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プロフィール
コメント数 1047
性別 男性
年齢 30歳
自己紹介 とにかくアクションものが一番

感想はその時の気分で一行~何十行もダラダラと書いてしまいます

備忘録としての利用なのでどんなに嫌いな作品でも8点以下にはしません
10点…大傑作・特に好き
9点…好き・傑作
8点…あまり好きじゃないものの言いたいことがあるので書く

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【製作国 : イギリス 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
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1.  美女と野獣(2017) 《ネタバレ》 ビル・コンドンたちが「美女と野獣」にありったけの想いを注いだ力作。 コンドンが愛するジャン・コクトー版は一輪の薔薇による“呪文”から始まったが、本作も観客を一気に引き連り込む“呪文”から幕を開ける。 冒頭から純白のドレスに身を纏う黒と白のコントラスト・豪華絢爛な舞踏会。それを破壊するように雷鳴とともに現れるドス黒いクソビッ…ウィッチ(魔女)の恐ろしい魔法が人々に降り注ぐ。 ...まあ、改めて思うけどさ..。ちょっとやりすぎなんじゃないんですかね。王子は一体どんだけのことをしたんだよ。まああんだけケバいメイクしてたらそりゃ色々してきたんだろうけど(偏見)。ただ、そのちょっと濃い目のメイクが後々キいてくる。 雪が注ぎ続け春の訪れない、呪いによって身も心も閉ざされた城。片や新しい発想を異端視する村。それぞれの場所で思い悩む孤独な男女、二人を結びつける馬車の疾走、大悪党の御登場。 迷い込むのは、バラを掴んでしまうのは、泥水を撥ね飛ばし、女性のスカートを掴みながら迫り、酒場の人々の人心を掌握する大演説&剣戟をかますのは引き裂かれた人々をもう一度めぐり逢わせるために! バラが司る運命の悪戯、それを変えるために城中を動き続ける“召使い”たちの健闘。見るがいい食卓の上で大量の食器が渦を巻き迫り来る様を!必死すぎてそれだけでお腹いっぱいになるわ!プディング(食後のデザート)。 ロバが引き続ける“洗濯機”、狼の群が導く魔窟への侵入、灯を握りしめる石の腕、囁き蠢く家財道具、一人でに開閉する扉、お辞儀をする上着かけ、飛び跳ねながら紅茶を運んでくるティーカップ、人物や建物を映す鏡、行きたい所へ瞬時に連れて行ってくれる魔法の地図、飛びかかり脅迫する黒い影と角の恐怖、それに屈することを知らない“自己犠牲”。 コクトー及びゲーリー・トゥルースデイル&カーク・ワイズ版「美女と野獣」、さらにはジェームズ・ホエール「フランケンシュタインの花嫁」といったロマン溢れる作品群へのリスペクト精神、同性愛を思わせる描写もねじ込むこだわり。コクトーもコンドンも心は乙女だしな。 ホモは嘘つき、下敷きになった友人も冷たい一言を浴びせバッサリだ。そんな野郎に嘘を付くのが嫌になったら、ティーポッド片手に熱湯を浴びせ皿の雨を降らせ運命に抗う最後の叛逆へ!家財道具…いや己の肉体・未来・魂・存在ごとぶつかっていく大抵抗! 馬で駆けまくり伝える想い、騒動の最中に乗り込む“目撃者”、城の屋根から屋根へ飛び交う跳躍、一騎打ち、明けない夜との・夢のような時間との“別れ”。 我が子の顔も見れず、行方も知れぬまま“奪われる”瞬間の哀しみといったら無い。それが“再会”する瞬間の感動に、思わず泣いてしまったワケですよ。ズルいぞコンチクショー![映画館(字幕)] 9点(2017-06-06 04:28:08)《改行有》

2.  キングスマン 《ネタバレ》 ヘリの攻撃に始まり扉の開閉で締めくくられる死屍累々スパイ映画の快作。歴代のスパイものを彷彿とさせる遊び心と活劇性、そのエンターテインメントへの挑発もふんだんにブチ込む反骨精神。 「キック・アス」から本作でも描かれる親子・師弟関係・何処にも属さず己の道を突き進む強靭さ・復讐・乗り越えるものと受け継がれる意思。 ある者は自分を命懸けで救ってくれた者のために、ある者は自分に進むべき道を示してくれた恩師のために。 スパイという情報を集め、時に非情な選択を迫られる生きるか死ぬかの大仕事。どんな手段を使っても孤軍奮闘で目的を遂げようとするプロフェッショナリズムと魅力的な隠し武器たち。 洋服屋を重火器の詰まった秘密基地に、空を飛び交う飛行機が地上に留まり最前線基地に、酒を毒酒に、眼鏡を盗撮カメラに、傘を鈍器と射撃武器に、時計を麻酔に、指輪を電撃に、ライターを爆弾に、靴をナイフに、義足を刃に変えて全力で駆け抜けブッ殺し合う! ダイナミックお邪魔します&いらっしゃいませ一刀両断、盗んだ車で逆走チェイス、屋根から屋根へ飛び乗る逃走劇、傘で不良軍団フルボッコ、命懸けのスパイ養成学校、突然襲い掛かる水水水、犬に厳しいスパイ業界、犬に優しく裏切者にゃ容赦なし、壇上に飾られた“相棒”が覚悟を物語る、車を操るのは無駄な争いをさせたくないから。 教会から全世界、全人類、全性別が人種や言葉の壁を越えて殴り合う大スペクタクル!腕があったら取っ組み合い、木材があれば打ち下ろし、刃物があればドアを破壊し投げつけ、頭の中に爆弾あったら大爆殺!!!一体何回爆発すりゃ気が済むんだこの映画はっ!?(褒め言葉) ダイナミック不謹慎花火大会で俺の腹筋も木っ端微塵になってしまった。 鏡も人工衛星もブッ飛ばし、美女の穴の中にも潜りこ(ry 「ジェームズ・ボンド?ジェイソン・ボーン?」 「ジャック・バウアーさ」 夢も希望もなく生きていた不良少年が、生きる道を見つけたスーツに身を包むエージェントになっていく成長振り。エグジーが覚悟を決めた瞬間だ。でも根っこが変わらないところがいい。 スーツに返り血を浴びた後にその場で酒瓶を掴み女をくどきに行っちまうんだからwwwロキシーとのフラグなんてなかった。 あと訓練から裏方、ライフル抱えて援護射撃までこなすマーリンの頼もしさ&気遣い振りに惚れる映画です。[DVD(字幕)] 9点(2016-05-07 01:44:54)(良:1票) 《改行有》

