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【製作国 : 日本 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
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41.  インターステラ5555 不覚にも感動してしまった。ライブシーンの躍動感のなさに衝撃を受け、「大丈夫かこれ」と思いながら見ていたけど、陳腐なストーリーにDaft Punkの音楽が組み合わさるとなぜか感動が生まれる。Daft Punkの音楽が持つ力というものを思い知らされた。注目したいのは脚本もDaft Punkの二人が担当していることで、音楽業界の内部からキングコング的な業界批判と問題提起を起こす勇気は讃えられるべきではないかと。『Discovery』が二人が子供の頃から大好きだった音楽を全面に押し出したアルバムだということも重要。このことを知っているのと知らないのとでは味わいが違ってくる。[DVD(字幕)] 7点(2016-02-22 10:00:21)

42.  生きる 《ネタバレ》 ヒューマニズムが評価されることが多い作品ですが、お役所仕事を痛烈に皮肉っている点を私は最も評価します。葬儀シーンでの演出はお見事としか言いようがありません。確かに彼らは口だけだし、渡辺の影響などまるでなさそうに見えます。しかし、彼らの心には渡辺という男が死の間際に何を残したのかという記憶は残るのです。いつか何かのきっかけで登場人物の誰かが渡辺のように目覚めるかもしれない。それも人生の面白いところだというメッセージもあるのかな。[DVD(字幕)] 9点(2016-02-16 02:31:13)

43.  進撃の巨人 ATTACK ON TITAN 日本映画界では近年まれに見るグロ映画。映画業界で一人勝ち状態の東宝だからこそ実現できた企画でしょう。一秒前まで生きていたキャラクターが木っ端微塵になり、壁にたたきつけられて肉片になり、生々しく食われたりするグロさは評価します。私は、樋口真嗣にはドラマを演出する実力がないと考えています。フィルモグラフィーを見ればそのことは明らかです。最初からドラマパートの出来を全く期待していなかったため、グロい映画をスクリーンで観ることができたという満足感に満ちあふれ、正統な評価ができない状態にありました。 この映画を見てから半年以上がたった今、ドラマパートのクソさ加減が凄まじかったこと、かったるいセリフ回しに寒気がしたこと、アクション女優武田梨奈にアクションをさせなかったことの罪深さをようやく認めることが出来る状態になりました。ガッチャマンよりは遥かにマシです。見どころはあります。でもクソです。一本グソとビチグソくらいの差です。一緒くたに否定されるべきではないけど、流されるべき場所は同じ下水道でしょう。[映画館(邦画)] 2点(2016-02-11 03:14:06)《改行有》

44.  リアリズムの宿 《ネタバレ》 世界観がたまらなく好き。会話や編集の間がツボにズバズバハマったし、無言の力を思い知らされました。けだるい音楽もよし。二人の間の不協和音をぶち壊したリアリズムの宿、布団で交わした会話、ラストシーンの味わい。この映画を見終えた時の快感が未だに心に住み着いています。[DVD(字幕)] 9点(2016-02-11 03:07:01)

45.  切腹 《ネタバレ》 一切無駄がなく、見る人によっては痛快極まりない。上辺だけの見栄がいかに馬鹿馬鹿しいのか、改めて勉強させてもらいました。私が面白いと思ったのは、津雲と沢潟の対比です。決闘シーンでの戦術は前者が古風で後者が最新鋭のもの。これが意味するところは、現代社会の無知な武士道賛美に対する批判でしょう。明治維新で滅びるはずだった武士道は現代にも生きながらえ、本来の意味を全く無視して都合よく理解している人の多いこと。津雲は見栄ばかりで実態のない武士道の実体を暴露し、乱闘の末切腹することで、本物とはこういうことだと示したのです。真相を隠蔽する斎藤勘解由の惨めさは痛快!津雲がただ暴れまわるのではなくバックストーリーに重みがあることが本作の素晴らしい点で、そのエネルギーに圧倒されるばかりでした。本作のようなエネルギーに溢れる映画を見ることこそが映画鑑賞の醍醐味です。[インターネット(字幕)] 9点(2015-11-23 13:07:34)

