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【製作国 : イギリス 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
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1.  スペースバンパイア 《ネタバレ》 “LIFEFORCE”『生命力≒精気』。血ではなく精気を吸い取るので、字幕でも吸血鬼ならぬ“吸精鬼”となってます。でも原作は邦題と同じ“The Space Vampires”でした。映画に詳しくない上司(58)は、エマ・ストーンもグウィネス・パルトロウも知らないけれど、マチルダ・メイは知っていました。世代によっては、そんな身近な映画なんですよ、スペースバンパイアは。 劇場公開のとき『ハリウッド最新SF映画特集』みたいな番組が、ゴールデンタイムに放送されてました。そこでさんざん流されてたのが、ミイラ化した警備員が解剖医の精気を吸い取る有名なシーンと、解剖台から起き上がって警備員の生気を吸い取るマチルダ・メイのシーン。ここが何度も放送されていた記憶があります(※映像のインパクトが強かったため、記憶に誤差が生じている可能性アリ)。 ゴールデンタイムにおっぱい。マチルダ・メイの巨大なおっぱい。19歳の美しいおっぱいが、何度も何度も何度も流されてました。テレビ局の策略に見事にハマり、当時のお父さんたちは最新SFXの凄さを観てるフリして、おっぱいに釘付けだったことでしょう。私も「ハリウッドって色んな意味でスゲェ…」って思って観てました。 ふぅ…さて、何でしたっけ?そうスペースバンパイアね。マチルダ・メイと同じく印象深いのがカッコいいテーマソングです。宇宙空間に漂うスペースシャトルがカッコ良かったなぁ。当時の私は後半のゾンビだらけのロンドンの映像が怖くて怖くて…。バンパイアがターゲットを襲う所は大丈夫でも、誰彼構わず襲われるのが苦手で、自分があの場に居たらと思うと、怖かったんですね。あとは…あんまり覚えてないや。 先日偶然、中古DVDを見つけて、ついつい買ってしまいました。『無修正版』だって?あぁ、いわゆる“ヘア”が出てました。当時のはモザイクが掛かってたんでしょうかね?テーマソングはやっぱりカッコいいけど、スペースシャトル、あんな平べったかったなぁ?ハレー彗星ショボいな。でも宇宙船チャーチルの内部はお金掛かってます。何か他の映画のセット流用かなぁ? 吸精鬼が入ってるクリスタルをどうやって開けようか悩んでたのに、次のシーンではベッドで寝てるマチルダ・メイ。けっこう適当な映画なのを、マチルダ・メイのおっぱいが全部ひっくり返します。寝てても起きててもカタチの変わらないおっぱい。でも、エロさより美しさが勝るんですよね。マチルダ・メイもゆっくり動くから、おっぱいが揺れないので、あまりエロさを感じないのかもしれません。 ロンドンのゾンビ化は、警備員の生気を吸い取られた解剖医同様、2時間の命の吸精鬼たちなんですね。今見てもなかなか怖いです。でもそれより、TNGのピカード艦長(パトリック・スチュワート)が女声でカールセンとキスするところのほうが怖くて、目を背けたくなりました。[地上波(吹替)] 5点(2024-08-11 14:25:18)《改行有》

2.  炎のランナー 《ネタバレ》 2024年パリ・オリンピック開催中に、1924パリ・オリンピックの映画を観る…いやいつでも観られる映画より歴史的瞬間のほう観ろよ!って思いつつ、映画観ちゃうんだなこれが… “Chariots of Fire”『炎の戦車』。戦車というのはベン・ハーに出てくる競争用の馬車です。『我が炎の戦車(Chariot of Fire)を持て』という詩をモトに、イングランドの国歌の一つ『エルサレム』の歌詞の一部になっています。エルサレムは、1919年当時の愛国心高揚の歌だそうです。 有名なヴァンゲリスのテーマソングが美しい。このサントラのカセットテープ持ってましたよ。私の中でオリンピックの音楽といえば、この『タイトルズ』と'84ロスオリンピックの『ファンファーレ』です。ロスの方はジョン・ウィリアムズ作曲だったのか。だから、自分好みな音楽だったのかなぁ? さて、映画の背景を見ると、公開は'81年。前年'80年はモスクワ・オリンピックがありましたが、ソ連のアフガン侵攻を受けて。西側諸国の大量ボイコットがありました。日本もアメリカも、この映画の製作国のイギリスも不参加でした。その前の'76年モントリオールも、南アのアパルトヘイトを理由にアフリカ諸国がボイコット。その前の'72ミュンヘン・オリンピックでは映画にもなった事件が。平和の祭典がどんどん、国家間の政治問題に利用されていた時代だったんですね。そして'84年が西側の雄アメリカで開催のオリンピックです。盛り上げなきゃいけません。それでこの映画です。 映画の舞台を'24年にしたのは、製作国イギリスが、第一次大戦の大きな傷跡から立ち直ったキッカケとなった大会だったからでしょうか。駅でハロルドが、勲章を付けた負傷兵が荷物運びをしているのに驚くシーンが印象的です。 炎のランナーといえば、海辺を走るオープニングの、純粋に走ることを楽しんでいる選手たちの美しさ。この映像に、この映画の伝えたいことが全部詰まっているように思えました。この映像は、インドア派の私でも気分が高まりますよ。公開当時モスクワのボイコットで辛い思いをしたアスリートたちも、再び闘志が湧き上がったことでしょう。そしてその闘志をぶつける舞台は、3年後のロス・オリンピック。この地味で美しいオリンピック映画はアカデミー作品賞を受賞します。アメリカも後押ししたんですね。娯楽超大作のレイダースに受賞させるより、3年後のロス・オリンピック。 ナイキとかスポンサーが全面に出てて、スケボーとかブレイキンとか娯楽要素の強い新しい競技が出てきて、いろんな人種の人がいろんな国に所属して出場し、日常生活とセットでタレントのような取り上げられ方の現代のアスリートたち。 中東の宗教問題、人種問題、東西冷戦に翻弄されつつも、ショー・ビジネスと宣伝広告の媒体となっていき、代理戦争の如く国家の威信を背負って競技に挑んだ'80年代のアスリートたち。 自身の肉体・精神の競技を象徴するように、無地の白いシャツ。シンプルな国旗のワッペンを胸に、裸足で海岸を走る100年前のアスリートたち。 舞台の100年前と、この映画が制作された43年前との、時代の変化を感じますね。[ビデオ(字幕)] 6点(2024-08-11 12:57:55)《改行有》

