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1. ル・バル
いかにもフランス映画だ、シャレてる、と思ったらイタリアだった。戦前部分の色調が美しい。ジャン・ギャバン登場は愛嬌。あの恋のもつれの物語いうのがそもそも戦前映画の雰囲気なのよね。ファシズムの台頭を暗示し、ダ・ダ・ダいう足踏みの音。空襲、占領、解放(鐘の響き)で、三人の女が喜んで回っているのがそのまま群舞になる。あの時期はどこでも「イン・ザ・ムード」で表現できるんだな。片足の帰還、およびダンスでホロッとさせる。ティーン・エイジャーの乱入。ジャン・ギャバンはちゃんと戦後のかっこで登場。ロックンロールの時代から五月革命の学生運動、「ミッシェル」でディスコへと。この後半はただ風俗をなぞっただけになってしまった。踊るということの解放感、回転することの永続性、それだけに退場シーンはシミジミする。けっきょく趣向頼りの映画ではあったが、それで通したってことだけでも立派。[映画館(字幕)] 7点(2011-04-06 09:48:23)
2. ルネッサンス
白と黒のコントラストの強い、まるで切り絵のアニメーション。いいんじゃないかと思ってたら、これ、実写をもとにした手法らしく、人物の表情や仕種がけっきょく俳優のそれで、アニメならではの表現ではなくなっていた。古くなった白黒実写映画を見てるような気になってくる。『白雪姫』も最初実写で撮って絵にしたってことだけど、欧米人は、アニメは現実に近づけることをヨシとしてるとこがあるみたい。発想が逆なのではないか。絵を動かすことでしか描けない世界を発見するのがアニメーターの仕事ではないのか。チェコのカレル・ゼーマンに、銅版画ふうの世界と実写との合成による『悪魔の発明』という傑作があって、白黒のトーンが似てるのでこれ見ながらしばしば思い出してたんだけど、技術はそのころより格段に進歩したがアニメの精神は退化したような。ガラス張りの歩道と下の車道の関係なんか面白かったんだけど。[DVD(吹替)] 6点(2008-04-11 12:21:50)
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