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1. バッド・エデュケーション(2004)
ペドロ・アルモドバルとしては、変わり者としてのゲイ、迫害される存在としてのゲイ(若しくは服装倒錯者、性同一性障害者等々)による相変わらずの物語を描きたかったんだと思う。しかし、あらゆることが許容されてしまう現在に於いては、既にそのテーマでは描けない。だから舞台設定を1980年にしたんでしょうけど、それにしたって古臭さは拭いきれてない。翌年には「ブロークバック・マウンテン」という「一般向け」のゲイの純愛映画も登場してくる時勢を考えると、余計本作が古臭く感じる。凝ったタイトルバックや独特の色彩を放つ美術は流石だし、ラテンの星・ガエル・ガルシア・ベルナルのドラッグ・クィーン振り(&寸止めブリーフ姿)も見ものでしたけど、肝心のサスペンスや哀愁は全然描けていない印象です、5点献上。[CS・衛星(字幕)] 5点(2006-10-22 00:06:00)
2. 裸のマハ
ゴヤの伝記ものや、スキャンダラスな「裸のマハ」の制作秘話みたいな映画を期待すると肩透かしを食らいます。あくまでも本作は、スペイン宮廷を舞台に繰り広げられる権謀術数を描くサスペンス映画。印象は、「真珠の首飾りの少女」を観るつもりで「危険な関係」を観てしまったみたいな感じ。しかも皆さんお書きの通り、大して面白くありません。基本的な物語は「誰がカイエターナ夫人を殺したのか?」というミステリーの筈なのに、話が解り辛くて全く「謎」に引き込まれて行かない。これは明らかに脚本の未整理が原因です。そんな訳で、唯一の見所の美術と衣装に3点献上。[CS・衛星(字幕)] 3点(2006-03-13 00:32:48)
3. パズル(1999)
「必然性」を無視して、ストーリーを組み立てないまま設定だけで脚本を書いた様な、全く物語の体を成していないスペイン製サイコ・サスペンス映画。製作サイドは「聖書絡みの設定も飽きてきたし、ロールプレイング・ゲームでサイコ・スリラーをやってみたら面白いかも?」程度にしか考えていない。とにかく、肝心要の犯人の動機がまずもって解らない。狂った犯人に動機なんか無いのかもしれませんが、狂人にも狂ってるなりに目的がある筈です。何の伏線も無く、全てが行き当たりばったりのストーリーでは、荒唐無稽な話を観客に納得させることなんか出来ませんヨ、3点献上。[CS・衛星(字幕)] 3点(2005-10-14 00:09:48)
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