3.  エレファント・マン 《ネタバレ》 “The Elephant Man”『象男』。本作が日本でヒットした要因の一つとして、今と比べて、人権意識がまだまだ未熟だった当時の時代背景があると思います。 私が子供の頃、夏祭りのお化け屋敷の隣に見世物小屋がありました。小屋の入口の隣に、上半身裸のお姉さんが背中を向けて座っていて、マイクを持った興行主が、彼女が生きたニワトリを食べるとか何とかって、啖呵を流してました。小屋の中には牛と人のアイノコ『牛女』や、蛇を食べる『蛇女』なんかもいるそうです。興味はあったけど、正直怖いのと親と一緒なのとで、見せてはもらえませんでしたが… まだそんな時代に公開された本作。当時はホラー(恐怖)映画にジャンル分けされていたと思います。珍しいモノクロ映画。ポスターの不気味な布を被った人物。テレビでは倒されて悲鳴を上げる少女と迫りくるエレファントマンの映像(CM?)が流れ、頭巾の下にはどんな恐ろしい素顔が隠れているのか?って方向で宣伝されていたと思います。 また後年『マイケル・ジャクソンがエレファント・マンの骨を買おうとして断られた』なんてゴシップも独り歩きして、子供にも関心の高い映画でした。 初見はテレビのロードショー。思っていたのと違う内容に、下衆な好奇心は消え去り、彼の容姿の不気味さより、今まで置かれていた環境の悲惨さ、彼の豊かな感性と世間の残酷さから、「ジョン・メリック可哀そう」に変わっていきます。 彼の心の美しさと、トリーヴス先生や婦長さん、ケンドールさんの献身的な行いに暖かさを感じ、バイツや夜警の男に怒りを感じました。 当時、本作をホラーに分類するのは、メディアの悪ノリにも思えますが、ホラーだと思って観たからこそ、内容から受けるショックと感動が大きかったように思います。それは見世物小屋でトリーヴス先生が初めて彼を見て、一筋の涙を流すのに似た感覚を、私も味わえたのです。今振り返るとメディアのファインプレーじゃないでしょうか? 彼を取り返そうとするバイツにトリーヴスが言う「他の人間の不幸を利用して儲けてくれ」という台詞に、見世物小屋の小人が言う「俺たちみたいな人間には運も必要だ」という台詞が答えになっていて、とても現実的に感じました。 トリーヴスたちの行いは偽善なのか?見世物小屋に来る大衆と、病院に彼に面会に来る著名人、夜警に金を払って見に来る連中、劇場で彼に拍手を送る観客は同類なのか?世間という見えない存在が、彼をどう思うかでなく、彼自身がどう思うかが大事かも。 同じ見られる存在にしても、見世物小屋と舞台女優は違います。ジョン本人が会うこと・見られることを望むか望まないかが大きな違いです。 難しいテーマですが、彼はトリーヴスに助けられ、人間らしく生きる権利、自分で選ぶ権利を得たことが重要に思います。 でも彼は、夜警が自分を見世物にしても助けを求めない。彼が選ぶのは自分をどうするか?だけで、他人にどうしてほしいなどは望みませんでした。 そんな謙虚な彼が唯一他の人に望んだこと、駅で追い詰められた時「僕は人間だ」と叫ぶ姿が心に突き刺さります。 彼が最後に選んだのが横になって寝ることでした。聖書を愛読した彼が自死を選んだとは考えにくいですが、もし目を覚ますことがなくても後悔はない、そんな決意での就寝は、悲しくも幸せな結末でした。[地上波(吹替)] 8点(2024-02-26 12:05:56)(良:1票) 《改行有》

4.  戦場のメリークリスマス 《ネタバレ》 “Merry Christmas, Mr. Lawrence”『ローレンスさん、あなたに祝福を。』 …思いっきり意訳ですが、今回改めて観て、こんなニュアンスじゃないかな?と感じました。 何だか不思議な映画ですよね。いろんな解釈ができそうで、名作なんだか駄作なんだか判断に迷います。ただ私は好きですこの映画。 そして音楽が良いですね。メインテーマはもちろん神曲ですが、“The Seed and the Sower”(1:30~)も負けじと名曲です。この映画が好きな理由に、神がかってるシーンが幾つかあって、そのシーンには必ず上の2曲が入ってます。 クリスマスとは縁遠そうな早朝のジャワ。ヤシの木の下を歩く軍服の男2人・ハラとローレンス。ここにメインテーマを被せる。このチョイスが素晴らしい。 脱走するセリアズの前にヨノイが現れ軍刀を抜く。『セリアズを斬りたくない』って表情に出てるのがもうたまらない。“The Seed~”の入り具合が完璧です。 酔ったハラ軍曹「ローレンスさん、ファーザルクリースマス。ご存知かな?」この時のハラさんの『合ってるのかな、意味通じてるかな』って表情が最高。俘虜なのに“さん付け”で呼ぶのが、平時のハラの人柄を感じさせて良い。「今夜!ワタシ!ファーザルクリースマス!」拙い英語に気持ちが感じられます。 ヨノイにキスするセリアズ。奇跡のスローモーション。あれ偶然撮れたそうで、そんな奇跡もあるものですね。そしてセリアズの髪を斬り敬礼するヨノイ。共に“The Seed~”が掛かります。 最後のハラのアップ「メリークリスマス!メリークリスマス!Mr.ローレンス」。 想像ですが、ハラとローレンスのシーンで掛かる“Merry Christmas~”は西洋(イギリス)の神を、セリアズとヨノイのシーンで掛かる“The Seed~”は東洋(日本)の神をイメージした曲じゃないでしょうか? 私はこの映画を、セリアズの中に神を見たヨノイ。ハラの中に神を見たローレンスという2つの話と解釈しました。 ヨノイは収容所の長。あの狭い世界では王のような存在です。2・26事件に参加できず、死に場所を失って今に至ります。神になり損ねたんですね。当時から話題のメイクは、ヨノイが『バッチリ化粧をした軍人さんだった。』という意味ではなく、美しい神でありたい、ヨノイの心の内側を視覚的に表現したのが、あのメイクだったんでしょう。なのできっと『メイクはオカシイ』なんて悪評が出るのも、大島監督は織り込み済みだったと考えます。 そんな収容所にセリアズが現れます。彼は処刑を恐れ、過去の弟との関係を後悔して生きる、普通の人間です。だけどヨノイから見て、(心に)メイクなどしなくても美しく、常に毅然とした態度のセリアズは、西洋の神そのものでした。 カネモトとデ・ヨンが死に、ヨノイは全ての俘虜に行(ギョウ)を強要。一方セリアズは花と盗んだまんじゅうを与えます。東西の文化の違いであり、神が民に与えるものの違いでもあります。 セリアズたちの脱走の際、ヨノイは遂に死に場所を見つけました。死んで軍神となりたい。そんなヨノイを見透かすように、セリアズはナイフを捨てます。ヨノイはここでも死ぬことが出来ませんでした。 遂にヨノイは俘虜全員を集合させ、重病人を死なせ、命令を聞かない俘虜長を斬り殺そうとします。セリアズっは身を挺して俘虜長を守り、ヨノイに博愛のキスをしました。ここでヨノイはセリアズの中に本物の神を見て、自分は神にはなれないのだと思い知らされました。 ハラはこの小さな世界では生殺与奪を与えられています。朝鮮人のカネモトを処刑しようとし、無線ラジオの件ではヨノイの判断を仰がず、独断で真犯人のチョウ?(と聞こえる)を処刑し、ローレンスたちを釈放しています。そんな勝手な事をして自室謹慎だけで済まされてます。そのためセリアズがヨノイにキスする場面は観ていません。 首から数珠を下げ、お経を唱える熱心な仏教徒のハラが、酒に酔って「ファーザークリスマス(イギリスのサンタの呼び方)」と、異教徒の神を名乗っておどけてみせます。立場は違えど友情を感じているローレンスへの好奇心から、彼らの信じる神がどんな存在か調べたのかもしれません。 処刑の前日、面会に来たローレンスに、ハラは流暢な英語で話します。好奇心の強いハラは、イギリスの文化と言葉を勉強していました。 そして別れ際、ローレンスの「Goodbyeハラさん、God bless you(あなたに神のご加護を)」に対し、ハラは「ローレンス!」と呼び止めます。『ローレンスさん、あなたに祝福を。祝福を。』ハラが思う最上級の贈る言葉。この時ローレンスはハラの中に本物の神を見ます。 …こんな解釈で、どうでしょう?[地上波(字幕)] 7点(2024-02-21 01:17:58)(良:1票) 《改行有》

