|
プロフィール |
コメント数 |
363 |
性別 |
女性 |
自己紹介 |
とにかく毎日忙しい、とか言ってなかなか映画を観ないと、観たい映画リストがどんどん長くなっていく。 このまんまじゃ死ぬまでに間に合わなくなっちゃうから、とにかくどんどん観ようっと。 |
|
1. ギャング・オブ・ニューヨーク
漢と漢の魂の繋がり、皮肉な運命、歴史の中で翻弄され埋もれていく人間たちを情熱的に描いておりなかなか楽しめた。
大作らしいセットの素晴らしさなど、映画的な楽しみはたくさんあるが、とりわけラストシーンが印象的。
裏切りや復讐や嫉妬に翻弄され利権を争う人間たちも、長い長い歴史の中では小さな存在であるということを重く感じさせる一方で、ツインタワーの残る映像を見て、時代を経て進歩しているように見えて結局のところ今も根源的には同じような争いが繰り返されていることも暗示されている。
キャストではダニエル・デイ・ルイスが非常に魅力的であった。[DVD(字幕)] 7点(2011-10-08 09:28:01)《改行有》
2. 奇跡の海
『ダンサー』に続き本作を観て、トリアー監督が描きたいものの本質が「無垢な魂」であることに気付いた。
「無垢な魂」は身を守る術を持たない。「無垢な魂」は妥協により周囲と調和する術を持たない。それ故、頑迷なまでに愛を貫く。
しかしそれに触れる、汚れてしまった私はたまったものではない。
「常識」「道徳」「協調」「理性」「良識」といった、大人が持つべきとされる観念を真っ向から否定されたような嫌な気分だ。
監督はまた、そうした「大人の良識」も時として残酷に人を裁いていることを、教会を中心としたコミュニティを描くことで突きつけている。
個人的には、ハンディカメラによる撮影の手ぶれや、編集のジャンプカット、甘いフォーカスなどは、どうも気になる。こうした手法が生々しさを生んでいる面があることは否定しないが、ダンサーでも書いたとおり、撮影者の存在を強く感じさせるというマイナス面もある。
また、真に無垢な魂は、世間と相反する形でしか存在し得ないのか、疑問を覚えるし、ラストでこの残酷な物語をファンタジーに帰着させるというのもやや安易に感じる。
とはいうものの「無垢な魂」に触れた感動に涙を流すか、「理性なき愛の形」に嫌悪を催すか、いずれにせよ私たち観客が目を背けることを許さない吸引力のある映像に、この監督の並々ならぬ力量を感じる。[ビデオ(字幕)] 8点(2004-04-20 15:07:31)(良:2票) 《改行有》
3. ダンサー・イン・ザ・ダーク
手ぶれの激しいハンディカメラの画像と一転鮮やかなミュージカルシーン。セルマの厳しい現実と空想世界のコントラストを映し出すための考え抜かれた演出だってことはよくわかるんだけど、ハンディカメラは、そこに撮影者の存在を強く感じすぎて、私などは全く感情移入できなかった。ミュージカルシーンもコマ切れの印象しか残らず、もっと全体像を写してよ!とイラついた。しかしビョークの存在感と、この映画の持つパワーは圧倒的。何の感動もせずイラついたっていうのに、彼女の歌う「マイ・フェイバリット・シングス」が頭から離れず、なんと3回以上も観るハメになった。良くも悪くも、観るものに強烈な印象を与える映画だ。8点(2003-11-23 20:08:01)
|