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性別 女性
ホームページ http://ameblo.jp/cluttered-talk/
自己紹介 After shutting down my former blog, I'm writing some boring stories at new site. Anyone who's interested in, come along if you'd like to.

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【製作国 : イギリス 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
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21.  アガサ・クリスティー/謎の失踪 失われた記憶<TVM> 《ネタバレ》 これはけっこう拾い物と思う。 老女となってインタビューを受けるアガサ、発見後に催眠療法を受けているアガサ、失踪したアガサを捜索中の警視、さらにそれぞれの回想シーンと、まったく手の込んだ語り口で、複数の主体と時間軸で話を進める割には混乱もなくすんなり見られるのは見せ方やつなぎがうまいからであろう。まるでタペストリーのようだが完成されていてなんか手品のようだ。 アガサ・クリスティー、決してこんな美人ではなかったはずだ。なぜならこれだけ見た目が良ければ男がほっとくはずはなく、じっとり家で小説を書く暇なんてあるわけがない。だいたい書いたものを見るに人を見る目がシビアで意地悪。本人が美女ならこうはなるまい。 そういう意味では美人の俳優さんの起用によりアガサの人生が激しく水増しされているといえよう。 催眠療法によって徐々に彼女の心が解き明かされていくというなんとも興味をそそられる展開。あのギョロ目の怖いおっさんは一体なんなのか、という好奇心。もうぐいぐいひっぱられていきますね。こういうのに弱いんです。 ギョロ目のおっさんの正体については最後まで明かされないのだが。アーチーが階段を登って来たシーンにかぶせたところから考えるに、べつにビューティフルマインドのナッシュの見たような幻覚ではなく、「不吉な予感」を視覚化したもののように思いますが。 これだけお膳立てして気をもたせておいて、蓋を開けてみたら旦那が浮気して離婚を迫られた、というだけのことだったんですか、それがちょっとなあ。もっと突飛な解釈に走ってもよかったのではと思う。最後の方がバタバタしておざなりな感じがするのも惜しい。 でも全体としては隠れた名品と思います。[DVD(字幕)] 8点(2006-09-26 22:20:29)《改行有》

22.  ゴスフォード・パーク 殺人ミステリーにひねりを加えたやつが撮りたかった、という監督。 殺人ミステリーには全然なっていないけれど、なんとも重厚なできあがりとなった。 殺人ミステリーでなければなんなのかいえば、もちろん重厚さをかもし出すモトとなったザ・階級社会なのだった。 ご丁寧にエンドロールのキャストまで、主人と使用人が別になっているというこの凝りよう。 このところ「オーメン」は見るわ「エニグマ」は見るわ井形慶子は読むわでどうにもイギリスづいているのですが。 実は第1次大戦が終わって第2次世界大戦が始まるまでの間のイギリスの不労階級と使用人の織り成す生活というのは、私にとってはどうにも懐かしいものなのであった。もちろん自分がそうだったからではなく、ミス・マープルとかエルキュール・ポワロの読みすぎのためである。 アルトマンという人はほんとにパーティが好きなのね。ごちゃごちゃ人を集めて撮るのがいいわけですね。「ウェディング」ではそれほど使用人に重きが置かれている感じはしなかったですが。 ここでは「上」と「下」に水と油のように分かれている階級生活が余すところなく描かれる。 手練のアルトマンは、もちろん階級社会の「是非」を問うような無粋な目線で撮ってはいないが、なくても話が成立するのに意識して「不安定要素」を入れている。小金持ちの「平民」の娘と結婚した貴族のカップル、役者修行であることを隠して使用人のふりをしたアメリカ人、ディナーをサーブしているときに思わず旦那様をかばって対等の口をきいてしまったエルシー。わざと「水と油」の境界が揺らいでいるところを見せる。階級生活を営む人々にとってはさぞかし「地震」のようなものであろう。 全然ミステリーでないまま「階級生活はかくあるのかすげーなー」「井形慶子の言うとおり、塗りすぎてドアにヒビ割れがしているな」「貴族は女と金のことしか考えてないのかやっぱり」などと思っているうちになんとなく終わってしまう。そしてそして。 ああジェレミー・ノーザムの弾き語りのすばらしいこと!どうやらクリストファー・ノーザムという人の手が入っているらしいのだが、なんというタレントフルな家族なのかしら。またエンディングの歌のすばらしいことといったら。これがイギリスの田園風景にかぶるわけですからもう、ダメ押しされたようなもの。KO負けです。こんな芸まであったとはノーザム、顔だけじゃない。[DVD(字幕)] 8点(2006-09-09 23:17:56)《改行有》

