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プロフィール
コメント数 375
性別 男性
ホームページ https://camuson.exblog.jp/
自己紹介 自分のブログに映画や本の感想文を書き溜めておりましたが、読まれることが絶無のため、こちらに出張しております。
もし興味がありましたら、弊過疎ブログにもお越しください。

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【製作国 : フランス 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
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1.  ノー・マンズ・ランド(2001) 《ネタバレ》 ボスニア紛争を題材にした作品は、一般市民の被害に焦点が当てられたものが多いと思いますが、本作品は、国境最前線の無人地帯(ノー・マンズ・ランド)を舞台にした軍人同士のいざこざのお話しなので、銃弾によって、簡単に人が死んだりしますが、湿っぽさがなく、ドライな感じで、悲壮感はあまりないです。主人公も、まあフツーに良さげな人なんだけど、よくよく考えると、これまたフツーに人殺ししちゃってます。シーンのほとんどは、塹壕の中に取り残された主人公のボスニアック兵とセルビア兵とのやりとりで、銃を相手に突きつけて命令していた一方が、気を抜いてるうちに、相手に銃を取られて立場が逆転し、というような展開で、あえて例えるならば、コント赤信号的な脚本です。紛争のバカらしさを皮肉を効かせた苦笑いをまじえて、戯画的に伝えていますが、これは紛争当事国出身の監督だからこそ許される手法だと思います。こういう毛色の変わった反戦映画もよいとは思いますが、少なからぬ脚色があることから、どこまでをリアルとして受け止ればよいか迷うところがあります。どこか、ワンクッション挟んだ感があり、今ひとつ、直接、突き刺さってこなかった気がします。[DVD(字幕)] 6点(2024-05-08 19:26:26)

2.  ライフ・イズ・ミラクル 《ネタバレ》 それほど古くはない映画ですが、古き良き映画を彷彿とさせる雰囲気です。全体的に赤錆がかっていて、透明感がない、カーキー色の目立つ油絵的な絵づくりなんですよね。ロケーションもとてもシャレてるなと思いました。主人公の家はボスニアの片田舎の山を背にして建てられているのですが、家の前方には結構な傾斜で下る草原が広がっていて、そこに張り出して設置したテラスからは草原を俯瞰することができます。ここで驚くのは、家の真ん前、テラスとの間に鉄道の線路が走っていることです。山は、家の背だけはなく、左右にも迫っているようで、家の前を通る鉄道の線路は左右の山をトンネルで抜けていきます。さて、このボスニアの山奥の一軒家に、妻と息子と3人で暮らしているセルビア人の男が物語の主人公です。男は鉄道技師、妻はオペラ歌手で、息子はサッカー選手をめざしています。家の前を通る鉄道は昔オーストリアが敷設したものの開通しておらず、現在、開通に向けた作業が進められています。おそらくその都合で、鉄道技師として現場近くに引っ越してきたという設定なのでしょう(仕事らしい仕事をしてるシーンがないので謎ではありますが)。主人公家族を中心に、この地での生活が、コミカルに、かつ、丁寧に描き出されていきますが、その切り出し方と、つなぎ方に絶妙なセンスを感じます。そうこうしているうちに、ボスニア紛争が勃発し、片田舎とはいえその影響を少なからず受けることとなり、話は動いていきます。ただし、あくまでも紛争は背景であり、一貫して人の生き様を描くことに軸足を置いているところが、他のボスニア紛争を扱った作品と異なるところでしょうか。結局、紛争があろうが、人間やることはやるし・・・という人間賛歌みたいなものになっていて、見終わって、すがすがしい気持ちになりました。[DVD(字幕)] 8点(2024-05-08 19:17:27)

