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1. ブレッド&ローズ
ロサンゼルスのビル清掃業者(ビル管理会社)で働く南米からの不法就労者達の実態と、彼らの権利獲得までの闘争を描く労働運動映画。今現在の重要なテーマであるにも関わらず、内容が内容だけに、古臭い左翼系映画を髣髴とさせてしまうのが難点か。雇用主による不法就労者の扱いは不当には思えるものの、正規の労働者と同等の権利まで与えるのは、私には甘やかしにも見えてしまう。ま、こういう形での労働力が既に実体経済に組み込まれてることを考えれば、致し方ないのかもしれませんが…。私的には労働運動自体よりも、主人公の姉のエピソードが印象的。アメリカで地歩を築くのに地獄の暮らしを送ってきた姉。それでも祖国を後にする人間が後を絶たないんですから、問題の根は深いです、6点献上。[CS・衛星(字幕)] 6点(2005-05-25 00:08:59)
2. 葡萄酒色の人生/ロートレック
私は伝記映画は余り駄作にはならないと思ってますけど、極たまに「みすゞ」とか本作みたいな大変つまらない映画になることがあります。その一番の原因は製作者がテーマを絞っていない(絞れない)こと。偉人の生涯を描くこと自体にも意味があるとは思いますが、もっと大事なのは、人間としての偉人本人を掘り下げ、そこから普遍的テーマを表層に抽出することです。本作のロートレックは身障者として貴族(金持ち)の家に生まれた故、大変甘やかされた自堕落でつまらない小男というだけです。要するに唯の馬鹿。これはセットや映像以前の課題が疎かになってます、3点献上。3点(2004-10-05 00:16:35)
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