46.  晩春 《ネタバレ》 映画とはこうでなくてはいけません。小津の演出はあまりにも個性的で他のどの映画にも似ていませんが、映画の本質を見事に表現しているシーンが有ります。親子で能を見物するシーン、彼らは一言も台詞を発しませんが、原節子の感情は痛いほど伝わってきます。映画とは映像で語る娯楽・芸術なのであり、セリフは文学や演劇のもの。原節子は父・笠智衆に対する不満を口にしませんが、明らかに不信感をつのらせ、苛立っているのがわかる。こういう演出こそ映画なのだと思います。映画界の異端者が世界中で高く評価され、彼によって映画の本質が描かれている。不思議なものですね。[DVD(邦画)] 9点(2015-10-20 22:11:14)

47.  クリフハンガー 《ネタバレ》 超軽装なのになぜか絶壁の上まで来れてしまった女性が墜落する冒頭のシーンは良かった。絶望感がヒシヒシを伝わってきて、「おっ、これはいいかも」と思ったんですが、それからはバカバカしくて…。なによりも悪役がバカ。行動・決断に明確な理由がないから全く納得出来ないし、どんな結末を迎えても「いや、それお前のせいじゃん」としか思えないんです。無駄に仲間割れして死んでいくし、スタローンの背中を撃ちぬけないし。スタローンは『怒りのアフガン』状態だから撃ちぬけなくて当然なんだけど、そもそもなぜスタローンを殺そうと思ったのか?『怒りのアフガン』見ていないの?[インターネット(字幕)] 5点(2015-07-30 05:35:59)

48.  東京オリンピック 中盤までずーーーーっと続くトラック競技でウンザリしてしまった…。 競技をブロック分けするのは当然なんだろうけど、それぞれの競技が持ち、市川崑が表現したかったであろう芸術性に偏りができてしまったように思う。また、その表現方法もスローモーションに頼りすぎではないか?[DVD(字幕)] 5点(2015-07-18 16:57:40)

49.  鉄男 TETSUO 《ネタバレ》 田口トモロヲと大槻ケンヂって似てたんだなあ… イレイザー・ヘッドとカフカの変身とゾンビ映画を足したような感じの映画だと思いました。イメージショットのインサートが多い上にセリフで語られるタイプの映画ではないもんだから、話を追おうとすると何がなんだかサッパリ。塚本晋也の源泉垂れ流しの映像世界にドップリと浸かりこむしかこの作品を楽しむ方法はないわけで、私はこの泉質が肌に合ったのでとても楽しめました。 映画を見終えてから思い出したのは『桐島』のこと。確かに橋本愛が『鉄男』を映画館で見てたら惚れるわ。[DVD(邦画)] 7点(2015-07-06 16:15:02)《改行有》

50.  用心棒 《ネタバレ》 時代劇だってのにピストルが登場するあたり、細かいことはどうでもいいからとにかく観客を楽しませる娯楽作をつくろうとして制作されたんだろうなあと思います。実際、とても楽しい。 桑畑三十郎は良いキャラクターですね!人間味がある。喧嘩を楽しそうに見物したり、酷い目にあった家族を逃したり。作り物なんかじゃなく、実在したのではないかと思えるほどのリアリティがあります。狂言回しで終わるはずもなく、しっかり痛めつけられるのが面白い。 また、観客と同視線で物語を見つめるという特異な役どころでもあります。半助が役人の世話をする滑稽なシーンを観客と共に観て笑い、丑寅の煙攻めを「面白そうだから」と観客とともに観て楽しむ。さらに亥之吉に見つかるかどうかというサスペンスまで、観客と共に味わうことになるわけです。実に面白い設定です。物語とともに味わった相手だからこそ、ラストの後ろ姿に威厳を感じるのかもしれません。 それにしても、物語の一番最後にサイコで滑稽なシーンを持ってくるなんて、何考えてんだろう?頭ぶっ壊れたオッサンが太鼓を叩いてると思ったら半助を…。飯屋も桶屋も三十郎も、誰も彼について触れることなく卯之助の捨て台詞に流れるなんて、何なんだ?崩壊した宿場のメタファーなのか何なのか。笑えたからいいんだけど、不思議だなあ。[DVD(邦画)] 8点(2015-06-16 04:25:35)《改行有》

