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性別 男性
ホームページ https://camuson.exblog.jp/
自己紹介 自分のブログに映画や本の感想文を書き溜めておりましたが、読まれることが絶無のため、こちらに出張しております。
もし興味がありましたら、弊過疎ブログにもお越しください。

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81.  のぼうの城 《ネタバレ》 でくのぼうにあやかり「のぼう様」と呼ばれる成田長親(忍城城主の従兄弟)が、城主不在時に石田三成勢に攻められるも、農民を味方につけて、あっぱれな戦をするという話です。ポテンシャルが高いのに色々と残念なところが多い作品です。素材はとても面白いです。コンピュータグラフィックス、特殊効果も頑張っています。堤防の決壊のシーンなどは素晴らしいです。しかし、演出面、脚本面でアチャーと頭を抱えてしまうところが多かったです。役者の演技力のデコボコ感が半端ないのですよね。軽薄で薄っぺらな色男の役柄を入れたくなるのは分かるのですが、成宮がとにかくへたっぴで。それを補える華や美貌やオーラがあれば良かったのですが・・・華がないのは榮倉奈々にもあてはまります。のぼう様役の野村萬斎も、序盤は演技過剰で、ちょっと見ているのがツラいです。長親が「のぼう」を演じているという劇中構造を考慮に入れても、ちょっと浮きすぎています。昔の「あぐり」の飄々とした演技が良かったので、どうしてこうなっちゃったかなと。終盤はさすがの凄味を見せつけてくれますが。三成役の上地は結構良かったです。冷徹な役がハマっています。山口智充も与えられた役を十分にこなしてます。鈴木保奈美も端役ではありますが、貫禄があり、見直しました。佐藤浩市はさすがです。あと、脚本の問題で、嘘臭すぎるというのがあります。泥まみれの農民が城に上がれるように、のぼうが泥まみれになるとか、農民の子供がおにぎりを渋るシーンとか、必要ないどころか、しつこいと思ってしまいました。その分を、リアリティや深みを与えるために使っていればなぁと。[DVD(字幕)] 5点(2023-03-03 19:38:17)

82.  生きる 《ネタバレ》 とある役所の寡黙な市民課長が主人公。癌で余命幾ばくもないことを悟り、これまで何も為し得ていない自分の人生を振り返り狼狽したり、無断欠勤して遊び歩いたり、心を入れ替えて市民のために仕事をしたりという話。お役所仕事(仕事のたらい回し)の風刺になっていて、時代劇が多い黒澤明の作品の中では異色の部類だと思います。しかしながら、時代を経て労働の質が大きく変化している中、さすがに今の時代では通用しないテーマだなと思ってしまいました(縦割りと責任回避はいまだにどこにでもありますが)。本来的には、喜劇的な要素をちりばめつつ、余命の限り市民のために奔走して仕事を為した男の生き様を示し、そういった仕事ができない現状(当時)に一石を投じているのだと思います。ですが、今になっては、単純化、戯画化が過ぎていて、わかりやすいのだけど、深みやリアリティがなく、なんか、すべてが喜劇に見えてしまいました。主人公以外の登場人物に苦悩がまったくなく、深く考えない大衆役を演じさせているのも、通り一辺倒でダイナミズムを感じさせません。結果、ちょっと説教臭い感じが目立ってしまいます。なぜ、主人公が人が変わったように仕事に打ち込むようになったかを、葬式の参列者が議論するくだりも、すべてが説明台詞になっていて、「癌であることを知らないはずなのに、なぜだろう?」などと延々とやってるのも、そらぞらしくて、何だかなと。映像作品としては丁寧につくられているので、昔の繁華街はこんな感じだったのねとか、飽きることなく楽しく見られました。[DVD(字幕)] 4点(2023-03-01 19:05:19)(良:1票)

