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【製作国 : 日本 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
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41.  戦国自衛隊1549 旧作がとても好きなので、こっちにはあえて触れずにいたのですが、なんかテレビつけてたら始まっちゃったので見てしまった。で…いや、いい映画じゃないですか。話も画もよく作ったなと感心。伊武雅刀最強。なぜこんな事が起こっているのかという冒頭の説明があまりにも突拍子もなく不可解でちょっと不安でしたが、面白かったので良し。[地上波(邦画)] 7点(2009-05-19 04:26:06)(良:1票)

42.  岸辺露伴 ルーヴルへ行く 《ネタバレ》 これは珍しい。露伴の恋愛物ですか。抑揚が少なく、1時間半にするには長く、若干中だるみ感はありますが、自分は好きです。ヒロインの木村文乃、飯豊まりえ、美波がいずれも艶があり、そこだけでも十分に見る価値あり。しかし荒木先生は幽霊好きだなぁ。リアリティとは真逆の存在なんですけどね。漫画にしやすい題材なんでしょうか。[インターネット(邦画)] 6点(2024-04-16 05:16:49)

43.  トキワ荘の青春 尺の問題で一つ一つのエピソードを掘り下げられないのは仕方ない。掻い摘んで淡々と描かれる群像劇だが、1950年代の雰囲気を楽しむ映画だと割り切っていいと思う。劇場にお越しの方々もほとんどがお年寄りだった。 公開当時は賛否あった様だが、寺さんの本木雅弘は個人的には良かった。寺さんはトキワ荘屈指のイケメンなのである。 つのだ我孫子の再現度が凄い。本人かと見紛うばかりによく似ている。これは大きな評価ポイント。 赤塚石森はイメージがなかなか本人と一致せず、慣れるのに時間が掛かった。若き頃の赤塚は紅顔の美少年と言われた。赤塚石森の配役が逆でも良かったのでは。 水野英子が妙に色気があって可愛かった。黒髪ショートに眼鏡というのは女っぽさを際立たせるのに効果的。 トキワ荘のマドンナこと石森の姉も良かった。地味美人万歳。[映画館(邦画)] 6点(2021-05-17 20:09:57)《改行有》

44.  八日目の蝉 投稿前の段階で平均7点ジャスト。俺が6点つける事によって7点を割ってしまうのは申し訳ないが、ストーリーはそんなに凄い訳でもない。女性なら共感出来るのでしょうか…主要キャラみんなしょうもない人ばかりで。アウトレイジみたい。良かったのは永作の演技。これに尽きる。小池栄子も良かった。本人のイメージと真逆な、コミュ障っぽい人を見事に表現されていた。全体的に普通だけど役者の力量にプラス1点。[CS・衛星(邦画)] 6点(2019-07-21 08:10:12)(良:1票)

