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1. リトル・ブッダ
《ネタバレ》 ベルトルッチが亡くなってしまった。
追悼の意を込め、自分が観られる範囲での、まだ観てなかった最後のベルトルッチ作品を鑑賞した。
カメラマン、ストローラとの最後のタッグ作品である。
これ以降、ベルトルッチは小作品(でもどれもスゴイ作品ばかりなのだけど)を撮ることになる。
見応え充分!嫉妬すら覚える、このブッダへのアプローチの作家的感性。
何十年に1人の逸材だろうなぁ。
観ながら、スコセッシがキリストの伝記を「最後の誘惑」で忠実に創ったのを思い出した。
さすがベルトルッチ、彼と同じようなアプローチはたどらない。
高僧がブッダの生まれ変わりの子どもを探し、3人候補が上がる。さて、一体どの子が・・
という話にしてしまい、それを観応えある映像で魅せる。
どの作品も好きだったベルトルッチ。
ただ才気あふれる彼も、自伝のような「ドリーマーズ」でだらしない性を描いた後、
遺作となる「孤独な天使たち」との間にかなりの時間が経っている。
闘病してたんだろうが、この間の彼の心が何を感じ、何を想っていたか、興味ある。
「孤独な~」を観ると、若い世代への信頼感が感じられる。
もう老境の域だったんだろうか・・
素敵な詩的な大監督、安らかにお休みください。[ビデオ(字幕)] 10点(2019-03-10 20:45:27)《改行有》
2. 旅情(1955)
《ネタバレ》 いい映画です。女性だけでなく、出会いを求めて、旅する男性もおるとですよ。バイクに乗って、あっちこっち行ったもんだ。結局、旅先のユースホステルで、映画青年に出会って、真夜中まで映画の話をしたもんです。それで思ったのは、一人旅する女性の多いこと。ヘップバーンも女性の同類に出会えば良かったんだ。そして賑やかに名所めぐりをすれば、地元の軟派男に翻弄されずにすんだものを。ラストの男のカッコ悪さに共鳴。よく分かる。軟派には軟派の流儀がある。それは相手を傷つけないよう、自分はカッコ悪い無様さを見せること。その意味でこのイタリア男は合格と言える。間違ってますか?この考え。[ビデオ(字幕)] 7点(2011-01-29 21:17:42)
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