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1. 英国王のスピーチ
《ネタバレ》 この映画を日本人が楽しむのはなかなか大変ではないだろうか。
期待が大きかっただけに、これが作品賞受賞作かと寂しさを感じもする。
話は極単純だ。吃音に悩む王子が、妻の愛や言語療法士のサポートを
得て、困難を乗り越え戦時下の誇りある国王に就任するまでを描く実話
ものである。
長男である兄が人妻との恋愛で王位を返上した有名な話を絡めながら、赤裸々な
王室の内情を描いてはいるが、何か表面的で、他民族が観て特別胸を衝かれるような
真に迫るシーンは私には見受けられなかった。役者も特別上手いとは感じない。
英国人の英国人のための映画、そのような印象である。
アメリカは何時までも英国と共にあるのだなと、尊敬する兄として遇するためには
アカデミーの一つや二つは御安い御用なのだなと、映画の質にこそ価値を見出すべきと
考える者には些か寂しくもなるのであった。
乱れ切った英王室を見るにつけ、我が国皇室が何時何時までも清く正しく美しくあって欲しいと畏れ多くも願わずには居られない。[映画館(字幕)] 4点(2011-03-25 00:59:20)《改行有》
2. アバター(2009)
《ネタバレ》 何とも勿体無い。観賞後の感想はそれだった。圧倒的なスケール。革新的な映像技術。細部まで見事に、完璧に再現された世界観。映像技術に関しては、エポックメイキングとなる作品であろう。物語最初の方、エイワの化身の海月のような生物が、主人公を祝福するシーン。映像の進化に、思わず息を呑み、感嘆した。その時、これは例えば『イントレランス』や『2001年宇宙の旅』と同じように、永遠に映画史に刻まれる作品になると確信したのだが、観賞後の感想は、ひどく裏切られたものになった。「仏作って魂入れず」まさしくそれである。何年か先には、他の多くのドンパチ映画の中に埋没してしまっているかも知れない。何とも勿体無い。しかし、3Dの映像体験は特筆すべきものだ。DVDに成るのを待って、など、旬の果物を腐らすようなもの。通常版ではなく3Dで観るべき。天と地とほどの差が有るだろうし、その体験をしに、続編が公開されれば、又観に行ってしまうかも知れない。[映画館(字幕)] 6点(2010-01-08 13:07:51)
3. ジャッカルの日
掛け値無しで最高のエンターテインメント。観ていると、いつしかジャッカルと自分を完全に重ね合わせてしまい、ドゴールは暗殺されはしないと知っているにもかかわらず、その成功を必死に祈ってしまう・・・ それも監督のただならぬ演出力と、何よりもエドワード・フォックス!!この映画を観て彼のファンに成らなかったら、節穴であろう。冷徹な、完全主義の男(デルフィーヌ・セイリグを始末してしまう抜かりの無さ!)を完璧に演じ切ったフォックスに何の賞も与えられていないのは馬鹿げた話である。97年版は愚の一語に尽きる。何も思い出したくない。10点(2003-05-26 01:10:31)
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