みんなのシネマレビュー
飛鳥さんのレビューページ[この方をお気に入り登録する

◆検索ウィンドウ◆

◆ログイン◆
メールアドレス
パスワード

◆ログイン登録関連◆
●ログインID登録画面
●パスワード変更画面

◆ヘルプ◆
●ヘルプ(FAQ)

◆通常ランキング◆
●平均点ベストランキング
●平均点ワーストランキング
●投稿数ランキング
●マニアックランキング

◆各種ページ◆
●TOPページ
●映画大辞典メニュー
●アカデミー賞メニュー
●新作レビュー一覧
●公開予定作品一覧
●新規 作品要望一覧照会
●変更 作品要望一覧照会
●人物要望一覧照会
●同一人物要望一覧照会
●関連作品要望一覧照会
●カスタマイズ画面
●レビュワー名簿
●お気に入り画面
Google

Web www.jtnews.jp

プロフィール
コメント数 1727
性別
自己紹介 今まで観た映画の記録を整理したくなり、レビュー開始。
物忘れが良いのでメモを残しておかないと、印象薄めのものは内容をすっかり忘れていたり、前に観た映画も初見かと思って後半にようやく気づくなんてことも。
備忘録を兼ねているので、ほとんどのレビューはネタバレで書いてます。

10 至高の殿堂入り
9 心に残る傑作 
8 もう一度観たい佳作
7 面白い
6 そこそこ面白い
5 普通
4 それほど面白くはない
3 面白くはないが見どころがなくはない
2 全然面白くない
1 酷い駄作
0 呆れ果ててもはやネタレベル

投稿関連 表示切替メニュー
レビュー表示レビュー表示(評価分)
その他レビュー表示作品用コメント関連表示人物用コメント関連表示あらすじ関連表示
コメントなし】/【コメント有り】
統計メニュー
製作国別レビュー統計年代別レビュー統計
要望関連 表示切替メニュー
作品新規登録 / 変更 要望表示人物新規登録 / 変更 要望表示
要望済関連 表示切替メニュー
作品新規登録 要望済表示人物新規登録 要望済表示
予約関連 表示切替メニュー
予約データ 表示

評価順1234567891011121314

201.  悪魔は誰だ 《ネタバレ》 ネタバラシで意外な真相。でも、少し冷静に考えるとおかしな点に気づく。 誘拐されたボムは真相を知っているわけで、祖父が犯人だとされることに孫が黙っているわけがない。これはストーリーの致命的な欠陥。観客の意表をつくことを最優先して、孫の動向を無視した印象。 特徴的なのは時間軸が頻繁に前後しているところ。意識的にそうすることで、ミスリードに生かしている。 初見ではわからなかったが、犯人が誘拐する子供を物色して男の子を捕まえるのを諦めたシーンがあった。孫が誘拐される事件の直前にあったシーンだったために現在のシーンだと勘違いしていたが、よく考えるとあれは15年前の事件を起こす直前のものだろう。 テロップを使うとこのミスリードはできないので、テロップはついていない。そのために時系列がわかりにくく少し混乱してしまうのだが、それをうまく利用したわけだ。 このミスリードは上手かったが、やり方がずるいところもある。祖父がカバンを持って走るのがあれでは速すぎる。とても老人の動きではない。 また、15年前の事件ではあるが、子どもが誘拐されて死んでいる未解決事件なのだから大きなニュースになっていたはずで、担当が違うとはいえ他の刑事が知らないのもおかしい。よほど韓国の警察が無能なのか、同様の事件が多発して覚えてられないのか。日本でも警察の不祥事はあるが、韓国は警察への不信感が強烈なのか、映画ではひどく出来の悪い警察官が多い気がする。 サスペンスとしてどうなるのかと惹きつけられて面白かったけれど、すっきりしないところは幾つか残った。ただ、ラストはキレイに意表をつかれた。取引で冤罪をあえて被らざるを得なくするとは、罰の与え方が巧い。 監督のチョン・グンソプからは非凡なものを感じるんだけど、今のところ他に作品が見当たらない。 緻密で凝ったストーリーを書く脚本兼監督はどうしても寡作にならざるをえないが、この監督もそうなのだろうか。 一発屋で終わらないよう、次回作が見てみたい。[CS・衛星(字幕)] 7点(2015-09-24 20:12:16)(良:1票) 《改行有》