45.  貞子vs伽椰子 《ネタバレ》  評価が低く、なかなか手が出なかったのですが、いよいよ鑑賞。オチもネタバレ見ちゃって知ってました。期待値は限りなく低く、下手したら0点つけるんじゃないかってくらいのつもりで視聴開始。  結論から申しますと…いや猛烈に燃えました。6点。もっと高くしたいけど、6点。理由は追々書きます。  VSモノって、VSと言ってるだけで戦いもしないなんてのを子供騙しに見させられて育った世代なもので、これもどうなんだと思って見たらまあガッツリ戦ってるじゃございませんか。俊雄が貞子の画面に見入る、貞子の髪が俊雄をテレビに引き摺り込む、伽椰子が貞子を闇に引き摺り込む、そして貞子が反撃開始…ごめん、ネタバレのオンパレードだけど、ここは最大の見せ場にして個人的にホラー映画屈指の名場面となった。バトル物が好きなもんで、どうも。  対決と銘打つからには各キャラが戦士たり得る強さを明確にってなもんでまず俊雄が獅子奮迅の働き。闖入者が複数居ようがお構いなし。跳躍しては人の肩に飛び乗り首をへし折り、闇に引き摺り込んで回る。霊媒幼女の「(俊雄は)逃げた…伽椰子はこうはいかないよ」の能書きを聞くに、俊雄<伽椰子という強さの順列がここで成立している事が分かる。貞子登場で早々に俊雄はリタイヤし、いよいよ「俊雄は我ら佐伯家では小物…」と言わんばかりに真打ち・伽椰子のコココココ…である。これは燃える…燃えないはずがない。まあ冗談はさて置き愛する息子の敗北に黙って指を加えて見ている伽椰子母さんではない。尖兵として八面六臂の活躍を披露した俊雄の敗北により、いよいよ表題通り貞子vs伽椰子の機運が高まる。  まず両者が対決に至るまでのプロセスに唸った。なるほど「獲物の取り合い」という図式ですか。これは変に納得。自殺すら許さん!絶対に我が毒牙に掛ける!という執念というか怨念のぶつかり合いとした訳ですね。さらによくよく考えると、伽椰子も俊雄も佐伯家で再生された貞子のビデオを当然見ただろうから貞子に呪われる。出現した貞子は佐伯家に足を踏み入れてしまった訳だから伽椰子に呪われる。両者の直接的呪い合いも成立しているものと考えられる。不浄霊ですら呪いの対象になるのだから両者共その怨力たるや恐るべしである。幽霊同士の怨念対決というのは昨今例を見ない。まさに前代未聞の対決、記念碑的な作品と言えよう。  最後の禍々しいアレは盲目幼女が見たイメージ映像な訳ね。霊能力者コンビ、出て来た時は何だか少年漫画のベタなキャラっぽくてどうかと思ったが、見てれば慣れるし何より幼女に和む。俺も歳だから幼児キャラは無条件で和んでしまうんだな。俊雄もそうだけど。  融合に関しては皆さんと同意見で受け入れ難い所。貞子と伽椰子は今や長く邦画界で愛され親しまれてきたアイドルのようなもの。きちんと個性が確立しており、混同して訳の分からん物体にしていいもんじゃないと思います。これは各キャラのファンをガッカリさせましたねぇ。てか、融合させるなら貞子+伽椰子=山本美月にならなきゃ駄目でしょう。何のために山本が犠牲になったんだ。  それと、DVDという媒体に移し替えた意味・ネットにバラ撒いた意味がよく分からない。そこからどんな事態に発展していくのか楽しみにしてたんですけどね。  で、点数なんですけどね。普段は真ん中の5点を基準に上下なんですが、今回はこれだけ熱血出来るもんを見せていただけたので、個人的には10点差し上げたかったくらいなんです。そこから如何ともし難い部分を減点していきます。 ①伽椰子の家が「あの家」じゃない。佐伯家の撮影に使われたあそこは、この映画撮影時にも存在している。伝統あるシリーズなのだから、あの独特の「既視感」による恐怖と懐かしさで感動させて欲しかった。もう使えなくなってたとしても同じセットを組むくらいの気概は欲しい。 ②貞子のビデオが怖くない。何だあのアッサリ感は。訳の分からなさと井戸が怖いんじゃないか。ドアから出て来る貞子とかあんまり怖くないんですけど。てか「リング」のビデオには髪振り乱し貞子は映ってなかったよね…どうせ出すなら井戸からにして欲しかったなぁ。あのビデオは貞子の黒髪・白服と同じくらい重要な代名詞なんだから、気合入れて欲しかった。 ③前述の通り融合は駄目。個性は大事。あのDVDやネットに拡散しちゃった動画はどうなったのかと考えた場合、続編にも期待を持たせる終わり方でないと。あれじゃ続編は無理。 ④前述の通りあのオチなら貞子+伽椰子=山本美月にしなきゃ駄目。目ん玉ひん剥いた山本が血だらけで井戸から這い摺って出て来て終わりならもう1点くらい加点出来た。  玉城ティナは俺好みの美人で救われた。この人がいなかったらもう1点ばかし減点だったかも。そんな訳で10-4=6点です。[インターネット(邦画)] 6点(2019-01-16 06:54:02)(良:1票) 《改行有》

46.  ハッピーウエディング 内容的には「結婚式場はこんな事も出来ます!」っていう啓蒙みたいな。もちろんそこが感動ポイントなんだけど、やっぱり吉岡里帆の可愛さに和む映画。短いからサクッと見れる。[CS・衛星(邦画)] 6点(2018-09-24 15:59:38)

47.  顔(1999) 福田和子より着想を得たとの事ですが、人を殺して逃げ回る以外は特に何も共通点が無かったのはちょっと拍子抜け。完全オリジナル脚本です。逃避行を続けるうちに、無機質だった正子がだんだん人間的になっていく…のはいいんだけど、特に感動ポイントもなく。藤山直美を目当てに見たが、自分が知ってる氏は必殺橋掛人当時。まだ二十代の頃。四十代となったこの映画では随分と太ったなぁという印象。ただおっぱいがでっかくなっててそこは嬉しい。勘九郎に思いっきし揉まれてるし、走ればよう揺れる。てか正子よりむしろ律子さんがねぇ、本当にいい人で。この人のお陰で人情ドラマに仕上がってます。藤山直美のおっぱいと律子さんで加点。[CS・衛星(邦画)] 6点(2018-09-23 03:25:40)

48.  凶悪 《ネタバレ》 販促ポスターを見て、山田孝之が凶悪なのかなって思っちゃった訳ですよ。予備知識なしに視聴して、なるほどと。一見紳士的な先生だがとんでもなく残虐、凶暴な須藤は逮捕後には宗教観に目覚めて(という振りなのか分からないが)おとなしくなり、正義感で動いているはずの主人公・藤井は人の死を強く望んでいる事を悟らされる。人の表裏というか二面性をテーマにしているのだろう。それはさておき嫁さんに対していくら何でも無関心過ぎでしょう。そっちばかりに不条理を感じてしまって痛々しかったよ池脇千鶴可哀想。リリーフランキーとピエール瀧の好演が素晴らしいのでそこは加点。朗らかな園長さん役でCMに出ておられるリリーさん、俳優に吹き替えにといずれもコミカルで楽しい役ばかりのピエール、両者の鬼気迫る演技が見所。[インターネット(邦画)] 6点(2018-02-22 15:14:00)(良:1票)