83.  スワロウテイル 《ネタバレ》 本作は、公開当時はプロモーションがメディアを席巻していて、CHARAが歌う「Swallowtail Butterfly ~あいのうた~」は、切なく印象に残っています。2時間半を超える大作。東京に移民が押し寄せてきて、移民達が住む貧民街ができてと、なかなか、先見の明のある世界観。移民達は、中国語と英語と日本語のチャンポン語を話すという設定も、なるほどと思えるこだわりで、それぞれの役者が自分流のミックス加減で話しているのも面白いです。主人公少女伊藤歩とCHARAが好対照で良いし、男優人も、三上博史、江口洋介、渡部篤郎と、当時、旬の役者を惜しみなく使っていて、それぞれの役を堂々と演じていて好印象です。中盤までは、がっつり世界観を構築していて、なかなか頑張っているなという印象。その分、終盤の展開は雑な印象。移民社会と旧来社会との軋轢みたいな方向には行かないで、移民同士の抗争になってしまって、本人達は敵を倒してスカッとしたのかも知れませんが、見てる方としては、宙ぶらりんのまま終わってしまった感じです。マイ・ウェイ押しで、~あいのうた~がエンディングだけというのもちょっと拍子抜けでした。[DVD(字幕)] 6点(2023-03-01 18:42:23)

84.  私の優しくない先輩 《ネタバレ》 原作小説は未読。監督のヤマカンこと山本寛氏に対しては、京都アニメーション時代に「ハレ晴レユカイ」で、一大ブームを作ったのは評価してますが、その後は、アニメオタクを相手にした狭い世界で、炎上芸をやってる人、くらいの認識です。さて作品です。夢見る少女の独白形式で進んでいくのですが、説明過多で鬱陶しいし、いちいちつまらないんですよね。ラノベならよくあるパターンなのかも知れませんが、映画でこの形式は難しいなと思いました。内容が青臭いのは致し方ないにしても、キャラクターが漫画チックで、演出がわざとらしく品がないので、見ていて小っ恥ずかしくなってきます。少女の心象風景として宇宙を宙づりになるシーンは、効果的に面白くなりえたのですが、そのためには、もっともっと、他の部分で何気ないリアリティをさりげなく詰め込まないと、バランスが合わないし、追いつかないと思いました。[DVD(字幕)] 2点(2023-03-01 18:37:08)

85.  魍魎の匣 《ネタバレ》 原作既読。なんか全体的に、重要な部分が切り捨てられていて説明不足感がある割に、不必要な部分がくどい印象。ミステリ部分を大胆に切り捨てているのは、時間の都合上仕方ないと思いますが、本作品のイメージの核でもある劇中作、久保竣公の「匣の中の娘」を切り捨てたのは、作品の求心力が保てず失敗だったかなと思います。消化不良で、世界観の深みが出せないまま、結局は、ありがちなマッドサイエンティストの話になっていて、しかも、そのアジトを意味もなく破壊することで、随分と安易にカタルシスを得ようとしたものだなと。原作が、箱のような分厚い本に、色々な話が複雑に絡み合い、それこそ、みっしりと詰まっているのに対して、随分と薄っぺらく感じられるものだなと。部分的には、いいところもあるんですけどね。セットやロケーションなどの当時の景色づくりは、意外と頑張っていて、安っぽい感じはなく、いい雰囲気が出ていました。キャストは、堤真一の京極堂、阿部寛の榎木津、椎名桔平の関口などは悪くないと思いました。一方、宮迫博之の木場修と宮藤官九郎の久保竣公は安っぽくて残念でした。役者よりもキャラ設定や演出の問題で、同じ配役でも、もう少し何とかなったはずなのになと。あと、柚木加奈子役には、普通に美形な娘を選べば良かったんじゃないかと。浮き世離れした役で、演技なんてあまり関係なさそうなだけに。[DVD(字幕)] 4点(2023-02-27 20:58:12)

86.  リング(1998) 《ネタバレ》 鈴木光司の原作小説3部作の中でも、第1作のリングは、ホラー色が強く、遺伝子コピーによる生物の増殖モデルを電子媒体に適用するという当時としては卓越したアイディアと、それをホラー作品に仕立て上げた手腕に、読んでいて鳥肌が立ったのを今でも覚えています。原作がヒットしてから映画化まで、かなり時間が経っていたので、映画ヒット時は、ちょっと今さら感があって見そびれてしまいました。死者の驚きの表情が素晴らしいですね。呪いのビデオの静的な不気味さがなかなか良いなと思いました。原作ではもっと動的なシーンが含まれていたような気がしますが、むしろこれでいい気がします。例の貞子がテレビから出てくるシーンは、思わず笑ってしまいました。怖さという面では、正直どうかと思いますが、新たな萌えキャラ誕生という面では、エポックメイキングな出来事ですし、評価しないわけにはいきません。[3D(字幕)] 6点(2023-02-27 20:52:55)