202.  陽のあたる教室 《ネタバレ》 滑り止めで音楽教師になったホランドが、次第に教師という職業にのめりこんでいくさまに、生徒と共に成長している姿が認められる。 ホランドの家庭も並行して描かれるが、難聴の息子との葛藤が夫婦の成長にも関わっている。 ホランドは美しく才能ある教え子と惹かれあうが、一緒にニューヨークにとの誘いにも家庭を捨てない。 ジョン・レノンの死など世相を映し出すことで、ホランドの人生の軌跡がリアルに浮き彫りにされる。 誠実に生徒と向き合う姿勢が、音楽家としてよりも教師としての人生を歩ませた。 それは平凡な人生のように見えるかもしれないが、ラストのお別れ会が示すように多くの人生を変えた聖職を勤めあげたということ。 この映画は教師や教師志望者にこそ観て欲しい。 描かれているのはヒーローのように活躍するような特別な教師像ではないので、感じとるべきものがあるはずだ。[ビデオ(邦画)] 8点(2013-06-01 00:46:04)(良:1票) 《改行有》

203.  北北西に進路を取れ 《ネタバレ》 敵方のスパイと勘違いされて殺されそうになる、ヒッチコック得意の巻き込まれ型サスペンス。 二重スパイのヒロインとのロマンスが華を添える。 結局、国家機密の内容は最後まで明らかにはならない。 架空スパイというのも、わかったようなわからないような設定。 カプランが架空の人物だということがバレれば潜入して敵の近くにいるスパイが怪しまれて殺させるというのも、なんだかこじつけのような。 ヒッチコックのいうマクガフィンに関する基本姿勢で、そこはサスペンスに導く口実だけで具体的な描写は必要ないとのことなんだろうけど、いまひとつピンとこなくて食い足りない。 それでも、後にお手本になるようなしっかりした構成で、惹きつけられるものはある。 ナイフを引き抜いた場面を目撃されての殺人嫌疑、列車での逃亡とロマンス、飛行機での襲撃、空砲のトリックなど、次から次へと見せ場があって飽きさせない。 敵が迫って逃げられない状況で、セリをわざと妨害して警察を呼ばせたのはうまい手だった。 絶体絶命の危機の連続を間一髪で切り抜けていくのはサスペンスの王道。 印象に残るシーンが多いのは、見せ方が巧みだから。 クライマックスとなる巨大オブジェでの逃走劇は、インパクトも見応えもある。 崖から引き上げるシーンが寝台車に飛ぶラストは、オシャレなオチでニンマリ。 ケイリー・グラント演じる主人公には、それほど好感を持てない。 タクシーに平気で横入りしたり、バツ2で妻に逃げられていたり、どうもろくでもない男の臭いがする。 愛する女を命をかけて助け出したのはカッコいいのだけれど、燃え盛った恋の炎が冷めればまた愛想を尽かされるのが目に見えるよう。[DVD(字幕)] 6点(2014-12-29 20:24:51)(良:1票) 《改行有》

204.  クラッシュ(1996) 《ネタバレ》 同名タイトルの他の映画と間違えて観てしまった。 倒錯した性癖についていけず。 「精液を飲んだことある? 人によってしょっぱさが違うのよ」 妻の卑猥な言葉を浴びながら、ベッドで腰を動かす夫。 この辺りの性的嗜好なら、まだ他の作品でも珍しくはない。 これが、交通事故にもエクスタシーを感じるとなると、置いてきぼりをくらったようについていけなくなる。 「自動車事故は性的エネルギーが解放される」として、有名人の自動車事故を再現し、その性的エネルギーを体感しようとするグループ。 そのグループに影響され、最後は自ら自動車事故を起こし、ひっくり返った車のそばで大怪我を負いながらセックスに耽る夫婦。 登場人物の誰にもまったく共感できない映画というのは、観ていてつらい。[DVD(字幕)] 2点(2012-12-05 16:47:01)(笑:1票) 《改行有》

