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1. ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ/天地争覇
《ネタバレ》 -獅王争覇- 獅子舞の王者決定大会。
オープニングの、紫禁城での多人数の獅子の舞いが圧巻。主人公たちとは関係ないけど西太后も出てきて、タイトルに相応しい清朝の歴史が垣間見れる。フェイフォンとイー叔母との関係も進んだようで、そこにカメラの送り主のロシア人将校も登場し、フェイフォンの嫉妬、八つ当たりが可愛いと言うか、大人げないと言うか…
カンフーは特撮が増えてリアリティは減ったけど、鬼脚の動きは面白く、足技中心だけどカポエイラともまた違って『あんな拳法もあるんだぁ』って感心した。3つの流派の争いを止めるフェイフォンも、ゲームの“○○無双”みたいで格好良かった。
街中での獅子大会予選も大迫力。オープニングの綺麗な舞いとは違い、相手の獅子を攻撃する荒々しい争いは、獅子舞いの別な一面を見せてくれた。
怪我をした鬼脚とのエピソードも涙を誘うし、「アオラプユー!!アオラプユー!!」英語教室とか、前作よりコメディ色が強調されてきたと思う。イー叔母の表情も豊かで可愛らしい。キャストに愛着も出てきた3作目だけに、ただ眺めてるだけで楽しめて、本作が一番私の好みかもしれない。
イー叔母の「中国の未来は私達が決める!」西欧やロシアなどの列強国に良いようにされていた中国人のたくましさ、意地が感じられて格好良かった。
最後は獅子大会なんだけど、獅子舞いは予選でお腹いっぱい堪能したから、ちょっと食傷気味になる。
たぶんシリーズ鑑賞はここまで。歴史に沿った冒険譚として面白いシリーズでした。[インターネット(字幕)] 6点(2022-01-15 12:32:36)《改行有》
2. ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ/天地大乱
《ネタバレ》 -黄飛鴻之二: 男兒當自強-“黄飛鴻その2:男は自らを鍛え強くなれ” みたいな意味らしい。またこの映画の印象的なテーマソングのタイトルでジャッキー・チェンが歌ってる…そうだったのか。邦題は『熱き血潮』
フー役がユン・ピョウから別の人に変わり、イム師匠が総統役で出ていたりと、ちょっとこんがらがった。
イー叔母とウォンとフーの三角関係。「フー何してる?その役は私がやる!」って、なんかウォンが大人げないかなと。嫉妬して可愛いって見方もあるけど。
白蓮教教祖のクン大師、ノドに当てた刀を横に引くのは観てて怖い。前作のイム師匠を倒した銃すら効かないのは、強敵感も強く期待値が上がる。外国語学校の焼き討ちは、建物にお札をいっぱい貼ったり、死体が転がってたりと結構ショッキング。
白蓮教って実在したらしいけど、怪しい新興宗教感が強い。この映画が制作された'92年前後は、日本ではオウム真理教とか統一教会とかが話題になってた辺りで、香港ももしかしたら、そういう新興宗教がリアルタイムで話題になっていたのかもしれない。
ラン提督に見覚えあると思っていたら、ドニー・イェンか。ビュンビュンしなる棒術、布を固めて棒状にした武術は、迫力と美しさがあって見事だった。実際、後半の対決より、中盤の対決のほうが見応えがあり、カンフー映画の醍醐味に思えた。
後半のクン大師、ラン提督との連戦は、リアリティは無いけど観ていて楽しい。“香港のスピルバーグ”と呼ばれていたツイ・ハークの本領発揮で、当時の流行だったワイヤーアクションを多用した漫画みたいな戦いと、(恐らく)当時はマンネリ化で時代遅れになってきていた、本格カンフー映画を見事に融合させていたと思う。[インターネット(字幕)] 6点(2022-01-14 11:48:35)《改行有》
3. ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ/天地黎明
《ネタバレ》 -Once Upon Time In China-“むかしむかし、中国では…。”
黄飛鴻、実在の人物で、ジャッキー・チェンの酔拳(吹替版)で言うところの“ヒコウ”です。あちらがコミカルなカンフー・アクションだったから、こちらはタイトルのイメージとツイ・ハーク監督ってところから、ファンタジー要素が入った歴史ものかと思ってた。けど、どちらかと言うとこちらもカンフー・アクション映画だった。
西洋文化が入ってきた矢先の清の街、各国が入り乱れるごちゃごちゃした感じを再現したセットが良い。西洋らしいレストランの天井の手動シーリングファン。清らしい商店街の木製看板。宣教師のハレルヤVS清の弦楽器対決。独特の“火の用心”おじさん。
歴史ものっぽく始まるオープニングの龍の舞から素晴らしかった。爆竹を銃撃と勘違いしてフランス軍(?)が発砲なんて、まさに当時のあるあるネタっぽい。この時フランス兵笑ってるし、当時の諸外国からの清の扱われ方が出てるかなって。ウォンたちも撃たれた人より舞のほうが大事みたいで(脅されただけで死んでないのかな?)、その辺の価値観が興味深かったけど、特に掘り下げない。
イム師匠、自分の信念を貫いてるっぽく、道場破りまでは格好良かったけど、ウェンの手下になってからどんどん小物化して株を下げてしまうのが残念。最後の見せ場、梯子を使った戦いが素晴らしいだけに、格好良さを貫いてほしかったな。
提督「アメリカには本当に黄金があるんだろうか?」ウォン「アメリカに黄金があるなら、なぜ中国に来るのでしょう」ごもっともです。この時代(~清朝)の映画は、今のよく分からない中国でなく、私達が脳内でイメージする、いわゆる中国4000年の歴史が感じられる。この映画を見る限り、アメリカだ、イギリスだ、西欧各国が我が物顔で中国で好き勝手したから、色々嫌になって、今の中国になる道を選んでしまったのかと、そうも思えてしまう。
難しいことは抜きに、カンフー・アクション映画として楽しむのが良さそう。[インターネット(字幕)] 5点(2022-01-09 12:16:51)《改行有》
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