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プロフィール
コメント数 618
性別
自己紹介 【好きな映画】
★ヒューマンドラマ系
★恋愛
★コメディ
★推理・サスペンス・法廷
★アニメ
★その他、心がほっこりする・ワクワクする・揺さぶられるものなら何でも。

【苦手な映画】
×ホラー・スリラー
×暴力系・ヤクザやヤンキー系
×アクション
×アイドルが主演
×ハードボイルド
×見せ場が女優の裸だけの80年代日本映画
×映画の質よりも興行成績だけを意識したハリウッド映画

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1.  ニュー・シネマ・パラダイス 《ネタバレ》 午前十時の映画祭で観ました。初めて観たのはレンタルビデオで、その時も感動しましたが、映画館で観るとやはり感動の質が違いますね! 子供時代の屈託のない笑顔とは対照的に、大人になって社会的に成功したように見えるトトに笑顔はありませんでしたね。それが、ラストのフィルムで子供の頃の思い出、そしてアルフレードと過ごした時間が一気によみがえり、その気持ちが見る側に痛いほど伝わってきて、人目を憚らず涙をボロボロと流してしまいました。ただ「懐かしい」という感情だけでなく、いつからか笑顔がなくなった彼にとってあのフィルムは、子供時代の笑顔の時間を凝縮したタイムカプセルのようなものだったんですね。 こういう映画、面白かったからといって、何度も何度も観ようとは思いません。見飽きてしまって、感動度がだんだん下がっていくのがもったいないので・・・。10年に一度くらい、またあの感動を味わえればと思います。[映画館(字幕)] 10点(2015-05-11 00:31:58)《改行有》

2.  愛の昼下がり 《ネタバレ》 6つの教訓シリーズの中では、この作品が一番好きかも。 ロメールの映画では「日本人には理解不能なフランス人の恋愛観」がよく出てきますが、今回は珍しく、女性への対応に共感できる男が主人公で、さらにロメールにしては「普通のハッピーエンド(でもメチャ感動)」でした。教訓シリーズ、「最後くらいは“めでたしめでたし”でもいいじゃん」っていうロメールのつぶやきが聞こえてきそうなラストでした。 プロローグで、妻に不満はないけど、いまひとつ心が満たされない様子を表現した、「相手の意思を無力化するペンダント」で妄想を繰り返すところは爆笑。ここだけ見ると、このオトコも、教訓シリーズによく出てくるろくでなし野郎かと思いましたが、最後まで見ると一番まともな男性でした。 本筋に入ると、昔の知り合いの女性・クロエが登場し、渋々相手をしているうちにだんだんと彼女のことが気になり、クロエも大胆に彼を誘惑し始めます。とうとう、裸のままベッドで横たわるクロエを前に、さあこれから・・・というところで、鏡に写ったジャミラ状態の自分を見て思いとどまり、そのまま妻の元へ・・・。 冒頭の、入浴後の妻とのキスシーンで妻が「服が濡れるわよ」、ラスト前の、シャワー後のクロエとのキスシーンでクロエが「キスは? 服が濡れるけど」。同じシチュエーションでも相手が違うと結果も変わる的な意味の教訓なのか、彼は服を買う時にこだわりがあるようだったのでそれと絡めているのか、それとも他に違う意味があるのか、どれが正解なのかわかりませんが、結果的に映画的な面白さが増しているのは事実。もう一度じっくりと見れば、意味がわかる・・・かな? 今回も、ストーリーはシンプルだし、いつも以上に何も起こらないのに、6つの話の中で一番心に残った作品でした。特に、クロエのシャワーから妻号泣のラストまでの数分間は、ほんとに映画らしい、いいシーンだったと思います。 何も起こらない平凡な話・・・で思い出したのが、「ガラスの仮面」に出てくる一人芝居「通り雨」。この映画ももしかしたら関係者から「監督、こんな平凡でつまらない話、ほんとに映画にするんですか?」と止められたかもしれません。でもロメール監督ならきっと北島マヤのように「見た人がつまらないと感じたら、それは話が平凡だからではなく、私に映画監督としての力が無いということだね」みたいなこと、言いそう(笑) 。そういえばこの話、落としどころが「通り雨」に似ているような・・・気のせい?[CS・衛星(字幕)] 9点(2022-08-13 21:47:02)《改行有》