49.  IAM A HERO アイアムアヒーロー あら?やたら評価が高いから特別な何かがあるのかと思ったら、普通~のゾンビ映画でした。いや、ゾンビ物は好きなんでアクションシーンはそこそこ楽しめる訳ですが、いかんせん序盤のテンポが悪い。英雄もちょっと弱すぎてイライラ。あと色んな人が色んなとこで早く逃げろよなんで逃げないのって軽くイライラ。これだけ本格的な「日本が舞台の終末ゾンビ映画」は初めての様な気がするので嬉しいが、プラス要素とマイナス要素が相殺して本当に普通な感じ。ゾンビ好きは一度見ておいてと言えるけど、二度目を見る気になるかというと疑問。有村架純が可愛いのでちょい加点。[インターネット(邦画)] 6点(2017-02-12 20:47:48)

50.  ハッピーフライト(2008) 《ネタバレ》 案外普通に着陸に成功したようで何より。でもそこに感動した。あまりにリアルな映画なので、過剰な演出は必要ない。飛行機が無事静止し、安堵したパイロットにまた感動。リアリティって大事だなと再認識。[地上波(邦画)] 6点(2017-02-03 09:41:08)

51.  バケモノの子 《ネタバレ》 前回「熊鉄の生き様が見えない、九太に依存してしまっている」と書いたが、二度目の視聴で多少変わったので修正する。熊鉄はただ勝ちたいだけのガサツな男だったが、九太の声援のお陰で目標を達成、最後に残った望みは命を賭してでも息子を助けてやりたいという父親としての願いであった。つまり熊鉄はただの野獣から父親に変わったのだ。だからタイトルはバケモノの「子」なのだろう。師匠と弟子という関係から始まり、なかなか上手くいかずにいがみ合うばかりだったが、実は互いが刺激し合って成長していた。生物の垣根を越えた親子愛の物語であった訳だ。なかなかにして美しいと思う。そこは評価ポイントとして、他に幾つか不可解な要素に気付いてしまった。まず、なぜ渋谷で人間の心の闇が発現したのか。市街地で突然超能力戦争がおっぱじまって、まるで幻魔大戦だ。異世界だと人間が特殊能力を発現してしまうという理屈なら分かるが、バケモノの世界に行く前から九太には闇が発現していた訳で、なんだろう九太ってのは超能力者か何か?まあバケモノに見出される時点で何かしら特殊な才能はあったのかも知れないが、その辺が説明されていないので不可解なままだ。それと、大変な事が起きているのに一緒にいると言って聞かないヒロイン楓ちゃんであるが、戦いの役に立ったとは思えない。役に立ちたいなら陰で見守るべき。それこそが健気な女の美しさを発揮する最大のチャンスだろう。どうも脇役を魅力的に描くのが今一つ上手くいっていない気がする。百秋坊と多々良は途中からお涙頂戴の解説役になっていき、富樫虎丸のようだ。ラストも少々不満が残る。熊鉄と力を合わせて勝利したまではいい。熊鉄と長く過ごしたお陰で九太はこんなに成長しました、の方が良かったんじゃないかな。熊鉄の剣が宿ったお陰で心が強くなってどうやら人間界で生きてゆけそうですという事になっちゃったみたいで、それが無ければ九太の心は弱いままだったのだろうかと思うと少し残念な気もする。ただまあ、これからも熊鉄と一緒だねってハッピーエンドとしておきましょうか。いつも九太の肩にいたマスコットキャラにも和ませていただきました。前回より少々加点。[映画館(邦画)] 6点(2015-10-07 13:08:41)

52.  トリハダ -劇場版- 《ネタバレ》 結構ハラハラしました。猟奇的な事件ばかり起こるので一応ホラーなのかなと思いますが、どのエピソードも意外な結末が。ひっくり返して驚かす、そんな作品です。[DVD(邦画)] 6点(2013-06-14 00:36:31)

53.  台風クラブ 《ネタバレ》 とても褒められたものではない退屈な映画。ストーリーもへったくれも無い。十代半ばの女子が水着・下着・裸で踊るのを眺める官能映画である。台風の中、踊りながら下着を次々と脱いで放り投げ、いつしか全裸になっていくそのシーンのみで5点献上。渕崎ゆり子の裸踊りという大変貴重なシーンを拝めただけでさらに+1点差し上げる事が出来てしまうのだ。[DVD(邦画)] 6点(2011-01-18 06:51:53)

54.  おろち 《ネタバレ》 木村佳乃の熱演に尽きる。谷村美月も可愛い。ちゃんとサスペンスしているし、一昔前な雰囲気も良い。楳図かずお原作の映画の中ではトップクラスの出来。ただ、原作を知らない人にしてみると、おろちのキャラ性がよく理解出来ないのではないか。「不老不死、超能力者、人の人生を見守っている」という主要3点の特異な設定にまず馴染んでもらわないといけない。なのに「100年周期の眠りがやってくる」という唯一最大の弱点を突如露呈、また「佳子という少女に意識が乗り移る」のも唐突過ぎる。この2点は超人であるおろちが弱体化する姿を描き、キャラの幅を持たせるためにも重要なエピソードであり、1作に詰め込むには情報過多。第1作目におろちの魅力と個性をしっかりと描き、その後シリーズ化して何話かに分けて描くべきだった。本作のベースになっている原作「姉妹」だけでもおろちの主要3点の設定を活かして魅力的に描く事が可能で、且つ単体で傑作と呼べるエピソードでもあり、他のエピソードと混ぜる必要性を感じない。また、妹が佳子と姉の血を入れ替えようとした意図もよく分からないまま終わり、薄幸の少女・佳子が幸せを掴んだ矢先に殺されてしまうという悲劇も軽く扱われてしまったように思う。複数の話を混ぜて尺伸ばしを計るとこうした弊害が起こり、それぞれにある良さを薄めてしまいかねない。さらに、姉妹の嫉妬を強調するなら山本太郎をもっと好青年に描くべきでは?あんな男を奪い合うのも理解しがたい。まあ鑑賞後感も悪くなく、映画を観たな~という気分になれるので普通に5点、キャスティングの良さで+1点。出来れば本作をリセットしてシリーズ化し、各話をそれぞれじっくり描いてほしい。 この「おろち」という作品は特に、各話とも明確なテーマがある。そこをしっかりと強調し、余分な要素を入れて薄めたりせずに。もちろんおろちは谷村美月で。[DVD(邦画)] 6点(2009-11-14 17:34:02)(良:1票)