87.  ザ・リング 《ネタバレ》 日本の映画版(1998年)がベースになっているようです。全体的に平均点を上げる努力はしているし、それは一定の功を奏しているのですが、肝心の部分で、これじゃない感が大きい・・・。日本の映画版に比べると、予算も大きいですし、役者も普通にしっかりしてますし、映像も格段に美しく、映画らしい絵作りです。ミステリの謎解き面では、時間の尺をたっぷり使っていて、良くできていると思いますが、手慣れた手つきによる、ありがちな作品になっています。一方で、肝心のホラー部分で、どういうわけだか角が取れてしまい、怖さがなくなっています。日本の映画版で最も評価できる表現だと感じた、死者の表情ですが、本作では、特殊メーキャップを頑張りすぎてしまっていて、リアルの範疇を軽く超えてしまっています。表情意外に目立った変化がないところが、むしろ肝なのに・・・呪いのビデオ内の映像については、日本版を真似た鏡の部分はいいとして、独自に挿入した映像が、アート作品になってしまっていて、おぞましさ、まがまがしさがなくなってしまいました。呪いとしての色が薄まってしまい、もろにミステリのヒント集というご都合ツール感が強くなってしまいました。電話の声を聞かせたのは失敗でしたね。地味にマイナスポイント高いです。腰砕けました。[DVD(字幕)] 4点(2023-02-27 20:48:56)

88.  オーディション(2000) 《ネタバレ》 序盤は、主人公の中年男に密着して、一人息子との二人暮らしの生活や、小さい会社ながらも経営者として働く姿などを丁寧に描写しています。社会的な地位はそこそこありつつも、特別偉ぶっているわけでもなく、恋愛に関しては純粋なところがあり、息子との関係も良好であり、小ズルい作戦を帳消しにする程度には、主人公に同情的に感情移入することができます。そして主人公が惚れてしまう女性。おっとりとした見た目ながらも、芯の強さが感じられる清楚系美人。よく見ればそれほど美人ではない雰囲気美人の塩梅が、なかなかリアルでイイです。後半はその女性の本性が徐々に露わになり、クライマックスに至ります。クライマックスの後に、夢落ちシーンを入れたのは、凄く良かったと思います。これはちょっとした発明なんじゃないでしょうか。[インターネット(字幕)] 6点(2023-02-25 17:52:00)

89.  GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊 《ネタバレ》 私にとってのこの作品は、廃墟での草薙素子による対多足戦車単独戦闘シーンに尽きます。自分は一体何者なのか?という疑問にとり憑かれ続ける鬱屈、答えを追い続ける孤独、解放への僅かな望みをかけた無謀行為。手足がはじけると同時に、こちらの胸も張り裂けました。ガラスの天蓋を撃ち落とすと光学迷彩が破れて戦車が姿を現す、生物の進化の歴史をあらわすレリーフが銃弾の穴で削られる、などなど、前振りの演出も密度が高く意味深なのですが、よくよく考えると、何の用途の建物なのかよくわからないですよね。哀愁漂う音楽も素晴らしいです。[ブルーレイ(字幕)] 9点(2023-02-24 21:44:26)

90.  クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲 《ネタバレ》 懐かしのアイテムが次々に現れるので、懐かしい感情も生まれるのですが、ちょっと表層的で、そこで終わってしまう感じで、面白いと思えるキャラクター、感情移入できるキャラクターが登場しないし、驚きやワクワクが感じられる展開もないため、物語世界に入り込むことができませんでした。子供が楽しむには知識・経験が足りないし、大人が楽しむには深みが感じられない。そう考えると、この話をクレヨンしんちゃんでやる必要があるのかどうか疑問ではあります。オリジナル作品として一からつくれば多少は良くなったかなと思いつつ、テレビで人気のクレヨンしんちゃんの、企画ありきのもので、そこを言っても仕方ないのでしょう。[DVD(字幕)] 3点(2023-02-24 21:40:07)

