|
1. テス
《ネタバレ》 トーマス・ハーディのもう一つの厭世的な作品「ジュード」(「日陰のふたり」)と同様に悲劇的内容ながら、ナスターシャ・キンスキーのあでやかな美しさとドーセット地方の緑ゆたかな田園風景が淀んだ水の中の白い石のごとく光を放つ。 天井より滴り落つ血は運命に翻弄され続けたテスが一矢報いたと言うべきか。 されど断罪さるべきは粗暴な支配者アレックよりも天使の名をもちながら身勝手な理想主義者であったエンジェルかもしれず、されば彼がテスとともに罪人として牽かれてゆく結尾には納得がいき、原著のテスの妹の存在を抹消したのは頷ける。(テスの望みとはいえ彼女の処刑後に彼がその妹と添うのは如何なものか) 朝霧流れるストーンヘンジの岩に身を横たえるテレザ・ダーヴィフィールドは、その呪わしき名と共に自分を苛んだこの世から消え去る時を静かに待っているかに見える。[映画館(字幕)] 8点(2010-07-09 23:59:59)(良:2票)
2. デリカテッセン
ジュネ&キャロの味は十分出ているが、まだマニアックな領域をでていない。[CS・衛星(字幕)] 7点(2009-08-06 01:00:17)
|