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プロフィール
コメント数 43
性別 女性
年齢 59歳

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【製作国 : フランス 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
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1.  運命の女(2002) 《ネタバレ》 とにかく脚本が秀逸だと思う。冒頭、主人公コニー(ダイアン・レイン)の家のショット。風が吹いて子供の自転車が静かに倒れる。「あっ」っと思った。やがて、この風が強風になり彼女が浮気相手と出会う原因になってしまうのだけど、この時すでに家庭の崩壊は始まっていたのだ。 続いてカメラは家の中を写し出す。キッチンで朝食の支度をしているコニー。ダイニングで子供がゲームをしている。「バーン!バーン!」「また人を殺すゲーム?」この会話は伏線。平和な家庭の中に「人殺し」という異質なキーワードが飛びこんでくる。そして夫(リチャード・ギア)が登場、TVのニュースを見ながら、妻に聞く。「君が反対した○○の株、今いくらだと思う?」「知らないわ」「○○ドルだよ(何十倍に跳ね上がっている)。あの時買っておけば良かった」「じゃあ、買えばいいじゃないの」「今からじゃ遅いんだよ」夫と妻の価値観の違いが示される。 開巻数分で、もうここまで語られている事に驚く。一見、平和で幸せに満ちた家庭。でも実は夫と妻はほんの少しだけど、すれ違いを見せていた。 ポールとの出会いとなった強風のシーンも良く出来ている。風でスカートが腿までまくれ上がる、モンローばりの名シーン!コニーという女性の魅力、ええい、はっきり言ってしまいましょう、カラダの魅力がね、もう全開なんです。で、ポールに誘われたとき、もちろん、傷の手当てという口実はあるのだけど、彼女はこの時すでに何かを期待している。通りかかったタクシーをあえて見逃して、男の後について行く。 2度目に男の家に行くシークエンスも上手い。彼女はやっぱり彼に逢いたい。でも、もちろん躊躇がある。街まで出てきたけど、半ば賭けのように電話を入れてみる。「お礼の品を送りたいから住所教えて」「今どこ?家に来なよ。コーヒー入れるよ」この時、彼女の手にはコーヒーの紙コップが…。彼女は決意を固める。紙コップを公衆電話の上に置いて「コーヒーね。いいわ、行くわ」と答える。最初の出会いの時も、彼女の前には帰るべきタクシーが来ていた。そして、この時もコーヒーなら今は欲しくないハズだった。でも。“敢えて”彼女は男のところに行く。 40手前くらいの女性って、焦りと諦念が交じり合った複雑な思いを抱えているような気がする。「このままで自分は終っちゃうのかな」って。客観的に見て幸福な環境の中に居たとしても、人生の中で選びそこねた「もう一人の別の自分」がどこかに居るんじゃないかって、そんな幻想を抱いているような気がする。 この物語は、そんな幻想に実際に身を委ねてしまった女性と、その夫の悲劇を描いているのだけど、そりゃ誰が見ても「不道徳」な、けしからん話なんだけど、でも、そういうのって、人としてアルんじゃないかって思ってしまう。「アリ」じゃないですよ、賛成するという意味ではなく、どうしようもないけど「アル」と。言ってみれば「罪」でしょうかね、そこを深く描いているなぁ~と感心してしまうのです。ちょっと褒め過ぎかもしれないけどドストエフスキーなんかを思い起こしてしまう。 夫エドワードの妻への愛は、本当に素敵なんですよ。でもね、秘密が暴露されて2人が対峙するときに、彼は「僕は家庭のためにすべてを捧げたんだ」みたいなことを言う。で、「君はそれを紙くずのように捨てた」と妻をなじる。この理屈はごもっともなんだけど、なんだろか、ちょっと強迫じみているというか、もしかしたらエドワードは、自分では己の努力は完璧と思っているけれど、コニーにとってどうだったのかって、彼女の気持ちは置き去りになっていなかったかい?って、女の私は思ってしまうのだ。 中盤でコニーがお風呂に入っている時に夫が入ってきて一緒にバスタブに浸かるシーンでも、そんなことが匂わされる。エドワードはうすうす妻の不貞に気づいている。バスタブの中で愛し合おうとすると、妻は「ベッドに行きましょう」と出ようとする。「行かないで」とエドワード。「ここは寒いの」と出て行ってしまうコニー。彼女の心はね、いつの日からかずっと凍えていたのだと思う。 映画の表現として白眉の画(え)も随所に。長くなりすぎたのでもう止めますが、とにかく、個人的には大好きな作品です。[DVD(字幕)] 9点(2017-07-27 18:13:51)《改行有》

2.  エスター 《ネタバレ》 「怖さ」というのは色々あるわけで、単純に追っかけられる体育会系の恐怖もコワ楽しいが、本作はヒロインがじわじわと精神的に追い詰められる文化系の恐怖描写が秀逸。 孤児院から養子として引き取られたエスターが、父親に取り入り、妹を手なずけ、対立する兄は恐怖で押さえつけ、母親のことはとことん翻弄して痛めつける・・・といったエピソードが実にうまい。ヒロインである母親(ベラ・ファーミガ)のトラウマ体験など、人としての「弱み」に付け込み、家族間の隙間をグイグイついてくる、その「やり口」のエグさったらない。直接に攻撃するのではなく、「共感」を寄せて懐柔したり「愛情」を装って傷つけたりと、実に巧妙。思わず「ぬぉおおお~」と身もだえしてしまう。 一見、可愛らしい少女が大人を徹底的にイジメ抜くという、その恐怖はまじホラー。被害者は母親なのに、エスターの方が一枚も二枚も上手で、周囲の人間を操作し「悪いのは母親のほう」と思わせてしまうのだ。この辺のヂグジョ~感たっぷりなところをM気質の人には是非、堪能していただきたい。(?) そして、なんといってもオチが素晴らしいです。私は最後まで読めなかった!「犯罪者像」としては適度にリアリティを持たせつつフィクションの荒唐無稽さも絶妙に加味され、実に魅力的なモンスター。エスター役のイザベル・ファーマンという子がまた上手いというか合ってるというか、とにかく彼女の存在があってこそ、という気も。撮り方も上手いんでしょうけど非常に説得力があって物語を強化していたと思う。 とにかく、ここまで魅せてくれたので、ラストのグダグダも許せる。DVDには特典で「もう一つの結末」が付いていて、私はこっちの方が好きでした。「サンセット大通り」(50)の味わい。[DVD(字幕)] 8点(2017-07-23 14:33:41)(良:1票) 《改行有》

