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【製作国 : イタリア 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
1. 黄金の馬車 『河』に続いてヨーロッパを離れた世界。いかにもヨーロッパ映画的な人の出入りがあるけど、舞台は南米。この人は特別人間を鋭く描く、ってタイプじゃなくて、人間関係のおかしみを丸ごとふわっと包み込むような世界で、これをしみじみ楽しむには私は上品さが欠けていたか。舞台と舞台裏を同時に収めたりするカットはいい。会議のところもいい。一方で大団円がまとまり、その一方で女優の寂しさを一筆添えるなんて、う~ん、まったく上品です。文句を言う箇所が一つもなく、ただ私にはこの手の上品さが、ときに物足りなくなるときがあり、ちょうどそのときに当たってしまったか。うっとりとまではいけなかった。テクニカルカラーの色調は、上品でなくてよろしい。[映画館(字幕)] 7点(2014-01-20 09:29:24) 2. 大きな鳥と小さな鳥 タイトルを朗々とレシタティーヴォで歌い上げる陽気さでまず度肝を抜かれた。中間部の聖フランチェスコのエピソードがもう監督ならではのリズムで嬉しくなっちゃう。『奇跡の丘』の次の作品だが、『デカメロン』三部作のタッチ。ニタニタ笑う四人組にからかわれるシーンなんか、サイレントドタバタ風。コマ落としの多用。雀とは身振りで会話するという発想。鳥の群れとの会話。『アラビアンナイト』の鳥も感動的だったが、この人、鳥にひときわ愛着があるみたい。ラストで大きな鳥として飛行機が出てくるのは少し露骨過ぎたか。日本語字幕なしの上映だったので、やや想像頼りの部分はある。三部でカチューシャのメロディが流れたのは、ロシア革命と何か関係があったのかな。[映画館(字幕なし「原語」)] 7点(2013-01-07 09:56:32) 3. オルランド ややこしい。男から女に変身するオルランドを女性が演じ、エリザベス一世を男が演じている。原作・監督ともに女性。キートンのような憂い顔の主人公、「男の人は先のことを考えすぎるのよ」とロシア少女に言われる。彼のメランコリーは何なのか。選ぶスリルのない生活、老いない、恋をしない、詩は読むばかりで作れない、戦さにも加わらない。ならば選ばない人生の女に変身しよう、ってことか。選ばれる人生、でもそれも拒む。ただ子どもを産み落とす。選びもせず、選ばれもせず、昏睡になっても心臓の鼓動は聞こえてくる、それでも生き続けること。話のツボがよく分からないんだけど、変身するってのが適応しようとすることなら、つまりどちらの性も、それ以上でも以下でもなかったって話なのか? 画づくりにはグリーナウェイの影響ありと見た。音楽のあるシーンのほうが勢いがある、ってところも似てる。[映画館(字幕)] 6点(2011-05-23 10:14:58) 4. 王妃マルゴ とにかくなにやら陰謀が渦巻いているのは分かった。それが一族の崩壊へと向かっていけば『ゴッドファーザー』のような作品になっただろう。どうもカメラが近寄りすぎて、ひいて息を抜きたいところでも熱演のアップになって、陰謀ってのはもっと静かにロングの画面の中で進行するのではないか。そして薄暗さ、陰影の美をあまり感じさせず、ただ薄汚れた暗さだった。『ディーバ』や『リバー・ランズ…』のカメラなんだけど。ヒロイン、政略結婚の旦那との間には、友人のような・兄弟のような、いたわり・気の配り合いがあって、実の血のつながった兄弟とは近親相姦やってんの。澱んでますなあ、16世紀末のヨーロッパ。死体の脳で運命占いするってのもすごい。[映画館(字幕)] 6点(2010-06-08 11:53:58) 5. お気にめすまま もうちょっと前半テキパキしてくれたら、くたびれ男の恋愛ものとしてそう悪くない味わいになったと思う。妹の騒動の顛末が、けっきょく単なる痴話げんかに終わってしまい、この主人公カップルもヘリコプターから痴話げんかと見られてハッピーエンドに閉じていくあたり、いちおう対になっている構成。痴話げんかで納まる夫婦もあれば、痴話げんかをするまでになれた恋人同士もあり、まあ人間、情けないもの同士仲良くやっていきましょうや、というちょいとしみじみしたハッピーな気分。エレン・バーキンはクラシック系の歌い手には見えないな。「イオウジマ」なんて苗字は、まずないぜ。[映画館(字幕)] 5点(2011-11-15 10:38:17)
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