23.  オーメン(1976) 《ネタバレ》 「信じられる事柄以外は除外する」という方針の勝利と思う。ダミアンは超常現象も起こさなければ、乳母も魔術を使うこともなくただ「ドアを開ける」とか「肉弾戦で闘う」というひたすら人間的な活躍に終始する。悪魔崇拝していたと思われる神父たちの儀式場面など全く見せないところも洗練されている。それらは観客の想像力に任されている。 世の中には時々信じられない悲惨な事件が起きるが、通常人々はことが済んだあとで新聞の活字や、TVのニュースキャスターの口からその事を知るだけだ。たとえば「オーメン」のストーリーが実際の事件だったとしたら、「駐英アメリカ大使は妻子を伴ってイギリスにやってきた。妻のキャサリンは慣れない土地で育児ノイローゼになり、自宅で偶然の事故にあったことにより、錯乱して病院の窓から飛び降り自殺。妻の死にショックを受けた大使は精神に異常を来たし、妄想を抱いて子供を殺そうとしたが駆けつけた警察に射殺された」という3行記事に成り得る。これに対する普通の感想は、「まあー、なんて悲惨な事件でしょう。エリートなのにそんな妄想を抱くなんていったいどうしたことでしょう。」というものだ。その3行記事をある方向に膨らませて肉付けし、「もしかするとその3行記事の内幕はこういうことだったかもしれませんよー」というのがこの映画で、観客は「暴露話」を見ているような錯覚に陥るのであった。巧みである。 また、「死」の場面の挿入の仕方もうまい。「これ撮るの大変だったんだよ、うまく撮れたよなー。せめてここも入れちゃえ」という気持ちをあくまで抑えたみごとな編集。低予算とは思えない丁寧な作風である。[DVD(字幕)] 8点(2006-09-09 11:59:56)《改行有》

24.  ベント/堕ちた饗宴 《ネタバレ》 これってマトモにシナリオだけ見ちゃったりすると、その場で死んでしまいたくなるような悲惨な話なのよね。ほんとは、誰かと一緒に見たほうがいいくらいに救いのない映画なのよ。 ずっと前に見たんですけど、TVで紹介されてたので。私は女だし、ゲイでないので、「男のゲイ」の人がこれを見てどんな気持ちになるかと思うと、それだけで胸がつぶれるようだわ。とにかく「否定」とにかく「人格破壊」人間性ゼロ。 映画としては、冒頭の自堕落な雰囲気と、逃亡を始めてから転落しつづけるラストまでのコントラストが巧みですね。あのいいかげん生活を見せたからこそ後半の刑務所が生きる。どこまでも人間であろうとするゲイと、どこまでも非人間的に扱うナチ。ああそれにしてもー、いいじゃないか、ゲイだって。キリスト教やユダヤ教やイスラム教の神様はダメと言ってるけどもー、人にメーワクかけなければ、共存したらいいじゃないか何もそこまでしなくても。というのは日本人の理屈であって、「ダメ」となったらもう人間扱いされないのがあちらの世界。二進法。グレーゾーンなし。 実際にはゲイの知り合いはいないわたしだが、ゲイ差別には反対したい。ゲイを差別する世界観とは、独身の女も子供を持たない女も喫煙する自由も認めないものであろうから。そしてそんな窮屈な世の中はイヤだから。すべての「人間性を否定するもの」を否定しよう。それがこの映画の主張と思う。これは最強のゲイ・ムービーであって、これ以上のインパクトのものはもう作れないでしょう。ブッシュがゲイをいじめたら、ホワイトハウスの前でこれを上演してやれ![DVD(字幕)] 8点(2006-03-13 23:02:41)《改行有》