205.  イングリッシュ・ペイシェント 《ネタバレ》 面白くないわけではないが、アカデミー賞作品賞に値するかはちょっと疑問。 規模の大きさと映像美は感じるが、まるでハーレクインロマンスのようなストーリー。 大火傷を負ったイギリス人患者が、失われた記憶を辿っていく過程で、不明だった人間関係やスパイ活動などの真相が明らかになっていく。 そこにサスペンス性はあるのだが、テンポが悪くて緊張感がなかなか高まらず、冗長で散漫な印象を受けてしまう。 妻の不倫に勘付いたジェフリーが、飛行機でアルマシーに心中覚悟で突っ込んだあたりからやっと面白くなった。 アルマシーがドイツに地図を売ったのはやむをえないことで、砂漠の洞窟でひとり死んでいったキャサリンとの悲恋が切ない。 だからこそ親指を失ったカラヴァッジョもアルマシーへの復讐する気が失せたのだろう。 ただ、その命がけの愛が不倫で、どうしてそこまで深く愛し合ったのかの描写が不足しているので、その分共感しにくいのが難点。 また、全体にテンポアップしてハナの恋愛エピソードもカットすれば、160分の長尺をもっと短くできたはず。 ハナがアルマシーの意図を汲んでモルヒネの量を増やし安楽死させてあげたのは、結末としては良かったと思う。[ビデオ(吹替)] 5点(2013-06-09 01:59:10)(良:1票) 《改行有》

206.  ニュー・シネマ・パラダイス 《ネタバレ》 若い頃に最初観たときは、ヌルい映画だなという印象で、自分の中での評価は低かった。 世間の評価が自分の印象よりずいぶん高かったので、数年後にもう一度観てみると、最初観たときより面白かった。 ただ、内容はほとんど忘れていたので、その時の自分にとってはそれほど心を動かされるものがなかったということ。 ところが、最近久しぶりに見直してみると、なぜか心に染みた。 映画は観る時期を選ぶということか。 映画しか娯楽がなかった時代の映画館内の熱気が伝わってくるよう。 テレビや他の娯楽が増えて、街のみんなが一箇所で盛り上がるようなことはなくなったが、そういう不便な時代のほうが本当は楽しいのかもしれない。 想い出の映画館が取り壊される様子には、センチメンタリズムとノスタルジーがかきたてられる。 トトに対するアルフレードと母の深い愛情には胸を打たれる。 年を経るほどに味わい深くなる類の映画のようで、またいつか観直すことになるだろう。[ビデオ(吹替)] 9点(2012-12-06 00:51:19)(良:1票) 《改行有》

207.  ゾンビアス 巨大寄生虫、ゴキブリ、ウンコまみれのゾンビ、おならやゲロのオンパレード。 とにかく下品で汚らしくて不快。 悪趣味の極みで、下ネタ好きの学生が悪ノリして作ったかのようで笑えない。 スカトロ系がダメな人は見てはいけない。 男子小学生たちに見せれば、間違いなく大盛り上がりしそうだけど。 出演者、特にフルヌードになった女優が気の毒で、脱ぎ損としか思えない。 天才テレビ君の人気子役だったのに、どこでどう間違ってこの選択になったのか。 主演ということでこの役を受けたのだろうが、中村有沙にとって黒歴史となるかも。 こんな文字通りのクソ映画より、この女優がこの作品に出演した葛藤を映画化したほうが遥かに良作になりそう。 もし、身内やファンだったら、この監督と事務所に殺意が芽生えるのでは? 作品としては0点だが、中村有紗に+1点。 今後の活動が気になる。 ナナ隊員の黒歴史を持つ松嶋菜々子くらい強かにビッグになってほしい。[インターネット(字幕)] 1点(2014-10-09 20:11:49)(良:1票) 《改行有》