3.  そして、デブノーの森へ 《ネタバレ》 すごくいいですね! テレビの解説には「出会った女の罠にハマって、すべてを失う男の話」のようなことを書いていたし、いきなりきれいな女優さんの裸・・・という流れだったので、安っぽい映画かと思い、まったく期待していませんでしたが・・・ 実は、自殺した親友との友情を描いた骨太のヒューマンドラマでした。 途中、エヴァが主犯でミラが利用された・・・みたいな煙幕が張られるものの、どうみてもエヴァは脇役で、ミラがある目的を持ってダニエルに近づいたとしか思えない展開です。ミラは、ダニエルが、父・ポールの作品を盗作して名声を得たと思って、本の印税を脅し取り、結果的に破滅させるのですが、真実を知ったミラ、ラストシーン、そしてこのタイトルの意味がわかった時は、あまりの哀しさと美しさに声も出ないほどでした。 最初は、「鑑定士と顔のない依頼人」のような話っぽいので、どうしてもミラの正体にピントを合わせて観ちゃいますね。でも真実がわかって、ダニエルの視線でこの映画を見直すと・・・ 女好きのアホなおっさんと思っていたダニエル、実は骨のある、不器用だけど男気にあふれた、いいヤツじゃないですか!(ただ、奥さんはかわいそうでしたが・・・) 最後、すべてを知ったミラが、自殺したダニエルのことを「偉大な作家」と呼び、警察官に見せられた写真を見ながら「ポールは?」と聞かれ、「さあ・・・」と答える時のミラ、そして墓地に舞う原稿・・・最高に美しかったです! 話の根底には、ユダヤ人問題が重深く関わっています。自分にはその辺りの知識がほとんどないので、しっかり調べてもう一度見直せば、さらにこの映画の素晴らしさがわかると思います。何気なく聞き流していたダニエルの父の「火星人のジョーク」も、実は伏線というか、前フリだったんですね。 他にもいろいろとその後の展開を示唆するセリフやシーンがていねいに練り込まれた、良い映画だと思います。[CS・衛星(字幕)] 9点(2017-06-07 14:06:48)《改行有》

4.  イル・ポスティーノ 《ネタバレ》 郵便配達人と詩人との心のつながりを描いた、本当にいい映画でした。特に最後の、マリオが島のいろいろな音を集めるシーンからラストまでのつながりが素晴らしく感動しました! マリオが死ぬシーンを、過去のフラッシュバック的に見せる手法が効果的だったと思います。話の中に「共産党員」を強調するセリフが多かったので、何か政治的なことが絡んでくるのかと思ったら、最後、ぬる~い感じになりかけた話を、しっかりと辛口な後味に仕上げてくれました。 ただ、詩的表現とか隠喩(メタファー)が話の中に出てくるわりには、説明的なセリフも多く、ちょっと直接的な印象でした。どうせなら映像表現も、もっと隠喩的にした方が、内容とリンクして面白くなったような気もします。 映画って、観る側の精神的コンディションや知性、人生の経験値等によって、印象も大きく変わってくるということを、この映画で痛感させられました。20年くらい前、ツタヤでこの映画のビデオを借りて、確かに観たはずのに、話の内容も映像の美しさも、まったく記憶になく、自転車で手紙を配達しているシーンくらいしか憶えていませんでした。当然、今回観た時のような感動もなく「なんとなく盛り上がらない・・・」程度の印象でした。過去に「つまらない」と思った映画も、もう一度観ると、新しい発見や感動に出会えるかも。もちろん、その逆もあるでしょうけど・・・。喜怒哀楽や感動の質など、アメリカンな映画スタイルに辟易してきた人には、この映画はオススメです。[CS・衛星(字幕)] 9点(2016-05-17 16:18:33)(良:1票) 《改行有》