25.  エイリアン/ディレクターズ・カット 《ネタバレ》 ツタヤでディレクターズカット版を発見したのでしみじみと見てみた。あんまし変わらないけど、繭のシーンは余計なように思った。リマスター効果なのか、映像はものすごくキレイだった。ところが、しみじみ見た結果、「アッシュ」の人造人間としてのリアリティに激しく疑問を抱いてしまったのだった。いったい、どのような組成になっているのか?コーヒーも飲むし、メシも食う?表情もあるし。そんで明らかに「感情が芽生え」てるし。「君らが生き延びられないことを残念に思う」なんつって皮肉をいうほどまでに。アッシュの前半のふるまいについてはちょっとずるいんじゃないかと思った。改めていうまでもないが、「新しい女性像」を提供したことについてはこの映画の貢献度は高い。何に対するといったら、「女の子が震えるほど怖い対象と出会った時の対処法」の。それは通常は「地球外生物」でも「アンドロイド」でもなく、「人間の男」だったり「人間の女」だったり「何かのノルマ」だったり「災害」だったりするわけだ。「エイリアン後」も、多くの映画作品では「庇護の対象である女」「応援する女」「耐える女」が描かれつづけていることは事実であり、「需要」があるのだろうが、振り返れば「ここにリプリーあり」を示してすっくと立ちつづけるこの作品。少女期に「リプリー」を見た女の子達のその後の人生は、多かれ少なかれ影響を受けている。がしかし、やはりSF作品としては、「遊星からの物体X」に劣る。[DVD(字幕)] 8点(2006-02-04 16:33:12)

26.  パーフェクト・カップル なかなか面白く見られた。キャシーベイツがレズビアンというのにたまげた。実生活のことはよく知らないけど。「アリ」なようで「やめてー」なようで、もはやこの世のものとは思われないそのりりしいゲイ姿。完全に主役より強烈になっちゃってた。そういえばこないだシュミットさんで彼女の胸を見てたまげたばかりだ。 トラボルタなんていつでもトラボルタだけど今回は「某大統領のフリしてます」なめずらしい役どころ。確かにあのドーナツ屋シーンは特筆モノ。ぼそぼそしゃべってるしさ。いつもまぶしそうな目だしさ。モノマネとしては下手だったけど、「それなりの《トラボルタがやってる》クリントン」ではあった。ところで「ビョーキ」の亭主を持ったらどのように生きていけばよいか、現在世界で最も含蓄のあるアドバイスができるのはヒラリーに間違いない。ぜひ聞いてみたい。べつに実生活には役立たないが。仁科明子と対談なんていかがでしょう。[ビデオ(字幕)] 8点(2006-01-10 22:03:22)《改行有》

27.  アポロ13 このときビニール袋に入れた糞便を捨てられなくて、それらの物体がクルーたちのまわりを舞っていたということですが、想像するだけで「おぞ」でございます。しかしそんなことにもめげず、各人の極限まで能力を使い切って、生還したことがすばらしいと思います。いいときは誰だってうまくやれるんだから、ダメになったときにどうするか、考えさせられる作品です。[ビデオ(字幕)] 8点(2005-12-25 23:19:23)

28.  ヘル・レイザー 《ネタバレ》 傑作だ。危ない世界に行かずにはいられなかった男。小道具のキューブもよいじゃない。 ちょっとずつ肉がついて成長していくのもしみじみしてよいね。ただひとつ納得がゆかないのは妻役の女優さんが老けていてブスのうえ不潔っぽい(身も蓋もないが)ことだ。それも狙いなの?非Mの私は身震いするピンヘッドさんだが、やはり強烈。彼が電車の中吊り広告になったらすげーだろーな。[ビデオ(字幕)] 8点(2005-12-23 23:51:17)《改行有》

29.  ミッドナイト・エクスプレス(1978) 《ネタバレ》 題名だけならフツーのサスペンスかと思ってしまう映画。重かった。バリバリのノーマル男だった主人公が、牢屋で同性愛に走ってしまうのがこわい。そのくせ面会に来た彼女におっぱいを見せろとか言って、これまた変態ぶりを見せる。脳天気なアメリカ人のボンボンが、痛めつけられてめちゃめちゃになっていく様は、Sな人にはたまらないかも。とにかく暗くて重いさ。[DVD(字幕)] 8点(2005-12-16 20:27:55)

30.  ジャッカルの日 《ネタバレ》 引きの映像が多いので、4:3の画面では見づらかったが、リメイク版とは比べ物にならないハイレベルさであった。なんだったんだろう、あの「ジャッカル」は。TVか。とにかく深い深い。そんでもって、ジャッカルが語らずかっこいいこと。やっぱヒットマンは語っちゃいけないんだよね。成功させてあげたかったなあ。それにしてもブルースウィリスはよく恥ずかしげもなくあんなこと。[DVD(字幕)] 8点(2005-11-25 21:36:09)