91.  地球へ・・・ 《ネタバレ》 いろいろと設定が練り込まれていることはわかりますが、あまりにも使い古された設定の組み合わせで、これといった目新しさが感じられませんでした。で、短い尺の中に、いろいろ織り込んだためか、結局何が言いたいのか、何で感動させたいのかがよくわかりませんでした。何より一番驚いたのが、金髪赤目のヘッドホンの人が一度も登場しないことでした。ソルジャーブルーと呼ばれる色違い(金髪ではなく青髪)の人が、最初の方でちょこっとだけ登場するだけでした。プロモーションと作品とのイメージ乖離が甚だしいのですが、どうしてそうなっているのか、とても謎です。作画については、劇場用のアニメなのでそれなりに丁寧につくられていて、当時としては十分なレベルだと思います。[DVD(字幕)] 3点(2023-02-24 21:36:16)

92.  Re:ゼロから始める異世界生活 Memory Snow 《ネタバレ》 これはファン限定のファンサービス作品。お屋敷周辺が魔法の影響で極寒状態になったため、みんなで札幌雪まつりを行うというもの。長期シリーズでいうところのフィラー回を、ファンサービス用OVAとして外出ししたわけですね。さらにコアファンのために劇場も準備して公開したようです。まあ、これだったら、いっそのこと温泉とか海水浴の方がよいかなという内容です。本編の展開とは関係ないので、作品に特別な思い入れがないのであれば、見なくても問題ないかと思われます。追伸:amazonのレビューによると、短編集2巻の「冷たいのがお好き」と「アルコール・パニック」の合体版とのことです。ちゃんと原作があるのな。[インターネット(字幕)] 4点(2023-02-24 18:22:49)

93.  シン・エヴァンゲリオン劇場版:|| 《ネタバレ》 「Q」から導入されたネルフvsヴィレの構図ですが、世代の分断をあまりにわかりやすく対決の構造にしてしまったのは、どうも作品の複雑な深みが削がれているところがあって、得策ではなかったような気がします(いろいろなせめぎ合いトレードオフがある中での選択なのは理解します)。ゲンドウと冬月の2人だけで、人手なしにこれだけのことができてしまうとなると、旧ネルフの存在意義っていったい何だったんだろうかと思ってしまいました。あと、冬月がゲンドウに付き合うモチベーションというか、冬月の正義は何だったのかなという疑問が残りました。ありがちな一人のマッドサイエンティスト(ゲンドウ)の物語ではない最後の砦が、冬月と碇ユイの存在だと思うのですが、そこの関係があまりはっきりしないまま終わってしまった感があります。碇ユイがマッドサイエンティストとしてぶっ飛びすぎてて、残されたゲンドウやシンジが割を食った感じすらあるのだよなあ。先見の明により人類(リリン)を救った張本人が碇ユイなのだろうけど。[映画館(字幕なし「原語」)] 8点(2023-02-24 17:53:31)

94.  僕のヒーローアカデミア THE MOVIE 2人の英雄(ヒーロー) 《ネタバレ》 オールマイトも人質になってしまい、代わりに雄英高校のコアメンバーがヴィランと戦い、事件の解決を図るというもの。見なくても本編には影響ない範囲で、無難に面白いお話になっています。雄英高校の登場メンバーがほぼコアメンバーに限られていて新味がないのと、ヴィランが地味なのが少し残念なところですかね。[インターネット(字幕)] 5点(2023-02-24 17:47:19)