55.  ルパン三世 THE FIRST 《ネタバレ》 …今回もイマイチでした。こちらの平均点が高めなので、今度こそはと期待したのですが…。 自分にとって面白いルパンは緑ジャケの第一期&カリオストロ、その次に赤ジャケの第二期です。それ以外のルパンはどれも楽しめないのです。一つ一つツッコミを入れてったらキリがないので出来ませんが、それら「駄目なルパン」と第一期の違いは何だろうと考えました。 もちろん第一期とカリ城には、かの天才・宮崎駿氏が関わっています。でもそれだけではないのです。宮さんが関わり出したのは第一期7話目からですが、自分は大隅正秋氏が手掛けた開始当初のハードボイルドなルパンも本当に好きなんです。むしろあの頃が一番と言っていいくらいです。 なぜなのか必死に考えました。これが正解かは分かりませんが、これかなというのが。それは「間の取り方」です。 緑ジャケのルパンは結構繊細なのです。失敗して凹んだりします。うるせーちきしょーとヤケになったり。あっさり人を、特に女を信じます。そしてあっさり裏切られます。そして時たまとても寂しそうな顔をします。そのまましばらく静止します。そこに山下毅雄のバラード曲。哀愁があるのです。 常にポジティブで元気でコミカルで、超人的な身体能力と天才的な頭脳を駆使し数々のピンチを切り抜けるのがルパンですが、同時に初期のルパンは拗ねたり感傷に耽ったりしていたのです。超人にも苦悩がある事を垣間見せてくれていました。 以降のルパンは考えてみるとこの「間」がありません。終始ドタバタしっぱなしで哀愁が感じられない。ルパンの苦悩が描かれず、超人そのものです。我々凡人は、超人には感情移入出来ないのです。ヒットメーカーCLAMPさんも万能キャラは作ってはいけないというポリシーを持っておられます。 もちろんそれ以外にも足りないものは幾多あります。今回の「THE FIRST」も、残念ながらキャラの魅力が足りません。今回のメインゲストである少女・レティシアをお嫁さんにしたいと思った人はどれくらいおられるでしょう。敵であるランベールやゲラルトの真似をしてみたいと思う人は。斬鉄剣が訳の分からない使われ方をしておたおたする五ェ門をカッコいいと思った人は。不二子みたいになりたいと憧れる女の子は…銭形のとっつぁんが味方になってくれた!いい味出してる!とっつぁんなくしてこの映画は有り得ない!と思った人は…。 ストーリーに関しても特筆すべき所はありません。むしろツッコミ所の方が多い。とっとと殺せばいいのにいつまでも銃爪を引かない大ボスのゲラルトさん、なんか知らんけど錯乱しっぱなしで落ち着けと言いたくなる安っぽい博士・ランベールさん、ラストの別れにしてもなんでレティシアはルパンになびいてついて来ようとしたのでしょう。ちょっと強引じゃありません?あなたの夢は考古学の道に進む事なのでしょう??クラリスのオマージュなんでしょうけど、クラリスは大半の視聴者がお嫁さんにしたいと思う程魅力的に描く事に成功したヒロインであり、そんな子が(我々が感情移入する側のキャラである)ルパンについて来ようとしたら、そら男のロマンってもんでしょう。やったぜです。ガッツポーズです。もう脳内でクラリスと世界を飛び回りいちゃついてベッドインしてと一瞬妄想してしまうのが普通の感覚です。さらにそんなお嫁さん候補の行く末を案じ必死に我慢して身を引くルパンがまた粋であり哀愁なのです。ルパンには哀愁が似合うのです。よくよく考えればそれが正しい選択であり、妄想に浸る我々も目を覚まします。ルパンは正しい。そんなルパンが魅力的であり、感情移入出来るのです。残念ながらレティシアは、そんなロマンを感じさせるキャラクターに育てる事に成功していない気がします。 長文失礼致しました。今回は真ん中の5点です。見ててもう本当に何も無くて、このままだとかなり低い点数つけちゃいそうだったのですが…ランベールがレティシアの身代わりになった所。策略的な関係ではあったが長く共に暮らした家族への人情が垣間見えて嬉しかったのと…ルパンのお爺ちゃんの帽子のとこですね。祖父がこう切り抜けたのだろうと発想し、突破し、祖父の帽子を被り。お馴染みの曲のサビの部分にピッタリ合わせた演出は圧巻でした。痺れました。音楽ってすごく大事だと思います。上記2点のプラスが退屈さと物足りなさによるマイナスを押し上げて5点です。[地上波(邦画)] 5点(2020-11-28 03:43:57)(良:3票) 《改行有》