3.  転々 《ネタバレ》 三木聡は「亀は意外と速く泳ぐ」も面白かったが、この犯罪の匂いがたちこめる、頭空っぽで楽しめる愉快なロードムービー&コメディも好きだ。 まずファースト・シーンからして面白い。 後ろから来た黒ずくめの男が、いきなり部屋の中の男の口に自分の靴下を突っ込む!その口に突っ込んだものを履くなwwwww 借金返済に与えられた3日という猶予、喋らない岸辺一徳、ジャギ→ジャイアン。 その辺をブラブラと歩いて談笑、ちょっとした事件に巻き込まれる、何時の間にか仲良くなる楽しさ、面白さ。 ところどころに笑いが転がっていて楽しい。 募金に対して「何で?」と思わず聞いてしまう。自分の身がヤバいというのにどうして他人に金をやらねばならんのか。 解っていても公の場で中々口にできない。でも思わず心の声が出てしまう。 靴ひも→鍵→鞄の中身は大金だと思った?残念俺だよっ!! 「人を尾行るのは面白いよ(ゲス顔)」 食虫植物に捕まったも同然。ワケあり借金取り、文字通り旅は道連れ(あの世行き)。 恋人たちとしょっ引かれるホームレスの対比、串をヘバりつける、落ちたオレンジをちゃっかり猫ババ、被写体を追うカメラ、ラベルで即興。 「歩道を自転車で通ってんじゃねえっ!!」  必殺ベル外し&車のオッサンも酷い二連コンボ。BBA涙目 崖の匂いって何だろうね。ダイナミックセクハラ。 福原「解せぬ」 性分(タチ)、サッカー、神社 理不尽キック、女房の自慢話、理不尽コイントス、バカ息子とラーメン屋、みんな家庭がうまくいっていない奴ばかり。 こんなとこでごゆっくりできるかっー! OL軍団、思い出なんて大嫌い、畳屋との死闘、「コスプレに年齢なし」、つげ義春「訴訟も辞さない」、残念コスプレは吉高由理子とチェンジで(吉高由理子がコスプレで登場すると思ったのに残念)。 ワニがいたら食われたい、ヤバいと解って応戦、月光変態仮面、美術家気取りの女、絵上手いね・でもちょっと待て、黒人のオッチャン涙目、ゲリラライブを演り慣れたギタリスト、警官「チッ」、何故か真似るオダギリ。 占いとバッタリ、ポスト「何だおまえは」、とんかつ茶漬け喰ってみたい、武闘派時計屋との死闘、立てつけとの闘い、トラックに飛び乗る謎のスリル、ハンガーで首を回す、うがいを飲むな。 ガラスに映るシルエット、女もパンツ一丁でキャーキャー走る(吉高由理子の尻!)、すき焼きとマヨネーズ、飯を食いたくなる家族団欒の空間。 ジェットコースターと記憶の中の真実、並木道を2人で歩いていく。 「私は若返りたくないんですよー」のやり取り。 優しい目で語りかける「じゃあな」! この男は本当に“やった”のかは最後まで明かされない。一体何がしたかったのだろう。そこが面白いし好きだ。[DVD(邦画)] 9点(2015-06-08 19:27:56)(良:2票) 《改行有》

4.  ウォレスとグルミット/チーズ・ホリデー 《ネタバレ》 本、本、本。大量の旅行本。行き先が中々決まらない、空っぽの冷蔵庫、チーズ探して「そうだ、月面に行こう」。 その発想はなかった。 ジョルジュ・メリエスの「月世界旅行」にも通じる遊び心よ!ヘルメットも宇宙服すらない。コックピットにトースターww ただチーズを食いに行きたいからという理由だけで危険な旅行計画を立ててしまう貪欲さ。食欲って凄いね。 設計図を描き、台にされ、ドリルに振り回されるグルミット。鋸を引いた後に釘を打つ絶妙なコンビネーション。 畑を真っ二つにして発進だ!しまった!クラッカーが無い!?そういう問題じゃねえっー!!勝手にスリリングにしてしまう発進直前のドタバタ。ネズミの一同もサングラスをして見送る。 先駆者が置いて行った月の番人との交流。コイン式、四次元ポケット、初めて芽生える憧れ。 番人「つれてってよ~」 ロボットおおおっ! 破片で月面スキー、めでたしめでたし(でいいのかなあ・・・)。[DVD(字幕)] 9点(2015-06-04 21:04:18)《改行有》