3.  華氏451 《ネタバレ》 原作小説は未読です。近未来パラレルワールド。この世界では、本(書籍)が禁止されていて、市民の家に隠された本を探し出して、焼却処分を行う消防士(fireman)という職業が存在するという設定です。華氏451度は本が自然発火する温度とのことです(web調べ)。60年代の映像とは思えないくらい、おしゃれでモダンな映像です。最近のレトロモダン調な作品にありそうな雰囲気です。中でも、モノレールがいいです。橋脚のデザインや、プラットフォームのない設計思想が素敵です。消防士の格好も適度に全身タイツ的で、かっこ悪く良い感じです。メディア統制と愚民政策のメタファー。というかそのもの。途中、主人公は、足掻き、抵抗し、最後に物語は詩的に静かに終わります。この終わり方は、これでいいと思うのですが、続きとして、善良なるメディアによってつくられた善良なる市民達によって、本の代替物がすべて焼却し尽くされてしまうという、起こるべくして起こるであろう、より現実的な終幕を想像してしまいました。[DVD(字幕)] 7点(2024-03-11 17:40:46)

4.  モンスーン・ウェディング 《ネタバレ》 インドの富裕層の結婚式に絡めて、さまざまな人間模様を織り込んでいくヒューマンドラマです。結婚式には、その土地の、夫婦のあり方であり、家族のあり方であり、コミュニティのあり方であり、土地の風俗でありが凝縮されているので、面白くないわけもないわけで。まあ鉄板です。登場人物は、我々が想像する典型的インド人よりも肌が白い人が多く、白人との混血が多そうなのですが、実際に富裕層に混血が多いのか、役者層に混血が多いのか、キャラを立たせるため役者を選んだら、そうなってしまったのか、よくわからないところです。イギリスが統治していたので、イギリス系との混血はあるのでしょうが、以外とラテン系が混じってるのではないかと感じました。嫁の親父などはちょっと南米系の顔立ちで、言うなら古谷一行です。嫁の母親などはほとんど白人で、言うなら木の実ナナです。かと思ったら、メイド娘が松尾嘉代だったりと、挙げたらきりがないのでやめますが、やたらと国際色が豊かな感じです。すごく・・・バタ臭いです。[DVD(字幕)] 6点(2024-03-05 18:42:12)

5.  月世界旅行 《ネタバレ》 映画黎明期の作品ですが、作者の、人を驚かしたいという茶目っ気、遊び心がふんだんに盛り込まれていて楽しめます。カメラを固定した状態での舞台演劇になっているのですが、書き割りは絵画的で、幻想的でありながらリアルに描かれていて、コメディでありながら格調高い雰囲気があります。特に月に到着してから、地平線から地球が空を昇っていくシーンは、なかなか感動的です。月人とのバトルに発展しますが、次から次へと出てくる月人のやられアクションはショッカーの原型と言っても過言ではなく、当時としてはかなり画期的なものだったのではないでしょうか。評価したいところです。[DVD(字幕)] 5点(2024-02-09 17:33:24)

6.  麦の穂をゆらす風 《ネタバレ》 舞台は1920年くらいのアイルランド。アイルランド独立戦争と休戦条約締結後のアイルランド内紛を扱っています。青々とした草に覆われているものの、どこか寒々しい感じがするアイルランドの片田舎。草木の緑だけが鮮やかな原色で、人の生活にかかわるものは、落ち着いた褐色。そんな片田舎にも英国軍による支配の手が伸び、反抗的な者が次々と殺されていく中、暴力には暴力で対抗するほかないと、独立闘争に身を投じていく男達が描かれます。密告により、主人公一味は英国軍に一網打尽にされてしまいますが、主人公の兄に対して行われた、ペンチで手の爪を剥ぎ取る拷問には、思わず身がよじれました。人体破壊としては、最も軽い部類にもかかわらず、痛さ100倍ってのが、つくづく不思議な器官です。いろいろとあった後、殺し合いが過熱したところで、休戦条約が結ばれますが、軍隊による暴力的支配から、非暴力的支配への移行という妥協案に対して、条約を受け入れて、段階的に独立に向かおうとする条約賛成派=国防軍と、死んでいった戦友の意志を背負い、一気に独立を勝ち取ろうとする条約反対派との対立が生じます。民衆がひとたび武力を手に入れてしまい、なまじ独立戦争を戦って、殺さなければ殺される状況が日常化していたため、個々人の意志が凛々しいまでに強く、しっかりしているほど、コントロールを失ってグダグダになるという。結果、独立戦争を戦ったもの同士による殺し合いに発展します。世界中で起きた、または、起きている内紛も、似たようなケースは多いんだろうなあと感じました。[DVD(字幕)] 6点(2024-02-01 17:35:16)