56.  貞子3D 《ネタバレ》  バケラッタのO次郎vsラブ・デラックスの山岸由花子&漂流教室の未来人。この映画から貞子が髪の毛で物理攻撃してくる様になる。キャラ立てとしては面白いけど、やっぱり貞子の武器は呪いであった方がいい。その方が神秘的だし。てか不老不死みたいな存在だったはずなのに叫び声で吹き飛ばされる貞子弱いなと思ったらついには石で撲殺される。ビクついて逃げ回っていた石原さとみがいつしか棒術を会得したりとツッコミが追いつかない。真田広之が必死に謎を追って解決したと思ったらまだテレビから這い摺り出て来たりと無敵を誇った貞子はどこへ。とどめはスマホ破壊であっさり降参と殴打に屈し過ぎだ。石原さとみ先生は健闘したが結局敗北したっぽいので強さの順列としては石原さとみ<貞子<同棲してた男のスマホ破壊攻撃、といった所でしょうか。そんな…僕達の無敵の貞子がこんな直接攻撃に敗れてしまうとは…てか動画なんてどのスマホでも見れるのになんでそれを破壊しただけで勝ててしまうの。  ちなみに漂流教室の未来人みたいな貞子が大量生産されたが、あれは憑代として井戸に投げ込まれた女性達のなりそこないの姿という事で宜しいのでしょうか。そう考えると気の毒というか悲しい。貞子本人はちゃんと橋本愛という美人に変化(へんげ)出来ているしそこまでしなくても良かったのにね。  あまりに評価が低く、期待値は限りなくゼロに近い状態で鑑賞したせいか、逆に楽しめました。でも一番怖かったのは物理貞子ではなく貞子のコスプレした刑事が唐突に自殺した所でした。なんか色々と訳が分からなくてそこそこ怖かったです。  ただマイナス要素も結構あるので、やはり高得点は付けられません。まずストーリーが無さすぎる。中盤までもう眠くて眠くて最後まで見るのに一苦労。我々視聴者は「呪いのビデオを見たら貞子に殺される」というからくりは知っている訳だ。てか知らずにこの映画を見る人はそういないだろう。なのにいつまで経ってもこのからくりの根源を解明・解決しようという方向に話が進まない。ひたすら疑い続けてた刑事がやっと重い腰を上げてくれるまで1時間以上を要する。1時間半しかないのに。要するに新鮮さが無いのだ。3Dありきで作ったのは分かりますが、日本ではジョーズ3Dの時代から何度かブームもあってそんなに新鮮な手法ではない。薄いストーリーを誤魔化せるほど豪勢な技術とは言えないのだ。さらに言うとなぜか日本では3Dがそんなに人気が無いらしい。世界的に3Dで広く公開されるアメリカの映画も日本だけは配給が全て2Dなんてのも結構ある。3Dを柱にしても喜ばれないのだ。この映画、公開当時は石原さとみが主演だからかやたらと番宣打って話題になり、レンタル屋に円盤が並ぶ頃には各店舗で大袈裟に貞子コーナーが設置されたりとかなり力を入れていたのを覚えている。果たして金になったのだろうか。  貞子のキャラも残念。断言します。貞子ってのは萌えキャラなんです。日本人は長い黒髪、白服、色白、細身の女が大好きなんです。個人的には太いのがエロくていいと思うけどそれはさて置き、貞子の黒髪は美の象徴であり萌え要素。夜目遠目笠の内なんて申します通り顔がはっきり見えないのも神秘的。それがどうだ、この映画で貞子は妖怪髪女にされてしまった。その悲しい境遇から呪いの念を人に向ける、これもまた同情ポイントであり、殺害方法も不明瞭で神秘さに拍車を掛けている。それがまさかパワー型の化け物と化すとは。うーん可愛くない。  それと石原さとみ。人気若手女優にイケメンと同棲してるという設定を付与するのはいただけない。男からも女からも共感されないと思うよ。教師という設定も、本来生徒を守るべき立場でそんな頼りないのはどうなんだと思ってしまった。  さらに残念なのがビデオ。その長い黒髪と並んで貞子のキャラを印象付ける代名詞の一つであり、その不気味さが面白いのに、何よそれ。何なのよそれは。「リング」のビデオってあれ訳分かんないけど実は一つ一つの場面に意味があるんだよね。今回のはただのニコ生じゃないか…まあ色々突っ込んだけどツッコミ入れて楽しむ映画なんだと割り切ればネタとして面白くはあります。[CS・衛星(邦画)] 5点(2019-07-26 08:01:17)《改行有》

