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プロフィール |
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914 |
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自己紹介 |
ハリウッドのブロックバスター映画からヨーロッパのアート映画まで何でも見ています。 「完璧な映画は存在しない」と考えているので、10点はまずないと思いますが、思い入れの強い映画ほど10点付けるかも。 映画の完成度より自分の嗜好で高得点を付けるタイプです。 目指せ1000本! |
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1. 落下の解剖学
《ネタバレ》 有罪か、無罪か?
自殺か、他殺か?
そんなものはどうでも良くて、裁判によって暴かれる夫婦の拗れを中心に据えている。
親密な夫婦仲でも所詮は赤の他人。
交通事故による息子の視覚障害から始まる生活苦、作家志望の夫の嫉妬と余裕のなさ、他方では妻の成功、やがて…
ある家族の一年間を断片的に見て、分かった気になって、
エンタメとして消費しているだけでしょ?と問われている気がした。
そう考えると筋書きは至ってシンプルで下手したら何も起こらない。
勝手に期待して盛り上がっている傍聴席の我々に対するフランスらしい皮肉が効いている。[映画館(字幕)] 6点(2024-02-23 23:59:35)(良:1票) 《改行有》
2. ラブレス
《ネタバレ》 「避妊すれば良かった」。
同監督の『父、帰る』同様、説明的なストーリーテリングは避け、観る者に委ねる作り。
離婚調停中の身勝手な夫妻が主人公のため、常に醒めた目線で見届ける。
愛が欲しいだけで誰かに与えようともしない。
貰っても消費してさらに欲しがる。
その病理が冷徹な映像美から伝わる。
"要らない"息子が最後まで見つからないまま時が経ち、元夫は新たな子供を邪険に扱い、
元妻は今でもSNSに依存している。
ロシアによるウクライナの問題にしても、他者への無関心が貫徹していて、
これからも己のために底なしの幸福を求めて満たされない日々を繰り返すのだろう。
その愚かさに気付くことなく、風化していく捜索チラシと枝にはためくテープが息子の存在証明として残り、
記憶とともに忘れ去られていく、その非情さがただただ虚しい。[DVD(字幕)] 6点(2019-01-01 01:15:58)《改行有》
3. ラ・ジュテ
《ネタバレ》 アイデアの勝利。今だったら動画サイトで嫌ほど見られる手法だが、一枚一枚のスチールに情感あり。30分で締めたのは正解で、飽きてきたところで動画を一瞬挟み込んだのは心憎い。利用されるだけ利用されて、撃たれた男の崩れ落ちる姿が、フランス映画らしいディストピア感があって目に焼きつく。[DVD(字幕)] 5点(2015-09-06 15:49:13)
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