5.  ウォレスとグルミット、危機一髪! 《ネタバレ》 羊のシルエット、バイク、チーズ、ナイフ、振動。 トラックを食い破って脱走する者、追おうとする者、それを止める者。 ウォレスたちの朝になってやっとかかるいつものBGM。 レバーひとつで落ちたりクリームまみれになったり。バイクに乗るためだけにこさえる秘密基地。 謎の切り口、かじられた跡の数々、脚の下に現れる侵入者。侵入者は“不慮の事故”で裸に剥かれてしまう。条件反射で腕をあげて服を着てしまうウォレスに爆笑。 窓拭きは女に会うための口実、下水の格子に梯子の先を引っかけ、棒高跳びの要領で高所にたどり着く。そこに現れる番犬の不気味さ。グルミットの細首に手をかける“御挨拶”。 その謎を知ってしまったグルミットの追跡、ドアにはさまれた羊の毛、屋根裏に隠された真実。 人間たちを翻弄する番犬の悪党振りが凄い。犬の看板は「ペンギンに気をつけろ」にも登場、羊の洪水、グルミットはいつも一人で奮戦、偽の写真に羊たちも号泣。何コレ可愛い。 ウォレスも独房に“メッセージ”を差し入れる。でも羊の絵は嫌がらせにしか思えないwww クライマックスを飾る大追跡劇!羊とウォレスたちのアクロバットな曲芸、電線でもくたばらない恐怖、ネオンはSOS、サイドカーはプロペラ機にトランスフォーム、冒頭のクリームは機銃の弾丸となって撃ちまくられる、プロペラは風穴を空けるため、とどめのターザン! “去勢”されてまで飼い殺しに遭う罰。それを下した人間として共に生き、共に去っていく悲しさ。[DVD(字幕)] 9点(2015-06-04 21:03:12)(良:1票) 《改行有》

6.  ウォレスとグルミット/ペンギンに気をつけろ! 《ネタバレ》 ウォレスとグルミットの最高傑作はコレだと思う。30分弱にこの詰め込みよう、超高密度の傑作だ。 ヒッチコックタッチのサスペンスが展開される面白さ。 朝の朝食、家中に巡らされた線路、「キートンのかかし」を思い出すようなギミックにあふれた家。レバーひとつでなんでもできちゃう。 ベッドは跳ね上がり、穴に主人を落とし、ジャムは朝食となるパンに命中する。 自らおでましする“プレゼント”の恐怖演出。無表情の奥に隠された見えない恐怖が徐々に迫ってくる。グルミットはぞんざいな扱いに苛立ちを募らせ、嫉妬し、潔く諦め、反撃を開始する。 グルミットたちの耳は髪のようになびく。 良いも悪いもリモコン次第、散歩・掃除用ロボットに“追い出され”、他者によって犯罪に使われてしまう恐怖。ウォレスがグルミットにした仕打ちがそのまま返ってくる滑稽さ。 ロボットの上からズボンを履くなwww “プレゼント”の行動はどんどんエスカレートしていく。 二人を翻弄し弄び、下調べをし、手を摺合せ、拳銃を備え、手袋を頭から被り鶏の様なトサカで“変装”する。 グルミットの追跡シーンのスリル。カフェにコインを投げ置く仕草とかにこだわりを感じられる。路地裏、ナイフは覗き穴を作るため、巻尺は上に上るロープ変わり、一瞬眼が合ってしまう瞬間の戦慄、“PUSH”の文字。 “プレゼント”も他者を利用するとはいえ命懸けだ。 侵入シーンは緊張の連続だ。展示される同胞、四次元ヘルメットから飛び出す“手”、汗を拭きだして操作を行う焦り、剥がれそうな天井、寝ているウォレスがいつ起きるか分からない恐怖。起きたらいきなりビルの断崖とか怖すぎる。 クライマックスを飾る幽閉からの脱出と反撃が凄い! 階段のスロープから猛スピードで走る列車上でのチェイス!室内&列車上という二重の密室、西部劇さながらのアクション、電燈は防弾ヘルメットに、道は自分で作る! 動物園の檻は監獄のように不気味だ。“脚”も用済みとなれば、夕陽を背に自分の“脚”で立ち去っていく。[DVD(字幕)] 9点(2015-06-04 20:55:44)(良:1票) 《改行有》

7.  シャイニング(1980) 《ネタバレ》 この映画はホラーというよりは人間の潜在的な暴力性が時限爆弾のように炸裂する犯罪映画の一つ。 美しい空撮の冒頭、映像の美しさとベルリオーズの「幻想交響曲(断頭台への行進)」の重苦しい戦慄のギャップ。これから起こる惨劇を予期しているかのように鳴り響く。 血が濁流となって噴出すエレベーター、時折現れる双子の姉妹。断片的に流れる映像によって過去の惨劇が少しずつ語られる。 子供はおもちゃの車を突き動かしてホテルを駆け回る。その移動撮影の優美さは何なのだろう。 とにかくありとあらゆるものが緊張を異様に高める。日曜日が月曜日に変わるだけで恐怖。 ホテルの閉鎖的空間。先住民族の墓地に建てられたホテル、霊感のある子供とホテルの料理人、過去の惨劇。何百年と蓄積された残留思念。今まで良き父親であろうとした人間の抑圧された本性。 「私は大丈夫」と言っている人間ほど二の舞になりやすい。アル中から回復しかけでこんな仕事だ。 「どんな仕事でも良いから家族を養わなければならず仕事を選べない」という建前が余計に父親を苦しめる。冬にしては吐く息が白くならないのも気になる。この冬という空間すら彼らが見ている幻想だというのか。 仕事が進まない苛立ちでボールをブン投げて笑う狂気の姿、迷路で戯れる親子の姿を上から映す父親の視点。 妻と子供にはたっぷりある時間でも、仕事が進展しない父親にとっては余裕が無いのだろう。 父親は次第にバーにいる筈もない人々(幻想)や前の管理人と語り始める。そりゃあ美女かと思った瞬間にBBAに切り替わったら誰だって叫びたくなるわ。 前の管理人は狂いはじめた父親に「矯正」の話をする。それを聞いて「仕事」だと語りはじめる父親が恐ろしい。 ポパイのオリーブみたいな奥さん。髪を結んだ奥さんがちょっと可愛い。でも実は父親よりも奥さんの方が狂ってたりすんだぜ? 夫の潜在的な暴力に恐怖を感じはじめ、たまに大丈夫そうな父親との対比が強烈。どっちも狂ってる。奥さんですら無人の筈のホテルの住人を見始めるのだから。父の次は奥さんが子供を・・・何て事も考えてしまう。 迷路における追走劇。距離がハッキリしないのが良い。まだ大丈夫?それともすぐソバまで来てる?というこの“ハッキリ”しない混乱こそこの映画のミソ。謎が残るからこそ面白い。まるで猛吹雪の中で道に迷って死ぬようにも見える。[DVD(字幕)] 9点(2015-03-03 06:32:42)《改行有》

