唸りました。どこまでがセットかロケか判らない、笛吹川にかかる橋の偉容もいつまでも心に残る。[DVD(邦画)] 8点(2009-02-06 15:56:10)

51.  その日のまえに 《ネタバレ》 大林宣彦監督は30年前のデビュー作、『HOUSE/ハウス』から年月は経てもちっとも変わっていないと思う。過剰なまでに狂おしく流れる荘厳な音楽、円滑には敢えて進行させず時折逸脱させる展開も(脚本無視か?)、決して円満には終わらせないラストシーンに至るまで。この最新作にもやはりこの監督の「映画愛」が全編に溢れていて、大林監督70歳いまだ健在なり!と安堵しました。今回まずここ近作で顕著に見受けられた、「斜めドラム式画面構図」ではなくなった事が何よりまず嬉しい(笑)実はあらすじのさわり部分だけを読んだ時点で、正直観るのを躊躇してたんです。「余命何ヶ月かの主婦が家族の愛情に支えられて~」・・・あ~、お金払ってまでそんな辛気臭い話今更観るのはしんどいかな~って。ところがところが、良い方向に期待を裏切ってくれました。私はヒロインが輝かない大林映画は映画自体も輝かずという自論なんですが、本作のヒロイン永作博美はもともと芝居が上手い上に驚異のベビーフェイス。確かに悲しいオハナシではあるけれど、彼女の笑顔と存在のおかげで後味がぐっと爽やかになってます。『PSアイラヴユー』では全く泣けなかった手紙のくだりも、ここではたった一行で私の涙腺ダムは大決壊・・・(汗)今年の主演女優賞はこの永作で決定!!南原清隆もまずまず。今年の春公開『L』で、使い勝手がいいだけのテレビタレント的醜態を晒していたので危惧していたんですが、ここではその茫洋とした危うさが生かされてましたね。というか、ボロを出さずに済んだと言うべきか。やっぱり良い監督には使われてみるものです。監督は「70才の新人監督デビューのつもりで撮った」とインタビューに答えられていましたが、新人監督はこんな好き放題に撮る事は出来ないと思いますよ~(笑)これが遺作となったワンカットのみ出演大林映画の常連役者、峰岸徹氏のご冥福を心よりお祈りします。この調子だと大林監督はまだまだ観客を楽しませてくれそうですね。次回作にも期待大っす![映画館(邦画)] 8点(2008-11-02 11:02:07)(良:1票)

52.  転々 《ネタバレ》 一言で言ってしまえば「脱力系ロードムービー」なのだけれど、劇中小道具として出てくる「クリーニング店の針金ハンガー」のように、一本中身に芯が通っているのでダレル事なく一気にラストまで鑑賞出来ました。私はこの監督の作品初見なんですが、演出の呼吸というかセンスはかなり秀でていると思います。後半から出て来る小泉今日子の「(カレーの煮込み)ごく、弱火でも?(ダメ?)」という一言台詞に大爆笑。特に可笑しい台詞でもないのになんでだろ?私の笑いのツボに思いっきりはまってしまいました。こういう擬似家族があってもいいよねって思わせてくれる温かく得難い雰囲気が、世知辛いこの世の中、孤独に生きている人間にとってはたまらないと思います。もちろんオダギリの気持ちの変化も細かく丁寧に描かれていました。しかし何故に「ごく、弱火でも?」と岸部一徳氏の再登場シーンで私は爆笑してしまったのか・・・?謎だ。ふふみ役の吉高由里子嬢は只者ではないと見た。こりゃ「亀は~」も早いトコ観ないと。ちなみに東京散歩には携帯版地図片手に『東京の階段』(日本文芸社)っていう本がおすすめっす![DVD(邦画)] 8点(2008-09-22 11:01:06)(良:2票)

53.  盲獣 《ネタバレ》 小学校の頃全巻制覇した記憶が有る「江戸川乱歩・少年少女明智小五郎シリーズ」には、確か『盲獣』なんて作品収録されてなかったよなあと、無邪気な少年の頃に戻った気分で鑑賞しはじめました。・・・えっ?・・・あれ?おいおい、これって・・・ちょっと・・・ひいいいっ!なんじゃあっ、こりゃあっ!!ガキの時に、もしこんなん読んでた日にゃ、トラウマで今よりもっと屈折した人生歩んでいた事必至ですわ。でもわかるわかる、セックスって刺激がなくなってくると、よりシチェエーションや手を変え品を変え、快楽をとことん追求しようとしてしまう貪欲な生き物なんですよね、人間って。僕は当人同士さえ同意の上ならという条件付きで、ことエロに関してはどんなプレイも有りって考えている人間なんですが。あ、でも痛いのは嫌かも。ラストに至っては、正に昆虫雄雌交尾を思わせる二人の絡み合いに、扇情的な内容ながらも真面目に人間の究極の性愛を捉えようとしている増村監督の意気込みが伝わってきます。切断シーン、もし血しぶきなんか上げさせたら評価落とそうと考えてたんですが、そこは慎ましい処理だったんで気に入りました。いつもの飄々とした二枚目役の時とは顔つきまで変貌させ盲人を演じた船越英二がとにかく凄いっす。エロに王道なし、変態道万歳!![DVD(邦画)] 8点(2008-08-22 11:46:16)(良:4票)

