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プロフィール
コメント数 1679
性別
自己紹介 今まで観た映画の記録を整理したくなり、レビュー開始。
物忘れが良いのでメモを残しておかないと、印象薄めのものは内容をすっかり忘れていたり、前に観た映画も初見かと思って後半にようやく気づくなんてことも。
備忘録を兼ねているので、ほとんどのレビューはネタバレで書いてます。

10 至高の殿堂入り
9 心に残る傑作 
8 もう一度観たい佳作
7 面白い
6 そこそこ面白い
5 普通
4 それほど面白くはない
3 面白くはないが見どころがなくはない
2 全然面白くない
1 酷い駄作
0 呆れ果ててもはやネタレベル

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181.  破線のマリス 《ネタバレ》 報道の恣意的な編集を扱ったのは、リアルな問題として面白い。 ミステリーを得意とする野沢尚脚本だけに、サスペンスとして最後まで引っ張られる。 ところが、ラストのオチにガッカリ。 最後まで引っ張って、それはないだろうと。 どんでん返しにも、スコンと胸に落ちてくるものと、無理筋で落ちてこないものがある。 これは後者のほう。 主人公が嫌な女というのも、好みじゃない。 真犯人のことはメインテーマではないので未解明のまま終わるというのもわかるが、やっぱり消化不良。[ビデオ(邦画)] 4点(2012-12-15 00:05:04)(良:1票) 《改行有》

182.  ソナチネ(1993) 《ネタバレ》 顔色ひとつ変えずにトリガーを引く村川。 どうしようもない虚しさが漂い、人として生きる喜びを捨てたように見える。 いつ何が起こるかわからない緊迫感。 その中にバカンスのようなのどかな時間。 土俵を作っての紙相撲の実演には顔がほころぶ。 南国の空の下での無邪気な笑顔が、その後の虚無感を更に引き立てる。 緊張と緩和、動と静、生と死、そうしたメリハリを巧みに利かせている。 「あんまり死ぬのを怖がってると死にたくなっちゃう」 死を避けようと考えること自体が、死を見つめてしまっているということか。 破滅や死へと吸い寄せられていくかのような主人公に、儚さがつきまとう。 ただ、ラストの車中での自殺はイマイチな気がする。 それにしても、犯罪ものにしては警察の存在感がまったくなかった。 北野監督は省略できるものはできるだけ省略して、立たせたいものに焦点を当てるが、ここでは警察は不要ということなのだろう。 独特の雰囲気を持つヤクザ映画だが、共感しにくい部分もあってハマるまでには至らなかった。[DVD(邦画)] 6点(2014-10-21 22:51:25)(良:1票) 《改行有》

183.  ナビィの恋 《ネタバレ》 沖縄の風情たっぷりに素朴でのどか、音楽も効果的に使われ南国らしく陽気で楽しい。 方言が柔らかく人を包み込みようで耳に優しい。 サイレント映画のような回想も味のある演出だ。 ユタの占いで結婚できずに引き裂かれるという前近代的な風習がそもそもの原因とはいえ、ナビィが50年連れ添った夫を捨てるとは…。 これが標準語で都会だともっと非情な印象を与えるだろうが、あの方言とナビィのキャラクターでずいぶん緩和される。 愛する人のために黙って送り出してやるおじいはこれぞ日本男児で立派だけど、なんとも切ない。[ビデオ(邦画)] 7点(2013-06-06 00:08:37)(良:1票) 《改行有》

184.  復讐者に憐れみを 《ネタバレ》 腎臓売買で騙されたリュウと、娘を失ったドンジンの復讐劇が交錯するストーリー。 暴力と血にまみれた救いのない映画なんだけど、なんだか切ない。 どちらも殺したくなる動機は十分に共感できる。 悪意はないのに事がどんどん悪い方向に転がって、こんなはずではなかったという嘆きが聞こえてきそう。 ドンジンはリュウに共感を覚えながらも、どうしても許せず報復せずにはいられなかったことが悲劇を招いた。 ヨンミ(ペ・ドゥナ)がリュウに警告した実態のない組織の報復が、ラストで腎臓売買の組織にすり替わって実行されたのがシニカルで面白い。 ヨンミのナレーション通りに組織が実在していたともとれるが、あの連中はどうみても革命家には見えない。 ヨンミの台詞の回想は、ドンジンが相手をヨンミの属する組織と思い込んだにすぎないのではないか。 つまりは、勘違いやすれ違いが生んだ悲劇の連鎖がラストまで続いたとも言える。 ペ・ドゥナは独特の存在感があって魅力的。 ベッドシーンも大胆で思い切りがいい。[DVD(吹替)] 8点(2013-01-11 19:53:42)(良:1票) 《改行有》