5.  グラディエーター 《ネタバレ》 “Gladiator”『剣闘士』。ですね。 巨大な闘技場で剣闘士が殺し合う。これもう、少年ジャンプの格闘漫画ですよね。私の世代はみんな大好きだと思います。主人公が普通の奴隷でなく立派な過去があり、暴君に家族を殺された復讐劇という勧善懲悪もの。戦いの舞台も、地方の小闘技場から中央の巨大コロッセオへ。自分や仲間もどんどんキラキラ装飾が増えていく。敵の甲冑も不気味なのから強そうなのまで。そんで戦車だ、寅だ、伝説の剣闘士だとグレードアップしていくのも、まさにジャンプの王道展開。優れた娯楽性です。 CGで表現の自由度が大幅に上がった、今からおよそ四半世紀前。本作以降、古代ローマ時代(とその近辺)を舞台とした映画が幾つか制作されていますが、この映画こそが知名度・完成度共にいちばん優れていると思います。 この年代辺りを頂点に、以降、猫も杓子もCGで創られるようになっていきます。それはそれでお金が掛かるんだろうけど、どんなに凄い映像でも『あ、これCG表現だな』って解ると、途端に安っぽく感じてしまいます。 本作ではコロッセオやローマ都市の俯瞰図といった、実物で再現できないものをCGで補っているのが解ります。そして昔ながらの実際に作られたセットに、豪華な衣装。本物の馬車に戦車に装飾品やら小物やら。つまり、メチャクチャお金が掛かってるのが感じ取れます。映画観るのにどうせお金を払うなら、CGのアニメじゃなく、ゴージャスな本物を観たいもの。本作はそんな欲求を満たしてくれます。 マキシマス将軍が家族の復讐を果たし、悪のコモドゥスを倒して、ローマに一筋の平和が訪れ、仲間の奴隷は故郷へと帰っていく。シンプルで良いですねぇ。ストーリーは創作部分がたっぷりで、本作を史実と比べるのは無意味だと感じます。本作をキッカケにイメージを膨らませて、史実に興味を持つのが正しい見方でしょうね。でもこの時代の人の名前って、長くてみんな似てて、難しいなぁ。[DVD(字幕)] 8点(2024-02-18 16:19:37)《改行有》

6.  イエスタデイ(2019) 《ネタバレ》 “Yesterday”『昨日』という意味のビートルズの楽曲。世界規模の謎の停電の翌日、ジャックが初めて歌って聞かせたビートルズの曲。 『もしもビートルズが存在しなかったら?』って、考えてみたらラノベの異世界モノみたいな展開。そうなったら、ビートルズに影響を受けたミュージシャンはどうなってるんだろう?なんて細かいことをチクチクするような映画でなくて、大雑把にその架空の世界観を楽しむ作品だろうね。 ロンドン五輪の時、ポールがヘイ・ジュードを歌った時、若者が「?」ってなったってのを、ネットで見た。「知らないおじいさんが“おい、ユダヤ人”って歌ってるぞ?」みたいな。まぁ日本だと三波春夫とか橋幸夫が流行ってた時代の曲だし、私よりふた回りも若い世代だと、ビートルズやポールを知らないってこともあるだろう。もちろんネットの口コミだから、ウケ狙いのジョークの面が強いとは思うけど。 このロンドン五輪開会式の総合演出がダニー・ボイル。この映画を作ったキッカケは、実はこんなところにあったのかもしれない。だから映画最後の曲はヘイ・ジュードだったんだろう。タイトルはイエスタデイなのに。 さて、ビートルズが存在しない世界で、映画のように過去の名曲がヒットするかはちょっと疑問。BTTFのジョニー・ビー・グッドみたく同じ時代に世に出たなら確実にヒットしただろうけど、今は多様性の時代。ポップス、ロック、EDMと方向性が多岐にわたり、ネット配信でヒット曲のサビしか聞かない時代に、1曲(ヘタしたら1枚のアルバム)で一つのメッセージを表現するビートルズの歌の価値が、通じるかなぁ? またインド系イケメンのヒメーシュ・パテルを主人公にしたのも、どんな意図があったんだろう?14億人市場狙い?ビートルズが売れたのは歌の魅力だけでなく、4人のビジュアル面(アイドルの一面)もヒットの大きな要因だったと思う。ジャック一人じゃジョンとポールのハーモニーは出せないわけだし… あの人が生きていたのは意外性があって嬉しかった。ターミネーター・ニューフェイトのジョンを観たとき以来の嬉しさかな?ここはとても幸せな気持ちになれたわ。でもこの映画はポールがメイン。劇中印象的だった楽曲の多くが、イエスタデイもヘイ・ジュードもレット・イット・ビーもエリナー・リグビーもバック・イン・ザ・U.S.S.R.もザ・ロング・アンド・ワインディング・ロードもポールの楽曲。 映画と違って、今から60年も前に本当に伝説を作って、そして今でも現役で活躍しているビートルズが居るんだよ。って、そんなメッセージにも思えたわ。[CS・衛星(字幕)] 7点(2024-01-25 22:50:39)《改行有》

