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1. ラルジャン
雷に打たれたかのような強烈な衝撃!!。鋭利で張り詰めた雄弁な画像、ダイナミックな構図と構成、素人俳優による虚飾を取り去ったリアリティ、ドキッとするようなプロットと展開と。鋭敏な鬼才ロベール・ブレッソンでこそ到達し得た高みである。なお、テーマはラルジャン(=お金)。原作はトルストイの後期短編小説「偽りの利札」(物神化されたお金に翻弄される人間の宿命を描いていて、極めてドストエフスキー的!!)。10点(2004-05-06 18:28:05)(良:1票)
2. 地獄に堕ちた勇者ども
ミラノの貴公子、ルキノ・ヴィスコンティによる深遠で、荘厳で、感動的な作品。副題は(ニーベルングの指環)「神々の黄昏」。ヒトラーのナチズムが蔓延していく重苦しい退廃的な時代の空気の中で、宿命の罠に引きずり込まれていく人々のあり様を、窮極の映像美で、雄弁に表現し尽くした見事な作品である。エッセンベック一族を翻弄しつづけたアッシェンバッハもまた、破滅の道を歩んでいたのであろうか。流される宿命を超越するためには、多数の理性の力と勇気とが必要ではなかろうか(「理性が眠るとデーモン(悪魔)が目覚める」)。私にとって古今東西、No1の映画です。 10点(2004-01-05 16:41:28)(良:1票)
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