185.  真実の行方 《ネタバレ》 法廷で対決した女検事は、弁護士の元同僚で元恋人。殺された大司教には裏の顔があって、セックステープを作っていた。それが犯行動機と推定されるが、アーロンに多重人格障害の症状が表れて――。 白熱した法廷での攻防。ラストはどんでん返しが読めてしまったので驚きはなかったが、最後まで目が離せない。 多重人格者を装う詐病が真相となるサスペンスものは、この作品以降他にも見かけたが、本作が一番面白かったような気がする。役者も良くて、特にエドワード・ノートンは見事。 ただ、少し冷静に考えると現実味のないストーリーで大きな穴がある。最初からアーロンという人格が存在しないのならば、過去の言動を調べたらすぐにロイの人格としてのものが出てきたはず。何年も周囲に隠しきれるものではなく、少なくとも警察はアーロンの身元調査で把握できる。映画ではアーロンがどういう人物なのか聞き込み等でまともに調べるシーンがないが、調べてないというのは本来ありえないこと。ラストでどんでん返しをしたいがために、説明しがたい無理が生じている。 法廷戦術の巧拙によって、有罪無罪が左右される。そこに真実や良心は関係ない。あくまでビジネス。法廷というゲームで勝つことだけを考えている。そんな辣腕弁護士に嫌悪感しか沸かない。 二重人格や精神病を装った詐病は、無罪になるために現実にも使われている手段。サイコパスは息を吐くように嘘をつき無罪を手に入れる。弁護士はその共犯者となる。弁護士は信念をもって良かれと思ってやったこととはいえ結果的に悪魔を野に放ってしまった罪は重い。新たな被害者が出ればどうやって責任を取るつもりなのか。いや、たとえそうなっても責任を問われないことが釈然としない。間違った善意と信念の人というのが最もタチが悪い。 現実社会での裁判で、どうしようもない悪人を助ける弁護士の主張には、首をかしげるような例も多い。弁護するのが仕事とはいえ、どうにも割り切れない不満が蘇ってきて、愕然とする主人公の姿にもだから言わんこっちゃないという冷めた気持ちも。[DVD(吹替)] 7点(2014-11-21 22:40:51)(良:1票) 《改行有》

186.  どこまでもいこう 《ネタバレ》 いつも一緒に悪さをしていた仲良し二人が、クラス変えで別れてから次第にズレが生じてくる。 転校生による新たな刺激と変化、微妙に変化する友人との関係、同級生の死、異性への意識と距離感。 悪ガキでなくても、ここに出てくるようなものと似たような経験は誰もが何かあるはずで、それがノスタルジーとなって同年代の頃を思い出させる。 ストーリーに大きな柱はないので盛り上がりがなく淡々としているが、小学校高学年の日常がとてもリアルで、少年の変化と成長が巧みに描かれている。 塩田明彦監督はこの作品でしばしば沈黙の時間を用いて間をたっぷりとっている。 それがリアルで効果的に働いている場面もあるが、逆にリアルさを損なっている場面もある。 例えば、この年代同士ならほとんど沈黙の時間は生まれないはずで、そこでの沈黙はリアルさを欠きテンポも悪くなって余計な演出だった。[ビデオ(邦画)] 6点(2013-06-05 01:40:43)(良:1票) 《改行有》