51.  家族ゲーム 《ネタバレ》 怪作ですね。伊丹十三と松田優作の距離感のキワドさに笑い、家庭教師吉本と茂之の会話の間に笑い…。ここ笑いどころですよ!というこれみよがしなギャグはほとんどなくて、むしろギャグでもなんでもないシーンでずーっとニヤけさせられるような、不思議なコメディです。家族が向き合うことのない食卓の歪な存在感が象徴するように、本作はとにかく歪んでいます。弟が勉強を頑張るように慣れば兄が怠けだし、子供部屋に行くのにエレベーターを使ったり、その場所では音楽が流れているシーンでも映画上では音楽を流さなかったり、ニヤけた息子が母親に生理のことを質問しだしたり、伊丹十三の玉子焼きチューチュー…気持ち悪い!すべてをぶち壊すラストの7分間長回しは圧巻の一言。いつ松田優作が壊れ始めるのか、兄弟が便乗し始めるのかは繰り返し見なおさないとわからない。両親が3人の壊れた行動を無視しているからそういう「テイ」なのかと思ったら「さっきからなにしてるんだお前!」って、そりゃないよ!この家族壊れすぎ!母親は茂之の将来を案じる一方で若いうちに子供を産んでしまったことを後悔しているし、父親は「金属バット殺人が起こるから」という理由で子どもの教育に介入しないし、吉本は金を貰うためだけに茂之に勉強を教えていて、茂之はいじめてくる幼馴染への嫌がらせ目的で勉強している。まさに偽りの家族。家族ゲームに興じているだけだったんですねえ。これを見破って歪な食卓返しをした吉本は流石。…そういえば、レーザーディスクに付属されていた解説文では松田優作の無表情とバスター・キートンの無表情を重ねあわせる一文があったけど、それはいくらなんでも考え過ぎでは?[レーザーディスク(邦画)] 10点(2015-06-10 19:56:23)(良:1票)

52.  靖国 YASUKUNI 《ネタバレ》 メディアが報じない靖国神社参拝者の姿を観ることができたのは良い体験になったんだけど、ドキュメンタリーとしてはしょうもない。刀匠と監督の会話が成立してない時点で土台から崩壊してるんですよね。そこがキモなわけでしょ?本来なら靖国神社で撮影したビデオ映像だけで組み立てられるのに、わざわざ刀匠にインタビューしに行ったわけだから。そこが失敗してる時点で終わり! 某ラジオパーソナリティが指摘していたように、空虚な会話が連続することのほうがよっぽど靖国=日本人を象徴してる。面白い会話シーンが多かっただけに、やっぱり刀匠が邪魔なんだな。終盤の近代日本史と靖国の関係を意図のわからん音楽をバックに示す部分もいらん。会話に重点を置いていれば…。 本作中でハッとしたシーンは、謎のアメリカ人、台湾原住民の抗議、左翼活動家の若者がチョークスリーパーをかけられているシーン3つ。特に台湾原住民の抗議はキてました。通訳の男性の口がどんどん汚くなっていって、終いには自分の意見を語るだけになってしまうという。コメディとも受け取れる素晴らしいシーンだったんだけど、この素晴らしさを監督が意図していたかどうかわからん。ドキュメンタリーなのに監督を信頼できないのは痛すぎるでしょ。[DVD(邦画)] 5点(2015-06-04 01:26:38)《改行有》