31.  2001年宇宙の旅 《ネタバレ》 あんまり考えてはいけないみたいだ。「猿ですな」とか「宇宙船ですな」とかいうノリで見ないと、頭がおかしくなりそうだから。そんなわけで、映像と音楽の美しさに一時所有して、心を落ち着けたいときに、ぼーっと寝る前に写してみたりした。セリフがほとんどないから映像つきのBGMにもなりますよ、お客さん。単なるレンズを「恐ろしく」見せたことはすごい。「レンズ」なのに。この時代に宇宙船の中をリアルに見せたことはすごいことだ。とにかく考えるのをやめて、「わー無重力だー」と喜ぶしかない、そんな映画。変人キューブリックは、いつも観客のことなんてこれっぽっちも気にしていないところが正真正銘芸術家であった。[DVD(字幕)] 8点(2005-11-20 18:32:44)(笑:3票)

32.  フル・モンティ 《ネタバレ》 ザ・イギリスの貧乏。労働者階級ライフ。普通の人が脱ぐというのはなんでこんなに面白いんでしょうか。「カレンダーガールズ」の男版。こちらが先ですが。「普通の人が脱ぐ」のって、イギリスの文化なの?踊って脱いでる人が目の前にいたらついつい見てしまう、これ以上シンプルな表現方法ってないですよね。秀作です。[地上波(字幕)] 8点(2005-11-20 14:19:34)

33.  蜘蛛女(1993) 《ネタバレ》 レナオリン知的でかっこよくて好きです。「蝿男」と「蜘蛛女」に出るとは、ジョークなのか。 なんか「痛い」感じのする映画だったなあ。「ハンニバル」より先に自力切断だ。[映画館(字幕)] 8点(2005-11-16 23:04:03)《改行有》

34.  オデッサ・ファイル 《ネタバレ》 この映画は、あるセリフを言わせるためだけにつくられたように思えた。 「君のその健康な体をみろ、誰のおかげだと思う」という一言だ。もちろんこれは最後にならないと出てこない。ヒトラーが、優性生殖にはげんだ結果、多くの恩恵をもたらした、と言っているのだ。「それを100パーセント否定できますか」と言っているのだ。なんだか、旧日本軍の大陸侵略の言い訳にも似ている気がする。井沢元彦とかが力説しているような。 優性生殖の恩恵とはなんだろうか。それは、ドイツの人びとが、よく知っていることだろう。「劣性」のものを排除することである。そうすると、「優性」の人たちの足をひっぱるものが少なくなるということである。「その結果ドイツはどうなったか、みんなよくわかってるけど決して言わないだけじゃないか」と、指摘しているのだ。 ドイツ人がこのことについて、黙して語らないのかと思うと、恐ろしい気がする。決して語れないことであるから。心臓にひびく映画。[ビデオ(字幕)] 8点(2005-11-08 22:46:22)《改行有》

35.  シャイニング(1980) 《ネタバレ》 この作品に対して激怒していたキングが、一番怒っていたのは、「妻の配役」である。これは何を意味するか。キングは、意外にノーマルなアメリカ人の男であるということ。アメリカ人の男性が妻に求めるものは、「チアリーダー性」なのだった。それで、TV版では、金髪碧眼の、チアリーダー色全開の女優をキャスティングした。それにくらべてキューブリック。どこからどう見ても、チアリーダーになれそうもない、この女優さん。これは何を意味するのか。ニコルソンが、「チアリーダーと結婚したくてもできなかった男」もしくは「妻になる女性にチアリーダー性を求めない男」のどちらかである、ということである。これは、前者でなければ、この話自体が成立しない、というキューブリックの考え方を表している。なにしろ、ニコルソンはアル中から立ち直ろうとしているキャラだ。キューブリックは屋根だけを借りて、軒下には全く別のものを作った。これに対して、とやかく文句をいうのは、キングがみっともないというべきでしょう。TV版と見比べると、監督の力量の差が歴然。[DVD(字幕)] 8点(2005-11-06 19:07:28)(良:1票)

36.  エイリアンVS. プレデター 《ネタバレ》 ネタがネタだけに、まともな評価がされないおそれがありますが、楽しめた。 プレデターと人間の女が協力してしまう、そのアイディアはなかなかよいではないか。 1人のプレデターを特化して描いたのもよかった。もっともよかったシーンは、プレデターが、エイリアンの頭を武器化してヒロインに渡すところ。個人的に、続編のネタを考えて楽しんでしまいました。あのヒロインが子供プレデターを助けて、養育するっていうやつですけどどうでしょう。それで、研究機関から守ろうとして、闘ったりするわけ。そこに、とうちゃんプレデターが迎えにくるとかいうんだけど。いいと思うけどなあ。[DVD(字幕)] 8点(2005-11-02 22:49:46)《改行有》

