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1. チェ・ゲバラ&カストロ
まず最初に注意すべきは『ゲバラ&カストロ』ではなく、原題を見ても分かる通り、はっきりとフィデル・カストロの映画であるということ。
そして、キューバを圧制国家と名指しするアメリカが制作しているだけあり、「キューバ革命は失敗だった」という事を、殊更に強調したがる内容になっている。
チェ・ゲバラの扱いにしても、やたらと冷酷な人間として描かれ、未だ世界中で高い人気を誇る彼の印象を、悪くしよう悪くしようと努めている意図が見え見えである。
フィデル・カストロが独裁者に堕してしまった事に疑いの余地はないが、だからといって彼らの行った革命が全くの無駄であったかといえば、正しかった部分も沢山あるわけで。
少なくとも、その成否をアメリカが勝手に判断して、こうした映画を作るべきではない。
フィデルは晩節を迎え、経済も破綻し、自由経済に移行しつつあるキューバを、「それ見たことか」と見下し、嘲笑しているアメリカ人の姿が、この映画の奧には見え隠れしている。
そういった意味で、アメリカの性根の悪さを見るには格好の作品。
ちなみに、チェを演じたガエル・ガルシア・ベルナルは、この映画を評して「間違いなく、自分のキャリアで最大の汚点になるよ」と公言している。
じゃあ出るなよ、と言いたくもなるが。
[DVD(字幕)] 5点(2005-09-08 03:28:10)(良:1票) 《改行有》
2. モーターサイクル・ダイアリーズ
「尊敬する人は?」と聞かれる度に、「チェ・ゲバラ」と答える自分にとっては、もう見たくて仕方なかった映画。(別に左巻きの人間ではないです)
この映画は、『世間知らずの医学生エルネスト・ゲバラ』が主人公なので、巷に溢れる『ベレー帽を被り、鋭い眼差しで何かを見つめるチェ・ゲバラ』のイメージを持って見始めると、肩透かしを食らうと思う。
しかしチェ・ゲバラを、不器用でバカ正直な、一介の医学生として描いているが故に、かえって彼の天性というか、特異性が伝わってくる。
このエルネスト・ゲバラという青年は、別に徹底的に共産主義を叩き込まれたわけでもなく、近しい者が活動家だったわけでもない。ただ、現代の自分達と同じように『この世界は何かおかしいんじゃないか』と、小さな疑問を抱いている一青年だ。
その小さな疑問は、気紛れで始めた貧乏旅行で、南米各地の『弱者』と呼ばれる人々と接していくことで、次第に増大していく。
ペルーのマチュピチュ遺跡でのエルネストの表情は、個人的にこの映画での一番の見所だと思う。
アルゼンチンで「彼女に水着を買っていかなきゃ」とニヤけていた男が、マチュピチュ遺跡に腰を下ろし「銃なしで革命?不可能だ」と鋭い瞳で呟く。この両者の劇的な表情の変化には、鳥肌が立った。どんなに世の中の暗部に触れたとしても、実際に彼らのために表情を変えられる人間は、まずいない。どこまでも不器用、純粋なエルネストだからこそ、そうすることができたんだろう。
あの表情の変化が、共産主義が敗北した現在も『自由の闘士』として尊敬を集める理由や、キューバの指導者となりながら、まだ圧制や搾取に苦しむ他の国を救うために革命運動に身を投じ、志半ばで斃れた理由、その全てを物語っているように思う。
映画としては、正直2流の出来であると思う。
しかし、この映画が描く『どこにでもいる青年エルネストが、革命の戦士"チェ"・ゲバラになった』という事実は、『お前たちにも何かできるはずだ』と、自分に語りかけてきているような気がした。革命なんて大袈裟なことは言わなくても。
意味も分からず、彼の顔がプリントされたTシャツを着ている人々にも、ぜひ観て欲しい。
きっと、そのTシャツはもう着られなくなるだろうから。[ビデオ(字幕)] 9点(2005-06-28 10:22:39)(良:1票) 《改行有》
3. 天国の口、終りの楽園。
1時間46分の間、約50分がガキ二人その他の下らない性体験の話、約20分が痴話ゲンカ、20分が「地の文」、10分がSEXシーン、6分間が風景等。これで賞を取ったのか?こんなくだらん映画で!?ロードムービーでここまでつまらないのはもはや奇跡。あ、特筆すべき事がひとつ、劇場内で寝てた人の多さ。1点(2002-10-22 19:52:31)
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