95.  劇場版 呪術廻戦 0 《ネタバレ》 まず、作画は素晴らしいと思います。とは言え、テレビシリーズでも十分素晴らしかったので、そこは「期待通り」どまりですかね。主人公の乙骨憂太が思った以上に地味キャラでした。本作は、虎杖、釘崎、伏黒が呪術高専に入学する前の前日譚です。間接的に、本作に登場しないテレビシリーズにおける新一年生トリオは、キャラ設定や、相互バランスの面でかなり優秀だったんだなと、再認識させられた次第です。虎杖、釘崎が悪ノリでボケて、伏黒がツッコミを入れるというギャグパートが、ダークな世界観の中でいいアクセントになっていたのに対して、本作はギャグは少なめで、振れ幅が少ないというか。パンダ、真紀、狗巻、乙骨だと、パンダの負担が大きすぎるというか。その分、五条先生が空回りぎみというか。夏油が悪役の親玉で、その手下も登場するのですが、手下たちは、キャラ面でも、呪術的にも、それほど活躍がなかったような。敵の強さによる絶望感のようなものはほとんど感じられず、緊張感が少なめだったような。夏油の野望に至るまでの経緯や、五条との関係は謎めいたままで、里香がどうのこうのよりも、そっちの方が気になってしまいました。のちのち本編で謎は明かされていくのだと思いますが、単体作品としては、あまりすっきりしないところが多く、大きなカタルシスは得られなかったというのが感想です。里香のエピソードは、最初からとても悲しく、成仏したから救われるともあまり思えず、最後までただただ悲しい話だなと感じました。[映画館(字幕なし「原語」)] 7点(2023-02-24 17:43:10)

96.  夢千代日記 《ネタバレ》 先日、湯村温泉に宿泊する機会があって「夢千代日記」の舞台だったという知識を得たので、見ることにしました。評価の高いテレビ版はレンタルに供されていなかったので、とりあえずは映画版から見ることに。30年ほど前の作品ですが、小さな温泉街ながら、温泉客の宴会の相手をする芸者の置屋があって、演芸小屋があって、ストリップ小屋があってと、今の落ち着いた鄙びた温泉街の雰囲気からは想像できない、熱気と猥雑にまみれた昭和の臭気がプンプンしてきて、タイムトリップ感を楽しむことができました。こういった生々しい描写は、おそらくテレビシリーズでは難しいだろうと思うので、これはこれでいいと思いました。吉永小百合は、ちょっと、人間を超越したような風格があって、原爆による白血病で余命幾ばくかの置屋の女将兼芸者役が見事にはまっています。金が絡んだ男女関係、でも金では精算できない情念が渦巻く世界で、一人だけ孤高の世界にいて、作品の品格を支えている感じです。面白いバランスだなと思いました。テーマが温泉街に集まった女たちの人生の悲哀にフォーカスしているので、こうなると、原爆の話は背景設定くらいに押さえた方が良く、終盤で強調したのは、唐突感があって、しっくりときませんでした。[DVD(字幕)] 6点(2023-02-19 16:12:40)

97.   《ネタバレ》 松本智津夫が逮捕された後、教団の広報責任者として活動する荒木浩に密着取材したドキュメンタリフィルムです。タイトル「A」は荒木のAであり、オウム(Aum)のAであり、麻原のAでしょうか?荒木浩。そういえばいました。この四半世紀まったく忘れてました。登場するオウム信者で顔を知っているのは、この荒木浩ともう一人の眼鏡のおばちゃんくらいでした。マスコミの対応に追われる荒木の様子や、幹部の犯罪が明らかになる中でも、修行を続ける信者達の様子などを、編者による説明を一切加えずに、散漫につなげた感じで、世間を席巻した劇場型犯罪をテーマにした割りには、極めて地味目な作品。緊張感はないものの、懐かしさから、さほど飽きることなく見続けることができました。俄然面白かったのは、「転び公妨」の一連の映像です。私服の警察官が、オウム信者に口論を仕掛けて、信者が無理矢理振り切ろうとすると、体を当てつつ転んで、怪我したふりをして、公務執行妨害で逮捕するという手法です。ネイマールかよと。どれだけタイムリーに時代先取りしてるんだって話ですよ。信者の方も転んで頭打ったふりをしていて、エムバペかよと。あとは、マスコミ同士が揉めたりするところが少し面白かったのと、絵に描いたような地域住民ってのが、実在するもんなんだなぁというのと。全体的には、期待の割には、かなり薄めな仕上がりという印象です。あと、当時はあまり気にしませんでしたが、改めて思ったのは、仏教の教えに従い修行している割には、仏教にある凜とした清潔感がまったくなくて、貧相で不潔な印象が強いことです。宗教空間が持つ崇高な雰囲気や威厳のようなものには、無頓着だったんだなと。[DVD(字幕)] 5点(2023-02-19 16:06:29)

