|
プロフィール |
コメント数 |
895 |
性別 |
|
自己紹介 |
ハリウッドのブロックバスター映画からヨーロッパのアート映画まで何でも見ています。 「完璧な映画は存在しない」と考えているので、10点はまずないと思いますが、思い入れの強い映画ほど10点付けるかも。 映画の完成度より自分の嗜好で高得点を付けるタイプです。 目指せ1000本! |
|
1. ノー・マンズ・ランド(2001)
《ネタバレ》 戦闘シーンがほとんどない、極めて限定的な舞台なのに、却って濃密になり、愚かな戦争への皮肉が効いてくる。
ユーゴスラビア崩壊から民族独立運動が始まり、泥沼の内戦に陥るも膠着状態のままモヤモヤに終わったあの感じ。
ボスニアもセルビアもマスコミも国連も、それぞれの思惑が働き、
巨大組織の特性で身動きが取れないまま、後味悪く去っていく。
除去できない地雷を背に動けない兵士を残して。
そしてカメラも彼を見捨てるブラックさが何とも。
今の世界情勢だからこそ、より強烈に響く。
無力な個人が集合しても組織とはかけ離れた大衆でしかない。
そんな大衆を扇動するモンスター組織が暴走すると性質が悪い。[DVD(字幕)] 8点(2017-02-28 23:38:37)(良:2票) 《改行有》
2. ノスタルジア
《ネタバレ》 下宿先の部屋の陰影、
廃墟に広がる雨音、
滴り落ちて広がる波紋、
霧と雪で覆われた故郷、
焼身自殺を図った男を纏う炎…
ただならぬ雰囲気はある。
しかし、世界の終わりを待つ宗教狂いの男が民衆に精神主義を訴えて殉教しようが、
彼の代わりに余命いくばくもない詩人がロウソクを持って世界を救おうが、誰にも理解できないし、
ただの自慰行為で世界が良い方向に変われたらどれだけ幸せだろうか。
そう思えてしまう自分は、物質社会に逆らえない常識に染まった凡人なんだな、と再確認。
作りものの故郷に沈んでいく『惑星ソラリス』に似た結末に、
祖国に戻れないタルコフスキーの心情と覚悟が重なる。[DVD(字幕)] 5点(2015-06-20 01:43:46)《改行有》
|