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1. 永遠と一日
《ネタバレ》 この監督が紹介され出したころの作品は、叙事詩と抒情詩が拮抗しているようなところに魅力があったんだけど、どうもこのころから抒情詩のほうへ傾斜していっていて、なんかもう一つ固い芯がほしいところ。叙事詩的な部分の映像のほうがいい。横一列の車、横一列の警官。十名ほどの人がぞろぞろ歩くってのは、もうこの人のサインみたいなシーン。結婚式の場面などは、またかと思うがやっぱりいい(この人はミュージカル監督なんだと思ってる)。そして水辺ということ、海、川、港、ここらへんは抒情詩的な題材だけど。国境の金網にぶら下がる人々、死体置き場の階上から見下ろす人々、つまりどれも“人々”の映像がいいんだ。そもそも“無言の無名の人々”っていうのが、叙事詩的なんだろうな。いつも一縷の希望を託すようなラストだったのだが、今回の朽ちたテラスでの幻影のダンスってのは、この人にしては退嬰的な気がした。[映画館(字幕)] 8点(2008-12-10 12:13:05)
2. エレニの旅
もちろんすばらしい映画ではある。筏を連ねての葬儀や、樹に吊るされている羊たちや、水没していく村など、アンゲロプロス以外には作れない厳粛な映像が展開している。難民の世紀としての20世紀を検証しようとする姿勢も正しい。でもなんかツルッとしている。初期の作品はもっと歴史と人間がジャリジャリと擦れ合っていた。脚本にトニーノ・グエッラが加わるようになってから、このジャリジャリ感が少しずつ薄れてはいないか。どこかページェント的、オリンピック閉会式のショーを見ているような気にもなってしまうのだ。[映画館(字幕)] 7点(2007-12-05 12:25:20)(良:1票)
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