57.  未来のミライ 《ネタバレ》 監督がご自身の息子の生態と、息子が見た夢に着想を得て作ったんだそうです。それは結構なんですが、この映画が不快に感じられる最大の要因が「小さい子供がいる親が陥る勘違い」にある訳です。俺の友達曰く、子供の泣き声なんて不快でしかなかったのに、自分に子供が出来たら全く逆になったんだそうです。泣き声ですら可愛くて仕方ないんだって。これはうちの母親もそうで、近所から赤ん坊の泣き声が聞こえてくるとわざわざ聞き耳を立てに行くそうな。子供の泣き声というのは人によって正反対の感じ方になるらしい。不快派or愛おしい派。これは当たり前なんです。子供の泣き声ってのはサイレンなんです。危機を遠くに知らせるためには極力癇に障る音の方がいい。一方、そんな不快な音ばかり聞いてたらみんなノイローゼになってしまう。だから心地良く感じる人も出て来るんです。よくネットで論争が起きるじゃないですか。子供の泣き声うるせえ黙らせろって人、またそういう人に対して忍耐が足りないだの文句を言う人…議論したって答えが出る訳がない。気になる人と気にならない人、二種類いなきゃ駄目なんです。子供の泣き声に慣れてしまった親や、気にならない人、あまつさえ愛おしくさえ感じてしまう人は、ストレスに感じている人の気持ちを理解しようとしません。ストレスに感じる奴が悪いおかしいと勘違いしてしまう訳です。しかし残念ながら、うるさいものはうるさいんです。理屈じゃないんです、これは。人として当たり前の生理現象なんです。サイレンなんですから。みんなしてああいい声だなぁ~なんて聞き耳立ててうっとりして居眠りしてるうちに死んじゃったらえらい事です。泣く側もどうにかして気持ちを伝えようと必死なんです。うっとりしてる場合じゃねえだろって子供も思ってるに違いありません。 細田監督がどっち派だかは分からない。うるさいなぁと思ったのか、愛おしいと思ったのか…少なくとも後半に至るまで何十回と子供の泣き声を聞かされて相当のストレスを感じた観客・視聴者が大多数いたはずなんです。細田監督は泣き演技が好きな人で、過去作にもたくさんの泣きシーンが出て来ます。好きなんでしょう多分。でもそろそろ苦手な人が多くいる事に気付いて欲しい。ちょっと多過ぎなんですよ。1作に1回くらいでいいから。ハルヒのアニメにエンドレスエイトってあったでしょう。同じ話を8回繰り返したあの馬鹿企画。劇場映画化で儲けようと企んでテレビ用に作っていたのを転用してしまったので穴が開いた話数をまんまエンドレスエイトで埋めた訳ですが、物には限度があるという事を分かっていないと視聴者にストレスを与えるだけになってしまう。ここはぜひ今後の参考にしていただきたい。 泣き声の話ばかりになってしまったが、他にも母親がやたらと神経質で口が悪かったり、父親の要領が悪かったり、雛人形のだるまさんが転んだ状態のアレもまるで笑えない。見ているこちらがイラつく要素てんこ盛りなのだ。なぜここまで視聴者をイラつかせる事に徹したのか。 もしかしたら意図的に視聴者にストレスを生じさせる事が目的だったのかも知れない。現にラストでああ良かったになる。よく泣いてたくんちゃんもミライも笑って終わる。ガミガミ怒って育児放棄してた母親も、無能の極みみたいな旦那も、笑って終わる。このままだと0点つけるんじゃないかと思って見てた俺も、あのラストで考えが変わったしね。ただね…どんな目論見があろうが、教材ビデオみたいなもんであっても、ちょっと長いよ。50分で纏まる様な話を100分かけて大半不快。育児のための教材ビデオだったんなら最初からそう言ってよ、見ないから。本来興行の目玉であるべき唯一キャッチーなキャラの未来の未来ちゃんがちょっとしか出て来ないし、とんだ肩透かしだ。サービスにパンチラくらいしてくれよ。誰に向けて作られた映画なんだ。これから育児しようっていう若い夫婦?ちょっと限定し過ぎじゃありませんかね…ひぃじいじがカッコ良かったのと、ラスト和んだので、大まけにまけて5点。それくらいは救われた。[地上波(邦画)] 5点(2019-07-15 02:54:27)(良:3票) 《改行有》

