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1. ピアノ・レッスン
ヒット作、名作といわれるものにかぎって「私には合わない」ということが少なくありません。[ビデオ(字幕)] 5点(2004-08-22 02:37:24)
2. 秘密と嘘
何だかふつうの映画とずいぶん雰囲気が違うという記憶があったのですが、あるサイトに「いわゆる脚本はなく、簡素なメモを元に、俳優たちとの長期リハーサルで作られた」とあり、納得しました。
舞台などではよく使われる「口だて」という手法に近かったのでしょう。
だからこそのリアリティーだったのかも。
子宮内膜症?と思われる女性がお腹にカイロのようなものをあてがって苦しんでいるさまも、ほんとにリアルだったので、もしかしたらあの女優さん自身の実体験だった可能性もあるかも、と思います。
そのだんなさん役(主人公の弟)のティモシー・スポールという役者さん、私は名前こそ覚えていませんでしたが、とっても好きだなあと思っていました。何と「ラスト・サムライ」に出ていましたね。
ブレンダ・ブレッシンもかなりユニークな女優。日本で言うと藤田弓子さんみたいな感じかな。
目が印象的な黒人女優、マリアンヌ・ジャン・バチストは、TV女優出身で作曲もこなすミュージシャンとか。なーるほど、という感じ。才人なのね。
とはいえ一人として有名な役者さんは出ていませんでしたが、すごく味のあるキャスティングでした。
ストーリーは、1エピソードこそ「えっ!?」と驚く仕掛けが用意されていますが、描かれているのは単調な日常。そういうストーリーが好きかどうかが、評価の分かれ目ではないかしら。見ている間、息苦しさを感じないわけではありませんでしたが、娘の聡明さと弟の優しさ、最後のシーンに救われた気がします。8点(2004-01-05 13:05:29)《改行有》
3. ひまわり(1970)
《ネタバレ》 戦争によって家族が、愛しあうどうしが、引き裂かれていく悲劇を描いた名作ですが、私は、どんなタイプの映画であれ、映画の中の人物像は、その人がどのようにナチュラルに行動し、語っているかが一番気になります。そして本作が素晴らしいと思うのは特にその点です。たとえば。ロシアで奇跡的に命びろいをした夫は、助けてくれた彼女をふりきるようなことが人間として不実であることはわかっていました。彼の切なげな無言の表情が胸を打ちます。でも自分の「本心」が行動を起こさずにはいられなかった。彼自身が本当に愛しているのは別の人だから・・。でも運命は彼らを決定的に引き裂いてしまいました。胸をかきむしられるような痛みがつらく、駅での別れのシーンは、何度見ても涙が抑えられません。ところで。私はある日たまった新聞を整理していて、読み落としていた記事を目にしました。ある教育者一家の家族愛のルポでした。ご長男が太平洋戦争出陣で亡くなり、戦友が遺品を届けに来てくれたそうなんですが、両親は会わなかったとのこと。会えなかった、のでしょう。代わりにご兄弟がお会いになったようです。このエピソードだけ書いてもよくわからないかもしれませんが、戦争の悲惨さというものはそういうことなんだと思うんです。そしてこれは私の想像ですが、ご両親の心情はその戦友の方にこそ一番わかりすぎるほどわかったのではないかと思います。まして気分を害して帰られたということはおそらくなかっただろうと思います。この記事をきっかけに改めて、この映画で、ソフィア・ローレンが帰還兵から夫の消息を聞いたとき、そのことで頭が一杯、というふうだったシーンを思い出しました。大変な思いをしてわざわざ尋ねて消息を知らせてくれた人に感謝の一言もないの?というご意見もありましたが、それはまさに平和ボケといってもいい状況にある私たちの今の感覚がそう思わせしめるのではないか、と感じます。その方の感想を非難したいわけではありません。しかし自戒も込めて思いますが、実感が狭い見方と同義である場合もあるのです。この映画は、砲弾も戦闘も描いてはいないけれど、戦争というものの実相をきちんと描いた、私たちが観続けていかなければならない名作だと思います。折りしも、昭和20年代以降まさかと思っていた、戦地への同胞の派遣が行われました。割り切れない思いでいっぱいです。[映画館(字幕)] 10点(2003-07-10 20:33:09)(良:7票)
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