187.  息もできない 《ネタバレ》 お話としてはよくできているが、良くも悪くも韓国映画によく見られるあざとさで、ストーリーの先が見えてしまう。 サンフンは因果応報の殺され方をすると前半でもう予想がついてしまうが、彼女と一緒に歩んでいくためにも今日で仕事を辞めると決めて最後の取り立てに行く時点で、悲劇のフラグがはっきりと。 幸せを掴む直前でぶち壊しにされるのは、あまりにも王道すぎるパターンだから。 そんなわかりきった展開でも退屈しなかったのは、演技が上手いからか。 特に、ヨニ役のキム・コッピが良かった。 サンフン役で監督・脚本も兼ねているヤン・イクチュンも良かったけど、フジモンにそっくりと感じてしまったのがずっと尾を引いて…。 日本でいうなら長渕剛がよくやっていたような役なのに、フジモンが浮かんでは微妙な感じに。 主人公のチンピラに感情移入できれば感動もできたかもしれないが、哀れな奴だとは思えてもまったく同情はできず。 こういう人間は好きになれないし、主人公に惹かれないとどうしても作品の印象は下がる。 不幸な生い立ちなのはわかるが、恨みを晴らすのなら自分を酷い目に遭わせた相手にだけすればいい。 激情的で恨みがましく、八つ当たりのようにだれかれ構わず暴力を振るいまくるさまは、迷惑なクズ以外の何ものでもない。 よくある凶悪犯の弁護で不幸な環境のせいにするのと一緒で、甘ったれるなと反吐が出る。 そんなものは被害者には何の関係もないし、不幸な身の上でも歯を食いしばって真面目に生きている人は山ほどいる。 いい年をした大の男が、いつまでもグレた中学生のようでは情けない。 その点、同じような息もできないほど閉塞的で劣悪な環境にありながら、女子高生の真っ直ぐに澄んだ瞳と健気さが眩しくて、彼女にだけは同情してしまう。 心はボロボロになっているのに、荒みきった男の心を溶かすほどの芯の強い優しさは、聖母のようだ。 そんな心優しき女子高生が呆然と立ち尽くすラストはやりきれない。 ヨニの母に暴力を振るって殺した取立て屋が実はサンフンら一味だと、最後まで気が付かなかったのが救いだろうか。 暴力は新たな暴力を生む。 戦争が止められないのと同じ類の虚しさが、余韻として残る。 同時に、韓国社会や国民情緒の負の一面も感じてしまう。 ※追記 二度目に見ると、フジモン似は気にならなくなって映画の内容に入り込めたので5→7に印象アップ。 サンフンは嫌いだが、やっぱりヨニが健気で良い。[DVD(字幕)] 7点(2015-02-07 00:04:31)(良:1票) 《改行有》

188.  鍵泥棒のメソッド 男に元カノが思い出の写真を返すとき、引越しで片付けたゴミ袋から探す。 もう過去のものとしている女と、その女に未練がある男の微妙な空気。 そうした小ネタにもウィットが効いている。 内田けんじ作品は、三谷幸喜を彷彿させるようなコメディで脚本が緻密。 スレ違い、勘違いでどんどん事態が思わぬ方向へ進んでいく。 都合がよすぎる嫌いはあるものの無駄なアイテムがなく伏線がすべて収束していくので、観終わったときにパズルがピタッとはまったような感覚がある。 これほど脚本のうまい映画監督は邦画ではちょっと他に見当たらないくらいで、今後も非常に楽しみ。[DVD(邦画)] 9点(2013-06-12 00:21:06)(良:1票) 《改行有》

189.  下妻物語 《ネタバレ》 いい意味でバカっぽくて楽しい。 演出が『嫌われ松子の一生』と似てるなと思って観ていたら、同じ監督の作品だった。 あちらはとても切ない気分にさせる良作だったが、こちらは同じ良作でも爽快で痛快な青春もの。 小ネタのセンスが良くて何度もニヤリとさせられるし、なにより主演二人のキャラがいい。 深田恭子と土屋アンナがロリータ少女とヤンキー娘にこれ以上ないくらいハマっている。 特に深田恭子の魅力がたっぷり。 勝手な先入観で今まで見るのを敬遠していたのだが、漫画チックなおもしろさで予想外に楽しめた。 幹となるストーリーに少し物足りなさは感じるものの、キャラと演出のセンスの良さで補えた。[DVD(邦画)] 8点(2014-03-13 22:25:06)(良:1票) 《改行有》