5.  レオン/完全版 とても良かったです!完全版の方しか観ていないので比較はできませんが、最初から最後までカットするムダな部分などワンシーンもないと思えるくらいで、2時間を超える長さもまったく気になりませんでした。ナタリー・ポートマン、あの年齢でしっかり主役としての演技を見せてくれました。素晴らしいです。ただ、よく「天才子役」という言葉がありますが、天才的な演技ができる子役などいません。観ている人に「天才だ!」と思わせるような演出や演技指導をするスタッフがすごいのだと思います。でもそんなことはどうでもよくて、とにかく良い作品でした。[CS・衛星(字幕)] 9点(2012-03-07 17:31:03)

6.  夏物語(1996) 《ネタバレ》 3人の女性の性格、水着の印象通りでしたね。このフニャフニャなガスパール君に、獰猛な肉食系のソレーヌやレナの相手は無理でしょう(笑) どうにか会話が成り立つマルゴなら多少の望み有ですが、そもそも彼が「モテる」こと自体に違和感を覚えました。 夏のバカンスに若い男女が登場・・・とくれば、いかにもな恋愛ドラマを連想しますが、そこはロメール映画、何か起きるわけでもなく、その代わり「あー、その気持ち、メチャわかるわー!」的な、今も昔も変わらない、若い男女特有のめんどくさい恋愛心理を巧みに表現してくれています。 最後、立て続けに鳴る電話、レナとソレーヌからのお誘い、さあ彼はどちらを選ぶのかと思ったら、選んだのはレコーダーって・・・これには大笑い! でもあの状況ではベストチョイスかも。マルゴに事情を説明して、レナとソレーヌに告げられた時間前に宿を発つ。優柔不断な彼にしては大正解な判断だったと思います。・・・というより、行き詰まった彼の前に「逃げる」という選択肢が突然現れたので、思わず飛びついた、そんな印象でしたね。 長い人生の中で一度は訪れるモテ期。経験ある人ならガスパール君に対してきっとこう思ったはず。「もっとうまくやれ」と(笑)。[CS・衛星(字幕)] 8点(2022-06-27 00:58:37)《改行有》

7.  バーン・アフター・リーディング 《ネタバレ》 これは笑えました! 「世間のバカ同盟」が引き起こす馬鹿馬鹿しい出来事にさすがのCIAもお手上げ、全身整形の費用を支払って面倒事を終わらせてしまうエンディングが最高でした(笑) 登場人物はみんなバカで、巻き起こす事件はくだらないのに、でもドタバタコメディーじゃないんですよねー。 劇中の人物目線だと、それぞれが必死のハードボイルドな世界、でもそれを俯瞰で見ることで笑いになる。また、コントのようなセリフや大げさな動きで笑いを誘うのではなく、普通のセリフ・動きがおもしろく見えるように演出する。こういうコメディー、とても好きです。[CS・衛星(字幕)] 8点(2022-06-23 00:12:46)《改行有》

8.  悪魔のような女(1955) 《ネタバレ》 有名な映画なのでタイトルは知っていましたが内容は全然知らず、でもそのおかげでこの映画の醍醐味を充分に味わうことができました。真相が明らかになった時は、一流マジシャンのパフォーマンスを見た時のような「ダマされる快感」に酔い痴れました。 この映画では、結末のインパクトを高めるために、見る側を騙そうとする「罠」がいくつも仕掛けられています。 まずは、鑑賞者の意識を「2人の女性の完全犯罪は成功するか否か」という視点に向かわせようとします。 汽車でタバコを吸う校長を迷惑がる2人の女性客、風呂に水を入れる音がうるさいと怒り時刻をメモする夫婦、酔っ払いが車に乗り込もうとした時に店員が確認した汚れた荷台、死体をプールに投げ込む直前に点いた部屋の電気等、「これが後でポイントになるんだよね」と思わせるシーンが次々と・・・。でもこれだけ続くとさすがに「トラップか?」と思っちゃいますね。 次は「プールに投げ込んだはずの死体が消えた」ところから、怪奇ホラー系の匂いを漂わせます。 クリーニング屋から届く校長のスーツ、校長に怒られたという少年、集合写真に写る校長らしき影・・・。安っぽい謎解きドラマだと、こんな怪奇現象は「犯行を紛らわせるためのトリック」で片づけられるのですが、本作では、このホラー的な空気が最後に活きてきます。 そしていよいよラスト。バスタブの校長よりも、自分は死んだ妻の表情の方が怖かったです。ショック死する妻、計画が成功し喜ぶ校長と愛人。でもそれは探偵が見抜いて手を打っていた・・・と、意外な真実を次から次へと畳み掛けてきます。 これでこの事件も解決・・・と思ったら、最後の最後、少年がパチンコを「校長夫人にもらった」という謎のシーン。 一瞬、実は夫人は死んでおらず、妻が探偵と結託し、校長と同じ手を使って2人を陥れ、「さらにもうひとつの真実があったのだ!」ということを表しているのか・・・とも思いましたが、校長が妻の脈が止まったのを確認しているので、これは違いますね。 そうなると、少年が見たのはやっぱり死んだはずの校長夫人だったのか・・・? あえて真実を示唆せず、最後にもう一度観客をゾッとさせる怪奇ホラーの余韻を残すことで、作品全体の印象がグッと深まりました。 最初にも書きましたが、この映画、最後の真相を知らずに観ることができてホントにラッキーでした![CS・衛星(字幕)] 8点(2022-05-24 21:05:08)(良:1票) 《改行有》

