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【製作国 : フランス 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
1. 太陽がいっぱい 《ネタバレ》 音楽と映画って切り離せない存在である。ニーノ・ロータのあまりにも有名なテーマ曲を聴くたびに、あの美しい海の青と空の青、何も知らずに電話の呼び出しに応じるアラン・ドロンの、孤独な、なのに満ち足りた表情を思い出して涙してしまう。ただでさえ青と黄の強いこの頃のカラー映像は、最近の映画では滅多にお目にかかれないほど、この暗い個性の俳優の目と、海や空の色をどこまでも青く映し出してしまう。まるでその瞳の奥に隠された富への狂おしいほどの憧れを映し出すかのように。友を殺し、女を欺いてまで彼が欲しいと願ったものは、決して友の持つ財産だけではなかった。彼が心の底から望んでいたのは、たまたま運命のいたずらから太陽の当たる場所に生まれて来た友人の存在そのもの。アメリカから渡って来た貧しい青年は、ヨーロッパで豪勢な毎日を送る友人になり代わることを願ったのだ。羨望から殺人を犯す若者の卑屈な個性に、飢えた目をしたアラン・ドロンが見事にはまった。原作のトム・リプリーは、卑屈というよりはむしろ大胆不敵さが売り物の稀代の天才詐欺師だが、映画はその彼のキャラクターをどこまでも暗く、陰鬱なものに変えて人々の心に永遠の哀愁を刻み、パトリシア・ハイスミスの名声を確固たるものにした。それにしてもあの音楽がなかったら、この映画はこれほどまでの傑作になり得たのだろうか。10点(2003-12-10 22:07:27)(良:2票) 2. TAXI NY ヨーロッパ作品のハリウッドリメイクって私の中ではコケやすいんですけど、珍しく成功した例だと思います。元々の「TAXI」があまりフランス映画の王道を行ってるというわけでもないので、ある意味やりやすかったのかも知れません。サミー・ナセリを安易にアダム・サンドラーあたりに置き換えないで、クイーン・ラティファを持って来たのは大正解でしたね。へんに原作のイメージをひきずることなく、良い味だけが引き継がれたという感じがします。突き抜けたバカさ加減はやっぱり原作の方が上かなあ・・・という気もしますが、これもハリウッドではある意味ありがちな物だからかも知れません。イカしたお姉ちゃんたちが無駄に露出するお着替えシーンなんかはいかにもアメリカ~っ、という感じですが、フランス版の方がもっとキワどいエッチネタ出して来てたような気がしますし、このへんの匙加減の探り方に仏米の差が出て来るところも面白いですね。アン・マーグレット、いったいナニやってんだか(^^;ジミー・ファロンのコミカルな演技も非常にほどほど感があって安心して楽しめました。珍しく、日本人にもちゃんと笑えるコメディです。お勧め出来ます。9点(2005-01-11 01:00:14)(良:1票) 3. TAXi2 1作目よりおバカ度に磨きがかかっていて、正直こっちの方が私は好きでした。特にお父さんの将軍、ヘリコプターの中で何であんなカッコしてるんだぁ、みたいな、ああいうワケわかんない展開っていいですね。ちょっとジェリー・スティラーに似てるし。相変わらず妙に世間が狭いというか出来すぎたホームドラマと刑事モノのアンマッチ度がいかにもバカバカしくて私は大好きです。出て来る日本人の日本語がネイティブなのも安心して観てられていいですし、今回は女性陣の活躍ぶりもなかなか華やかで楽しめました。あいかわらずどこに突っ込んでもピカピカのプジョーはバットモービルやデロリアンを凌駕しています。個人的にこの違和感がたまらなく良いので、この勢いで3も観ます。あ~やっぱりリュック・ベッソンっておかっぱ頭の女性が足を見せてるのが好きなんですよね。このぐらいの露出度がほどほど感があって良いかも。8点(2004-07-30 00:54:44) 4. TAXi 今までリュック・ベッソンの作品で観て良かったと思ったのは「ジャンヌ・ダルク」1本だけ、残りは全て「観るんじゃなかった」だっただけに今回の収穫感は大きい。よって著しく点数が高めに歪められた可能性はあるが、これはけっこう面白いんじゃないかと私は思った。主人公の微妙な不細工度が非常にちょうど良く、けっこうこの好感度に依存しているような気はする。他の車がボコボコになって行く中でサミー・ナセリのプジョーだけがどんなに突っ込んでもピカピカのまんま、というのが泣かせる。ホームドラマと刑事物のかなり無理目なバランスもフランス映画ならではの良い味出しているし、フランスのおバカなコメディに抵抗のない人ならわりと素直に楽しめるんじゃないだろうか。ハリウッドよりこっちの方が似合う監督なんだろうな、きっと。8点(2004-07-30 00:48:45)(良:1票)
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