190.  GO(2001・行定勲監督作品) 《ネタバレ》 当時は演出も含めて新しく感じたのに、今、観直してみると在日に対する日本人の描き方がもう既に古くなっている。 彼女の父親が韓国人や中国人は血が汚いから付き合ってはいけないと教えていた。 そんな極端な人間は今はほとんどいないし、それよりももっと違う理由で若い世代にも韓国・北朝鮮や中国を疎む気持ちが広がってきている。 在日を描いた作品って、必ず偏見のある日本人に罪のない在日が酷い目に遭うシーンが入るようで、そういうのも類型的すぎるように感じる。 ただ、『パッチギ!』よりはニュートラルで、偏った視点から歪曲されてはいないよう。 「名前ってなに? バラと呼んでいる花を別の名前にしてみても美しい香りはそのまま」 『ロミオとジュリエット』の一節がとても印象的。 アイデンティティをテーマにしながら決して重苦しくないドラマになっていたし、行き過ぎた民族教育を笑いに変える脚本はクドカンらしくておもしろかった。[ビデオ(邦画)] 6点(2013-07-15 23:32:36)(良:1票) 《改行有》

191.  天使のくれた時間 《ネタバレ》 コンビニでトラブっていた黒人と関わった次の朝、まるっきり人生が変わっていた。 人生の分岐点で別な決断をしていたらとふと考えることが誰にだってある。 愛する家族と過ごすごく平凡な生活が、一番幸せな人生。 よくあるテーマなのでストーリーの流れも予測がついて意外性はないけれど、普遍的なテーマで感情移入しやすいのと役者がいいので引き込まれる。 ニコラス・ケイジ、ティア・レオーニ、それに子役もすばらしい。 こんなチャーミングな奥さんと愛らしい子供がいるなら、大抵のことなら我慢できそうで、価値観が変わっていく男にも共感できる。 ラストの空港でのシーンは感動的で、コーヒーを飲みながらの会話が想像できて楽しい。 はしゃいだりふざけたり、お茶目でセクシーなティア・レオーニに魅了されて+2点。 コーヒーを飲みながら会話が弾むラストが絶妙。 突然元彼が現れてヨリを戻そうとしても、成功しているキャリアウーマンなら簡単に翻意するわけがない。 その後やっぱりそれぞれの道を歩むのが一番現実的だけれど、この映画はファンタジーなのだからもしかしたらと夢を持たせるラストがふさわしい。 「素晴らしき哉、人生!」を彷彿させるような後味の良い映画。[DVD(吹替)] 9点(2013-06-29 23:43:43)(良:1票) 《改行有》

192.  地下鉄(メトロ)に乗って 《ネタバレ》 『三丁目の夕日』辺りから昭和ノスタルジーの流れが目に付く。 この作品も昭和の風情がたっぷり。 真次がタイムスリップで、嫌って縁を切った親父の若い頃に出会う。 その交流の中で親父の知らなかった面を見て、親父への見方が変わっていく。 かなり都合よく頻繁にタイムスリップで時代を行き来するなど、細かくみればおかしなところは幾つもある。 でも、それはファンタジーなので百歩譲ってサラリと流そう。 ただ、みちこのエピソードや佐吉のキャラにはついていけない。 長男を亡くして悲嘆にくれた佐吉が、その直後にお時のおなかをさすって目を輝かせている。 そんなにすぐに子供を亡くした感情が切れ替えられるのか? 不倫関係にあった真次とみちこは、実は異母兄弟だったということが判明。 その後、みちこがお時を階段から落として、おなかにいた自分自身を殺す。 これがまったく理解できない。 愛する真次のためには自分は生まれてこなければよかったってこと? だったら、生まれてくることを喜んでたお時と佐吉はどうなる? そして、その姿を見てみちこが流した感動の涙はいったいなんだったのか? 前後の流れが違っているので、いきなり逆噴射を食らったよう。 より悲劇的に、よりドラマティックにしようとして、意味不明なことになっている。[映画館(邦画)] 4点(2013-01-06 01:13:09)(良:1票) 《改行有》