53.  七人の侍 《ネタバレ》 非の打ち所が全くない脚本には敬服します。シーンの流れや登場人物の言動に全く違和感がない。一つ一つのセリフが重いですよ!観客に「なんだこれ?なんでだろ?」と一切思わせることなく話が進むので、3時間超えの作品とは思えないほど疲れない。どんな映画を観ても鑑賞後には疲労感が残ってしまう軟弱野郎なんですが、本作ではまったく…。すげえな。ヒーリング効果か! 話は侍探し、戦の準備、戦の三幕構成になっていて、それぞれに見せ場がしっかりとある。脇役だと思っていた人物がしっかり仕事をするなど、無駄の無さが目立ちます。なんというか、歴史ゲームの楽しさが詰まっているというか。人材集めに苦労しながらなんとか人数を集めて、百姓の統率を取るのに苦労しながら準備をして、そして大迫力の戦へと繋がる流れは、丁寧にプレーを進める信長の野望そのもの。弱小大名プレーの楽しさを映画で見せられた感じです。それでいて登場人物は全員がキャラ立ちしているからね!ゲームの何倍も面白いんだ。映画と区別がつかないゲームが話題になる昨今、ゲームが「面白さ」の点でどうしても映画を超えられないことを54年の映画が証明していたのです。 俳優の演技もまた素晴らしい!俳優と百姓たちの演技は置いておくとして、虜になったのが津島恵子と島村雪子の顔!島村雪子の出演シーンは1分も無かったと思いますが、3人の侍が覗き見する(観客が映画を通して人の顔を見るのと同じ行為である)時のドキドキの高まり方がケタ違いでした。火事に一瞬驚きを見せるも不敵に笑ってみせる。利吉が目の前に現れて驚き、燃え盛る小屋に戻る時の表情。後に明かされる事実も相まって、非情に印象に残る素晴らしいシーンを作り上げています。津島恵子のセクシーさも…あんな後ろ姿を見せられたら、そりゃ父親も普通じゃいられないよね。男にしてでも奪われたくないと思っても仕方がない。リアリティのある行動ですよ。 もう本当にすごい映画でした。本作より凄い映画に出会うことが果たしてあるかどうか?[映画館(邦画)] 10点(2015-06-01 00:00:58)《改行有》

54.  大いなる幻影(1999) 《ネタバレ》 セリフではなくシーンで語るタイプなので非常に疲れる。雰囲気とシーンの組み立てがオフビートでいい感じではあるんだけど、あまりにも断片的すぎて…。社会に溶けこむことができない二人はお互いに依存しなくてはいけない状態なのですが、ハルが仕事をしている気配はない。サチに経済的にも精神的にも依存しているのに二人の関係は良好ではないらしい。二人で遊びに行くとそこそこ楽しそうだけど常にすれ違っている。中盤からは孤独を匂わせるメタファーが頻出するようになり、なんだかよくわからない終わり方でさようなら。うーん、どうしたものか。[DVD(邦画)] 5点(2015-05-27 06:19:14)

55.  マタンゴ 《ネタバレ》 処女性・人間性の象徴である明子と食欲・性欲の象徴である麻美の奪い合い。弱い男は欲に負けて麻美を奪い合い、無事食欲・性欲を手にしたら今度は人間性も…ってそんな都合のいい話はなかったね、という話。あんまり好きではない。 思ったよりもキノコ人間が人間らしくてがっかりしたけど、特撮は良かったのではないかと思います。異世界感がありました。徐々にキノコが身体を支配しつつある光景は怖かったし、ラストのドッキリもいい感じでした。筋肉少女帯の『マタンゴ』という曲は「タバタバ胞子を振りまくよ」と歌っていたので、多分胞子にやられたんでしょうね。あの島に流れ着いたが最後、キノコを食おうが食わまいがキノコになるということか。[レーザーディスク(邦画)] 5点(2015-05-22 21:14:52)《改行有》

56.  その男、凶暴につき 《ネタバレ》 どいつもこいつもキチガイじゃありません。ガキです。冒頭から一貫して登場人物は子供っぽい。我妻も清弘もワガママで上司の命令など聞く耳もなく、吉成署長は出世の事しか頭に無く、我妻の同僚たちは喧嘩っ早い。頭で何も考えていないかのようです。結局、最後のセリフどおり「バカじゃない」連中だけが生き残り、あれだけの事件があっても街や組織は変わらない。最後にクローズアップされた女性のように、なにもしないのが一番利口だとでも言いたいような映画です。雰囲気が重く、中盤からは常に緊張感を伴うシーンが続くのに、ビートたけしは観客を笑わせにくる。アドリブセンスの良さが光っています。我妻の妹が輪姦されてるのに画面の奥ではゲイと短気な男の喧嘩が始まったり、全く必要のないシーンを混ぜてくる。この辺りの緩急はさすが天才芸人だなといった感じです。北野映画の中で一番好き。[DVD(邦画)] 8点(2015-05-14 02:47:34)