208.  ヒミズ 《ネタバレ》 園子温監督の描くいつものバイオレンスと狂気がここにもある。 おもしろい。おもしろいが、傑作とまではいかない感じ。 原作にはない震災を絡めたのは、狙いはわかるがあざとさが気になった。 ストーリーの中でリンクしきれていない印象が残る。 一番信頼するべき親から見捨てられ死までも望まれた子供達のやり場のない悲しみ。 「がんばれ!」「死ぬな!」「この世でたった一つの花よ!」「夢を持て!」 住田と併走する少女の叫びは、自分への励ましでもあっただろう。 教室での教師の上っ面の言葉とは重みが違った。[DVD(邦画)] 7点(2013-05-16 01:24:56)(良:1票) 《改行有》

209.  聖者の眠る街 《ネタバレ》 ホームレスで貧困、劣悪な環境にあっても真面目に生きようとしている者もいる。ところが、同じような境遇の者が犯罪者になって足を引っ張ってるという皮肉な構造。 もっとおもしろくなりそうだったのに、終わってみると意外と内容的には薄かったような。ギュッと詰めたらオムニバスの一編に収まりそう。ただ、キャラと雰囲気は惹かれるものがある。[DVD(字幕)] 6点(2015-11-22 22:36:16)(良:1票) 《改行有》

210.  死霊のはらわた(2013) 《ネタバレ》 サム・ライミ監督のオカルト系スプラッター・ホラーの伝説的作品をリメイク。麻薬中毒の妹を治療しようと集まった兄や仲間たちに、呪文で呼び寄せられた悪魔が血の惨劇を起こす。悪魔に憑かれた妹を助けようと戦う兄が、途中までは主人公のよう。 しつこく追ってくるゾンビのまとわりつくような恐怖は出ている。ただ、ストーリーは極めてシンプルで、何かプラスアルファがないと物足りない。 オリジナルのほうを後から見たけれど、そちらでは麻薬中毒の治療目的ではなく、ただ別荘に遊びにきた設定だった。ストーリー性はなく、お化け屋敷に徹しているように思えた。 こちらは兄と妹の関係にストーリー性を持たせようとしているようだが、それが少し中途半端になっている印象も。[CS・衛星(字幕)] 5点(2015-05-08 00:59:39)(良:1票) 《改行有》

211.  マンイーター 《ネタバレ》 「ジョーズ」の巨大ワニ版。 ヒロインに魅力がない。 ガイドで責任者なら、乗客の人命を救うために愛犬を犠牲にする作戦も甘受すべきところ。 ところが、この女はゴネて拒否する。 いくら愛犬が家族同様の存在といっても、プロ意識がなさすぎる。 そんなヒロインが助かろうが助かるまいがハラハラはしない。 ストーリーも不自然で投げっぱなしのところもあり、まとまりが悪い。 パニック映画では、この人だけは助かってほしいというような良い人がやられたりやられそうになることで、物語にぐっと引き込まれていく。 でも、この作品にはそれがない。 見どころは、オーストラリアの大自然。[地上波(吹替)] 4点(2015-03-06 23:45:57)(良:1票) 《改行有》

212.  グランド・ブダペスト・ホテル 《ネタバレ》 何人も殺されて生首シーンなんかもあるんだけど、軽妙なタッチでユーモラスに描かれるので陰惨さは感じない。独特の不思議な味わい。遺産相続を巡っての連続殺人、冤罪事件なので、演出によってはハードなサスペンスにもなりうるストーリーなのに、全体的にほんわかしていてユーモアとペーソスがある。[CS・衛星(字幕)] 6点(2015-07-08 01:51:41)(良:1票)

213.  居酒屋兆治 《ネタバレ》 兆治はつくづく罪な男だ。 愛する男と女が結ばれなかったために、女やその周りの人間がとことん不幸になった。 30代後半の大原麗子が、かわいくて色っぽい。 昔の男を思いながら客に抱かれる姿が切なくて哀しい。 この頃は全盛期だったはずだが、役柄での孤独死が将来現実になるとは誰一人思いもしなかったろうに。[ビデオ(邦画)] 6点(2013-02-04 21:49:07)(良:1票) 《改行有》