3.  引き裂かれた女 《ネタバレ》 よくもこんな三文小説並の“痴情のもつれ”バナシをオサレに仕上げたもんだと、シャブロル爺の手さばきに唸る。 私はこの監督さんの作品に漂う「不穏なムード」が好きだ。狂気や不安が静かに満ちてきて、なんとなく息苦しさを感じさせる空気感。色彩もカメラワークも穏やかで明るく静かな雰囲気なのに、何故か気持ちが晴れないアンビバレント。どうもこれは自分の「人生観」にぴったりと合っているようで、憂鬱を飼い慣らして生きてきたヒネたおばちゃんには、実にしっくりとくる(苦笑)。 作家シャルル・サン・ドニ(フランソワ・ベルレアン)は、結婚と恋愛を矛盾なく両立できる強靭な精神を持つ男。こういう人って結局、孤高に生きているのだと思う。妻や愛人といった他者に精神的に依存することは皆無なんだろな。だから一緒に暮らすことも逢うことも逢わないことも、彼なりの哲学で意志的・必然的に行うのであって、感情には左右されない。非常に強固な自我の持ち主だ。 一方の金持ちの御曹司ポール(ブノワ・マジメル)は真逆の感情直流男で完全なるお子ちゃま。母親の愛情に飢え、常に欠乏感を抱えている。きっと自分を満たしてくれる他者がいて初めて安定できるのでしょう。ガブリエルに対する好意もひたすら「結婚したい」(=所有したい)ってだけで、シャルルに捨てられたガブリエルをようやく手に入れても、今度は「調教済み」の彼女が許せない。昔の男の影がチラつく妻に苛立つ。どこまでも他者の存在に自分の感情をかき乱される、脆弱な自我の持ち主なのだ。 そんな2人の男性の間で「引き裂かれる」女、ガブリエル(リュデヴィーヌ・サニエ)。彼女はホントにフツーの女の子。性悪ではないけど清純でもない。馬鹿ではないけど利口でもない。こんな奴らに出会ってしまって気の毒だったねとしか言いようがない(苦笑)。しかも、クジャクのコスプレとか、おやじギャグかと思うラストのオチとか、シャブロル爺さんったら何やらせてんだか。 まぁ、なにしろ人間模様が面白くて最初から最後まで目が離せなかった。3人の役者はアッパレ!中でもブノワ・マジメルのバカ殿ぶりは必見![DVD(字幕)] 7点(2017-07-27 12:25:04)《改行有》

4.  アントニー・ジマー 《ネタバレ》 「ツーリスト」(2010)のオリジナル版。冒頭のお御足ショットからしばらくは同じ演出で、そっくりコピーされちゃったのか?と思いきや、だんだんテンポの違いがはっきりしてきて、「ツーリスト」とは全く演出の意図が違うことが分かってきた。あちらの作品ではジョニデが屋根の上を逃げ回ったりアンジーがボートで現れちゃったりと画(え)的には派手派手ながら、どこかノンビリムードで追っかけっこも緊張感がなく、とても現代のオハナシには見えなかった。舞台もヴェネツィアだし、なにやら浮かれ観光客気分、ジョニデのすっとぼけ演技も手伝ってコメディ・タッチなところがあり、リメイクと聞いた時は古いハリウッド映画にあったかなぁ?なんて思い違いをしたものです。内容的には愉しかったけど映画としてはあまり出来が良くなかったかなぁ。あるべき画がなくてカットの繋ぎが明らかにおかしいってシーンがあったり・・・。 で、こちらの作品ではサスペンス・タッチを生真面目に演出しつつ、派手さはないものの、荒唐無稽な「映画らしい」場面展開もあり、随所でニヤリとさせられました。私が気に入った場面は、主人公が非常階段を使って逃げてた時に転んでポケットの薬をぶちまけてしまい、階段上に這いつくばってバラまかれた薬を見てると、目の前で薬が跳ね出す・・・上から追手が階段を降りてきた振動で揺れてる・・・って演出ですね。ジュラシック・パークみたい!(笑) ズバリ、この映画の肝は「こじんまり感」ですかね。非常にタイトにまとまっている。お話自体は、フィクションらしく大風呂敷広げた、いい意味でアホくさい、とっても映画らしいお話。これを、あくまでもソリッドな演出に徹して、余計なエピソードをそぎ落として(説明不足な感じもするけど)、早口で語りきって突っ込むヒマを与えない(笑)っていう、なかなかしたたかな作風が個人的には好ましかった。「ツーリスト」と観比べると、より愉しめると思います![DVD(字幕)] 7点(2017-07-27 11:49:00)《改行有》

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