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プロフィール |
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913 |
性別 |
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自己紹介 |
ハリウッドのブロックバスター映画からヨーロッパのアート映画まで何でも見ています。 「完璧な映画は存在しない」と考えているので、10点はまずないと思いますが、思い入れの強い映画ほど10点付けるかも。 映画の完成度より自分の嗜好で高得点を付けるタイプです。 目指せ1000本! |
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1. デリシュ!
《ネタバレ》 今でこそよく見られるレストランという形式が如何に誕生したか。
18世紀末のフランス革命前夜まで、美食は貴族のものであり、
庶民は飢餓と隣り合わせで食べることに必死だった。
旅籠には簡単な食事が提供されることはあれど、
それまで貴族も庶民も一緒に、個別のテーブルで、メニューから料理を選択することが今までなかった。
この視点でレストラン誕生の経緯を知ることがなかったので目から鱗である。
天に近い食材ほど至高で、土に根差したジャガイモやトリュフというポピュラーな食材が
かつて貴族から豚の餌扱いされていたということも。
主人公と女性の織り成すロマンスは控えめで、
抑制された色遣いによる絵画のような映像美が美味しい料理を引き立てる。
そして傲慢な伯爵への強烈なカウンターパンチ。
封建社会の理不尽を受けてきた先人たちの努力によって新たな活路が見出され、
食文化が成熟・変遷していったかを興味深く見られた。[インターネット(字幕)] 6点(2023-12-09 22:24:42)《改行有》
2. ディーパンの闘い
《ネタバレ》 これがパルムドールか・・・『預言者』に続き、フランスに押し寄せる難民問題に焦点を当てるも切り口が平凡。家族と偽りパリに渡った赤の他人三人が如何にして日々を生き抜いているのか、ニュースでは表面的に描かれているだけに関心はあった。しかし、こうも簡単に順調に生活が上手くいくのか疑わしい。二人の"夫妻"がくっついたり衝突するのは描かれていても、"娘"の描写が希薄でいつのまにか影が薄くなっていく始末。次第に積み重なっていく不穏と鬱屈が爆発するアクションのシークエンスは、主人公のみ見せて他はあまり映さないスタンスで、彼のPTSDを追体験させるつもりでも、直後に取ってつけたハッピーエンドのアンバランスさに違和感。イギリスに着いてめでたしとは限らないのに、主人公の妄想なのかひとときの安堵なのか狙っているの? パリ同時多発テロ、イギリスのEU離脱後では呑気にこんな映画は撮れないだろう。エンタメ寄りのオーディアールにしては詰めの甘さを感じる。[DVD(字幕)] 4点(2016-10-31 21:48:01)
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