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1. 王様の耳はロバの耳
《ネタバレ》 カレル・ゼマンの傑作人形アニメ。ほとんど、と言うか完全にサイレント。ロバの耳を持つ一国の王様が自分の散髪をさせた床屋にその秘密を知られてしまい、何とか秘密を守る約束をしたものの、床屋は誰かに言いたくて堪らず遂に秘密は人々に知れ渡ってしまう…という話。サイレント映画の原則通り、映像で全てを語らなければならないので劇映画並の演出力が必要になります。王様の家来から手渡されたハサミに手斧を連想させ、その斧から処刑シーンを喚起させるまでの流れのスムーズなこと!また季節の移り変わりや犠牲になった床屋の数で年月の経過を表したりと、ゼマンさんはその辺のこともしっかりと心得ていたようではっきり言ってそこらの劇映画よりも良く出来ています。人形の造形は極めてシンプルで良く動く。同監督の人形アニメ「鳥の島の財宝」と同様、ちょっぴりシニカルで風刺の効いた良質な作品です。ただ直接的な描写は無いまでも、処刑シーンがちょっと生々しいので子供に見せるには覚悟が必要。[ビデオ(字幕)] 8点(2005-11-25 19:53:10)
2. 大通りの店
《ネタバレ》 ラスト数十分間がひたすら凄い。恐怖によって打ちのめされる主人公、あらゆる感情が入り混じっている。そこから生まれる葛藤と凄まじいまでの緊張感。しかしそれ以上に凄いのが肝の据わったおばあちゃんこと、イダ・カミンスカの迫真の演技。カンヌでの特別賞受賞、アカデミーの主演女優賞ノミネートも当然でしょう。ラストシーンの幻想性も忘れ難い。8点(2005-02-23 16:41:14)
3. オテサーネク 妄想の子供
《ネタバレ》 これは「イレイザーヘッド」や「ローズマリーの赤ちゃん」よりも怖い。泣き声を上げて暴れまわるオテサーネクの形相はこの上なくグロテスクなのですが、それでもどこか無邪気なオティークには愛着を感じてしまいます。・・・変態なんでしょうねぇ(苦笑)、ラストもお婆さんにやられたと分かってちょっと悲しかったし。映画の中のCMまでコマ撮りという、ヤン監督のこだわりが良いです。8点(2004-09-04 11:47:17)
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