9.  ボーイズ・オン・ザ・サイド 《ネタバレ》 途中までは、いろいろな事情を抱えた三人の女性が、旅を重ねていくうちにお互いを理解していく・・・という、ロードムービーの雛形にキャラクターを当てはめただけのありきたりな映画かと思っていましたが、後半からラストにかけて、人との絆の大切さがしっかりと描かれ、芯のしっかりした見応えのある内容に仕上がっていました。 新しい命の誕生パワーで様々な問題もオールクリアのホリー、そして、ロビンの姿が消えた車椅子。喜びと悲しみ、そのすべてを糧に歌手として再スタートするジェーン。寂しさもあるけれど重苦しくなく、気持ちが前向きになれる、心地いいラストシーンでした。[CS・衛星(字幕)] 8点(2022-05-10 21:32:18)(良:1票) 《改行有》

10.  マイ・ブルーベリー・ナイツ 《ネタバレ》 やっぱりウォン・カーウァイはいいですね! この映画も、ウォン・カーウァイ独特の映像世界に音楽がピッタリと合っていて、とてもカッコ良かったです!  ただ、見始めてしばらくは「恋する惑星」や「天使の涙」の印象が強烈に残っていたせいか、最初は映像と英語&アメリカの組み合わせに違和感を覚え、慣れるまでに少し時間がかかりました。 ストーリーだけに焦点を当てると、登場人物の掘り下げ方や展開等に物足りなさを感じるでしょうが、もともとウォン・カーウァイ作品の魅力は、映像・音楽・ストーリーのバランスの良さ。これ以上のストーリー濃度は、かえって作品の良さを損なうような気がします。 個人的には、ラスベガスへ向かう時の風景が「テルマ&ルイーズ」のような乾いた雰囲気で、とてもステキに映りました。このシーンを見せるためだけにアメリカを舞台にしたのかと思えるほど。そして、手を振りながら2台の車が別れていくシーンが、この映画の中で一番好きでした。[CS・衛星(字幕)] 8点(2022-04-17 21:01:07)《改行有》

11.  パリのランデブー 《ネタバレ》 3つのストーリーに描かれているのは、女性絡みで滑稽さをさらけ出す男たちのエピソード。男性なら誰でも似たような経験、あるのでは? この映画のように、観客として俯瞰的に見ていると「自分はこんなバカなことしない」とか思いますが、いざ当事者になると、自分がどれだけマヌケなことをしているのか、わからなくなるんですよねー(笑) 第1話目では、浮気がバレたトホホ野郎より、修羅場のあと、何も知らないで7時にのこのことカフェにやってくるナンパ男に大笑いでした。彼がおもしろいことをするわけじゃなく、そこに登場するだけで笑えてしまうシチュエーションを作る、こういう上質な喜劇、いいですね! 第2話のラストの「えっ? えぇっ・・・?」とポカ~ン状態のおっさんも笑えたし、第3話の「ムダな一日ではなかったな」と自分を納得させる画家は、まるで自分を見ているようでした(^^; バッドエンドばかりの恋愛ストーリーのタイトルが「ランデブー」。違和感を憶える人もいるかもしれませんが「うまくいく恋愛もそうでない恋愛も、男と女が恋愛劇を繰り広げたら、それはすべてランデブー」というフランスらしいユーモアのように思えました。 こういう感覚の喜劇はこれまで馴染みがなく、でも楽しめて新しい発見もあって、映画に対する経験値がひとつ上がったような気分です♪[CS・衛星(字幕)] 8点(2020-10-11 19:53:10)《改行有》

