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1. ダイバージェントNEO
《ネタバレ》 この壁に囲まれたエリアに生きる人々という世界観。邦画でも洋画でも最近よく見かけるのは偶然か。
その舞台となるデストピアの細密な描写力がなかなかで、瓦礫混じりの都市の俯瞰などに眼を奪われる。
ヒロインの脳内イメージシーンであることを前提として展開されるビル崩壊やアクロバティックなアクションにサスペンスなど無いが、
その瓦解のスペクタクルで乗り切ってしまう。
そのイメージの中で、髪を切ったシェイリーン・ウッドリーがその澄んだ瞳と、凛とした美しい表情をみせる。
ロベルト・シュベンケ監督となって、120分を切ったのもいい。前作からの説明もそこそこにドラマは進むが、把握には困らない。[映画館(字幕なし「原語」)] 6点(2015-10-25 20:31:40)《改行有》
2. 第9地区
《ネタバレ》 インタビューや実況報道画面、ビルや店舗の監視映像の多用は、メディアが歪める個人の実相といったような何らかの主題に絡むのかとか、後半の追跡劇の中に包囲網などとして活かされるのかと思いきや、単に実録風を強調する為だけの機能らしい。ビルへの突入までを大胆に省略した手際などは良しと思うが、ビルから第9地区までの逃走経緯は活劇の映画として本来アイデアとアクションの見せ場のはず。最も工夫を凝らすべき肝心な危機脱出場面をあっさり流すので拍子抜けさせられてしまう。全体を覆ういわゆる社会派風知性主義がことごとくアクションの邪魔をしているのではないか。後半の戦闘場面になると、今度は実録風としてはあり得ない心理主義的ショット(装甲スーツ内の主人公のアップ等)が連発しバランスの悪さを露呈する。密閉された内部の表情などみせる必要全くなし。片膝をつき、よろけながらも奮闘する外面的動作だけで十分感情は伝わるのだから。ミサイルキャッチのロングショットだけはそれゆえ感動的なアクションといえる。最後はオマージュ的に当然「Watch The Sky」であり、シャルト・コプリーは良い表情で空を見上げているが、豆粒のようなCG群衆が空を見上げている俯瞰ショットと報道ナレーションは今一つ気に入らない。
[映画館(字幕)] 5点(2010-04-19 21:15:08)《改行有》
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