54.  妻は告白する 《ネタバレ》 これは観客(主に男性)の被虐性というか性的嗜好が直に試される映画だと思います。(←キッパリ断言)全編37.8度位の熱にうなされ続けているような、エロ度MAXヴォイスの人妻若尾文子様をもっともっと責めさいなみ、とことんいたぶってみたいと素直に思われるSか、流石に美人の彼女をここまで堕としめるのはやりすぎなんじゃないか?と思わず同情してしまう側か。後者なら、私と同じくおそらく「赤線地帯」や「しとやかな獣」等での悪女的役柄のしたたかな彼女に、一度は手玉に取られてみたいと思うM体質のはず。裁判シーン、彼女に縄を巻きつけた状態での実況検分?は、まるで白昼堂々の公開SMショーみたいでドキドキしてしまいました。脚本担当井手雅人氏、増村監督のお二人は揃って相当のSだとお見受けしたが如何。そもそも川口浩探検隊長に、あそこまで彼女がのめりこむほどの男性的魅力があるのか、という疑問もつい浮かんでしまうが。まあ性的嗜好がどうであれ、この映画では誰もが若尾文子という女優の圧倒的魅力にひたすら平伏さずにはいられないはず。この作品、まだ女性のレビューが皆無のようなので、是非女性側の意見を伺ってみたいですね。[DVD(邦画)] 8点(2008-05-11 11:52:41)(良:2票)

55.  華岡青洲の妻 《ネタバレ》 先日観た成瀬の「娘・妻・母」での高峰秀子VS原節子のバトルは、自分としてはかなり消化不足だったので、今回は若尾文子との唯一のバトル作品をチョイス。こりゃ凄いわ・・・全編息をつかせる暇もなく、堪能させてもらいました。両実力派女優二人が、それぞれ受けの芝居、攻めの芝居を攻守交替しつつ、存分に演技合戦を楽しんでいるっていう感じ。このお二人にかかっては流石の青洲=雷蔵氏も影が薄い。初めて息子青洲と寝床を共にする嫁加恵(若尾)を見送る、横たわる母於継(高峰)の嫉妬の視線の怖い事怖い事・・・。基本的にエゴイストなこの息子を間に挟みさえしなければ、この嫁姑二人結構ウマがあったんじゃないかと思わせるところに宿命的な悲劇を感じますね。少女時代からの憧れの人に見込まれた時の歓び、やがて嫁として肩を並べ、追いつき追い越していく女の成長を的確に演じる若尾文子ももちろん申し分ない。後半の「私を、いいえ私を使って!!」と人体実験を雷蔵氏に二人が申し出るシーンがこの映画のクライマックス。その後の於継の慟哭も含め、凄まじい葛藤シーンの連続。ひとつだけ残念だったのは、於継が亡くなるシーンがなく、何故かナレーションだけで済ませてしまった事。これを描かなかったのは片手落ちだったのでは?於継臨終シーンでの加恵との最期のやり取りが観たかった。[DVD(邦画)] 8点(2008-03-01 11:04:52)(良:1票)

56.  忠臣蔵(1958) このレビューに登録されている日本映画黄金期に製作された忠臣蔵ものでは、この大映作品が一番評価が高かったので期待してましたが、期待通りの真打ち作品でした。忠臣蔵って各会社のカラーが顕著に出ていて、それぞれ見比べるとホントに面白いですね。大映っていう会社の映画は現代劇でもどこかねっとりした湿りっ気があるのが特色だけど、時代劇においてはその湿り気が逆にプラスに働いて、画面にしっとりした貫禄と落ち着きを与えています。しかも女性陣が単なる彩りに過ぎない東映作品とは違い、大映が誇る三人の美姫、山本富士子、若尾文子、京マチ子がそれぞれに演じどころを与えられ、存在感を遺憾なく示しているのも目の保養。主役の長谷川一夫はじめ、出演者の皆さんいかにもご立派な「時代劇顔」をしてるのも嬉しい。岡野金右衛門=鶴田浩二が一番の儲け役。内蔵助の母親が登場してくるのが珍しい。ただ肝心の討ち入りの殺陣の迫力はチャンバラの本家東映作品の方が勝ってたかなあ・・・。やっぱり新解釈とかを加えない、オーソドックスな展開の方が忠臣蔵は楽しめると思います。[DVD(邦画)] 8点(2008-01-14 10:25:29)

