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1. 哀戀花火
ちょっとの火も危険と靴を履き替えさせられる花火工場、なるほど、ここぐらいメロドラマの舞台にふさわしいスリリングなところはあるまい。女主人は視線をそらして絵描きに話しかける。愛の火花が散っては危険だからだ。でも番頭との間には摩擦熱も生まれつつ、あぶないあぶない。恋愛映画はスリリングなのである。恋の発生の危険が現実の発火の危険と重ねられる舞台設定が秀逸。しばしばメロドラマが戦争を舞台にするのも、危険が満ちているからだろう。でも無粋な爆弾工場より花火工場のほうがロマンチックである。ちょっと役者(とりわけ男のほう)が物足りなかったか。黄河の両岸からの花火合戦よりも、そのあとの煙のたゆたいが美しかった。[映画館(字幕)] 7点(2010-06-30 11:57:25)
2. the EYE 【アイ】
《ネタバレ》 ただ不鮮明な映像という手だけでも、角膜手術後の視界という設定を重ねれば、ある程度不気味がらせることはできる。ぼんやり見えているものが、本当に向こうにあるものなのか、そうでない別のものなのか。また、この主人公が視力を失ったのは二歳の時で、手術後も視覚で認識するということになじめず、つい触覚に頼ろうとその不鮮明なものに手を伸ばしてしまう、という設定。鏡像は手で確認できないということでその設定はイキたが、怖がらせるのにもっと使い道があったような気もする。一番怖かったのは、エレベーターにいた背中向けてるじいさんだ。西洋のホラーでは力強いものが身をそらし爪を立てて襲ってくるが、こちら東洋では非力そうなじいさんがうつむいて怖がらせるのだ。[DVD(字幕)] 7点(2007-10-27 12:16:12)(良:1票)
3. アゲイン/明日への誓い
サイゴンが主たる舞台だが、どこかで中国返還時の香港を重ねているような気がする。あるいはそう見てしまうのは、天安門事件後のあちらの映画にそう構えてしまうこちらのせいでもある。冒頭の学生デモシーンに異様に熱が入って感じられた。話の中身は男2・女1の友情と愛情の絡みにドンパチが重なるという、いつもの感じ。スローモーションはちょっと使い過ぎたが、窓から飛び出して看板を滑り落ちる、なんてのをもっとやってほしい。主人公たちと、悪の組織・軍・戦争などがうまくつながってないので「ドンパチごっこ」の感じがしちゃう。波瀾万丈のようでいて、印象は淡泊。穴を通した光があちこちに散る。最後、民衆を振り切ってヘリコプターに乗り込むところは凄味。[映画館(字幕)] 6点(2014-03-14 09:53:09)
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