|
プロフィール |
コメント数 |
914 |
性別 |
|
自己紹介 |
ハリウッドのブロックバスター映画からヨーロッパのアート映画まで何でも見ています。 「完璧な映画は存在しない」と考えているので、10点はまずないと思いますが、思い入れの強い映画ほど10点付けるかも。 映画の完成度より自分の嗜好で高得点を付けるタイプです。 目指せ1000本! |
|
1. 牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件(236分版)
《ネタバレ》 傑作と呼ばれる本作では、視聴者に含蓄されたインテリジェンスと人生経験が求められる。4時間に及ぶ淡々とした物語の中、見分けのつかない大量の登場人物と複雑な相関図が提示され、一度見ただけでは分からない不親切な作り。蒋介石率いる国民党が台湾に逃げ込んだ不穏な情勢が多感な少年少女に大きな影を落とす。その閉塞感にもがき苦しみ、徒党で脆さを隠そうとする不良少年の一人が如何してに殺人を犯したのか。小明は小四にとって心の拠り所だったかもしれない。だが、小明にとって小四もハニ―も他の男たちも恋人以上の関係を望んでおらず、現実逃避で"淡く付き合いたいだけ"である。救いのベクトルが違いすぎる。人が人に優しくするのはどこかで見返りを求めているからで、小明はそれを見透かしていたからでないか。相手の考えを変えさせそうとする男特有の傲慢さと小四の純粋さ、悪い偶然が重なって深い失望を、悲劇を生んでしまった。一見牧歌的で懐かしい'60年代が歴史の動乱に呑みこまれるように果てしなく冷徹。掴みどころのない深い闇にのめり込む。良い作品とは分かりやすく楽しいのも事実だが、本作みたいに心の中にどこか引っ掛かる意味では忘れられない作品になりそうだ。[DVD(字幕)] 7点(2019-10-28 20:20:09)
2. グリーン・デスティニー
身勝手なヒロインに付き合えるか否かで評価が変わる。良く言えば古い慣習から抜け出して自由になりたいわけであるが、当然その代償を支払わなければならない。にしては印象に残らないシーンばかり。ハリウッドの中国ブームを決定づけた武侠もの、そしてオリエンタルでエキゾチックな世界観が欧米には目を引くものがあるだろう。ただ、同じ東洋人からすれば、それを打ち破る新鮮味が欲しいもの。テーマに普遍性はあれど、これは凄いと思えるものに出会えなかったのが正直な感想。[DVD(字幕)] 5点(2018-05-03 23:29:52)
|