7.  チャーリーとチョコレート工場 《ネタバレ》 “Charlie and the Chocolate Factory”邦題まま。原作の邦題は『チョコレート工場の秘密』だそうです。公開当時、劇中チョコレートの香りがするって演出があった記憶があります。劇場で観ときゃよかったかな。 今回久々に視聴したけど、ウンパ・ルンパ以外、内容ほとんど覚えてなかったです。個性的な4人の子供(ライバル?)、こんなの、居たっけ? バイオレットなんて、後のヒットガールを彷彿とさせる雰囲気で、可愛くてカッコイイ。もっと記憶に残ってそうな気がするけど、登場は格好良かったけど、その後活躍もなく、青紫のまん丸状態になってフェードアウト。 他の子も同様で、一切活躍すること無く、行儀の悪い行いしてフェードアウト。みんな劇中チャーリーとそんなに絡むこと無く、勝手に自滅して勝手に退場して、その後が語られること無くそれっきりだったから、きっと記憶に残らないんだわ。 でも、子どもたちのフェードアウトは、結構原作通りだったので、案外再現度は高いのかもしらん。 ゴールドチケットの獲得方法。①食いしん坊だからたくさん食べてて②父親の財力を活用③勝つために好物のガムをチョコに変えて④統計取って一発獲得と、個性的なメンバーに対し、⑤チャーリーは拾ったお金で、店員おじさんが渡したチョコが当たるという、なんか一番モヤモヤする当選方法。 そもそも工場見学のチケットにそこまでの魅力を感じるか疑問だけど、優秀な子も多いのに、有り得ない方法で勝手に自滅していく様子が楽しめるかどうかがキモだろうか。'71年の映画とかミュージカルとか、派生作品も多いみたいで、バージョンの違いを楽しむのも良いかも。[地上波(吹替)] 6点(2024-01-05 19:36:15)《改行有》

8.  キック・アス 《ネタバレ》 “kick ass”ケツを蹴る≒『ボコる』って名前のヒーロー名。 特殊能力を持たないへなちょこヒーロー映画。まぁ痛みを感じないのも特殊能力と言えばだけど。 映画観る前にYou Tubeでヒットガールのアクション動画を観てしまったわ。躍動感のあるスピーディな銃撃戦とクロエのカッコ可愛さに魅了されました。 “本編はもっと凄いんじゃないか?”って思って観た結果、やっぱオイシイところはヒットガールが持って行ってしまったかな? 主役のキックアス。マーベル&DC系ヒーローとは違って、普通の人が普通のままヒーローになるっていうのが、なんかすごく馴染める設定。日本はアメリカ以上にヒーロー大国。ライダーとか戦隊とか以外にも、地方自治体や企業のマスコットとして、ゆるキャラ並みにたくさんのご当地ローカルヒーローが存在する。私の地元だとホワイト・ストーンズってのが…まぁそんなローカルヒーローと、ビッグダディたちリアルヒーローが融合する妙は楽しめました。ギャングにボコられるチンピラを勇気を出して助ける姿はカッコよかったわ。普通の人らしいカッコいい戦い方。 キックアスが、最後まで努力と勇気だけで悪に挑むへなちょこヒーローだったら…私はそっちを期待していたんだろうか? 凄い可愛い彼女と普通にラブラブしてるデイブ。ゴミ箱にティッシュの山を作るオタク丸出しのオープニングからは想像できないリア充っぷりに、なんか調子が狂ってしまった。事前に観てしまったヒットガールの活躍は本作の最後を飾るメインアクションとも言えるシーンで、ここにどうキックアスが絡んでくるか期待したところ、まさかの空飛ぶガンキャノン。もう普通のヒーローじゃん。これビッグダディ(脇役)の登場のしかただよなぁ。メイン(キックアス)とサブ(ヒットガール)の活躍のしかたが入れ替わってる。 へなちょこヒーローが本当の(悪く言えば普通の)ヒーローになってしまうと、やっぱ『ヒットガールが良かったね』って感想に落ち着いてしまうかな。[DVD(字幕)] 6点(2023-12-16 15:13:02)《改行有》

9.  仮面の男(1998/ランドール・ウォレス監督) 《ネタバレ》 “The Man In The Iron Mask”『鉄仮面の男』おぉ、スケバン刑事2とかの元ネタで、実際にそういう人物が存在したんだ、へぇ~~。三銃士のその後、鉄仮面伝説、ルイ14世の秘密。複雑になりそうなお話なのに、とても分かり易い娯楽映画でした。 何度か映画化され、テレビアニメにもなっていた『三銃士』。私も基礎知識としてどこかで観ておくと、よりこの映画を楽しめたんだろうなぁ。よく知らないんだよなぁ…。時の人ディカプリオが、横柄な悪人ルイ14世と、心優しいフィリップの2役を演じますが、ホント顔つきを観ているだけで、どっちの役か解るくらい、見事に演じ分けています。この一本でディカプリオを2倍楽しめる構成になっています。 さて、三銃士の筋を知らない私は、この物語の主人公が誰だか解らないのです。この映画のウリ(主演俳優)は間違いなくディカプリオなんですが、ルイが主役というのは違う気がしますね。じゃあフィリップか?ってなりますが、彼は自分の意志で動くというより、両陣営の操り人形な感じです。なので三銃士(四銃士)が中心人物になるんでしょうけど、ダルタニアンが主役か?というと、どちらかというと悪に加担する側なので違うような…。 映画の中の悲劇としては、ラウルとクリスティーヌの悲恋なんだけど、どちらもアッサリと最後を迎えるため、印象が薄いです。クリスティーヌももっと抵抗してほしかったし、ルイももっと威圧的に悪党らしくがっついてほしかった。アトスが一時期フィリップの父親代わりになりそうですが、主役かというと、どうも違う。ポルトスは主役ってガラじゃないから、消去法でアラミスになるのかなぁ?うぅ~ん… 歴史モノにしてはライトな創りで、クソ真面目な作品でも無いんだけど、かといってコメディ要素が強調されるでもない。好き嫌いは結構ハッキリ出る作品かもしれません。見せ場とか演出とかが、近年のマーベル系ヒーロー映画に近い気がしました。 忠臣ダルタニアンの秘密。これはマズいでしょう。物語上、ダルタニアンが一番悪い人になってしまっている気がします。[DVD(字幕)] 5点(2023-11-16 23:09:50)《改行有》