193.  ザ・バニシング-消失- 《ネタバレ》 キューブリックがこれまでで最も恐ろしい映画だと絶賛したそうだが、サイコサスペンスとしてよくできた作品。 反社会性パーソナリティ障害の犯人の不気味さがヒシヒシと迫ってくる。といっても、犯行のシミュレーションや失敗続きが少し滑稽で軽いタッチなので、おどろおどろしい感じはまったくない。日常に潜む狂気というようなものが、次第に正体を表す感じ。 消えた彼女は一体どうなってしまったのか、そのサスペンス性で最後まで引っ張られる。その謎が明かされるラストがインパクトがあって余韻が残る。 金の卵に閉じこめられた夢の話と、ラストの新聞記事の卵型の二人の写真が重なってくる。トンネルの暗闇や閉所でのサスキアの恐怖心や犯人の閉所恐怖症など、他にも伏線が巧妙に幾つも張られているのに感心する。何気ないシーンも、後になって意味を持っていることに気づく。 彼女がどうなったのか知りたければ、同じように睡眠薬入りのコーヒーを飲めという犯人の要求。 普通なら絶対拒絶するようなとんでもない話なのだけれど、レイモンがそれを受け入れても仕方ないかもと思わせるくらいの追い込まれ方なので、そんなことありえないとは感じさせない。 犯人への嫌悪感がまとわりつくような余韻の残るラストで、この後味の悪さは監督としてはしてやったりなのだろう。[DVD(字幕)] 7点(2020-09-29 20:52:24)(良:1票) 《改行有》

194.  SHAME -シェイム- 《ネタバレ》 真面目そうなイケメンなのにセックス依存症の男。 バーで出会った女と帰りに野外セックス。 オフィスのパソコンはエロ動画でいっぱい。 家で一人の時はオナニー三昧。 果てはゲイとの性行為に、女二人との3Pまで。 そうしなければならない男の深い哀しみは役者の熱演で伝わってくる。 心を通わせたい女とは関係が持てず、まるで何かトラウマを消し去るための手段としての性処理に没頭しなければならないような追いつめられた状態。 各種依存症は強いストレスから逃れるためだったり空虚さを埋めるためだったり心理的防衛機制が働く場合が多い。 ところが、なぜそうなったのか肝心なところが描かれておらず、観客に委ねて投げっぱなし。 あえて描いていないのだろうが、そういう映画は見ていて消化不良になる。 妹とのやりとりから、SHEME(恥部)は近親相姦か親からの虐待か、そういった類のものが推察される。 会話の端々から兄と妹の通常の関係を超えた結びつきが感じられる。 「私たちは悪い人間じゃない。居た場所が悪かっただけ」 妹の言葉が示すように、二人の成育環境に問題があったことは確か。 両親が登場せず、妹のリストカット癖から兄妹揃って心の問題で苦しんでいるのがわかるので、家族関係が崩壊していたのだろう。 その辺りをしっかり描き出したものが見たかった。[DVD(吹替)] 4点(2014-08-12 21:19:25)(良:1票) 《改行有》

