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【製作国 : イタリア 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
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1.  ニュー・シネマ・パラダイス 《ネタバレ》 失ったもののワケを知らないままのトト。幻と消えたエレナ。それが劇場版。アルフレードは映画を使って人の心に灯をつける。人々が映画の物語に心をつかまれるように、トトは映画とアルフレードの語ることごとに心をつかまれる。けれど、アルフレードはここぞという時にフィルムをカットしてきたように、トトの青春にもエレナとの熱愛を成功させるおとぎ話でハートに火をつけておきながら、クライマックスはお預けにしてローマへ旅立ち前へ進めと言う。アルフレードは人々に「夢」=「映画」を見せながら、そのくせ大事なところはお預けにしてジラす。ジラされると燃えるのよね~、人って。筋肉を鍛えるには筋肉に栄養を与えつつも、ちょっと破壊する程度のプレッシャーをかけなければいけないように、トトにとってアルフレードは栄養とプレッシャーの双方を与える人物。大リーグボール養成ギブスなみの負荷をかければ素晴らしいプロ選手の出来上がりとなるわけだが、完全版ではないこちらのバージョンはそいういうシビアな部分はナシ。「キツくて汗臭い運動もナシで、好きな食べ物ガマンしなくてよくて、イイカラダになりたいの」というお気楽ダイエットやトレーニングを懲りずに試し続けるようなタイプとかビギナーの方はこの劇場公開版がおススメなのかなー。「らくちんシェイプアップでも、やったぶんだけイイカラダのはず」と自分に都合のいい想像で、鏡に映る現実の体形を補完してしまえる人は、いい夢だけを見て完全版は見ない方が良いのかもしれないですね。映画って、もともとそういう役割があると思うし(だから10点満点です) でも、「こんなラクラクな甘~いダイエットとかトレーニングで(物凄く大好きな女から自分で逃げ出したまんま、ノスタルジーで自分をごまかしてあっさり心の整理が出来てしまうヤツが)ホントにイイカラダ(いい映画作家)になれんのかよ?」と夢のラクチン・シェイプアップに疑いを持ち始めた方には、完全版でトトと再び『さすらい』の旅をしてみるのもオススメします。[映画館(字幕)] 10点(2009-12-19 11:57:36)

2.  ニュー・シネマ・パラダイス/3時間完全オリジナル版 《ネタバレ》 僕にとっては完全版の方がラストの思いがグンとアップします。トトとエレナを結びつける力になったのは、アルフレードの物語った王女と兵士の謎めいた悲恋話でした。あの話しをヒントにトトはエレナに猛アタックします。そして鍵なのは、アルフレードの同じ物語がトトにエレナを諦めさせる力をも持っていたということ。兵士が何故99日目で去ってしまったのか、トトがアルフレードに答えを語るシーンは秀逸。そのことが非常に良く活きているのは完全版の方です。そしてラストのリールは単なるノスタルジックで温かい親子愛的なエンディングに収まらず、アルフレードが奪ってしまったもの(女性との本物の愛)とアルフレードが導き与えたもの(映画への愛)が同居した贈り物だという意味深さになります。そして恐らくは現実に手に入れられないからこそ、強く求める思いが映画作品に昇華され、トトは立派な監督になり得たのだと思える、切なくも美しいラスト。教会での上映時代にキスシーンがさんざんカットされて、返って観客の注意を引き立て熱望を呼ぶ場面も説得力を放ちます。アルフレードは失明するまで、ずっとフィルムから他人の愛をカットして観客から目隠ししてました。人と人の愛をスクリーンで見せておきながら、肝心なところで切り離して箱の中に隠していた人です。対しトトは切り離された破片を渇望する少年で、切り離されることのない愛を人々に見せる立場を得た人でした(カットなし上映を任され、後には映画を作る)。失明後アルフレードが最後にカットして隠したのがトトとエレナの愛。カットされた破片をなんとか手に入れる為ならとことん頑張るトトだから、自分の作る映画で補完してきたけれど、本物の破片がない! 完全版ではトトは全ての破片をその目で確かめる。そうやって、あのラストはトト、アルフレード、エレナ3人のそれぞれの愛の在り方が一点に結びつくシーンとなります。これは完全版でないと味わえません。トトはエレナと再会後も未練たっぷりだったけど、満足や割り切りでおさまってしまえば、いい映画を作り続けられないだろうし、エレナとの再会でひとつの区切りを見いだせたことで、また一段高い作品を作り出すのだろうなと思います。エレナへの「僕はそうは思わない」あの一言に宿る魂が、これからのトトの作品に反映されていくのでしょう。アルフレードの魔法は消えない!![DVD(字幕)] 10点(2009-12-17 01:45:07)(良:2票)

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