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1. NOVO/ノボ
「メメント」ではサイコ・スリラー、「50回目のファースト・キス」ではラヴ・コメディの題材となっていた「前向性健忘」をモチーフに、男女関係の新しい形を模索しようとしたフランス製のミステリアス・ラヴ・ストーリー。翌日には今日のことを忘れてしまう恋人ってのは、ある意味魅力的な存在。相手に過去の記憶が無い訳だから、自分が記憶となって相手をコントロールすることが可能だろうし、どんなに恥ずかしい行為をしたとしても翌日には綺麗さっぱり忘れてもくれる。しかし二人で歴史を作ったり、精神的に結びつくことは永遠に不可能。ここに重点を置いて、且つアナ・ムラグリスの方を主人公に据えて物語を組み立てれば、愛の欲求をテーマにしたもっと面白い作品になったと思う。ということで、神々しいミューズの裸体に4点献上。[CS・衛星(字幕)] 4点(2005-09-09 00:07:25)
2. ノー・マンズ・ランド(2001)
コメディコメディした映画ではなく(笑えるシーンはそんなに多くありません)、状況設定と物語そのものが毒々しい風刺劇。内戦の原因を知る者は一人としていないであろう中で戦うボスニアとセルビア、硬直した官僚機構と成り果てて「事なかれ主義」を徹底する国連(軍)、視聴率と名声だけを追い求め「真実」には興味を無くしたジャーナリズム。“no man's land”というのは「中立地帯」という意味らしいですけど、むしろ「人でなしの世界」ともとれる内容です。そこは全てが愚かで無力な世界、我が国も他人事ではありません。憂国の7点献上。7点(2002-06-06 00:18:26)
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