7.  太陽がいっぱい 《ネタバレ》 ひどく昭和の匂いがする映画です。また、ひどく映像が小汚いです。昭和的な、安っぽくて埃っぽい小汚さが、うまく再現されているのではないでしょうか。部屋の中に蝿が飛んでたりしますし。安っぽくて埃っぽいのは、たぶん、カラー映画がまだ小慣れていなくて、しっとりとした落ち着いた色がうまく出せなかったんでしょうね。アラン・ドロンがパスポートを偽造するシーンだけは、幼い頃に、テレビで、そこだけ切り出したものを見たことがあったのですが、そのときに勝手に想像した背徳感や、スリルや、ドキドキワクワク感をあまり感じることができなかったのが、少し残念です。[DVD(字幕)] 4点(2024-02-01 17:24:03)

8.  ニュー・シネマ・パラダイス/3時間完全オリジナル版 《ネタバレ》 平日深夜から見るには長い作品で、1時間程度ずつ、日を変えて見たのですが、期せずして、幼少期、青年期、現在の3部がほぼ1時間ずつの構成になっていて、それにほぼ同期することができたので、こういう見方でも良かったかなと思いました。冒頭のシーンをすっかり忘れてしまっていましたが。映画を題材にした映画です。とてもハードルが高いと思うのですが、無理なく、力むことなく、それでいて映画らしい映画としてまとまっています。映画の歴史がある国ならではですね。地に足が着いていて、深みがあり、苦味もある作品です。南イタリアらしい明るく乾いた色合いもいいです。劇場版のほうが評価が高いようなので、機会があれば、そちらも見たいですね。[DVD(字幕)] 8点(2023-12-25 17:53:20)

9.  変態村 《ネタバレ》 前知識を入れずに見たのですが、なかなかの良質なホラー映画でした。原題はCalvaire。ラテン語で“ゴルゴタの丘”の意味だそうです。「変態村」とは思い切った邦題を付けたものです(原作レイプ的な意味で)。愛情、独占欲が一線を越えて、狂気に豹変して、監禁という流れ、現実に起こりえる怖いシチュエーションは、映画「ミザリー」のようですし、周囲から隔絶された山村の村人全員が狂人という異常なシチュエーションは、ビデオゲーム「SIREN」のような、「どうあがいても、絶望」ですし、それらがうまいこと組み合わさっています。序盤の主人公の売女な人からのモテモテぶりも、何とも奇妙な味わいなのですが、その後主人公に起こる売女な人としてのモテモテぶりを暗示していて面白いです。終わり方は「ターミネーター2」を彷彿とさせます。[DVD(字幕)] 8点(2023-11-22 17:45:19)

10.  愛のコリーダ 《ネタバレ》 テーマがチンポコということもあり、とんだチンポコ映画になっています(いい意味でも悪い意味でも)。阿部定事件がモチーフになっています。最近のしおれた役柄を見慣れていたので、藤竜也が若くて威勢がいい角刈りで最初は気持ち悪かったのですが、それにはすぐに慣れて、だんだん可愛くさえ感じてきます。それと反比例して、主演女優が鬱陶しくなってきます。これは本当に残念なことで、申し訳なくさえ思うのですが、一瞬たりとも色気を感じることができませんでした。しゃべり方が大きいんでしょうかね。時代劇的女言葉が板に付いてなくて、すべての台詞が一本調子でべたぁっと間延びしていて、台詞が動作や感情と完全に分離してしまっているんですよね。意図してやっているか否かに関わらず、結果的に、とてつもない大根演技に見えてしまいます。その一方で藤竜也が、ほぼ現代語で緩急を付けて、自然な演技をしているので、余計それが目立ってしまって、どうしてこんな事になっているのかと、とても気になってしまいました。映像は海外を意識した日本的なものとなっており、丁寧につくられていて美しいです。[ブルーレイ(字幕)] 3点(2023-10-31 18:48:24)

