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プロフィール |
コメント数 |
1047 |
性別 |
男性 |
年齢 |
30歳 |
自己紹介 |
とにかくアクションものが一番
感想はその時の気分で一行~何十行もダラダラと書いてしまいます
備忘録としての利用なのでどんなに嫌いな作品でも8点以下にはしません 10点…大傑作・特に好き 9点…好き・傑作 8点…あまり好きじゃないものの言いたいことがあるので書く |
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1. エレファント・マン
《ネタバレ》 トッド・ブラウニングの傑作「フリークス」を思い出す作品。
「エレファントマン」ことジョゼフ・ケアリー・メリック(ジョン・メリック)の人生を淡々と描いていく。
ファースト・シーンで女性が象に襲われるモンタージュ。この夢はメリックの誕生に関わる重要なテーマだ。彼を妊娠していた母親は事故に遭い、そのショックでメリックは全身に腫瘍が出来る奇形児となってしまった。
子供の頃は腫瘍もまだ大きくなく、普通に喋り一般の学校にも通っていたようだ。
それが成長していく過程で腫瘍が肥大化し、徐々に症状が悪化していく。
人々はメリックの姿を見て「奇人」だの「化物」だと罵り差別し、遂にはサーカスの見世物小屋で「エレファントマン」となってしまう。彼は偏見の目や傷つけられる恐怖で言葉も知識も封印してしまう。
そんな彼を、医者は好奇心と正義感から救おうとする。単眼の袋で覆われた“心の壁”を取り除こうと。
しかしメリックをサーカスに引き込んだオッサンは本当に不器用な人だ。
看護婦ですら悲鳴をあげるメリックの姿、だが婦長の献身的な介護や医者の熱心な語りかけでメリックは普通に喋るようになっていき、人間性を取り戻していく。
医者がメリックから“声”を聞こうとするシーンは熱い。視覚と耳に訴える。
メリックが聖書の件をする場面も良いシーンだ。院長がメリック“さん”と改めるのも。
「彼の人生は誰にも想像できないと思う」
メリックの苦労は誰にも解らない。どんなに解ったつもりになっても。我々は知り、考える事しか出来ない。
時折見せる寂しき横顔。メリックは右腕と外見の変わりに豊かな想像力と心を手に入れたのだろう。
メリックがスーツに身を包んで例の女優と語り合うシーン。彼女はメリックの“心”を見ているのだろうか。遂にはヴィクトリアの女王まで動かしてしまう。
彼の存在が認められる度に看守たちの嫉妬も大きくなる。人助けかエゴイズムか。
メリックはある出来事で再び心を閉ざしてしまう。それでもメリックの理解者でもある子供やサーカス仲間たちの協力。「俺たちみたいなのには“運”がいるんだ」
さらに駅での一件が再びメリックの心を呼び覚ます。「僕は人間なんだ!」
とりあえず婦長がGJすぎる。
再び平和な時を取り戻したメリック。彼が夢の中に見た女性は母親だったのだろうか?
彼は安らかに眠り、母親の元へと行ったのだろう。[DVD(字幕)] 9点(2014-11-16 18:20:28)(良:2票) 《改行有》
2. SOSタイタニック 忘れえぬ夜
ジェームズ・キャメロンは好きな監督だが・・・何故か「タイタニック」だけは惹かれなかった。
その理由がジャン・ヴィゴの「アタラント号」やロナルド・ニームの「ポセイドン・アドベンチャー」、そしてこのロイ・ウォード・ベイカーの「タイタニック」にある。
1958年に公開されたこの作品は、あくまでドキュメンタリー風のタッチでタイタニック号が沈みゆく姿を描いていく。
登場人物の描写は「タイタニック」よりも希薄だし、キャメロンの映像に比べるとこの作品は見劣りしてしまうかも知れない。
けれども、この作品は無駄なものが無く、船が沈むまでの人々の動静を克明に映像化した作品だ。
登場する船もセットも総て本物ではないのかという危機迫る映像、白黒画面の黒い映像がより沈みゆく船の恐怖を倍増させている。
死を前に人は何をすべきか?
最後まで船に残り最善を尽くそうとする人々の生きる姿。
善悪のあるドラマではなく、人間味のあるドキュメンタリーだからこそ極限状態の緊張感と凄惨な絶望感を肌で感じられると思う。
この作品の持つメッセージやドラマ性の方が、キャメロン版より圧倒的に上だ。
かつてキャメロンの「タイタニック」を酷評した淀川長治さんも、恐らくこの作品を見ていた事だろう。[DVD(字幕)] 9点(2014-05-08 20:56:41)(良:2票) 《改行有》
3. エイリアン
《ネタバレ》 人類と異星人(エイリアン)の最悪のファースト・コンタクトを描いた傑作。
単なるパニック物に終わらず、人類が宇宙に拡がっていく開拓という名の「侵略」。
「本当のエイリアンはどっちだ」という作品だ。
スピルバーグの「ジョーズ」におけるテーマと似ている。
人間が生活を拡げる過程において蔑ろにした自然。
住処を追われた動物は、やがて人々のテリトリーに「戻って」来る。
この映画のエイリアンは「侵略者」と呼ぶには相応しくない。
正しく言えば「報復者」と言っても良いだろう。
自分たちの領域を犯そうとする者への・・・。
エイリアンを「生物兵器」として利用しようとしたのは人間なのだから。
まあリプリーたちにして観ればとんだトバッチリだがな。
宇宙空間という「密室」、他の生命に寄生して成長する化物、逃げ場のない恐怖・・・一人、また一人消えていく命。
最初この物語は「群像劇」だったが、生き残った者がこの物語を動かす「主人公」となる。この二段構え。
そして仲間を殺された者が抱くのは復讐心・・・恐怖を乗り越える人間の恐ろしさと強さ!
終盤もまた「二段構え」の死闘。
作り込まれたセットと言い、今見ると時代錯誤な装置も巧みな演出で違和感を感じず楽しめる。
これぞ娯楽映画よ。
エレン・リプリーは好きなキャラの一人だ。
仕事を最優先にする傍ら、誰よりも仲間思いの熱い女性。
男勝りな勇気と行動力、悲鳴をあげながらもエイリアンと戦い抜いた気丈な女性像。
猫の「ジョーンズ」のためにもう一度戻って来る姿・・・そこに惚れた。
エイリアンに「糞野郎...糞野郎・・・糞野郎!!!!!」と言いながらダスト・シュート&止めの一撃!
女戦士エレン・リプリーの誕生である。
「テルマ&ルイーズ」でもそうだったが、リドリー・スコットは「ケツ」で女を語る。
良い女は尻もビューティフル。
二段構えのある映画は本当に面白いです。「駅馬車」しかり「黄金狂時代」しかりしかり。[DVD(字幕)] 9点(2013-12-29 14:34:30)(良:2票) 《改行有》
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