12.  緑の光線 《ネタバレ》 精神的に未熟で自意識過剰、場の空気が読めずに無神経な持論をズケズケ、周りの人間に気をつかわせまくった挙句それを何とも思っていない、痛いところを突かれたら逃げ出し、そして人前で泣く・・・。「なんなんだ、オマエは!」と怒鳴りつけてセーヌ川にでも蹴り落としてやりたくなるような女が主人公で、悪口の材料に事欠かないシーンが次から次へと出てきます。でもなぜか退屈でも不愉快になるわけでもなく、映画として楽しめてしまう、なんとも不思議な魅力を持った作品でした。 ラストシーン、やっと心からの笑顔が生まれましたね。「緑の光線が見えて良かった」から・・・だけではなくて、この瞬間、自分の心も相手の心も読めたから。「決してナンパではなく心から自分のことを思ってくれている」彼の心と、「この人とならやっていける」という正直な自分の心を読むことができてハッピーエンド。 緑の光線について話す老人たちのシーンでオチは見えた感じでしたが、でも良い締めくくり方でした。ただ、日没の瞬間なのに2人の背景がまだ明る過ぎて、別撮り感丸出しなのが何とももったいない・・・。 人々の会話や町の風景から聞こえる様々な音。まるでドキュメンタリーのような雰囲気で、フランスという国の空気感や国民性が伝わってくるようでした。 初めてこの監督の作品を観た時は「はぁ? 何これ?」と理解不能でしたが、なんとなく心の奥隅からじわじわと・・・。気になって何本か観ているうちに、この監督作品の楽しみ方が少しわかってきたような気がします。[CS・衛星(字幕)] 8点(2020-10-04 14:00:00)(良:1票) 《改行有》

13.  レネットとミラベル 四つの冒険 《ネタバレ》 若い女の子同士の関係性については、オトコの自分には理解し難いところもあったのですが、何気ないエピソードの中に織り込まれた、ちょっとしたユーモアが楽しかったです。 【青の時間】 自転車のパンクを修理したのは、なんでもテキパキこなしそうなミラベルではなく、ドンくさそうなレネットだった・・・ 【カフェのボーイ】 レネットがコーヒー一杯の支払いに200フラン札しかなくボーイとモメているところにミラベルが現れ、コーヒー一杯を注文し、出したのが500フラン札・・・ 【物乞い~】 お金と罪に関することでお互いの主張をぶつけ合うものの、言葉とは違った行動をとる2人・・・ 【絵の売買】 静寂についてマシンガントークのレネット。「明日はひと言もしゃべらない!」と宣言した途端、画廊に行くのが明日になり、当日はほんとにしゃべらない・・・そしてラストの画商のセリフ・・・ とにかく、ミラベルがいいですね! もし学校にいたら絶対浮いてそうなイタイ子ちゃんのレネットを避けることなく、青の時間にもつきあってあげたり、対等に会話したり、そして友達のためにはコーヒー代を踏み倒して逃げたり、画商を騙そうとしたり、美人でいい子というだけでなく、人間くささも持ち合わせたミラベルがとても魅力的でした。 制作者が意図した笑いどころではないと思うし、この映画においては見方が間違ってるかもしれませんが、個人的に大爆笑したシーンがありました。 ミラベルが「恋人は?」と訊ね、「それは秘密」と答えるレネット。 おいおい、クソ野暮ったい女が美人と対等に恋バナって・・・(^^;  ここはツッコんではいけないのかもしれませんが、思わず吹き出してしまいました。[CS・衛星(字幕)] 8点(2020-09-23 22:04:58)《改行有》