11.  シティ・オブ・ゴッド 《ネタバレ》 私が映画に求める大きな一要素として、「リアルなアナザーワールドの体感」があります。この映画はそれを満足させてくれるものです。主人公は、スラム街出身でカメラマンになることを夢みる黒人の青年。主人公も巻き込まれるスラム街でのギャング同士の抗争のさなかから、一旦時が巻き戻され、主人公の幼なじみとも言えるスラム街のストリートチルドレン達が、狭い世界の中で、いかにのたれ死に、いかにのし上がっていくかが描かれていきます。ある人物をフィーチャーしたエピソードから始まり、その人物の物語が終わりを迎えると、また別の人物に主役を入替えて、ということを繰り返して、人物毎の物語を紡ぎながら、スラム街の全体像を見せていきます。テンポが良く飽きることがなく、群像劇として良くできています。映像技術的には、フォーカスの範囲を厳しく狭めて、かつ、激しく動かして、フォーカスがぴったり合った瞬間の映像の精細さを際立たせています。効果はあると思うのですが、ちょっと、やり過ぎの感がなくもありません。役者が皆、自然な演技をしていますが、その多くがスラム街出身の素人だそうです。役者の演技が素晴らしいからこそ、なんの他意もなく、鶏の演技を賞賛することができます。[DVD(字幕)] 9点(2023-10-31 18:41:10)

12.  おっぱいとお月さま 《ネタバレ》 弟が生まれて、母親のおっぱいを取られてしまった4、5歳くらいの男の子が、旅芸人(踊り子)のフランス人女性のおっぱいに恋をするという物語です。人で埋め尽くされた路上に、5層、6層に及ぶ組体操による人間の塔がつくられるシーンから始まります。各塔、最上段に子供が登るのですが、主人公の男の子もその登り手の一人として登場します。冒頭から、絵的な面白さに加えて、地域に根ざす人々の風習の奥行きが感じられて、作品世界にぐっと引き込まれました。見てすぐに、これはいい映画だなと思いました。子供の目線、視野で捉えられる狭い世界を丁寧に描いていて、登場人物達はユーモラスにフェティッシュに、ごく自然にキャラが立っていて、見ていて安心感があります。主人公の男の子が、ヒロイン(フランス人女性)に町で出会ったとき、彼女は、いきなり、前をはだけて、おっぱいを露わにしたりします。いつのまにか主人公の妄想シーンに切り替わっていたようです。こちらは準備ができていないので、結構驚きます。サプライズエロですね。けしからん妄想だとは思いますが、いかんせん、子供の妄想ですから、仕方がないというか何というか。なにせ子供の妄想ですから仕方なく甘んじて受け入れたいと思います。[DVD(字幕)] 7点(2023-10-12 18:55:11)

13.  ワルシャワの柔肌 《ネタバレ》 確実に勝手な邦題をつけてそうなので原題を調べてみました。原題は「Szamanka」でシャーマンという意味です。原題にあるとおり、古代シャーマン(呪術者)の研究者が男主人公で、見た目はちょっとザッケローニっぽいです。女主人公は機械工学科の学生のようですが、近年の鬼束ちひろを彷彿とさせるようなイッちゃてる感があります。基本的にはこの2人がヤりまくるという内容です。邦題から受けるイメージとは全く違い、相当なキチ○イ映画です。柔肌なんてものは存在せず、肉のぶつかり合い、というかむしろ骨のぶつかりあいですね。女性が骨張った体格なので。色気は皆無で、まったく勃たず、男主人公、ひいては白人男性一般はえらいなぁと感心してしまいました。とは言え、そのキチ○イぶりが、思わず笑ってしまえるところまで行き着いていて、結構楽しめます。凍てつく鉛色の空と重工業のイメージ(溶鉱炉や汚ねえミンチ器?)など、重厚な画面が印象的です。音楽の使い方も印象的で、重厚な音楽を急に止める手法を多用し、高揚、恍惚、倦怠が交互に押し寄せてくる感じがうまく表現されていると思います。[DVD(字幕)] 7点(2023-10-12 18:45:18)