37.  レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで 《ネタバレ》 壊れた人間関係や機能しないものを描くのが好きなメンデスだ。 ものごとが秩序立って気持ちよく進むのが嫌いなんだな。 さてエイプリルの取り付かれた「自分探し」というものは「夫が俗物化していくことを阻止しなければ」という強迫観念と混然一体となっていたようだと私は思うのだが、その「種」を撒いたのはキャシーベイツ演じる不動産屋の悪意…だったのかなあと、ラストでそんな気がした。 不動産屋の夫のアップで終わるというこのラストはなんなのかというと、たぶん「悪」を見た人の顔、という意味なのではないだろうか。 「あんたたちは特別よ」と7年間に渡って刷り込み続けることで、エイプリルの「生きがい探し」「自分探し」が始まってしまったのではないのか。 エイプリルがもともと「自分探し生きがい探しに目覚めてしまうような特別にやっかいな女」だったのかというと、それは映画内の描写だけではよくわからない。 が、隣のミリーはそういう〝病気〟にならずにすんでいる。同じように男児を2人産んで、郊外で主婦をやっているのに。 ウィーラー夫婦は共に、恵まれていることを自覚していないという点が共通していて、エイプリルの不幸は「俗物化していく夫を捨てられない」ということで、出奔することさえできれば悲劇は起きなかった。 この映画では「神」が決定的に欠如していて、たぶん「映画内での」神の欠如と子供の無視は同じ意味であって、「神の欠如」=「感謝の欠如」=「子供に対する無視」=「生きがいの喪失」なので、むこうの文化では「感謝」というのは「神」があってはじめて生まれる。 信仰を失っていること=感謝の気持ちの欠如=不動産屋につけこまれるスキを与える=「特別な体験をして特別な人間になれないこと」への欠乏感。 さてエイプリルの最後の行動の謎について触れたいが、これは「自殺」ではないことは救急車を呼んでいるから間違いない。とすると、「話すのも触られるのもイヤなフランクの妻として暮らしながら、なおかつ〝生の実感〟を得るにはどうすればいいか」というエイプリルなりの究極で唯一のソリューション、「死の淵から蘇る」ということだったのかと、私は思う。 死にそうになって助かると、生きている実感を得られる。ジグソーみたいだが。 彼女にとって一番問題だったのは「生きている実感が得られない」ということだったのだから。[CS・衛星(字幕)] 7点(2011-11-12 23:54:40)(良:1票) 《改行有》

38.  ゴッド・アンド・モンスター 《ネタバレ》 「〝フランケンシュタイン〟は死を扱ったコメディだ」とホエールは言います。 だから、映画を見たら笑ってほしかったのだそうだ。 〝ヒトの死〟は尊厳あるものとされているので、ホエールのバックグラウンドを知らなければ単に掟破りなやりすぎマンということになる。 が、〝ヒトの死〟を戯画化しなければやっていけないような経験が彼にはあって、それはもう、そんな経験をしてしまったら冗談でも言わなければ発狂してしまうよ、というような凄惨なものだった。ヒトは精神的に追い詰められると、冗談で回避しようとする生き物なのかな。 金網に引っかかったまま腐っていく戦友から、〝フランケンシュタイン〟が生まれた。 凄まじいなあ。 全体的に「収束の美学」みたいなものを感じました。「拡大」の時期がとうに過ぎ、人生の終わりのほうで、風呂敷を畳んで、大事な荷物を捨てて、去る時期が来たことを知ったとき。どのように去っていくか。どのように去りたいか。 ホエールは脳卒中による幻覚に悩まされるようにならなければ、もっと別の去り方をしたかもしれない。 コントロールできない幻覚の内容は、彼にとって耐えられないものばかりだったので、どんなに辛かったかと思う。思い出したくない過去のシーンを、いつなんどき見せられるかわからない状態は、拷問であろう。 庭師とホエールの関係がいったいなんであったのか、ラストの映画中映画シーンで示される。感動的…といえるかもしれない。 しつこくエンドロールを見ていたら、ホエール作の絵画(の本物)をジョエル・コーエンに借りたと書いてありました。…なんでそんなもの持っているんだ。アトリエにあった絵画の何点かはホエールが書いた本物ということです。[CS・衛星(字幕)] 7点(2011-02-18 13:52:57)《改行有》