214.  JSA 《ネタバレ》 38度線で対峙する北と南の兵士たち。 地雷から命を救ったのがきっかけで交流を深める四人の姿がほのぼのとして温かい。 それがどうして冒頭の惨劇につながったのかと物語の中に引っ張られる。 観光客の写真に四人それぞれの立場で写っているのが感慨深い余韻を与えてくれる。 イ・ヨンエは綺麗だし、ソン・ガンホ、イ・ビョンホンも人気の出る前だがスター性を感じさせる存在感。[DVD(字幕)] 7点(2013-08-20 21:15:11)(良:1票) 《改行有》

215.  まぼろしの市街戦 《ネタバレ》 反戦や社会への批判をこめた寓話としてよくできているとは思うのだけれど、ちょっと温くて自分には合わなかった。[DVD(吹替)] 5点(2020-10-26 23:49:27)(良:1票)

216.  悪の教典 《ネタバレ》 学校での殺戮は「バトルロワイヤル」を彷彿させるが、こちらはサイコパスによる犯行。こういうのはそのサイコパスっぷりで作品のインパクトが決まる。 生徒に人気の高校英語教師は、子供の頃から共感する能力に欠け犯罪を重ねていた――このサイコパス像は、予想から外れることはなかった。 それに、犯行も大胆といえば聞こえはいいがずさんな面もあるので、これでずっと捕まらなかったというのは説得力がない。電車の中での殺害が誰にも見つからず、ホームの監視カメラにも映っていない。その上、殴った跡が残ってるはずなのに自殺と処理されるとか、リアリティもクソもない。 最後は犯行を隠すための破れかぶれのような大量殺人。男子生徒との同性愛教師の無理心中偽装工作は「あまりにも乱暴なストーリーかな?」と犯人のセリフ通りの無茶苦茶ぶり。最後はお決まりの精神病による責任能力回避を臭わせて終わり。サスペンス性はあるので最後まで引っ張られるが、最後の殺戮シーンがやたら長い。 原作を読んでいないので幻想的なシーンでの外国人とのくだりがよくわからなかった。どうやらアメリカ時代の回想だったようで、詳細は伝わらなかったが殺人を重ねていたことだけはわかった。 明るい音楽で残虐なストーリー展開は、園子温作品に通じるところもある。 穴だらけのストーリーなので矛盾点を気に掛けるよりも、三池監督流のバイオレンスを楽しめばいい映画か。確かに、たまにこうしたバイオレンスやサイコホラーものが観たくなる。 役者は先生も生徒もそれぞれハマってた。生徒では二階堂ふみより水野絵梨奈が印象に残ったが、E-girlsにいたとは。[DVD(邦画)] 6点(2013-06-05 01:43:52)(良:1票) 《改行有》

217.  緑の街 《ネタバレ》 主人公草介が始めて映画監督にチャレンジする人気ミュージシャンという設定で、監督の小田和正自身がモデル。 デビュー作「いつかどこかで」に続く二作目で、デビュー作で苦労した実体験が生かされている。 映画の基礎知識もない素人監督の甘さと、熟練スタッフの強烈な自負心がリアルで、双方の軋轢が伝わってくる。 この辺りは、俯瞰で見つめることができる小田監督に少し感心してしまった。 多くの人の共感を呼ぶ歌詞をつくることができるだけあって、人の気持ちを察する繊細さが生きてくる。 草介は自分と元恋人の信子のことを映画にして、信子を女優に復帰させている。 自伝的映画を撮って、信子とのことを完了させようとしているわけだ。 ところが、信子は草介の書いたセリフが自分の気持ちとかけ離れていてそのセリフがどうしても言えない。 そうした信子の感情が伝わりきらなかったせいか、二人の恋愛感情に乗れなかった。 信子が別れを肯定的に受け止めた流れも、いまひとつ掴めない。 なので、エンディングの撮影での信子のセリフも、感動するまでには至らなかった。 草介の映画づくりの動機が恋愛がらみの極めて私的なものだったのが、ちょっと気に入らなかった。 映画づくりへの思いというより、信子への思いが先行している。 一人で何でもできると思い上がっていた草介が、みんなの力で作り上げることに目を向ける過程はそれなりに感動的ではある。 ただ、急にスタッフが草介に協力的になったのはできすぎの感も。 草介のやったことは重さんに訴えたこととスタッフに手紙を書いたことで、事態をまるっきり変えるには描写が弱い気がする。[ビデオ(邦画)] 4点(2013-01-16 22:03:46)(良:1票) 《改行有》

