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【製作国 : フランス 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
1. 奇跡の海 ラース・フォン・トリアーってワザと人の嫌がるような映画を作ってほくそえんでる人。 「ダンサー・イン・ザ・ダーク」のセルマやこのべスみたいに、卑屈な犠牲的精神とそれによってもたらされる陶酔感に酔い痴れる精神の薄弱な女性をいたぶった映画を撮ればカンヌなどで目立つことはできるでしょうけど、それ以上の意味はないよね。 あのお医者さんも他の映画なら「いい人」と思うかもだけど、べスの愚直さを際立たせるために置かれたお飾りキャラ。 無駄に長くてトリアーのおふざけにつきあわされてる気しかしない。 孤高のアーティストを気どる下劣な輩じゃないでしょうか。 (「青い影」なんて使うなぁ!)[CS・衛星(字幕)] 3点(2011-03-05 00:00:07)(良:2票) 2. 今日から始まる 《ネタバレ》 実力派の舞台俳優フィリップ・トレトンが炭鉱閉鎖後の不況にあえぐフランス北部の幼稚園長に。 「田舎の日曜日」のタヴェルニエ監督はソフィー・マルソーを三銃士にしたり、「ラウンド・ミッドナイト」はジャズ、これはドキュメンタリー風と多様な作風。 炭鉱町ものはフランス映画ではそう見かけない。 市の予算が足りず常に逼迫する状況の中で奮闘する若き園長とスタッフの女性たち、彼らを頼りにする住民と無心に遊ぶ子供たち。 幼稚園という狭い場所を舞台にしながら様々な人間の思惑が交錯する中を、ダニエルは情熱をもって駆け回り、外部と折衝し、子供の瞳の奥を見つめ、語りかける。 が、問題はひきもきらない。 家庭人である彼の生活も平行して描かれ、同居する恋人の息子と和解するシーンが目をひく。 なかなか謝るきっかけをつかめずにいた少年が、母親と彼との不和にするりと滑りこんで「女ってむつかしいよな」みたいな目配せをしあって、ちゃっかり男の同盟を結ぶのがおもしろくもあり。 家族との触れ合いに癒されても余裕のないスケジュールに悲劇も起こるべくして起こってしまうが、ダニエルの去就が気になる。 本当に責任をとって辞めるのだろうか? みんなの冷えきった心をあたためた、心づくしの祭りのあとに。[DVD(字幕)] 8点(2010-11-08 00:00:02) 3. 禁じられた遊び(1952) 《ネタバレ》 愛らしいポーレットは小さなファム・ファタール。かばってくれるミシェルまで困難に追いやってしまうのが痛ましいが、ミシェルがどこまでも彼女のいいなりなのがいい印象を与えず同情はできない。大人の描き方も少し極端すぎはしまいか。子供を起用した反戦映画にはあまり心を摑まれることがない。モノクロ・タイトル・音楽・スチールが「名画」的。ブリジット・フォッセーは「青春のさすらい」で美しく成長した姿を見せる。[地上波(字幕)] 6点(2010-03-05 06:34:59) 4. キリクと魔女 画も内容もまったくユニークで、これぞアートといった感じ。生まれ落ちた瞬間から並々ならぬものを感じさせるキリクはスゴイ。わるい魔女をやっつけておわり、じゃないしね。(こんな大団円があるでしょうか?)なんとも懐が大きいのです。近年見当たらないザックリしたテイストも魅力。エンディングに流れるユッスー・ンドゥールの‘Kirikou,c’est mon ami(キリクはともだち♪)のメロディが耳に残ります。[CS・衛星(字幕)] 8点(2010-02-05 06:59:32) 5. きつねと私の12か月 ドキュメンタリーの「皇帝ペンギン」と違い、少女リラの描写はメルヘンチック、きつねテトゥはドキュメンタリータッチの不思議なブレンド。シニカルな評価もきかれる作品ですが、それもわからないではない。クギをさしているとはいえ本来好ましくない行為であるはずのリラの行動をこんなに楽しそうに描くのは。「きつね(野生動物)は可愛いけれど飼いならそうとしちゃいけないよ、会いたくなったらこの映画をみてね」ってことかな。それでも誰もが親しみをもてそうな、きつねのような赤い毛でそばかす(この素朴なルックスが作品をしっかりガード!)のリラが名の色の服をきて美しい自然の中を歩き回る1年につきあうのは無意味な時間ではないと思います。少し加工されていますが、本物の自然の映像は貴重。この国のサイトはもう閉じていたのでフランスのサイトから壁紙をもらってきました。[CS・衛星(字幕)] 7点(2010-02-03 06:59:01) 6. キングダム・オブ・ヘブン 「グラディエーター」は素晴らしかったが、どこかR・スコットらしくないと感じた。大方が感動できるようにきっちりと抜かりなく作られていたせいか。これはそういう意味でははるかにスコットらしく放縦といえる。主人公バリアンのアバウトさも感動など強要しているわけではないし、矛盾をはらんだ彼は実に人間臭い。戦闘シーンの描写はますます芸術的といってもいいほどだが、それにかぶさる音楽は勇壮ではなくまるで鎮魂歌。虚無と寂寥が漂う。常に雲が輝く空も天の王国という具象を思わせ、かつてS・ヤングを最高に美しく撮ったように、美女E・グリーンをレンズにとらえるさまは監督の深い悦びが感じられる。クルセイドを題材にしても歴史絵巻的なものにはならず、スコットの美意識に貫かれた、それだけに脆弱さも内包する作品ではあるが。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2007-04-29 17:52:58)《改行有》 7. 木靴の樹 ゴッホやミレーの絵でしか見たことのない、過ぎ去りし時代の貧しき農民の生活。蝋燭の光だけで撮られた夜の小屋のうちに、素朴に日々の暮らしを営む人々の姿がほのかに浮かび上がる。二つのベッドを括り付け設えられた新婚の新床。贅沢なものは何ひとつなくても、土と寄り添う彼らが不幸せとは思えぬのである。履く靴のなかった少年ミネクがことのほか愛らしい。[映画館(字幕)] 7点(2006-02-27 21:44:35)(良:1票)
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