14.  永遠<とわ>の語らい 《ネタバレ》 序盤はポルトガル人の美人歴史学者が幼女を引き連れて、夫の勤務地インドに向けて、地中海、紅海沿いの古代文明都市を探訪する様子が延々と続きます(ポルトガル→フランス→イタリア→ギリシャ→トルコ→エジプト→イエメン)。古代都市の景色は、それぞれ特色があって面白いのですが、船での移動時には、船の舳が波を切る部分のアップが延々と続いたり、船の発着時には乗船客の乗降シーンを延々と映したり、ちょっと間が悪いなと思うほどにゆったりした時間が続きます。歴史の勉強にはなるものの、エンターテインメントとしてはどうしたものか、と思いつつ見ていると・・・/これまでとはうってかわって、カメラが船内の食堂に移動します。船長役にジョン・マルコヴィッチ、船長から夕食の席に招待された3人のマダムフランス人女性実業家役にカトリーヌ・ドヌーブ、イタリア人モデル役にステファニア・サンドレッリ、ギリシャ人女優役にイレーネ・パパスと一挙に役者が揃います。4人、4カ国語による語らいがごく自然に繰り広げられ、驚かされます。各界で名を成す癖のある熟女たちを相手に、しなやかに立ち回る船長に惚れてしまいます。そして次の日の夕食の席には、ポルトガル人美人歴史学者とその娘が加わり、5カ国語による語らいに・・・/そして、終盤には、さらに驚きの展開が・・・/大きく3つのパートに分かれていて、次のパートに進むとガラッと作品の色が変わり、驚かされるという作品です。ちょっと他の作品にない変わった感触で面白いのですが、反面、何回も使えない手法だなとも思いました。[DVD(字幕)] 6点(2023-09-27 17:12:41)

15.  過去のない男 《ネタバレ》 おやじ狩り的な暴漢に襲われて、記憶を失ったおじさんが、貧困コミュニティの中で生活し、おばさんに恋をするといったお話。時代設定は、金属製のオシャレな便器や、医療器具などを見るに現代なんでしょうけど、少し黄ばんで粒子の荒い、でも空だけはやたら綺麗な映像が、どこか郷愁を誘います。冒頭で理不尽な暴力がある以外は、底辺社会での男の生活を追う静かな作品。どこか小津作品を感じさせます。ご都合主義のジェットコースター的な展開からは最も遠い位置にあると言えます。それだけに、序盤の非現実的なコメディー描写が必要だったかどうか疑問です。この作品に描かれる貧困が、フィンランドの現実社会をどの程度反映しているのか、こちらに知識がないために判断できず、途上国の作品で描かれる貧困ほど、有無を言わせぬ強烈な切実感がなく、そういったところで、どうしても印象が薄くなってしまうんですよね。人間を疎外する硬直的な社会システムがテーマの一つと考えられますが、記憶がないというのは特殊ケース過ぎて・・・本来手厚い福祉社会システムの中で、どういう人間が網からこぼれて貧困に陥るのかの方に興味が行ってしまいます。ドキュメンタリーじゃないので、それを求めるのは違うかもしれませんが。[DVD(字幕)] 5点(2023-09-05 19:54:21)