218.  THE 有頂天ホテル 《ネタバレ》 登場人物が多く、複数のエピソードが並行して進行する。 その複数のエピソードが交錯しながら、ラストに向かって収束していくのは、さすが三谷幸喜の脚本だ。 キャラが個性的で、小ネタは随所に入っていて、セリフもウィットに富んでいる。 新堂副支配人のトンチンカンな鹿のスピーチは見もの。 ただ、大人数のせいかストーリーを深めきれずに全体に散漫な印象になってしまった。 ラストはすべてのパーツがうまくいっての大円団となるわけだが、そうなるには当然のように予定調和が見られるのでそこに感動はない。 ライトコメディとして気楽に楽しめるけれど、後にはほとんど残らない映画。 あの時の雑談は楽しかったけど、さて何を話してたっけ?というのに近い感覚。[DVD(邦画)] 6点(2013-06-14 23:20:23)(良:1票) 《改行有》

219.  ぼくたちの家族 《ネタバレ》 元気に歩け回れる状態で余命一週間の宣告というのがありえることなのか。 あまりにも都合よく設定されているようにも思える。 その反面、怖いくらいにリアルな部分も。 両家の顔合わせの席で母の異常が発覚した場面はゾッとする。 懸命に正常を装う姿が痛々しくて見ていられない。 長男が入院費の負担を妻に切り出す場面では、妻が敬語を使いながら正論で長男を追い詰めていく様子が印象的。 反論を許さないすごい拒絶感が滲み出ていて、親を守りたい長男の孤立感が浮き彫りに。 この映画では、実際に起こりえることであってほしくないこと、見たくないことが次々と突きつけられる。 家族の突然の余命宣告、入院費や借金の発覚等お金の工面でのいざこざ、いざという時の父親の頼りなさ。 普段偉そうなこと言っていた父が、つまらないことで何度も息子に電話を掛けてくるのには本当にイライラさせられる。 長男役の妻夫木もよかったが、一番冷めてていい加減に見えて実は意外と熱くて純真だった次男を池松壮亮が好演。 原田美枝子は相変わらずの安定感。 以前に『愛を乞う人』でも感心したが、やっぱり演技が巧い。 崩壊状態の家族の再生は手垢のついたテーマで新鮮味はないが、役者がいいのもあって最後まで魅せられる。[DVD(邦画)] 6点(2015-01-11 22:37:08)(良:1票) 《改行有》

220.  百瀬、こっちを向いて。 《ネタバレ》 原作は未読だが、いかにもライトノベルの恋愛小説テイスト。悪い意味でのアイドル青春映画っぽく、薄っぺらくて青臭い。なんだか気恥ずかしくなってくる。元ももクロの早見あかりの演技に惹かれないなら厳しいか。主演にハマるかどうかというのは大きいが、主演の二人に入り込めず。 原作者の中田永一が、乙一の別名義と知ってビックリ。この映画からは片鱗も感じられなかったが、原作を読んで確かめたい気もする。乙一原作の『暗いところで待ち合わせ』は、純愛ストーリーと相まって主演の田中麗奈の魅力が発揮されていた。その魅力が本作には感じられなかったので、もしかしたら原作と映画が違っているのかもしれないし。[CS・衛星(邦画)] 3点(2015-08-26 20:46:39)(良:1票) 《改行有》


Copyright(C) 1997-2024 JTNEWS