8.  ミニミニ大作戦(2003) 《ネタバレ》 ピーター・コリンソンの「The Italian Job」も洒落た逸品だったが、俺はF・ゲイリー・グレイの「Italian Job」の方が好きだ。 冒頭の金塊を奪うまでのシークエンス。階の違う得物をピンポイントで奪い去る緊張、裏切り、犠牲。ヴェネチアでの水上チェイス! 冒頭から穴という穴に得物を追い込んでいく。 その後に出会う凄腕の“娘”。小さくて可愛いミニ・クーパーSやアストンマーチン・V12ヴァンキッシュといった車が市街や地下鉄、下水道を縦横無尽に駆け巡るカーチェイス。 「マネーボール」やクリストファー・ノーランの傑作群の撮影を担当したウォーリー・フィスターのカメラワークを見よ! 小さな穴という穴を飛び越えるような楽しさ。それを追跡するバイクやヘリとのおにごっこ。 得物を狙うチームの絆も魅力的。ドイツもコイツも楽しそうな顔でマシンを走らせやがる。流石「交渉人」の監督だぜ。[DVD(字幕)] 9点(2015-01-15 16:56:14)《改行有》

9.  バリー・リンドン 《ネタバレ》 ほんとうに長くて疲れる映画だったが、見応えのある傑作だった。 やっぱりキューブリックの戦争映画にハズレなしだね。 決闘の場面からはじまるファースト・シーン。 イギリスの簡素な自然の美しさが、劇中の寒々しさをより引き立てる。 主人公の日常も“賭け”からはじまる。 「体の何処でもご自由に。勇気があればだけど(笑)」 ほほお~積極的ですね~。けしからんおっぱいしやがって・・・うらやまし(ry バリーもまた嫉妬と意地で決闘を申し出る。決闘の度に流れる淡々としたドラムロールが痺れるぜ。 若気の至り、だがバリーには若さと「もっと暴れたい」というエネルギーが有り余っていた。 追われる身となったバリーは紆余曲折を経て真紅の征服に惹かれ軍隊に。それにしても礼儀正しい追いはぎだ事。 馬も金もない、あるのはくいぶちを稼ぐために軍隊に入ろうという気力と覚悟だけ。バリーは七年戦争へと参加する。 血気盛んなバリーはどんな決闘も受けた。 殴り合いのシーンは「拳闘試合の日」を思い出す。 バリーと策士グローガンの友情、 軍隊としての戦い。 一斉射撃の様子は火を放つようだ。 別れは同時にバリーの生存本能を揺り動かす。 身分を偽り、 ささやかな交流、 嘘も方便、しかし嘘は次の地獄へとバリーを誘う。 バリーはどんな過酷な地獄も生き残った。 その本能が人脈や新しい絆を結んでいく。 兵卒から伍長、二重スパイ、そしてギャンブラー。バクチのような人生を送り続ける。 バリーは“取立て人”として剣の腕を振るっていた頃がピークだろう。 だがバリーは取り返しの付かないミスを犯してしまった。それは結婚相手を間違えてしまった事だ。公然と死が迫る人間に向って死の宣告をする大胆さと度胸、おごり。 ココまでは栄光に満ちた半生だが、後半はバリーが不幸のどん底へと堕ちていく。 バリーは女の本当の気持ちを知らなすぎたのだ。 つうかタイミングを考えろよコイツ。 重なる不幸はバリーの心も蝕んでいく。 ブリンドンの“戦線布告”は昔のバリーを思い出す。ブリンドンの覚悟は足りなかったが、バリーはその意気を買ってあえて身を引く。いや、昔の自分を見るような自己嫌悪だったのかも。 「ルドビコ」って「時計じかけのオレンジ」? とにもかくにも、ラストは暗い終わり方だったが美しい者も醜い者も今はすべて同じあの世なワケです。[DVD(字幕)] 9点(2014-12-31 22:07:47)(良:1票) 《改行有》