16.  アメリ 《ネタバレ》 少女時代に、勉強はすべて母親に自宅で教えられ、学校に行かせてもらえなかったため、友達ができず、コミュニケーション障害ぎみの若い女性が主人公です。基本コメディーで、主人公がコミュ障ゆえに話してコミュニケーションを取る代わりにいたずらをするという設定なのですが、どちらかというとコメディーを成り立たせるための後付け設定で、コミュニケーションをテーマに深く掘り下げるという姿勢はなく、切実感やリアリティとは全く無縁で、最後は恋愛成就のハッピーエンドとなっています。そんな中で、コメディーの主たる部分が、「そのいたずら犯罪ですから」と苦笑いしながら突っ込む程度しか楽しむすべがないのが辛いところでした。色恋についても途中すっとぱしてバッコンという感じで、設定とマッチしてないような気がしました。風変わりな脇役達の雰囲気は悪くなく、話の転がし方は巧みで、特に証明写真にまつわる日常系ミステリを絡めた部分は見事なのですが。[DVD(字幕)] 4点(2023-08-03 20:05:16)

17.  レバノン 《ネタバレ》 1982年のレバノン内戦を、イスラエル軍の戦車の中からの視点のみで描いた作品。戦場にいながら視界が限定され、戦況がわからないことによる焦燥感、外界で起きている凄惨な現実と、その実感が伴わない疎外感、などが表現したいところだったと考えられるのですが、限られた視界で、いかに観客に状況を把握させるか、エンターテインメントとして成立させ得るか、というジレンマに陥り、戦車からの狭いスコープ視点の動きに合わせて、外界の事象を都合よく不自然に配置するような本末転倒なことになり、なんとも中途半端な出来になってしまったなという感想です。スコープからの外界の情報量を半分以下に削るか、観客には俯瞰させて戦車外の映像も見せるか、どちらかにした方がよかったかなと思いました。[DVD(字幕)] 4点(2023-07-10 19:07:04)

18.  シラノ・ド・ベルジュラック(1990) 《ネタバレ》 フランスの時代劇。17世紀に実在した人物を主役に据えた戯曲があり、それを映画化したもの。剣の腕があり、弁が立ち、文才もある主人公の唯一の悩みは、鼻が大きく醜いことで、生涯、恋愛はできぬものとあきらめている。そんな主人公が、思いを寄せている女性に、ある日呼び出されて、ドキドキして行ってみたところ、私は美男子の○○君が好きなので応援してネ♡的な告白をされてしまう。その後、べしゃりと手紙は全く苦手な美男子君のゴーストライターになって、二人の恋愛劇をサポートしていくというお話です。序盤から主人公があまりにスーパーマン過ぎて、ゴーストライターに収まるようなタマではないはずなのですが、結局、収まっていくので、結構な尻すぼみ感があります。戦闘シーンなど時代劇としてのしつらえはよくできているのですけどね。[DVD(字幕)] 6点(2023-06-27 20:38:27)

19.  ひまわり(1970) 《ネタバレ》 序盤は、いいおっさんとおばさんが海岸で抱き合ったりして、どうしたものかなと思ったのですが、32歳という年齢を聞いて、意外と若い設定だったことに、麒麟淡麗グリーンラベル吹きました。日本人の感覚だとそれでも年齢を考えろとなりますが・・・でも、後半の渋い演技に照準を合わせた結果、仕方なかったんだなと納得しました。個人的には、ロシア戦線に送られた男が、九死に一生を得て本当にラッキーだなという思いが強く、他にいくらでもあったであろう悲しい別離と相対化されて、まったく悲しい気持ちにならなかったんですよね。戦争とはあまり関係なしに、男と女の出会いや運命の儚さや切なさに、ジンときました。蛇足:テーマ曲(ひまわり「愛のテーマ」)に聞き覚えがあるなと思い、真っ先に市川崑の金田一シリーズが思い浮かんだのですが、「愛のバラード」と混同したようです。[DVD(字幕)] 6点(2023-05-24 19:34:36)

20.  赤い風船 《ネタバレ》 赤い風船が、意思を持ったかのように男の子に付いてくるという、単純で素朴で、どこか可愛く、おまけに50年代のパリの町並みを堪能できます。悪ガキ達が風船を妬んで、パチンコで攻撃してきたりのサスペンス要素あり、最後にはファンタジー要素もあり、短い中で飽きることなくほのぼのと楽しめました。[DVD(字幕)] 6点(2023-05-24 19:31:30)

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