195.  トゥルー・ロマンス 《ネタバレ》 ずいぶん前に知人が絶賛して勧めてきた映画。 見たときの感想はこの人とは趣味が合わないなと。 内容はあまり覚えておらず「俺たちに明日はない」のようなカップルの逃避行くらいの記憶しかない。 ところがものすごく久しぶりに見てみたら意外と面白かった。 元警察官の父とマフィアとのやりとりは緊迫感があって目が離せない。 拷問中なのにシチリア人ボスに向かって黒人のムーア人がシチリア人女性を犯しまくって混血の子を産んだんだと嘲笑する。 爆笑するボスのはらわたが煮えくり返っているのが伝わってくる。 昔は気づかなかったが役者も揃っていて、ゲイリー・オールドマン、デニス・ホッパー、クリストファー・ウォーケン、サミュエル・L・ジャクソン、クリス・ペン、ブラピ、サニー千葉までいたのにはビックリ。 それぞれの個性の光るキャラで良い味を出していた。 おまけだけれど、木琴のようなテーマ音楽も好きだったラジオ番組のオープニング曲だったのに気づいてニンマリ。 ただ、この犯罪者カップルのハッピーエンドはまったくスッキリしない。 何人も死んだ中には殺されて当然の人間もいたが、死ななくてもいい巻き添えのような不幸もあった。 日本でも酷い犯罪で他人を何人も不幸にしながら自分はのうのうと生きている奴らがいるが、そういう姿とかぶる。 こうした人間は幸せになってはいけない。ボニーとクライドのように、破滅型の人間は破滅で終わらないと。 ラストでブチ壊しにされた気分。 現実社会ではちゃんとした贖罪もなく幸せな家庭を築く犯罪者に、やりきれない鬱憤を感じることのほうが多い。 映画くらいそうした鬱憤を晴らしてほしかった。 脚本を担当したタランティーノは、二人仲良く撃ち殺されて終わるラストを書いたとか。 ところが、トニー・スコット監督の判断でラストを変えて、タランティーノは激怒したらしい。 そりゃあ怒るでしょ。タランティーノに同情する。 せめて、クラレンスは死んだけどアラバマは彼の子供を産んで幸せに暮らしましたって程度なら良かったけど。[CS・衛星(字幕)] 6点(2018-06-05 10:19:14)(良:1票) 《改行有》

196.  AIKI/アイキ 《ネタバレ》 加藤晴彦が障碍者となった苦悩をヤツ当たりや我が儘など弱さやカッコ悪さを晒しながら演じていた前半はリアルで良かった。 ところが、ステレオタイプの悪役空手家との対戦が雰囲気をぶち壊した。 素人相手ならともかく武道家との真剣勝負で合気道を描くとたちまち嘘っぽく見える。 合気道はどうみても実戦格闘技大会向きではない。 しかも経験の浅い白帯が車椅子で圧勝してしまうのだからバカバカしくてシラケてしまう。 このマンガ的茶番がなければもっとシリアスで締まった秀作になったのに。 せめて、負けたけれど舐めていた空手家を思わず本気にさせたくらいに留めて、相手に認めさせる流れにしておけば随分印象が違ったと思う。 絵空事に走らず、リアルに克服する話にしてほしかった。 実戦で空手家に勝つことが障碍を乗り越える道ではないのだから。[DVD(邦画)] 5点(2014-09-27 14:54:08)(良:1票) 《改行有》

197.  完全なる報復 《ネタバレ》 司法制度への疑問を提示してはいるが、ドラマとしては粗が多くて入り込めない。 妻子を惨殺された夫の復讐劇なら普通はその夫に感情移入するものだけど、イカれた犯罪者にしか見えないので無理。 そうかといって検事にもまったく共感できず、ラストの返り討ちも疑問で後味の悪さだけが残る。[DVD(吹替)] 3点(2013-08-26 22:55:33)(良:1票) 《改行有》

198.  ヘルプ 心がつなぐストーリー 《ネタバレ》 ヒリーがこれ以上ないほど嫌な白人女として描かれる。 だからこそ、食べ物に汚物を入れるという復讐が正当化されるようにも感じる。 それが狙いだったろうけど、やっぱりこの方法は陰湿で卑劣だから引いてしまう。 もっと別の方法でやっつけて溜飲を下げてもらいたかった。 登場人物が少しステレオタイプの嫌いがあるため、もう一つ差別の深いところに切り込めていないような…。 その反面、差別をテーマにしながらどこかユーモアと軽さのようなものがあるので、この種の映画にありがちな重苦しさはない。 黒人メイドと白人の子供の親子のような絆にはホロッとさせられる。[DVD(吹替)] 7点(2013-09-04 19:07:33)(良:1票) 《改行有》