14.  ル・アーヴルの靴みがき 《ネタバレ》 見始めたら、いきなり男が拳銃で殺されるシーン・・・。ハードで重苦しい内容かと思ったら、まったく違った雰囲気の映画でした。 警視が、船に隠れる黒人少年を見て見ぬふりをしたり、妻の病気が奇跡的に回復するラストシーンなど、話そのものは少々強引でマンガ的な部分もありますが、主人公を取り囲む人々の心のあたたかさを、余計なものをそぎ落としてシンプルに表現しているところが良かったです。現実の密航・移民・難民等の問題を解決するのは、政治的な理屈や都合ではなく、心の豊かさ・人間らしさ、という作り手のメッセージでしょうか。 何となく昔っぽいような画が古臭く感じなかったのは、音楽の力が大きかったと思います。また、わめいたり叫んだりという喜怒哀楽の過剰表現がなかったおかげで、終始静かな空気感が漂い、最後まで落ち着いて楽しめました。鑑賞後に調べたら、「浮き雲」の監督だったんですね。なるほど、納得。[CS・衛星(字幕)] 8点(2020-06-27 19:33:07)《改行有》

15.  偉大なるマルグリット 《ネタバレ》 この話の基となった、実在した音痴なソプラノ歌手の歌声、以前レコードで聴いたことがあり、あの歌声で巻き起こる、ジャイアンのリサイタル的なコメディと思っていました。早々に、予想を上回る「夜の女王のアリア」に爆笑! 外れた音程に合わせて揺れる頭の羽根飾りが、まるで笑いに拍車を掛けているそうです。 でも笑ったのはここだけで、後は意外にも夫との愛を中心とした、切ないストーリーでした。 夫は浮気相手に「妻には女を感じない」と言い、妻の歌にはうんざり。サロンの音楽会にもわざと遅れて帰り、「大成功らしいね!」と褒めちぎりますが、その時の彼女のなんとも悲しそうな表情・・・。彼女は誰よりも、愛する夫に、好きなオペラを聴いてもらいたかったんですねー。 そしてとうとうリサイタルを開いてしまいます。ひどい歌に客は大笑い。戸惑う彼女・・・でも愛する夫が聴いてくれている・・・。すると、いつもの音痴じゃなくて、突然、めちゃ上手な歌声に生まれ変わります。おいおい、朝ドラ「あまちゃん」の薬師丸ひろ子じゃないんだから・・・とツッコミたくなった瞬間、血を吐いて倒れてしまいます。 勝手な想像ですが、ここは「歌が急に上手くなった」奇跡が起こったシーンを描いたのではなく、彼女の幸せいっぱいな心情を美しい歌で表現したシーンではないでしょうか? 実際の歌は、客にはせいぜい「相変わらずヘタだけど、あれっ?何かちょっと心に伝わるものがあるぞ」くらいだったのでは? 哀れにも彼女はその時から妄想と現実との区別がつかなくなり、入院。「治療」という名目で、録音した自身の歌を本人に聞かせようとします。しかし直前になって、夫は「そんなことをしたら彼女は・・・」とやめさせようとしますが・・・・。 そしてラスト。執事の思ってもみなかった行動に「えっ!?」と驚かされます。彼女が主役のオペラ「マルグリット」の幕はここで閉じられた、という意味でしょうか。他にもいろいろ解釈があるようですが、あまりあれこれ考えず、素直に観て、素直に感動することができれば、それがベストな解釈だと思います。[CS・衛星(字幕)] 8点(2017-10-16 20:22:26)《改行有》