10.  風が吹くとき 《ネタバレ》 「スノーマン」もちょっぴり切ない話だったけど、この話も凄い切ない。でも、凄く良い作品だと思う。 コレが“コメディ”だと言われてちょっと驚いた。だって、確かにシェルターが簡素すぎて、政府の言う事を真に受ける姿はブラックだなあと思ったけど、二人が放射能で徐々に力尽きていき、ずた袋被って、互いに手を取り合うでもなく狭く暗いシェルターの中で静かに息を引き取っていくところなんてもう・・・俺さあ、子供ながらに泣いちゃったワケよ。 関係ないけど、何故かこんな事を思い出した。 いつだったかガキの頃、水の中で溺れた時があってさ。口や鼻に水がどんどん入ってくるじゃんか?それを水泳の帽子で顔を被って止めようとすんだけど、帽子は網目で水が止まるワケないのにさあ。子供ながらに必死だったよ。何でもいい、誰か助けてくれって・・・あれが死を感じるって事なのかな。 劇中の二人も、解っていても“何でもいいから”すがりたかったんだと思うよ。多分。[DVD(字幕)] 9点(2014-12-29 22:45:11)《改行有》

11.  アポロ13 《ネタバレ》 流石に最高傑作とまではいかないが、それでも「ライトスタッフ」を思い出すような素晴らしい映画だ。アレは宇宙に飛び立つまでの波乱、コチラは実際にあったアポロ13号が事故を乗り越えて地球に帰還するまでをリアルかつ、ドラマティックに描写した傑作! 打ち上げシーンの緊張、11号に続いて月への第二歩を刻む筈が、命懸けの帰還作業に。宇宙空間という密室、寒さ、酸素残量の低下、そんな中船員を襲う高熱など様々なトラブルが重なっていく恐怖。船員たちも苛立ちや不満をぶつけては、互いに生き残るために仲間の絆、人間としての尊厳を取り戻していく。地球の管制室から送られ続ける“命綱”も心強い。 宇宙船内の無重力描写も、何百回と撮影を重ねて作り上げたそうだ。流石ロン・ハワード。 解っていてもハラハラしてしまう恐怖、手に汗握る感覚。大気圏突入のシーンは空中分解でも起こしそうな勢い、不安が画面を奔る。[DVD(字幕)] 9点(2014-12-26 18:50:14)《改行有》

12.  ターミネーター 《ネタバレ》 キャメロンのB級魂が炸裂した“魂”の結晶。 「2」も最高だが、初代もやっぱ素晴らしい。 フィルム・ノワール、B級映画、アクション、SF、それにタイムトラベルの要素・・・突然現れる謎の殺し屋、それを阻む謎の男。 ヒロインのサラは「未来」を賭けた戦いに巻き込まれてしまう。それはけして逃れられない運命を変えるために。 女は未来のため、カイルと名乗る男は「過去」を守るため命を賭して。 カイルの説明を受けても、サラはいきなりそんな事を言われてすんなり納得できるワケがない。それに、カイルの説明を受け入れる余裕も無く「ターミネーター」という恐怖は絶えずやって来る。 かつてスティーヴン・スピルバーグが描いた「激突!」や「ジョーズ」に通じる恐怖との戦いがこの作品にはある。 もうね、アレですよ。 殺し屋が標的に引き金を引こうとする瞬間、謎の男がいきなりジャケットからショットガンを抜き放ちブッ放す! 右腕の風穴から聞こえる何かが軋む音・・・それだけで超ワクワクするじゃないか? CG未発達の時代に「え?コレ本物?造り物に見えねえ」と今でも凄いと真っ先に思う男がキャメロンだ。 子供の頃はひたすら怖かった殺戮兵器、今見るとキャメロンの血と汗の結晶。 そもそも「追い詰められた人類」って設定がキャメロン自身の境遇だぜ。 懇親の作品「殺人魚フライングキラー」の興行が振るわず絶体絶命(俺は色んな意味でキャメロンの最高傑作だと信じて疑わないが)、そんな中で製作が始まる「ターミネーター」。 「金も無い、時間も無い、どうしようどうすんだよ」ってキャメロンの追い詰められた鬼気迫る感情、 「もう後に引けねえ、どうせダメでもやるだけやってやらあ」というキャメロンの職人魂を激しく感じた。 サラとカイルの絡みは「タイタニック」何かよりもずっとずっと胸に迫る。 「絶対命を繋がなきゃならない、 死んでも私が(俺が)守ってみせる」・・・・そんな魂にガンガン響くものがあるんだよなあ、この映画には。[DVD(字幕)] 9点(2014-12-20 21:53:41)《改行有》

13.  プラトーン 《ネタバレ》 再見。 ロバート・アルドリッチ「攻撃」よろしく、本当の敵は無能な上司だということが刻まれた密林での殺し合い。 黄塵が吹く中をジープが、飛行機が滑走路を走ってくる。 輸送機から降りてくる若き兵士たち、傍らでは車が遺体を運搬している光景、先に戦っていた仲間たちの表情に刻まれたものは何か、疲労、憎悪。 やがて薄暗い密林を突き進み戦場へと近づいていく。いつ何処から敵が現れるか分からない緊張に包まれる。 蛇にも御用心、切り開いて進む、不気味な静けさ、仲間の無線は命綱、熱、嘔吐、肉体をかきむしる虫の侵入。歯を磨いたり朝ションをする平和な一時。 闇夜で炸裂し飛び交う閃光、生き延びるために必死に眼を見開き応戦する兵士たち。撤退、上官に殺意を抱く事件の発生、ヘリの視点で捉えられる地上を駆け抜ける者が撃たれ倒れていく姿。 主人公にとって“最後”の戦い。鋭い閃光が飛び交って暗闇を照らし、男たちは地獄を生き延びるために必死に戦い、走る走る走る。 復讐者は死闘の中でそれを待ち続ける。遺体は隠れ蓑に、味方ごと吹き飛ばす“援護”。 消耗しきった男を立ち上がらせるものは何なのか。仲間の生存?いいや復讐対象の生死を確認するために! ここは戦場だからな。バレなきゃ犯罪じゃないんだぜ?すべてを包み隠す密林…。 ブルドーザーで遺体の山を運ぶ光景はアラン・レネ「夜と霧」を思い出す。 主人公の戦いは終わったが、仲間たちの戦いや死はこれからも続いていく。空から見下ろす穴、穴、穴、人、人、人の群。[DVD(字幕)] 9点(2014-12-20 20:10:01)《改行有》

