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1. 永遠と一日
永遠とは全てを包括し総括した絶対的な概念であるはずなのに、同時に絶望的に曖昧で不確定で、具体に寄らない卑怯で狡猾な逃げの表現でもある。永遠とは不確定と不毛と矛盾の総体だと思う。永遠というプログラムには脆弱性があって、それを埋めてくれるアップデートはないのです。老人の最後の一日。永遠の通過点の1つに過ぎない一日。だけれど時に、極度に限定された一日の質量は永遠のそれに匹敵するのだ、とこの映画は提示する。それは厳しく優しい矛盾、永遠が持つ脆弱性でした。老人の最後の一日、だけれどそこには紛れもない永遠がありました。優しく穏やかな「永遠」という澄んだ混沌がありました。8点(2004-11-21 12:03:28)
2. ユリシーズの瞳
泣きそうな気持ちで目が覚めることがある。重い夢。内容など何一つ憶えていないのに、その夢の終焉が悲しいことだけは分かる。重く長く深く辛く愛しい夢から、今しがた無理矢理引き離された、そんな喪失感と共に目が覚める。そんな夢をたまに見る。質量の大きく、密度の高い夢。この作品の背景など全然分からない。だけれど今思い返すに、そんな、長く重い夢のような作品だったような気がする。堆積する歴史。清澄な澱。静謐で肥沃な泥土。100年の孤独。この作品を思うと、ただそんなイメージが静かに湧く。7点(2004-10-12 17:12:40)
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