39.  わが命つきるとも 《ネタバレ》 まさにイギリス版「秀吉と利休」だが年代的にはこちらが先だろう。 視覚的な効果は単に添え物であって、見た目が作品を壊さなければそれでよく、作り手の意図を理解するには「会話」がすべてという疲れるタイプの作品である。ラジオ劇でも可、かもしれない。 さて、会話に目を凝らし(ヘンだなあ)た結果、私はなんだかトーマス・モアにブレを感じたのである。 大法官を辞した直後、彼は「法が自分を守る唯一の砦」であると考えていて、そのため、他人のためにも法を守るわけだ。「法は自分を守るし他人も守る」ものなので、裏切る可能性が大でも捕らえる理由のないリッチを見逃した。それに、「沈黙」していれば罪に問われるはずはなく、万が一糾弾されても「抗弁」する自信があると言っている。 ここでモアが言っている「法」は、「国が決めた法」のはずで、「神様が聖書で言っている〝法〟」ではないようだ。「国家の法」ならば、それは「〝市民〟の成立と発展」に直接関係することであり、「市民社会」が成立するには「自分も相手も約束ごとを守る」状態が必要である。 モアは自ら法を守り、他人にもそれを当然のことと期待している(結局それは無駄だったが)。「市民社会」を成立させ維持したいからだ。 私はモアが最終的に守ろうとしたものは「ソレ」なんじゃないかと思ったのだ。 中世に芽生え始めた「プレ市民社会」を守るためには、君主の我儘で「国の法」をいちいち変えることはイカんのだと。法を曲げてまで、沈黙している者を罪に問うてはイカんのだと。 そう思っていたのだが、最後になるにつれて、モアは「法が自分を守ってくれる」から遠のき、「王より神に従う」と言って死んでいく。 …それは、「神」ではなくて「ローマカトリック教会」か「法王」に従ったということではないのか。 神がモアの前に現れて「ヘンリーの離婚は認めない。よって再婚も無効。」と言ったわけはないので。 法王がヘンリー8世の離婚と再婚を認めないから、自分もそれに従って死んでもかまわない、と、モアは本当に思ったのか。最後の瞬間まで。違うだろ…。 というわけで、やっぱりブレたと思うんですよ。この作品内では。こうするしかなかったのかなあ。 モアの斬首はヘンリー8世の無茶苦茶による多くの処刑の中の一つでしかないが、同じ斬首でも信念を貫いた場合は価値があると思いたい…市民社会や国家の法を守るためだったのなら。[CS・衛星(字幕)] 7点(2011-01-28 21:00:48)《改行有》

40.  バーン・アフター・リーディング 《ネタバレ》 これは〝アンチ〟の作品ですね~。 何に対するアンチかって、私がふだんからさんざん見ているような「テロリスト」とか「スパイ」が出てくる国家的陰謀系映画やドラマですよ。 それらの山のような作品群と、コレと、どこが何が違うかというと、見ればわかるように〝物事はマヌケなハプニングで動いていることが多い〟であり、〝誰もがマトモな目的を持って合理的に行動しているわけじゃない〟である。 〝並みの作品〟では、全くもってその逆になっているのであり、これだけの量を見てくるといくらボーッとしている私ですら、「物事はそんなに目標どおりにうまく運ぶものかなあ」とか「計画どおりにサクサク行きすぎるよなあ」とか「煩悩にかられてワケのわからない行動をする人とかいないのかなあ」とか、思うわけです。ようするに「不自然」なんだ。 コーエン兄弟がこういう作品を作って「不自然」と主張してくれたことは、評価したい。こういうのが主流になることは、ないとは思うけどさ…。 でもまあ、キャストが豪華すぎるわりには、なんだかな…。 はっきり言うけど、豪華すぎるんだよ。このテーマで主役級の俳優を何人も使う必要があるのか? そしていつものお気に入り女優を出すのはどうなの? 私は別にコーエンファンというわけではないので、そういうのがあざと~い感じがしていまいちノレないですね。「オレらの作品なら、こ~んな超A級俳優も低ギャラで参加したがるんだよん」って大書きしてあるのと同じ。 見慣れた俳優さんが何かしているというシーンばっかりだもの。べつにこの作品は、役者さんの微妙な演技を鑑賞させるための作品というわけじゃないのに。 これさあ、BC級俳優で固めたら、テーマが際立ってけっこう面白くなったんじゃないでしょうか。 ちなみに、こういうキャスティングだとどうしても上手い下手が目立ってしまうが、最も良かったのがマルコヴィッチ。見ていられないほど最悪だったのはブラピ。[地上波(字幕)] 7点(2010-09-26 01:22:09)《改行有》

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