14.  父の祈りを 《ネタバレ》 英国の司法界史上最大の汚点とされるギルドフォード・パブ爆破事件と冤罪によって苦しめられた人々の姿を描いた作品。 刑務所と法廷劇が絡んだ作品といえばマーク・ロッコの「告発」もあるが、俺はこの作品の方が惹かれるものがあった。 爆破事故からはじまるこの物語は、1970年代の北アイルランドの騒動から幕を開ける。 定職にも付かず警察相手に挑発を繰り返す若者たち。 家族のために望んだ一時の天国、テロを疑われ一気に地獄へ。 IRA暫定派(アイルランド共和軍暫定派)は、イギリスにいまだ支配される北アイルランドを取り戻そうとテロを続ける。 標的な基本軍人だが、エスカレートするテロリズムは一般市民すら巻き込んでいく。 事件を何としても解決したい警察もまた、苛立ちや焦り、さらには事件を喰い止められない事によって世間の目が気になって気になってしょうがない。 焦りは冷静な判断を失わせ、狂気と化した警察は誤認逮捕が発覚しても隠蔽しようとする。 疑わしきは罰せよ・・・着せられた無実の罪。 世の中が腐れば、警察も腐る。その逆もしかりだ。 耳を引っ張るやつは凄い痛いんだよなあ。悲痛な表情が辛そうだ。 遂にはその家族にまで手をだし、マフィアのように「親を殺す」と脅迫までやってのける。 若者は「地獄に堕ちろ!」と哀しみと怒りをぶつけるが、届かない虚しさ。 やりもしない罪をでっちあげねばならない苦しみ、“妥協”が地獄から逃れる唯一の選択。だが、一度押された烙印は一生その人間を苦しめる。意思を貫くか、妥協するかは貴方しだいだ。 IRAのジョーの暴れ振りが凄まじい。火炎放射器まで作ってしまうのだから恐ろしい。そりゃ警察だってこんな奴いたらおかしくもなるわ。 彼らを救い出す騎兵隊は来なかったが、弁護士という名の救いの女神は彼らを見捨てなかった。 説得に次ぐ説得、迫る父の死期、父の息子や家族に対する祈り、「ゴッドファーザー」は父の死を暗示する、闘志が蘇る息子、法廷でまくしたてる迫力! 彼らはつい昨日の事のように過去を振り返るが、失われた時間と家族はけして戻ってこない。[DVD(字幕)] 9点(2014-12-12 11:32:28)《改行有》

15.  グランド・ブダペスト・ホテル 《ネタバレ》 ウェス・アンダーソンの現時点での最高傑作。 戦争、刑務所まで駆け抜けるスリルに満ちたコメディ映画だ。 ウェス・アンダーソンの映画には短編「Bottle Rocket」の頃から銃がよく登場するが、この映画も銃によって終盤は盛り上がる。 回想形式で語られるこの映画は、あるホテルの取材をする男と、その寂れたホテルを買収した男の会話、そして男はいかにしてこのホテルと関わり、買う事を決めたのか。物語は過去へと飛び、事の顛末を面白可笑しく、ちょっぴり切なく語り始める。 風景画のように美しくそびえる「グランド・ブダペスト・ホテル」。従業員としてホテルに配属されたゼロが出会う様々な人々。 とにかくこの映画、グスタヴの頭の回転の速さ、行動の速さで走って走って走りまくる。 グスタヴ支配人が口が超悪い上に84歳の夫人まで絶頂させちゃう紳士。何時の間にか逮捕されるわ絵をパクッちゃうわブタ箱にブチこまれるわ戦争に巻き込まれるわ大脱走するわ銃撃戦に遭遇するわで災難続きだが、人に対する恩はけっして欠かさない。 自分の従業員を侮辱する奴には恐れる事無く怒って守ろうとし、その恩が、人の縁がグスタヴを助けまくってくれる。 それに仕えるゼロも何時の間にか遺産相続の問題や時価数億の絵まで任されるわ雪山を猛スピードで滑るわ殺し屋を突き飛ばすわ恋人とバキューンッするわで色々ヤッちゃってます。一体いつから映画館はラブホ●ルになったんだっ! 絵を取り替えてしまう件は絵の破壊力も合わさって腹筋を持っていかれた。 アガサも自分のケーキで人助けにはなるけどあんな事に使われて複雑な気持ち。 ドミトリー側にしても、まるでオークションの競売でもするかのような雰囲気。金目当てで“家族”になる連中ばっかり。 猫も落ちれば殺し屋も若きカップルも落ちます落ちます。 洗濯かごはギャアアアアッ、修道僧の連係プレー、盗んだバイクで走りだす~、終盤の銃撃戦とサスペンス映画としても面白い。この辺は「生きるべきか死ぬべきか」の流れを感じさせる見事さ。 終盤のサクサク事が運ぶ部分は楽しく見ていたが、彼らの運命は画面が白黒になってまでしんみりと締めくくられる。列車にはじまり、列車によってまた。いくら金があったって、最愛の人が隣にいないなんて寂しいもんなあ。[DVD(字幕)] 9点(2014-11-30 05:36:07)《改行有》