57.  大学は出たけれど(1929) 《ネタバレ》 サンデー毎日だけが残るような作品でした。田中絹代が田舎娘を演じたら右に出る女優はいないな、とかそんなところで、確かに12分の現存フィルムでも物語はきっちり成立しているんだけど、あまり面白いとは思えませんでした。不況だけど狩りにも大卒だ、受付みたいな「女仕事」はできるものか!と見栄を張るも町子があっさり仕事を見つけてきちゃった…良いですよね。でも、会社の社長ははっきり言って悪人でしょうよ!「苦労したねえ、その気合なら社員としてぜひ」じゃねえっすよ!これ美談じゃねえよ!主人公はあやうくバーで働く町子のヒモになるところだったぞ!こっちのほうがよっぽど皮肉が効いてると思うんですけど、部屋に飾られていたのはロイドのポスターですから、まあそっちになるのね。あんまり好きじゃないけど。[DVD(邦画)] 4点(2015-05-11 17:09:09)

58.  東京の女 《ネタバレ》 ちか子のもう一つの秘密が明かされないので、こいつ本当にヤバいやつなのか?と思ってしまう。打たれ弱そうで太宰治みたいな見た目とはいえ、弟を自殺させてしまうほどの衝撃があったわけでしょ?一連の耳打ちには。警察が職場にやってくるというのも…。共産党員が云々は置いておくとしても、底知れぬ恐ろしさを感じます。演出もまた良い。田中絹代が良一の部屋にやってきてからの照明の使い方はサスペンスホラー。江川宇礼雄の顔のせいなんだけど、ちょっと『カリガリ博士』っぽかったですね。影響があるんでしょうか?良一の葛藤が後半に生きていて、ちか子やべえ感に拍車をかけてますねー。素晴らしい。そしてラストシーンなんですが、あの号外はなんだったんでしょうか?たくさん伏せ字があって、未定稿みたいな感じでしたけど、これが共産党員という設定が抜け落ちた跡なんでしょうかね。こんな号外ではダメだよ…というセリフも、検閲のせいで思い通りの脚本を完成できなかったことを暗示しているのかも。…まあ、9日間で作った映画らしいので、その辺がどうなのかわかりませんけどね。小津安二郎のサイレント映画は退屈な作品が多いなぁと思っていたんだけど、これは面白かったです。おすすめです。[DVD(邦画)] 7点(2015-05-11 17:03:45)

59.  僕達急行 A列車で行こう 鉄道には全く興味ないし、「どうです?いい雰囲気でしょ〜和みますよね〜」という押し付けがましいオフビートコメディは大っ嫌いなんですけど、なぜか嫌いになれない。『の・ようなもの』に似ているんじゃないかと思います。『間宮兄弟』よりも許容できる雰囲気で、私は好き。新文芸坐で観た時、場内はガラガラだった。後ろの席に座っていたオッサンが鉄道ギャグで笑っていたけど、他はシーンとしていた。私も声に出るほど笑わなかった。でも、こういうのもいいんじゃない?ピエール瀧が実は手のひらサイズくらいの動物に容赦なさそうな優しい男を演じているのですが、彼の家での瑛太とマツケンのやり取り(正気を疑うパン)がお気に入りです。[映画館(邦画)] 6点(2015-04-27 05:39:14)

60.  ライブテープ 《ネタバレ》 とても楽しめた。70分があっという間でした。前野健太の曲が素晴らしい!とは思いませんでした(Sad Song以降の曲は良かった)けど、前野が胡弓使いと出会ってから瞬きすらできなくなってしまった。これはミュージカルじゃないか!と気づいたのです。路上パフォーマンスのライブテープであるという以上に、即興ミュージカルであるという点に心を奪われました。最初に胡弓使いが画面に登場した時、これはハプニングなのか?と思ってしまった。実際は演出だったわけですが、画面に登場する全ての人物たちも演出なのかもしれないと思い込まされてしまったわけです。インコースにストレートを2球続けられた後の外角球には手が出ないのと似た感じ。インコースを強烈に意識させられてしまったわけです。平気な顔で画面を横切る人、撮影を意識してニヤける子供、前野のギターにぶつかってくる通行人、その全てが演出かもしれない。あの日あの瞬間でなければ記録できなかった、刹那的なドキュメンタリー。撮影の近藤龍人の緩急のついた撮影も良い…『東京の空』でのカメラ回しはエンディングに相応しい。[映画館(邦画)] 9点(2015-04-12 08:37:06)

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