10.  イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密 《ネタバレ》 “The Imitation Game”『模倣ゲーム』。コンピューターに人間らしい回答をさせて、人間臭さの精度を見るテスト。って解釈かな?それで良いのかな?まぁまとにかく、主人公アランが嫌なヤツとして確立していて、この人を主人公にして感情移入できるのかなって不安になる出だし。 ギスギスしたチームにジョーンが加入、まさに人間関係の潤滑油。研究とは無関係な場所からヒントを得て(よくある展開といえばその通りだけど)の、困難を乗り越えての解析装置完成は、どんよりした空気が吹っ飛ぶカタルシスを感じました。 …まさかここからが真のドラマの始まりだったとは。 大局的な勝利のために助けられる味方を見殺しにする。神の目を持ちながら感情に流されず、必要最低限の情報利用に留まることは、どれだけ心身が疲労することだろうか。信頼できる仲間がスパイ。ナチスはいま戦っている敵だけど、将来はコミュニズムとも戦う時代が来る。敵にバレちゃ不味い機密情報を仮想敵のスパイが共同制作している。あぁこれこそ、タイトルの『イミテーション・ゲーム』だな。 可能性だけど、どこかの戦闘で暗号機と暗号解読員が奪取されて、ドイツ軍が“送った暗号が筒抜けになった可能性”を考えて、アランたちとは無関係に、新エニグマを開発する可能性もあっただろう。もしくはエニグマ解読を大々的に活用したとして、ドイツが次なる暗号機を、すぐに作ることが出来ただろうか?伸び切った各戦線に暗号機を配備して、誤用・誤解釈なく運用できただろうか? アランは青酸カリ入りのリンゴをかじって死んだそうな。彼の死から30年後にかじられたリンゴがトレードマークの『マッキントッシュ』が世に登場する。[インターネット(字幕)] 7点(2023-09-25 01:26:33)《改行有》

11.  イングリッシュ・ペイシェント 《ネタバレ》 “The English Patient”『イギリス人の患者』。 上空から見た砂漠のうねりが何とも美しい。女性の体の曲線美にように艶めかしい凹凸。そして泳ぐ人の壁画の模写。単純な線なんだけど腿や腰の肉付きの表現は、原始的ながら女性独特の体型を想像させる。そしてキャサリンの体の線の細さ。抱きしめたら折れそうな細さ。 彼らの仕事である『砂漠の地図』も、彼らが洞窟で発見した『泳ぐ人の壁画』も、特定の誰かのためではなく、自分たちのことを後の誰かに伝え残したい気持ちが強かったんじゃないだろうか。 アルマシーが記憶を失った(事にした)のは、ドイツに協力したことを隠して図太く生き延びるためではなく、キャサリンとのことを残したかっただけなんだろうなぁ。カラヴァッジョに当時の自分の気持ちを伝え、ハナにキャサリンの最後の手紙を読んでもらい、自分がここにいる理由を再確認することで、思い残すこと無く死ぬことが出来たんだろう。 不倫に嫌悪感を抱くのも理解できるけど、心から1人の女性を愛したことのない不器用なアルマシーと、深く考えず幼馴染と結婚してしまっていたキャサリンの愛と考えると、それこそ人種に対する偏見や、国が違うことで起きる戦争と同じ悲劇とも思えた。国境があるために起こる悲劇が戦争なら、婚姻があるために起こる悲劇が遅すぎた愛なのかしら。 別れ際、当然というか大人らしい選択をしたキャサリン。まさかの無理心中の際に、ネックレスにした指ぬきを付けていたのが、それが鎖骨のくぼみに収まっていたのを観て涙が出てしまった。 愛より夫を選んだけど、ここ(天突って言うそうだけど、これ東洋のツボの名前だよなぁ…医学的には頚窩(ケイカ=jugular fossa)って言うそうだよ?)は、二度と会うことは無いあなたのもの。って、キャサリンのような大人の女性がこんな可愛らしいことしてたら、この世ではない場所までキャサリンに会いに行った、アルマシーの気持ちが解ったような気がしたわ。[DVD(字幕)] 8点(2023-09-24 23:20:35)《改行有》