16.  ストレイト・ストーリー 《ネタバレ》 デヴィッド・リンチは怖い映画が多いけど、こういうほのぼのとした映画も好きなんだよなあ。 村上龍、はまのゆかが組んだ絵本も良かった。 デヴィッド・リンチの真価は、「ツイン・ピークス」に代表されるように予算の限られた制作下で発揮される。 いかに低予算で人を愉しませられるか。リンチはその使い方と心の掴み方が上手い。 この映画は何せ芝刈り機でアイオワ州からウィスコンシン州まで行こうというのどかさだ。 隣通しとはいえ何10Kmも離れている。 これが実話なんだから凄い。 病気で倒れた兄を見舞いに芝刈り機だぜ?弟のアルヴィンじいさんも凄いけど、兄貴もスゲーよ。 冒頭の「ウ゛ッ」といって突き飛ばされたのはアルヴィン? アメリカの広大でのどかな農村風景。 道中で出会う様々な人々。 妊娠した若い女性やシカ事故で嘆く女性、機械に強いおっさんなどなど愉快な出会いばかり。 たまに酒で戦争の記憶を吐露するしんみりした場面も。 坂道を下る瞬間が怖いこと。 それまで兄貴が病で死なないかソッチの方が心配だけどな。 結構呑気だが、死んでも旅を終えようとするアルヴィンの男の意地を見せられる映画でもあるのよ。[DVD(字幕)] 9点(2014-11-16 18:35:09)(良:1票) 《改行有》

17.  エレファント・マン 《ネタバレ》 トッド・ブラウニングの傑作「フリークス」を思い出す作品。 「エレファントマン」ことジョゼフ・ケアリー・メリック(ジョン・メリック)の人生を淡々と描いていく。 ファースト・シーンで女性が象に襲われるモンタージュ。この夢はメリックの誕生に関わる重要なテーマだ。彼を妊娠していた母親は事故に遭い、そのショックでメリックは全身に腫瘍が出来る奇形児となってしまった。 子供の頃は腫瘍もまだ大きくなく、普通に喋り一般の学校にも通っていたようだ。 それが成長していく過程で腫瘍が肥大化し、徐々に症状が悪化していく。 人々はメリックの姿を見て「奇人」だの「化物」だと罵り差別し、遂にはサーカスの見世物小屋で「エレファントマン」となってしまう。彼は偏見の目や傷つけられる恐怖で言葉も知識も封印してしまう。 そんな彼を、医者は好奇心と正義感から救おうとする。単眼の袋で覆われた“心の壁”を取り除こうと。 しかしメリックをサーカスに引き込んだオッサンは本当に不器用な人だ。 看護婦ですら悲鳴をあげるメリックの姿、だが婦長の献身的な介護や医者の熱心な語りかけでメリックは普通に喋るようになっていき、人間性を取り戻していく。 医者がメリックから“声”を聞こうとするシーンは熱い。視覚と耳に訴える。 メリックが聖書の件をする場面も良いシーンだ。院長がメリック“さん”と改めるのも。 「彼の人生は誰にも想像できないと思う」 メリックの苦労は誰にも解らない。どんなに解ったつもりになっても。我々は知り、考える事しか出来ない。 時折見せる寂しき横顔。メリックは右腕と外見の変わりに豊かな想像力と心を手に入れたのだろう。 メリックがスーツに身を包んで例の女優と語り合うシーン。彼女はメリックの“心”を見ているのだろうか。遂にはヴィクトリアの女王まで動かしてしまう。 彼の存在が認められる度に看守たちの嫉妬も大きくなる。人助けかエゴイズムか。 メリックはある出来事で再び心を閉ざしてしまう。それでもメリックの理解者でもある子供やサーカス仲間たちの協力。「俺たちみたいなのには“運”がいるんだ」 さらに駅での一件が再びメリックの心を呼び覚ます。「僕は人間なんだ!」 とりあえず婦長がGJすぎる。 再び平和な時を取り戻したメリック。彼が夢の中に見た女性は母親だったのだろうか? 彼は安らかに眠り、母親の元へと行ったのだろう。[DVD(字幕)] 9点(2014-11-16 18:20:28)(良:2票) 《改行有》

18.  それでも夜は明ける 《ネタバレ》 スティーブ・ロドニー・マクインの現時点での最高作。 今まで黒人差別との戦いを描いた作品は数多くあったが、マクインのこの傑作は新しい歴史を刻んだと思う。 画面を覆う黒いコントラストの“闇”が、暗黒の歴史と向き合うソロモンの物語に一層の深みを与える。 麦の穂を狩る黒き人々、それを監視する白き人々。物語は奴隷農場?と思わしき場面から始まるかと思いきや、話は過去に戻ったり現代に戻ったりと行き来して全貌を明かしていく。 奴隷として農場を転々とする12年間・・・それでも「奴隷のプラット」ではなく「ヴァイオリン弾きのソロモン」として彼は戦い続けた。。 ところで、なんで間に本名の“ロドニー(Rodney ”を入れるかって? 俳優のスティーブ・マックィーン(Steve McQueen)とスペルがまったく一緒だからだよっ!! まぎらわしいんだよ、監督本人が何もしなくても配給会社が気を利かせろよ・・・と言いたくなる。 いちいち「黒い方のマックィーン」だの 「監督の方のマックィーン」だの 「マックィーン(監督)」だの面倒くせえんじゃボケえっ!!! どっちか知らない人は「あれ?こんなガングロだったっけ」とか 「こんな野球少年みたいな人だったっけ」と著しい混乱をきたすワケよ。 いやきたせよ人間として!(何の話だ) じゃあ“R”付ければマックィーンでも良いだろって? そうもいかないんだ。 何せスティーヴン・R・マックィーン(Steven R. McQueen)って人がいるからさ。 俳優マックィーンの孫にねぇ! 何で“ん(N)”が付くだけなんだよっ!せめて「スティーブ・マックィーン3世」とかもっと工夫できるだろうっ!俳優名を決める時点で考えてくれよ頼むから! オマケになんだ“R”って!? “R”なんなんだよ!? 単語を続けろよ! イニシャルだけとかナメてんのかテメえはっ!? ロベルト(Roberto)か? それともロバート(Robert)か? 父親はチャド・スティーブン・マックィーン(Chadwick Steven McQueen)なのに・・・何で孫の方はスティーブンが先なんだよ・・・。 というワケで、俺はスティーブ・ロドニー・マクインとしてこのロンドンはウエスト・エンド出身のイギリス人を応援していこうと思う(バイク大好きな方のマックィーンはアメリカのインディアナ州ビーチグローブ出身です)。[DVD(字幕)] 9点(2014-10-10 19:12:24)《改行有》

