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1. ロミオとジュリエット(1968)
「ロミ&ジュリ」に特別の思いがないのは、きっと「ハムレット」と一緒に読んだせい。 シェイクスピア四大悲劇の中には入っておらず、なぜか笑劇(FARCE)の扱いなのは、どこか滑稽さをはらんでいるせいか。 宿命的なお話の組み立てはよくできているけれど、一目で恋に落ち苦しむ間もなく息絶える彼らの悲劇性は淡く感じるのです。 68年版は「ロミ&ジュリ」の中では一番人気、オリビア・ハッセーのジュリエットがはっとするほど愛らしく、ロミオ(レナード・ホワイティング)のロザラインへの片思いを目立たせないのは、より美しいジュリエットへの心変わりを軽薄と見せないためか。 ゼフィレッリの作品は物語発祥の地イタリアらしく、ひとときの情熱に支配される世界ですが、若い俳優の躍動感や音楽・衣装などの見映えは一番かもしれません。 物語に厚みを出すべくティボルトとマキューシオの決闘にも時間を割き、ティボルト(マイケル・ヨーク)の殺すつもりではなかった当惑の表情が、家同士の争いの虚しさを物語ります。 「ロミ&ジュリ」人気は今も衰えず、15才のヘイリー・スタインフェルドのジュリエットは、どのような感じでしょうか。[映画館(字幕)] 7点(2012-09-03 07:00:03)
2. ロミオとジュリエット(1954)
カステラーニの「ロミ&ジュリ」。 68年版はオリビア・ハッセーの美しさを舞踏会では赤い衣装で目立たせていましたが、この映画では赤い群れの中で白い衣装のジュリエットを際立たせており、原典の「カラスの群れの中に白い鳩が舞い降りたようだ」に近いイメージ。 68年版ではぼかされていたロミオの思い人ロザラインもキャラクターとして登場し、キャピュレット家の霊廟に眠るヒロインのもとを婚約者パリスが訪れる場面もあるなど、原典を重んじた作り。 金髪のジュリエットが新鮮で、イタリア・ロケとパインウッド・スタジオのセットによるヴェローナの街は68年版以上に壮観、一番の見どころかもしれません。 ジュリエットの父キャピュレットがいつも太った俳優さんなのは、おもしろい伝統。[CS・衛星(字幕)] 6点(2013-03-05 07:00:24)
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