12.  アイズ ワイド シャット 《ネタバレ》 “Eyes Wide Shut”『目をしっかり閉じて』。“Eyes Wide Open”『目を大きく見開いて』って決まり文句をモジッたものだそう。 見ちゃいけないものを見たい心理と、実際に見たらどうなるか?を、倦怠期の夫婦を主人公に描いた映画で、タイトルはその答えってことかな? ニコールの生ケツから映画は始まる。何とまぁ美しいスタイルだろうか。妻がどれほど美しくても、旦那の前でおしっこチーーってして、ペーパーでワシャワシャして、ポイッってされたら、並の男ならもうときめかないだろう。 そんなの見せられても「綺麗だよ」って笑顔でキスできるビル。人間が出来てるわ。脇に薬塗り塗りして匂いクンクン確認とか、誰でもやるけど人に見せないところが見えるのが夫婦。 この役を結婚8年目のトムとニコールの実際の夫婦に演じさせる。子供も7歳ときた。かなり鬼畜な人選をしたキューブリック。きっと夫婦仲を報じるゴシップ記事も出ていただろう。公開2年後に離婚しているが、この映画が関係ないとは思えない。 アリスにしてみれば今の毎日は退屈この上ないんだろう。パーティでのダンスの誘惑をキッカケに、アリスの女の部分が言わなくて良いこと(過去に士官に見とれたこと)まで旦那に暴露。マリファナでラリったのは彼女なりの予防線だろうか。 “何か”を求めるビル。“何か”が手に入りそうになると“邪魔”が入る。美女2人に誘われたときはジーグラーの急用。マリオンと変なことになったときはカールが到着。娼婦ドミノのときはアリスの電話。館では身バレ。ただその全てがLUCKY TO BE ALIVE(生き残って幸運だな)に結びつく。 この映画、私は夢オチだとは思えないな。マルホランド・ドライブのように不思議な映画ではあるけど、ジーグラーの種明かしが親切すぎたのか、枕元の仮面にビビったビルが簡単に落ちすぎたのか、我々視聴者が考えても答えが出ないことが解ってしまった感がある。ニックのその後、マンディーの真相、仮面パーティ、貸衣装屋の娘と東洋人… ただ、夫婦が出来ることは、欲望や誘惑を目の当たりにしてもなにも出来ず、昨日も今日も明日も夫婦でファックすることだけ。 …だから、見えることでも目を閉じて。[DVD(字幕)] 6点(2023-08-06 23:06:24)《改行有》

13.  遠い夜明け 《ネタバレ》 “Cry Freedom”『自由を叫ぶ』。邦題も良いタイトルです。 社会科の授業で、アパルトヘイト政策なんてものが、この世の中にまだ存在していることに驚いたっけ。大学時代、ピーター・ガブリエルにハマり、ビコの存在を知ったんだわ。そしてこの映画の7年後に政策が撤廃されたのにも驚いたっけ。ただこの映画、私は相当怖い映画だと思っていました。実話系の人種差別モノ=人を人と思わない殺人描写がいっぱい。そんな先入観から、鑑賞したのは今回初です。 私はこの映画の、前段に興味が湧きました。貧しい家庭に産まれたビコが、如何にして反アパルトヘイトに目覚め、活動の中心人物になっていったのか。それとアパルトヘイト真っ只中の南アフリカ生まれのウッズが、如何にして黒人に対し中立なスタンスを取ることが出来たのか。人間は弱いもので、自分が優位な立場でいる以上、自分を貶めてまで他者を救う行動は取りにくい。まして差別対象の黒人に対し、白人のウッズはどうしてあそこまで戦えたのか。 前半のドキュメント映画な展開から、ビコが殺され、今度はウッズがビコと同じ監視される立場になります。後半は家族の脱出劇に変わります。原作の著者自身の物語だけに、映画的にスリリングな展開です。 時系列的に最初の方に出てくるべきソウェト蜂起は、映画の最後の方、ウッズの回想として出てきます。蜂起の映像にはビコもウッズも出てこないけど、映画的にはそれぞれの当時の感情や動きなどを描いてもらえると、2人の人物像がより解りやすかったかと思います。 この映画で妙に印象に残ったのがクルーガー長官の歴史の話。「1652年にこの地に白人が来て、荒れ地を耕し町を作った。この地を植民地にしたのではなく築き上げたんだ。それをビコは手放せという。」確かに、300年以上掛けて、白人が住みやすい街に作り上げたのが、今の南アフリカ。白人が1994年まで、時代錯誤なアパルトヘイト政策を続けた根深い理由が、そこにあるんだなぁ。 この映画を観て平等の大切さ、差別される側から観た人種差別の理不尽さを学ぶとともに、昨今の過剰なポリコレ風潮には嫌悪感を抱いてしまう私って、根底ではこの映画の時代の白人と大差無いのかもしれません。[CS・衛星(字幕)] 7点(2023-07-26 23:42:36)《改行有》

14.  スーパーマン(1978) 《ネタバレ》 “Superman: The Movie”はデイリープラネット社のレイン記者が“A FRIEND”と名乗る超人的能力を持つ人物に付けた名前。地球人としての名前は『クラーク・ケント』で、その正体はクリプトン星人の『カル=エル』。 '50年代前後に、何度か映画化やアニメ化、ドラマ化を経て、決定版として本作が創られた感がありますね。電話ボックスで変身しようとしたら公衆電話(スタンド)化してたなんて、時代を感じさせる遊び心も感じられます。 ストーリーを完全再現する方向性なのか、我らが知るスーパーマンが登場するまで50分も掛かります。クリプトン星の滅亡からクラーク・ケントの学生時代、両親との別れなんかが描かれるんだけど、ゾッド将軍の追放とか、本作だけだと意味不なシーンも入ってますね。 アメコミ変身ヒーローの王道作品で、ジョン・ウィリアムズの有名なスコアも映画を盛り上げます。そして何よりスーパーマンのヒーロー性・真面目なキャラ設定も、王道一直線って感じです。 王道のスーパーマンに比べたらバットマンは根暗。フラッシュ・ゴードンはウスノロ。スパイダーマンはいけ好かないマイペース野郎… 子供向け変身ヒーロー映画の王道作品なんだけど、時代に沿って取り入れたのが“お色気要素”。ハスキーボイスでキュートなロイスに、劇場に子供を連れてきたお父さんも釘付けです。 路上強盗を蹴り倒すロイス。スカートからスラリと伸びる足を収める絶妙なカメラ位置。 そう来たらヘリコプターからぶら下がるロイスを見上げる視線に期待しないわけがない。見えそうで見えない演出がニクいですね。 シースルー・ドレスに夜空の散歩。そうか、ピンクなのか。 ミス・テシュマッカー(吹き替えだとのび太の声だった)もシースルー・ドレス。大サービスでプールにドボン。子供向けなのにミス・テシュマッカーの胸が。 でもキスシーンの可愛さに、普段なら目くじら立てるお母さんも大満足。わかるわその気持。 スーパーマンのピチピチのコスチュームが、水に濡れてハッキリ観えるムキムキのボディライン。そういやピッタリした赤いパンツもセクシーです。 この映画をキッカケに、後のアメコミヒーローの映画化に、必要不可欠な要素(お色気)が決定した!と言っても過言ではないでしょう。 この流れで書くけど、カル=エルって性格歪んでます。 ロイスが派手なスーパーマンに惚れてるのを知っていて、地味な友人クラークを演じて、ロイスの心を探って楽しんでます。 ここに来て、必要性が不明だったクラークの学生時代、アメフト部で虐められていた描写が、彼の性格が歪んだ理由として見事に立ち上がってきます。 う~ん…スーパーマン=アメコミヒーロー映画の王道。…なんて安易な言葉で片付けちゃいけない、闇の深さを感じますねぇ。[地上波(吹替)] 7点(2023-07-10 14:36:16)《改行有》