58.  ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章 《ネタバレ》 「第一章」と銘打ってしまいました。続編作るぞアピールした割には後先考えてない改変が見受けられます。まずそこが失敗。 興収が9億ですから、配収は5億くらいなのでしょう。役者の面子、CG、海外ロケも敢行し、まず10億はかけてるでしょうからまあ惨敗。DBや銀魂の大成功を鑑みればまずこれの続編は期待出来ないでしょう。せっかく実写ジョジョが実現したのに残念です。 てか、テンポが悪い。まずはこの一言。ひたすら間延びした感じでダレる。2時間の尺が必要だったのだろうか。長い原作を部分的にでも映像化した割には中身が薄いです。 かと思えば、このくだりは必要なのだろうか…と思わされるオリジナル展開の数々。山岸由花子は何のために登場したのだろう。数少ない美人キャラの一人であり、異常なほど強引ではあるが、女であり過ぎるくらい女っぽい。そこがまた個性であり魅力なのだが、ただ康一に宿題を課すだけって何なの。どうせ改変するなら康一を守るために戦うくらいの超展開は見せて欲しかった。 そもそも第四部はジョジョ全編の中でも格段ライトな雰囲気の異色作。主人公は表題に反して唯一冒険せず、杜王町から出ません。ごく普通の現代の町が舞台。朝が来て、ポットから湯気が出て、学生がたらたらと通学して…といったのどかな日常の中で事件が起こります。しかしこの映画は終始ホラー映画宜しく、おどろおどろしく暗い画面の中で進行する。現在放送中のTVアニメシリーズでは、第四部のOP「Crazy Noisy Bizarre Town」がやたらと明るくライトな曲になっていたのも、アニメ制作スタッフがこのジョジョという作品の魅力を十分理解し、その魅力をアニメに落とし込む事に全力を傾けているからこそだろう。その作品を纏う空気、雰囲気も大切にしているのだ。 原作者の荒木氏は長きに渡るジョジョのシリーズ中で最も好きなキャラに東方仗助を挙げている。あえて第三部までとは違う身近な日本の街を舞台とし、普通っぽい性格の若者を主人公に添え、ジョジョという作品の非日常性を日常に引っ張り込む事にこだわった。言わば第四部の最大の魅力は、日常に巣食う非日常、そのコントラストにあるのではないか。 聞けばこの映画、荒木氏ともかなりの協議を重ねたそうな。果たしてこの様に終始ダークな作品になると知らされていたのだろうか。 原作ありきの映画には二通りあり、①原作通り(原作を読めば分かる)→説明をある程度省けるというメリットがある。一方、②原作を歪曲する(初見でも分かる様に作る)→きちんと説明せねばならないという手間暇が必要になる。この映画はどちらにも振れていない。かなり歪曲しているのに説明不足なのだ。弓と矢が何なのかよく分からないし、シアーハートアタックも唐突に現れて何が何だか分からないまま消えた。原作を読んでいる自分ですら「はぁ?」である。 長いシリーズの第四部から突然スタートなのだから、この作品独特の設定(スタンドが何たるかとか)をそこそこ説明し、まずその魅力を初見の人に伝えなきゃいけない。そこをかなり簡略化して余分な会話と沈黙を挟み過ぎている気がする。もうちょっとテンポ良く進めればもっと色々と伝える事が出来たのではないだろうか。苦手な亀を助けるくだりもカットされたが、承太郎が言った「仗助の能力は優しい」を端的に表現する名シーンであるはず。 しょうがない、続編に期待…と言いたい所だが、ここまで原作を歪曲してしまうと、この先どうやって整合するのだろうという不安がある。あそこに吉良吉影が介入する意味が全く分からないし。吉良は女の体を自由にしたいだけであり、そんな自分の行いを隠す事のみに能力を使う。絶対にバレない様に周到に事を進めるのだ。遠隔操作ゆえ正確に標的を狙えないはずなのに、四人も入り乱れる場にシアーハートアタックを放り込むというリスクを背負ってまでたった一人を消して即退散したのが、どう考えても合点がいかない。肝心な大ボスの行動原理が第一章にして崩壊している。 原作と違うからといってそんなに目くじらを立てたくはないが、プラスを削ってマイナスを足した感が否めず、とても残念に思えてしまう作品。役者もいいし金もかけてるだろうしで、そんなにマイナスしたくはないにしてもまぁ4点くらい…と言いたいが、このレビューを投稿する時点で平均点がピッタリ5.00なのですよ。自分が4点をつける事によって真ん中より下にしちゃっていいのだろうか、このせいでまさかのまさかに進行していた企画がポシャったりしないだろうか…と、承太郎さんに弾丸2発渡された仗助宜しくプレッシャ~なのでここはファンである山﨑賢人さんの出演を祝して+1の5点としておきます。[地上波(邦画)] 5点(2019-04-18 01:28:54)(良:1票) 《改行有》