57.  家族(1970) 《ネタバレ》 僕がこれまで観た映画で、笠智衆さんが演じた人物が映画の中で亡くなるシーンって見た事ないんです。「寅さんシリーズ」でも、最後まで御前様は台詞の中ではお元気という設定だったし。数多く出演された小津映画でも笠さんが亡くなるって映画って確かなかったですよね。(もしあるのならすいません!)この映画の終盤、倍賞さんの「・・・じいちゃん?」って問いかけに対し、無言のまんま安らかな寝顔を映したショットを見て、いきなり笠さんご本人のご臨終に立ち会ったような、厳粛な気持ちにさせられてしまいました。途端に涙がドドドと溢れて・・・(笑)僕の脳内では、笠さんと渥美清さんはのほほんと日本のどこかで生き続けている存在なので、現実を突き付けられたみたいでショックでしたね。ここで一点マイナス。あそこで爺ちゃんを死なせてしまったのは、新しい生命はこうやって受け継がれていくっていう事を言いたかったのかなあ・・・?後年の「遥かなる山の呼び声」はこの映画の続編??1970年当時の日本列島縦断風景、大阪万博の映像資料としても貴重な作品だと思います。倍賞さんは三角巾やエプロン姿がホント良く似合う!ちょっとだけ出てきた次男役、前田吟のホームでの別れの表情にぐっときた。[DVD(邦画)] 8点(2008-01-11 11:12:57)(良:2票)

58.  洲崎パラダイス 赤信号 ビックリした!見る前は川向こうの歓楽街【洲崎パラダイス内】で繰り広げられるオハナシなのかと思っていたら、それは最初のタイトルバックだけ。結局最後までカメラは川のこっち側、普通の人々が日常生活を送っている側から頑なに離れようとはしない。どうしようもないダメ男から離れられない女の姿から、自分も成瀬巳喜男「浮雲」を連想しましたが、こちらの方が良い意味でより軽佻浮薄、何より深刻ぶらないのが良いです。脇役ながら芦川いづみ、この映画でもメチャメチャ可愛いっすねえ~。全シーン、地味な蕎麦屋の店員の前掛け姿なのに、こんなに可愛いなんてよっぽど素材が良いんでしょう。何気なく前掛けの2つのポッケに手を入れている仕草を見ているだけでも、こっちの顔がほころんできます。昔、『山口百恵は菩薩である』なんていう言葉があったような記憶があります。私は同監督作「風船」のレビューで、ラストシーンの芦川いづみからは後光が射しているようだと書きましたが、この作品や「陽のあたる坂道」「乳母車」での彼女のたおやかな微笑みを見ていると、ついこんな言葉が浮かんできます、『芦川いづみは千手救世観音像である』と。[DVD(邦画)] 8点(2007-12-29 11:03:40)(良:3票)

59.  ある映画監督の生涯 溝口健二の記録 自分が映画監督溝口健二という人物を知ったのは、映画を観るずっと以前に読んでいた、新藤兼人氏著「小説・田中絹代」がきっかけ。ここに書かれていた数々の暴君的振る舞いと奇矯なエピソードとは裏腹に、残されている写真等では薄く笑みを浮かべ一見「好々爺」にも見える。一体、この人はどういう方なんだろうかと、いまひとつ人物像が掴み難く、実際つい最近まで映画自体も敬遠していた次第。このドキュメンタリーに登場してくる皆さんって、溝口映画の常連としてのみならず、日本映画黄金時代の土台を支えてきた錚々たるメンバーの方々ですよね。「俺たち(私たち)が日本映画を支えてきたんだ」っていう、他の何事にも変え難い自負と誇り高いプライドが、溝口監督の思い出を語ることで生き生きと各々の顔に浮かび、また更に輝きを増しているようにも見えます。凄っげえなあ・・・、ここまで彼らを心酔させた溝口健二っていう人は。中でも圧巻はやはり田中絹代本人の証言でしょう。彼女の老いても尚、凛とした語り口を聴いていると、もちろん「小説・田中絹代」はフィクションには違いないのだけれど、ああ、もしかしてあの中に書かれていた事はかなりの割合で真実が含まれていたんじゃないかって思えてきます。それだけにこの小説の映画化、市川監督吉永小百合主演「映画女優」の出来が意外と平凡だったのが悔やまれます。でも小説の方は読む価値充分に有りです、興味が有る方は是非!近年再評価が著しい個人的日本映画ベストワン監督、成瀬巳喜男のこの種のドキュメンタリーも製作されないもんかなあ・・・。[ビデオ(邦画)] 8点(2007-09-29 12:44:24)(良:2票)

60.  祇園囃子 デビュー当時の若尾文子の可憐さももちろん捨てがたいけれど、何といってもこの映画は美代春姐さん=木暮実千代のものでしょう!彼女の立ち振る舞い、仕草、そうめんを啜る姿に至るまで、いちいち見惚れているうちに映画が終わってしまいました。それにしてもここに出て来る男どもは、どいつもこいつも悉くサイテーな連中ばかりですね。お茶屋の元締め浪花千栄子の、涼しげに憎々しい巧みな名演との相乗効果で、木暮姐さんの虐げられ耐え忍ぶお姿がいよいよ妖艶にみえてくるのも、溝口演出の計算のひとつなんでしょう。暑い夏の京都裏小路の情緒ある風景、クライマックスからずっと背後に流れるお囃子の音色のここち良さ・・・。もうたまりません。格調高い風俗描写映画のひとつの完成された形がここに在ります。(→池袋文芸座「リスペクト溝口健二特集」にて)[映画館(邦画)] 8点(2007-09-23 12:30:03)(良:3票)

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