16.  アメリ 《ネタバレ》 フランス語の響き、フランスらしい音楽、おしゃれな街並みという土台の上に、アメリの世界観を乗せ、フランス映画独特のセンス、美しい映像技術で見事に料理した、「オールフランス」の相乗効果で、完成度の高い作品に仕上がった印象です。 最初、アメリのキャラクターはちょっと苦手な感じでしたが、品の良いユーモアが心地よく、最後まで楽しめました。写真の男の正体がわかるシーンなどは、座布団一枚差し上げたいくらいです(笑) 人とのコミュニケーションが不器用な人間って、少年時代の宝箱や遅配の手紙のような話を「妄想」して楽しむ傾向が、他の人よりも強いんですよねー。そういうタイプの人の心理描写が秀逸で、そこが、ただの雰囲気映画・不思議ちゃん映画とは決定的に違います。 人の感情を弄ぶような「みんなを幸せにしてあげますミッション」を遂行するアメリに対して「おまえ、天使にでもなったつもりかよ!」と、普段なら怒りのツッコミを入れたくなるところですが、まぁこういうイタイ子ちゃんのやることだから・・・と、不思議と気になりませんでした。そりゃ、現実にこんなことしてるヤツが自分のまわりにいたら、グーで鼻殴りますけどね。でも隣のおっさんと八百屋にしたようなことは、自分もやりそうです(笑) 以前は「フランス映画、良さがさっぱりわからん!」状態だった自分も、本作をはじめ、良質のフランス作品に触れる機会が多く、フランス映画アレルギーが少しずつ緩和されてきた気がします。[CS・衛星(字幕)] 8点(2017-08-26 22:09:00)《改行有》

17.  エール! ベタなファミリードラマでしたが、本当に感動しました。特に、パリでの試験のシーンからラストは心地よく泣けました♪ とにかく、ジメジメした感じがないのがいいですね! 歌をめざす健常者の長女と、その夢に賛成できない聴覚障害者の家族・・・というあらすじを読むと、どよよ~んと重苦しい話をイメージしそうですが、スカッとさわやかな清涼飲料のように楽しめました! 試験のシーンが感動的なのは、主役の女の子がすごいというよりも、家族、特にお母さん役の女優の演技力が素晴らしいからだと思いました。あの感情表現がなければ、あれほどの感動は生まれなかったのでは? アイドル主演の青春映画のように、やたらわめいたり怒ったり、くじけそうになったけど必死にがんばって夢を実現・・・みたいな安っぽいお約束演出もなく、聾唖者を美化したり悲壮感を漂わせたりすることもなく、軽い感じなんだけど、でも芯はしっかりしている、なかなかの良作だと思います。 でもひとつだけ気になることが・・・主役の女の子の歌唱力、「歌がうまい女の子」の役を演じるにはちょっと厳しく、相手役のガブリエルは、歌は完全にシロートですね(^^; そこだけがちょっと残念でした。[CS・衛星(字幕)] 8点(2017-08-14 00:34:17)(良:1票) 《改行有》

18.  ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ もともとラテン音楽が大好きだし、最近はテレビ番組でよくキューバの様子を見ていたこともあり、いつかは訪れてみたいと思う国だったので、最後まで食い入るように見ていました! じいさん、みんなカッコ良すぎる!(笑) たまたま自分のストライクゾーンど真ん中だったこともありますが、音楽としても、ドキュメンタリー映画としても最高でした![CS・衛星(字幕)] 8点(2017-07-04 18:55:55)《改行有》

19.  屋根裏部屋のマリアたち 《ネタバレ》 当時のフランスとスペインの事情、いろいろあったんでしょうけど、重苦しい話にならず、ラテン系の人々の、陽気で生き生きとした姿が素敵に描かれていましたね。どんな展開になるのかと思ったら、ダンナ様、マリアと・・・(笑) 3年後、訪れた先で、マリアの居場所をこっそり教えてくれたおっさん、いいですね!ああいう感覚、男同士でないとわからない・・・かな?[CS・衛星(字幕)] 8点(2014-06-11 21:34:44)(良:1票)

20.  灼熱の魂 《ネタバレ》 見ごたえもあり、サスペンス的な要素も入って、見始めるとつい目が離せなくなるほど面白かったのですが、キツい話だな~!というのが正直な感想です。宗教や民族問題から生まれる憎しみの連鎖と、父と兄を探すことで知らされる母親の痛切な過去、この二つをうまく絡めて、上質な出来に仕上がっていたと思います。でも悲惨過ぎて、2度と観たくないですが・・・。ただ、プールサイドでの出来事は、展開上ちょっと都合良すぎかな?って感じです。【ネタバレ有】と書いていますが、“オチ”を書いてしまうと、観る面白味が激減するので、1+1=1の意味は伏せておきます。[CS・衛星(字幕)] 8点(2014-01-10 10:17:53)

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