19.  インセプション 《ネタバレ》 クリストファー・ノーランによる傑作の一つ。 夢の中で「これは夢だ」と意識をハッキリ保つ明晰夢。 その世界を詳細な設計までして自由自在に操ろうとする正に夢見たいな映画だ。 脳味噌だけ生きてさえいれば、その世界で永遠に生き続ける事さえできる。 だが、現実は常に動き続けけして止まる事はない。 人の夢の中に侵入して記憶を盗むという企業スパイたち。 作られた夢の世界と二重、三重の階層空間。深く潜りすぎれば心が死んでしまう。 階層事に感じる体感時間の違い。 現実と夢の狭間で行き交う人々、夢から夢へジャンプしていく無限の世界観。 コブは自分の罪と失った者の事をズルズル引き連りながら戦い続ける。 妻のための“インセプション(植え付け)”が仇となる罪の意識、夢と現実の区別が付かなくなる恐怖。 夢の中の過去を断ち切らなければ次に進めない。 自分の都合で仲間を危険に巻き込む危ない奴だ。 世界の運命よりも過去との決別。 そんなグラグラなコブを献身的に支える古女房のアーサーがカッコ良い。 イームスのオッサンも隠れ武闘派で頼りになるぜ。孤軍奮闘して仲間を守り作戦を遂行する頼もしさ! CGを協力抑えてこれだけの世界観を構築してしまうノーランは凄い。 雪山のスキーと銃撃戦の迫力、夢の中は何でもありだ。 コブは現実に戻れたのか、それとも・・・駒はあの後止まったのか、回り続けたのか。それは解らない。[DVD(字幕)] 9点(2014-10-07 17:55:09)(良:1票) 《改行有》

20.  ラストエンペラー/オリジナル全長版 《ネタバレ》 ベルナルド・ベルトリッチの最高傑作は「暗殺の森」や「1900年」だと言われているが、やはり一番好きな映画はコレになるだろうか。 こういう歴史ものって退屈な映画が多いけど、コレは一切退屈しない、とにかく面白い映画だった。 最後の皇帝・溥儀の人生を描いた壮大な歴史絵巻。 セルジオ・レオーネの「ウエスタン(ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ウエスタン)」の脚本を務めたその壮大さ、そして溥儀をめぐる様々な女性の物語。 坂本龍一の音楽が彩りを添える。 列車、人の群、自殺を図る謎の男・・・どうやらこの男が溥儀らしい。 物語は、第二次大戦後に連行された溥儀の回想と現在が交互に描かれる。 授乳中に連れて行かれたり、幼い溥儀に説明する人間が説明後に絶命とか・・・どういうシーンなんだよ。 やんちゃ坊主な幼い溥儀は気味の悪い宦官共を遊び相手に退屈な日々を過ごす。 紫禁城で鬼ごっことかスゲーな。 中々乳離れできない溥儀。何あのプレイうらやま(ry イッキ飲みならぬインキ飲み。 この頃中国の支配を目論む軍とは見せかけの“共和国”。 生みの母親よりも育ての母から貰っていた愛情・・・「アーモ」と別れるシーンは不覚にもウルッとしてしまった。 知識を得ながら成長する溥儀だが、井の中の蛙は大海という外の世界では王でも何でもない。 だが溥儀は外の世界を見たくてしょうがない。 ピーター・オトゥールの大佐との日々は微笑ましく進む。自転車で走るシーンは印象的だ。 中佐の次は大佐ですか、出世しましたな“ロレンス”さん。(イギリス違い) 初夜のお相手は積極的にキスしまくりなモダン女性。シーツの裏でナニしてんでしょうね。 宮廷を追われる溥儀は関東軍と結託して満州国の王の座に。操り人形にされているとも知らずに・・・。 踊らされる溥儀、壊れていく女たち。 NTRしたドライバーを消すシーンは「暗殺の森」を思い出す。(アッチよりも短く、かつ過激に) 過去の栄光と現在の何もかも失った虚しさが重なる瞬間・・・。 ファックオフはコッチのセリフだぜ毛沢東のハゲ野郎!テメエが雀ブッ殺しまくったせいでイナゴ大発生で国民飢え死にだよクソバカヤロウがあっ!あの野郎には地獄すら生ぬるい。 だが、時代の波に流されてきた溥儀は少年に“コオロギ”を渡して去っていく。 自転車にはじまり自転車に終わる。つわものどもの夢のあと・・・。[DVD(字幕)] 9点(2014-10-05 04:39:48)《改行有》

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