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Web www.jtnews.jp

プロフィール
コメント数 210
性別 男性
ホームページ http://mixi.jp/show_friend.pl?id=8512182
年齢 49歳
自己紹介 映画は娯楽である。笑ったり泣いたり学んだり、空想という鑑賞時間を過ごす「芸術作品」である。実際に映画づくりを体験していない人間に、映画批評が出来るとは思えない。プロの批評家でもなく映画を作った経験も無いのだから、作品のシナリオや背景など、基本設定に理屈っぽくケチをつけるようなナンセンスな行為はなるべく止めにしたい。映画好きのハシクレとして、作家が作った作品を、素直に楽しみ、感動できる姿勢を何よりも大事にしたいと思う。

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評価順1234

21.  シザーハンズ 《ネタバレ》 物語の内容だけでなく映像も、まるで絵本をそのまま映画にしたような独特の美しさがある。ティム監督独特のこの映像の美しさには惹かれる人も多いと思うが、この作品に関して言えば、監督自身は映像美だけにこだわっていたわけではあるまい。ファンタジックな映像の随所に、彼の人間社会への痛烈な皮肉が込められている。一見可愛らしいが、よく見ると無気味な程に同じようなパステルトーンの家々、同じような単色の服装。旦那の車での出勤とともに町が目覚め、騒ぎだし、旦那の帰宅とともに皆家に帰る。一様に珍奇な髪型にこだわり、一様に興味の対象を探して彷徨う。これら映像全てが、主人公エドワード以外の人間のヒステリックな集団化を、極めて端的に象徴していると思う。人間のエゴの醜さを表現するために、まるで舞台のように余分な要素を一切省き、象徴的な部分だけをこれだけ見事に美しく映像化した映画も珍しい。友が出来たことを喜び、やがて忌み嫌われ、哀しみと怒りのままに人々のもとから姿を消したエドワード。何かを諦めたようにすたすたとボロ屋敷の階段を上がり、黙々とハサミを振るう彼のラストシーンの後ろ姿がなんとも切ない。愛する人をも傷つけてしまうハサミの手で、きっとあのまま、彼はいつまでも独り、街に雪を降らせ続けるんだろう。やり場のない哀しさと淋しさを創作意欲に変えて、いつまでも孤独に、氷の彫像を作り続けるんだろう。[映画館(字幕)] 9点(2005-02-27 12:59:16)(良:2票)

22.  ファイト・クラブ ハリウッドでこんな映画がつくられたこと自体が驚き。物欲主義への世の中への痛烈な批判、作品そのものはむしろブラックコメディーに近い。自分の病んだ心が病人達と泣くことで癒されるあたり、この作品は人の心の弱い部分の芯、本質を実によく取らえていると思う。舞台はアメリカなのにブラピ演じるタイラーの思想はどこか東洋的。まるで自分の弱い心を覗かれてるようでドキリとさせられた。ファイトクラブの連中がやっていることは無論メチャクチャだけれど、単なる世の中への甘えた反抗ではなく、なにか納得できるものがあるのは何故だろうと考えてしまう。9点(2003-11-11 00:10:44)(良:1票)

23.  ストレイト・ストーリー 《ネタバレ》 愛すべき頑固で偏屈ものの爺さんが、ひたすらゆっくりとゆっくりと進んでゆく。10年も兄と仲違いをすることになった喧嘩の原因も、ついに語られる事はない。長い道のりの中で出会う人々と時には助け時には助けられ、恩着せがましいことも恩に甘んじることもなくひたすら目的のために旅を淡々と続けるだけ。70数年の人生に比べれば、数週間そこらの時間や距離なんて、老人には大して問題ではなかったに違いない。若者には決して、やろうと思っても出来ない豊かな旅。愛や友情や親切など、人間同士の関係の理想的なものが、この旅に凝縮されているように思う。そしてそれは主人公の言ったところの「足も目も弱ったが経験は積んだ」老人だからこそ可能であることなのだろう。私も年をとったら、こんな愛すべき偏屈者になりたいものだ。弟の顔をみた兄は、間を分つことになった確執をどう考えたろうか。再会した後の会話も無いが、オンボロのトラクターがあっただけで十分だった。子供の頃のように夜空を眺めて、楽しげに語り合う兄弟の様子が瞼に浮かぶようなエンディング。じつにゆっくり、ゆっくりとした、美しく、大らかな映画だった。8点(2005-02-13 03:01:02)(良:1票)