98.  カメラを止めるな! 《ネタバレ》 廃墟になった浄水場を舞台としたゾンビ劇です。とても楽しめました。丁寧に、わかりやすく織り込まれた伏線とその回収が素晴らしいです。わかりやすく、でもあまりわざとらしくなく、でも時にはわざとらしくのバランスが絶妙だと思いました。念入りに仕込んだ伏線がスピード感をもって次々と本来の姿を現していく中、主演の女の子が監督に恫喝されて本物の涙を流すシーンが、個人的にはクライマックス。仕込みの細かさ、巧みさに感動してこちらもいつのまにか涙が流れていました。しばらく面白いのですが、その後ちょっと1本調子になってしまい、もう一ひねり欲しかった気がします。あと、廃浄水場のロケーションが素晴らしかったです。地下に掘り込んだ吹き抜けの大空間とか、光の加減とか、上層に行くと大きなポンプが立ち並んでいたりとか、そこから両開きの鉄扉を開けると地上に繋がっていて、陽光で一瞬目がくらんだ後、草いきれと青空が飛び込んできて、地上の建物は、地下に大空間があるとは思わせない、ぱっとしない古びた低層建築物で、さらには屋外階段を上ると屋上に出られたり、その屋上も、真っ平らではなく、適度に複雑な形状になってたり。[映画館(字幕)] 8点(2023-02-18 20:19:27)(良:2票)

99.  浅草キッド テレビでのお笑いバラエティの台頭と演芸の町浅草の衰退。それを背景にした人々の営みが、ビートたけしの下積みから成り上がりまでの半生を通して、丁寧に描かれていて、特別大きな感動があるわけではないですが、じんわり、しんみりと充実感が得られました。「誰も知らない」の子役のあの柳楽優弥が、まさか後にビートたけしを演じることになろうとは・・・と感じ入るところがあるのですよね。主役の柳楽に限らず、他の配役も非常に面白いところを責めているなあと思いました。ビートきよしがナイツの土屋で、全然似せる気が無いのもいいし。大泉洋は安定しているし。今まであまり知らなかった門脇麦も魅力的でした。日本映画でコメディー的なものをやると、とかく過剰演技になりがちだけど、そうならなかったのは、人選から、町の再現から、丁寧につくり上げたところが大きいのでしょうね。お笑い芸人の自伝であって、いわゆるコメディーじゃないということもあるけれど。[インターネット(字幕)] 7点(2023-02-18 20:07:36)

100.  テラフォーマーズ 原作漫画は未読。コスチュームがちょっとダサ目だったり、漫画チックなキャラクターの味付けだったり、ハリウッド映画とは違うテイストを狙いつつ、そこだけに逃げずに、本格的なCGや特殊メイクを駆使して、真面目にエンターテインメントに徹していることに好感を持ちました。虫に変身した時が結構カッコいいのですよね。あのコスチュームは、人の素の顔だとアンバランスでカッコ悪いのですが、虫に変身してド派手メークになると、うまくバランスして気にならなくなります。変身時には、変身する虫の特徴が、ビデオゲームのステータス画面、アナライズ画面さながらに解説されます。能力のチョイスとフィーチャーは、かなりバカバカしいものながら、同時に虫博士的なトリビアも得られるという複雑な気分を楽しめます。ストーリー構成上もサプライズが適度に配置されていて、途中だれることもありませんでした。ゴキブリ進化形態の、ちょっととぼけた、へんてこりんな造形は、作者個人の悪ノリが許される日本の漫画文化ならではのところがあって、アメコミを映像化するのとは随分と勝手が違うもの。その何とも言えないおぞましい異質感は、今まで見たことがないもので、一定の評価を与えるべきだと思いました。[DVD(字幕)] 6点(2023-02-17 18:24:13)

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