15.  ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男 《ネタバレ》 “Darkest Hour”『最も暗い時間』。つまりあの時が最悪の時であり、ここから徐々に明るくなっていくって意味でしょう。しかしなんて邦題だ。日本人は近代史に疎いとはいえ、歴史上チャーチルがどんな立場の人物だったかくらい、自分で調べさせても良いものを。起承転結の“結”がサブタイ。しかも劇中描かれていない部分。続編が出来たらどうするんだろ? ドイツの快進撃。電撃作戦で次々突破される各国防衛戦。役に立たなかったマジノ線。ダンケルクの友軍を救うための決断、カレー守備隊への命令があまりに血も涙もなく絶望的。ダンケルクの戦いのあと、バトル・オブ・ブリテン辺りが、一番『ダーケスト』な瞬間に思えたけど、本作で描かれたチャーチルの選択。和平交渉を捨てて徹底抗戦する選択が、その後の連合軍の反撃の第一歩となっている。でもホント第一歩。序章も序章。 余談だけどガンダムでもターニングポイントとなった演説(ジオンに兵なし)があって、元ネタはこのチャーチルの演説なのかな?なんて思ったりしました。 戦場をほぼ描くことなく、戦争の悲惨な状況、国家の危機を首相の目の届く範囲で描く映画として、どうしても『ヒトラー 最期の12日間』を意識してしまう。どうしてあまり必要性のないタイピストのミス・レイトンを主要人物にしたんだろう?若い一般人を出すことによって、堅苦しく年寄りくさい政治・歴史の映画も、人間味と柔らかさが出てきますね。でもそれ以上の役割を持たせても良かったかもしれません。 さてノーヒントで劇中のチャーチルを観て、ゲイリー・オールドマンだって、何人が気がつくだろうか?CGとは違うメイキャップ技術の進歩。デ・ニーロやクリスチャン・ベールのような肉体改造とは別なベクトルの俳優の演技力。ある意味これはこれで、映画俳優の到達点かもしれないですね。[CS・衛星(字幕)] 6点(2023-05-20 19:14:49)《改行有》

16.  ブレードランナー 2049 《ネタバレ》 前作から30年後(現実世界ではナント35年後)の世界。ネクサスも6型から9型の時代に。あの退廃した世界観を継承した、外伝的な作品だと思っていました。 レプリのK(=ジョー)とAIのジョイ。これがロボット同士とかアンドロイド同士の恋愛とかなら想像の範囲でしたが、それぞれ別な目的で人間に尽くすために造られた2人の、2人だけの世界。ある意味可愛らしいバーチャルな恋愛がとても興味深かったです。ずっとこの路線で行ってくれてよかったと思ったんだけど… デッカードが出てくる辺りから、なんか話が前作の“単なる後日談”になってしまったような、せっかく広がった世界観がちっちゃくなってしまったような、ジョーとジョイの恋愛がオマケになってしまったような、そんな印象を持ちました。レイチェルのコピーが当時の髪型と格好そのまんまで出てくるのなんか、ファンサービスのハズなんだろうけど、この映画の主人公ってジョーとデッカードのどっちなんだろう?って思ってしまいました。ガフは嬉しかったけど。 レプリは歳を取らない=デッカードは人間。という解釈で良いのかな。ジョーの出生。2021.6.10と掘られたの木馬。今から28年前って事になるけど、このミスリードも、ジョーの見た目年齢が28歳位の時にレイチェルの遺骨を発見するよう仕組まれていたんだろうか? 前作を踏襲しているのか、ロイ同様にデッカードを“生かす”ジョー。ホントどっちが主役だろう。 中盤からの登場ながら、最後まで物語の中心人物だったデッカード。当時のハリソン・フォードはシリーズ物の復刻版に引っ張りだこで、クリスタル・スカル、フォースの覚醒と、全盛期さながらにグイグイ前に出てきてたっけ。だけどこのブレードランナーのデッカードは、もうちょい控えめなポジションでも、良かったかもしれません。 私は前作のロイたちレプリの脱走事件って、あの時代では良くある事件だったと思ってます。もちろんタイレルの社長と、その右腕とも言えるセバスチャンが殺されてるから、結構大きな事件かもだけど、ブレードランナーって職業が認知されるくらいには、レプリの脱走事件は頻発していたと。 事件の背後でデッカードとレイチェルがコソッと逃げて、警察に追われることもなく、人知れず幸せに暮らしましたとさ。って、そんな小さな愛の物語がブレードランナーだったって思うからでしょうか。 だからこそ本作では、ジョーとジョイの、小さな愛の新たな物語が一番興味があったんだけどね。そこにスポットを当ててこそ、ブレードランナーの続編なんじゃないかな?って。[ブルーレイ(字幕)] 6点(2023-05-11 23:39:07)《改行有》

17.  バーン・アフター・リーディング 《ネタバレ》 “Burn After Reading”『読んだ後燃やせ』。機密文書などで使われるフレーズらしい。 執筆中の暴露本の中身を何故知っているのか?ロシア大使館にリークした情報が何故CIAが知ったのか?クローゼットに入っていた男は誰か?コッチは全部解っていて観るから、登場人物の行動が滑稽に、バカバカしく観えてしまう。 CIAの最終決断がタイトルに繋がる理由がもう、早い話『面倒くさいから』なのも面白い。 ブラッド・ピットは見るからにアホな役をしているけど、ジョン・マルコヴィッチは凄い立場だったのかと思いきや、実はそうでもなかった人も出てくる。個人的に、『セッション』の印象から性格がしつこそうなJ・K・シモンズが事なかれ主義だったり、『俺がハマーだ!!』の印象から破天荒そうなデビッド・ラッシュが気を使う立場の中間管理職だったりが、なんか面白かった。 みんな自分の立場で、時に真剣に、時に命がけで精一杯アホなことをしている。そのアホの連鎖のそもそもの引き金が、自己満足に近い美容整形代の為。というのも、どうにもこうにも…コックス、ハリー、リンダのその後がどうなったか?が気になるっちゃ気になるけど、それこそ“Burn After Reading”なんだよね。ってオチなんだろうな。[インターネット(字幕)] 6点(2023-03-26 18:24:21)《改行有》

