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プロフィール |
コメント数 |
1252 |
性別 |
男性 |
自己紹介 |
【名前】「くるきまき」(Kurkimäki)を10年近く使いましたが変な名前だったので捨てました。 【文章】感想文を書いています。できる限り作り手の意図をくみ取ろうとしています。また、わざわざ見るからにはなるべく面白がろうとしています。 【点数】基本的に個人的な好き嫌いで付けています。 5点が標準点で、悪くないが特にいいとも思わない、または可も不可もあって相殺しているもの、素人目にも出来がよくないがいいところのある映画の最高点、嫌悪する映画の最高点と、感情問題としては0だが外見的に角が立たないよう標準点にしたものです。6点以上は好意的、4点以下は否定的です。 また0点は、特に事情があって採点放棄したもの、あるいは憎しみや怒りなどで効用が0以下になっているものです。 |
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1. ふたりの旅路
《ネタバレ》 ラトビア・日本の合作だそうだが、まとまりが悪い。
まず、場所がリガである必然性が感じられず、要は神戸市とリガ市が姉妹都市だから、ということで感覚的に正当化するしかない。観光映画という意味もあるようだが、ピンポイントの観光案内的で街全体としてのイメージが得られにくい。なお「ルンダーレ宮殿」は美麗だがリガにはない(南方約80km、リトアニア国境に近い)。
また着物の話かと思っていると、そのうち料理にテーマが移ってしまうのは変だ。着物+和食ということなら、ラトビア側からすれば要は「日本」だからと一括して問題ない??と思うかも知れないが、実際作っていたのは和食でもない。握り飯でも作ってみせればよかっただろうが米がないか。
ほかラトビア側からは人間の鎖(1989年)、神戸側は震災(1995年)の話題が出ていたが、6年も時間差があるものを同時期のようにごまかして語っていたのは無理がある。さらにいえば、日本側関係者が全て神戸の人間なわりに、誰ひとりとして関西弁を話さないのも何だとは思うが、まあそこまでは言わなくてもいいかも知れない。
監督・脚本はラトビア人とのことだが、悪い面で邦画くさいのが鼻につく。ドタバタじみた展開で見ている方が気まずくなり、またzutisだと何度言われても聞き取れないのは非常に苛立たしい。深夜の旧市街で、変な日本人が一人でしゃべっているなど近所がどう思うかと気が気でなく、また噛み合わない会話からとんでもない事態に発展していくのも素直に受け取れない。これは昭和の喜劇映画でも志向しているのか。
物語の本筋に関しては、何が表現したいかわからなくはない。主人公が独り言をいうようになった事情を聞くと心が痛いが、今回の旅行でやっと心の中の夫に向き合えるようになったらしい。また気に障るから怒鳴るなというあたりは、古い日本式の夫婦関係が表現されていたように思われる。「理屈っぽいかも知れないけれどもいつものようにね」というのは万国共通かどうか。
そのほかこの映画の最大の特徴は、日本を代表する名優の表情を大写しでじっくり見せることだった。良くも悪くもこの役者ならではという登場人物になっていて、人によってはこれが何よりの見どころかも知れない。あんな台詞が初めから書いてあったわけはないが、あとでからラトビア語に訳したということか。[インターネット(邦画)] 5点(2020-08-08 08:57:27)《改行有》
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