199.  きみはいい子 《ネタバレ》 『そこのみにて光輝く』が暗く退屈で、呉美保監督は師匠が個人的に苦手な大林監督というのもあって勝手に相性が悪いに違いないと思っていた。が、この映画は良かったし、大林監督とも作風が違っていた。 虐待された子が親になったら心ならずも我が子を虐待してしまうというのはよく言われていることだが、この映画には雅美の葛藤がよく出ている。同じように虐待された過去を持つ陽子は、愛にあふれた優しい母に。そうなれたのは、暴力親から庇って抱きしめてくれた近所のお婆ちゃんがいたから。一人でも抱きしめてくれる人がいれば、子供を救うことができる――そんなメッセージが伝わってくる。 認知症のお婆さんと自閉症の子供の交流もほっこりさせられる。 言うことを聞かない生意気なガキをきっちりと叱れない新米教師岡野の頼りなさにイライラ。昔は時にはビンタで愛のムチも辞さない恐い先生がいたものだが、今はモンペが黙っていないのでそんなこともできないのだろう。教師が手出しできなくなって子供がつけあがる。そうして学級崩壊へという悪循環。 こういう状況で「家族に抱きしめられる」宿題なんか出したところでバカにしてやってくるわけがないのだが、欠席者一人(義父に虐待されてる神田)以外は全員やってきているところがあまりに絵空事に感じられる。気まずくて言い出せない子供や、言われても無視する親は絶対にいる。拒否された子はさらに傷つくことを考慮にいれない、超楽観的な宿題だ。 岡野が神田宅に乗り込むところで映画は終わっているが、そこまでやる気持ちは大事。あのクズ親相手なら、自分の無力さを思い知ることになるだろうけど。 それにしても、今の学校はつまらないことでがんじがらめで先生が気の毒になる。あれでは教師に心の病が増えるはずだ。職業病と言っていい。男子も女子もさん付けで呼ばなければいけないとか、もっと大事なものがあるだろうに、本当にくだらない。[DVD(邦画)] 7点(2017-09-07 23:07:24)(良:1票) 《改行有》

200.  悪魔は誰だ 《ネタバレ》 ネタバラシで意外な真相。でも、少し冷静に考えるとおかしな点に気づく。 誘拐されたボムは真相を知っているわけで、祖父が犯人だとされることに孫が黙っているわけがない。これはストーリーの致命的な欠陥。観客の意表をつくことを最優先して、孫の動向を無視した印象。 特徴的なのは時間軸が頻繁に前後しているところ。意識的にそうすることで、ミスリードに生かしている。 初見ではわからなかったが、犯人が誘拐する子供を物色して男の子を捕まえるのを諦めたシーンがあった。孫が誘拐される事件の直前にあったシーンだったために現在のシーンだと勘違いしていたが、よく考えるとあれは15年前の事件を起こす直前のものだろう。 テロップを使うとこのミスリードはできないので、テロップはついていない。そのために時系列がわかりにくく少し混乱してしまうのだが、それをうまく利用したわけだ。 このミスリードは上手かったが、やり方がずるいところもある。祖父がカバンを持って走るのがあれでは速すぎる。とても老人の動きではない。 また、15年前の事件ではあるが、子どもが誘拐されて死んでいる未解決事件なのだから大きなニュースになっていたはずで、担当が違うとはいえ他の刑事が知らないのもおかしい。よほど韓国の警察が無能なのか、同様の事件が多発して覚えてられないのか。日本でも警察の不祥事はあるが、韓国は警察への不信感が強烈なのか、映画ではひどく出来の悪い警察官が多い気がする。 サスペンスとしてどうなるのかと惹きつけられて面白かったけれど、すっきりしないところは幾つか残った。ただ、ラストはキレイに意表をつかれた。取引で冤罪をあえて被らざるを得なくするとは、罰の与え方が巧い。 監督のチョン・グンソプからは非凡なものを感じるんだけど、今のところ他に作品が見当たらない。 緻密で凝ったストーリーを書く脚本兼監督はどうしても寡作にならざるをえないが、この監督もそうなのだろうか。 一発屋で終わらないよう、次回作が見てみたい。[CS・衛星(字幕)] 7点(2015-09-24 20:12:16)(良:1票) 《改行有》


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