18.  クィーン 《ネタバレ》 “The Queen ”と書いて『エリザベス女王』と言って良いでしょう。本来女性の王を指していますが、エリザベス女王は昨年秋に亡くなり、いまご存命なのはデンマークの女王のみ。ただ今後ヨーロッパ各国の王位継承者である“王女”が“女王”に在位してくるそうな。 ダイアナ元妃が亡くなってから10年後に創られたこの映画。イギリス王室の内部をかなり赤裸々に、人間味ある人物として描いています。エディンバラ公とエリザベス王太后はダイアナを嫌っているし、チャールズ皇太子は自己中。この辺、自虐的とも言える、王室を綺麗に描きすぎないさじ加減が、とても上手いなぁって思いました。 本作公開の前年にロンドン五輪開催が決まり、イギリスが一丸となって盛り上げていきたい時。王室始まって以来の大スキャンダルだったダイアナ元妃の事故死に、映画としてメスを入れる行為。それも主役はダイアナではなく女王とブレア首相(当時は現職)にして。イギリス人がこの映画を観て『キレイゴトじゃん』って思っては、シラケムードになっていたところ。※余談ですが私は『フクシマ50』にそれを感じてしまいました。 伝統に縛られ頑なな王室と、国民感情に沿うように歩み寄らせるブレア。印象的な鹿の最後。自らも鹿狩りに参加する一方で、偶然目にした美しい雄鹿が仕留められたことにショックを受け、お忍びで鹿と対面し、仕留めた客人に“おめでとう”と伝えるように言い残す。そんな“公”の一面しか見ることの出来ない女王にも“私人”としての感情もある事を、改めて国民に観せている。 バッキンガム宮殿の前の、花束の少女とのやり取り。ブレアとキャンベルとのやり取りで、国民の女王に対する気持を見事に一体化してきました。 『裸の銃…』なんかでも笑いのネタ扱いだった女王。国民感情と乖離した古いイギリスの象徴だった女王を、愛すべき国民の女王まで昇格させたキッカケとして、この映画は大成功だったと思います。 国民に愛され、国民を愛する女王像の再構築。その映画的アプローチはまさにこの映画から始まり、ロンドン五輪開会式でのボンドとの共演に繋がっていく。見事です。[映画館(字幕)] 7点(2023-03-26 14:37:27)《改行有》

19.  ジュディ 虹の彼方に 《ネタバレ》 “Judy”シンプルです。私が知っているジュディ・ガーランドは『オズの魔法使』'39年の映画の中の女の子。まだ未見だけど'54年の『スタア誕生』も有名かも。映画の大部分は彼女の晩年、'69年辺りで、それでも私が生まれる前の時代。リアルタイムに彼女の晩年を知っている人は60歳以上か? 『オズの魔法使』に感動した身としては、あのハリウッドの若手女優のドロシーが、どうして、ステージ歌手のジュディになったのか?を、この映画に期待していたんだと思う。映画の魔法のようなオズ。その裏側、MGMと母親(マネージャーっぽい意地悪なオバサンがそうか?)の、ドロドロした大人の都合、利権、欲に翻弄される、まだ子供のジュディ。そんな大人に要求するのが『1時間の休憩』なのが、彼女の環境の劣悪さが観えて恐ろしい。10代から薬漬けにされていた彼女の感情は、どのようなものだったのか? 女優としての人気と引き換えにじわじわと壊されていく人格と人間性…を描かずに、壊れてしまって以降の、扱いにくい存在になった彼女をピックアップした作品とも言える。そこに興味を持てるかどうか。 薬漬けで不眠症でステージに遅刻。仕事への姿勢から、彼女が今後再起するとも思えない構成で、どんな幕引きをするか?がクライマックスになってしまう。 ジュディがどれだけの輝きを持ったスターだったかが、OP後の歌ちょっぴりだけ。もう少し観たかった。それとあの時代に彼女が同性愛者に理解を示した、その背景は紹介してほしかったかな。 『シカゴ』以来17年ぶりに観るレネー・ゼルウィガー。言われなければ彼女とは思えなかったわ。晩年のジュディを知らないので比較は出来ないんだけど、レネーが相当な技術力で演じきっていた。そこは文句なく凄い。[CS・衛星(字幕)] 6点(2023-02-20 00:19:42)《改行有》

20.  ヘル・レイザー 《ネタバレ》 “Clive Barker's HELLRAISER”『クライブ・バーガーの放蕩者』…読めん。【ホウトウモノ】とは、思うまま自堕落に好き放題に振る舞う人。の事だそうな。劇中のフランクの事を指しているんだろうけど、監督名をタイトルに付けることで「俺が自分で監督して、好き放題創ってやったぜ!」みたいな意味もあるのかも? ヘルレイザーと言えば衝撃的なビジュアルのセノバイト(魔道士)。ピチッとしたまっ黒ツヤツヤのレザー(エナメル?)ボンデージファッションに身を包む、頭に釘が刺さった男。ピンヘッドというのか。ただそこに居るだけで怖い。当時のホラー映画はデザインセンスの優れた悪役が多かった気がするなぁ。 セノバイトは、ただ黙ってるのが一番怖い。何考えてるのか分かんなくて。喋るとちょっと人間臭くて、異世界感が薄まってしまうのはご愛嬌。 そんなセノバイトたちが大活躍するんだろう。悪なのか?善なのか?なんて思ってたらフランクに振り回されるコットン家のお話でした。善人の被害者役としてアンドリュー・ロビンソンを起用するセンスが素敵。ダーティハリーの“殴り屋”が思い出される。黒い革手袋はめる『ぎゅぎゅ~』って音。黒革と痛みと快楽とアンドリュー・ロビンソンが、私の中で見事に結びついた。映画には全っ然活かされてないけど。 セノバイトのビジュアルは個性的なのに、登場回数の少なさと、活躍しなさにびっくりした。そしてやられ方も没個性的。強いんだか弱いんだか解らない。ジュリアも適当にキューブこねてるだけだから、倒したときのカタルシスが無いんだよな… ただ私がこの映画(というかキャラクター達)に期待するものが、2以降にあるかもしれないので、一応観てみるかな…[インターネット(字幕)] 5点(2023-02-02 22:34:17)《改行有》

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