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1. アパートメント(1996)
モニカ・ベルッチがいつものファムファタール役で…と思わせておいてからの、意表を突く展開の数々が待ち受けており、なかなかに面白かった作品。今から見ると、キャスト全員が若い。モニカとヴァンサンなんて、ガリガリに細い。制作年代は90年代半ばで、予算の制約もあったのか、序盤の映像は日本のトレンディドラマを見ているようだった(あと中盤のすれ違いシーンも! こういうところはまさにトレンディドラマ)。映像のチープさに慣れてしまえば、物語がぐいぐいと動き出して面白くなっていく。
ただ、ツッコミどころは満載の映画である。まずヴァンサン・カッセルよ、さっさと東京に行きなさい。昔の女に会うためだけに、大口の国際取引をすっぽかす営業がこの世のどこにおるんじゃい(笑)。あと最後の最後で、もとのガールフレンドと空港でばったり会うって、どんだけの偶然じゃい。そういうアンリアルな場面が多いので、7点評価で。[DVD(字幕)] 7点(2020-05-05 20:42:07)《改行有》
2. アデル、ブルーは熱い色
同性愛やセックスシーンといったセンセーショナルな部分がクローズアップされがちだが、本質的には、実に文学的で、真摯で、普遍的な恋愛映画だった。
アデルとエマ、それぞれの親が出す夕飯の違いで、育ちの違いが見えてしまうのは、妙に切ない。
激しく惹かれあっているにも関わらず、育ちの違いや将来についての考え方の違い、若い二人には微妙でありながら大きなすれ違いがあって、それがやがて破局に繋がっていく。
現実の恋愛でもこういうのはよくあるよなぁと観て思った。好きになるのが異性だろうと同性だろうと、その部分は変わらない、恋愛の本質のようなものなのかもしれない。
燃えるような恋が終わっても、アデルの人生は続いていく。
その景色を映し出す為に、本作は3時間以上もかけて丁寧に丁寧に物語を積み上げていく。
妙な煽情性はなく、とても真摯で誠実な、観てよかったと思える映画だったと思う。[ブルーレイ(字幕)] 8点(2017-12-09 14:30:27)《改行有》
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