59.  メアリと魔女の花 《ネタバレ》 先に点を言う。5点だ。5点というと自分の場合、賛と否が半々な訳だが、今回は長くなるので酷評が大半となります。褒めるべき所はあるが、他の方々のレビューにお任せしたい。 何とも平坦に感じてしまう作品である。全く可愛くない猫と延々と行動を共にする意味も分からない。魔女だからって黒猫と行動を共にしなきゃいけないという固定概念を押し付けられている様で、総合的にこの作品からは新しいものを作ろうという気概が伝わってこない。 世界観とは登場人物がその世界をどう感じているかという事…なんて話を、とある人が語っていた。その時はピンと来なかったが、この作品を見て少し分かった、というかすごく重要な事なんだなと気付いた。メアリはこの家に預けられているらしい。親兄弟は全く出て来ない。この老婆が誰かも分からない。とりあえずメアリは退屈らしい。そこから何となく猫や人に出会い、花を発見し、魔法を手にし、空を飛び、魔法の世界へ…一連のくだりを見ていると、メアリがそれら事象と遭遇するだにどんな感情をもって接しているのか伝わってこない。表情が一定、うわっとか言うけどどう思ってるかも口にしない。感情の変化が伝わってこないから、見ているこちらの感情も動かない。我々はメアリと共に淡々と変化する事象の中に置かれているのみである。これでは感情移入も感動も出来ない。ピーターはのちに重要な役割を担うキャラなのだが、メアリがピーターをどう思っているかすら伝わってこない。とりあえず口喧嘩をし、とりあえずピーターが巻き込まれ、とりあえず約束したから助けなきゃと奔走し、とりあえずピーターが手にしてしまった魔法を利用する。そんな行き当たりばったりのために用意されたキャラにしか感じられないのだ。ピーターがどんな人物かもまるで描かれず、最初の印象で感じの悪い人物のまま話が進行してしまう事に大きな問題点がある。見ているこちらは何が何でもピーターを助けて欲しいと本来思わなきゃいけないんだろうに、残念ながらそうはならない。この作品のテーマ・期待は「メアリが魔法をどう使うか」と「ピーターの救出」以外に無いのだ。魔法によって世界が滅亡してしまう訳でもなく、魔法を背景とした切っても切れない大切な縁がある様にも見受けられない。そんな大きなものは担っていない。ならば何としても主人公メアリはまず「メアリなりの魔法の使い方で解決」しなきゃいけない。それが使い古された魔法モノを描く上での重要な個性となるからだ。そして「絶対にピーターを救出しなければならない理由」が発生しなきゃいけない。単に一緒に帰ろうと約束したからなんて軽すぎる。好感の持てる人物になってもらわないと、見ているこちらが応援しきれないのだ。ではどうやって救出したかというと、あろう事かメアリは切り札である花と本を奪われ、魔法を失ってしまうのだ。卓越した身体能力がある訳でもなく、動物を操る能力がある訳でもない。メアリには魔法しかないはずだ。魔法を失ってからのダラダラした展開は見ていて退屈を通り越してイラつきを覚えた。救出すべきピーターが目の前で変異し始めているにもかかわらず、敵であるはずのマダムと肩を並べておたおたしていてどうする。いつ魔法を取り戻すのかと期待していたら、結局ピーター自身の力で解決させるという何ともあっけない幕切れ。魔法なんていらないと言いながら魔法のほうきで飛んで帰る二人。この物語は一体何を我々に伝えたかったのだろう。テーマは何だったのだろう。「とりあえず頑張れ、付き合いの浅い人との約束でもきちんと守れ」って事なんだろうか。せめて愛するピーターを何としても奪還するという決意、心の叫びを聞きたかった。ひたすら流れに乗って、とりあえず約束を守るために奔走し、助けて帰還…という残念なあっさり感。猫の恩返しを連想した。ジブリ作品に例えるのは失礼だと思って避けようと思ったが、なぜ宮さんの作品が人の心を動かすのか今一度研究してみて欲しい。主人公達の「世界観」が生き生きと伝わってくる事に気付くはず。同じ引っ越しからの導入にしても、さつきメイと千尋の気持ちの違いはどう描かれているか。ただ表情や動きだけでなく、広い空の下で大暴れしながら優しいお父さんの明るい声が聞こえてくるか、狭い車の中に押し込められ母親の小言を聞かされるか。ジブリ双璧の傑作2編を並べてもこれだけ見事なコントラスト。そしてのちに起きる出来事に対し、抱くのは「期待」なのか「不安」なのか。そこからどう世界観は変化していくのか。見ている我々もそこに同調して感動するのだ。酷評しまくったが、アニメーションはよく動くし綺麗だし頑張ってるのでそこは加点したい。そんな訳で、大まけにまけての5点。[地上波(邦画)] 5点(2018-10-04 02:43:56)(良:1票) 《改行有》

60.  魁!!クロマティ高校 THE MOVIE 板尾はこういうノスタルジックなサプライズが好きなんだろう。こうした次々と押し寄せるマシンガン不条理モノは俺も好きだし喜べる。喜べるけど本作、特に後半は笑いには繋がらなかった。本来クロ高は不条理ではなくシュールが主役であるはずだ。不条理は弓矢で言う所の弓であり、異常者達による不条理に直面した正常な判断力を持つ常人達が額に汗を流し脳内で静かに突っ込みを入れて初めてシュールという名の矢が放たれる。それが笑いに繋がるのだ。「それはひょっとしてギャグで言ってるのか!?」に代表されるアレである。学園に突然半裸のミュージシャンが現れても、ゴリラがいても、簡素なデザインのロボットが鎮座ましましていても、それはあくまで笑いの準備段階、食材である。読者も神山と同じく頭の上に「?」マークが浮かび、その後の「なんだこいつら…どうしたらいいんだ」な反応で読者は大いに神山に共感し、安心し、初めて料理として完成する。それこそがクロ高のギャグのレシピなのである。一旦非現実に叩き込んでおいて、再び現実に引き戻すという面倒な段階を丁寧に踏まなければならない。前半は十分その様式美が発揮されていたが、後半地球防衛軍云々のくだりから神山達まで不条理の住民と化してしまい、脳内で静かに突っ込みを入れるのがプータンの視聴者だけになってしまった。原作の神山他常人はシュールさを引き立てるために終始同じ角度で難しい表情を保っている。本作でも出来れば神山達にはやや煽り気味の斜めからの角度で脳内突っ込みを入れて欲しかった。こうした原作者の、意図的に作り上げたであろう「クロ高ならではの型」の普遍性・重要性に制作陣が気付いていれば、アニメ版の様な高い評価が得られたのではないかと思う。受ける漫画というのはそこにしかない個性があり、魅力となっている。それが何なのか気付いてしっかりと再現する事も、映像化する側の重要な使命ではないだろうか。[地上波(邦画)] 5点(2018-09-16 00:44:49)

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