24.  ひまわり(1970) 《ネタバレ》 男と女が愛し合い、その仲が戦争によって引き裂かれ、待ち続け探し続けた末に会えたと思ったらかつての恋人には夫が…というお決まりのパターン。当時でこそ最新ファッションだったのかもしれないけれど、ソフィア・ローレンのボンバーヘッドはどう見たって美しいとは思えなかった。……子どもとベッドを見て自分の願いが叶わないことを予想し、駅のホームでそれは確信に変わる。そこで終わっていれば美しい別れだったのかもしれないが、未練がましく夫が訪ねてきたり、挙句の果てには自分の子どもも忘れて「一緒にいこう」なんて情けない台詞を吐いてみたり、その後の余計な引きずり方にはさっぱり共感できなかった。物語の筋書きは「シェルブールの雨傘」なんかと良く似ていると思うが、あの雪のエンディングの美しい「肯定の別れ」に対して、この映画の別れは(別にそんな別れ方を否定する訳ではないが)すべてに「否定で後ろ向き」で後味が悪い。……評判どおり音楽の美しいこと、かつての恋人を追い求める時に汽車の窓から見えるひまわり畑。線路にひどく揺れるカメラアングルの観辛いのが何とも味がある。[映画館(字幕)] 6点(2006-09-23 20:05:37)(良:1票)

25.  パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド 《ネタバレ》 愛すべきキャラクター、あの愛すべき海賊ジャック・スパロウが帰ってきた、ただそれだけで満足できた映画。ブラッカイマーの壮大なテーマに乗って、画面を所狭しと暴れ回る海賊たちは迫力があった。特に終盤のデイヴィ・ジョーンズを筆頭にした渦巻きの中の大海戦は、手に汗握る迫力と楽しさ。これをスクリーンで観るだけでも映画館に足を運ぶ価値があるというモノだ。‥‥‥惜しむらくは、お金をかけたことが裏目に出てしまっている気がする。シンプルな故にこの上ない痛快さを楽しめた第一作と違い、中盤の騙し騙されの人間関係は全くもって混乱する。折角の勢いのある冒険活劇に、余分な化かし合いが水を差す結果になってしまっている気がするのが残念だった。‥‥‥エンディングのドンデン返し、まさか主役の二人があんな結末になるとは夢にも思わなんだ。それでもファンタジーの王道は、決まってハッピーエンドであって、ほんの少しの未練が残らなければならない。十年にただ一度、それでもいいじゃないか。第一作の始まりの時と同じように、デイヴィはブラックパール号を奪って大海へ乗り出し、またそれを追ってジャックも、女達にビンタを喰らいながら、永久の生命を求めて海へと旅立って行く。‥‥‥この作品はおそらく、次回作も作られるだろう。そしてその時、ジョニー・デップ演じるジャック・スパロウとその仲間達が健在ならば、私もきっと映画館へ足を運ぶだろう。世界中の多くの人々がまた、彼が帰ってくることを待ち望んでいるだろう。十分に楽しめて、また帰ってくる「彼」に期待を抱かせる映画だった。[映画館(字幕)] 6点(2007-05-29 23:00:37)(良:1票)

26.  パール・ハーバー アメリカ万歳、我こそ正義、戦争こそがアイデンティティーの歴史の浅い国が描いたあらゆる面で徹底的に歪曲された史実、日本人として悔しく不快極まりないな点が数々ある・・のだが、映画と言う芸術を観る時に偏見になってはいけないからとりあえずそれは「おいといて」。ドキュメンタリーでもないし必ずしも歴史を忠実に描く必要はない、そんな考えで歴史描写を度外視しても、とてもいい作品とは思えない。描きたかったのは、戦争の悲惨なのか、なんだか分からない尻軽な恋愛模様なのか?個人的にはとても前者とは思えず、男女の関係を描くために真珠湾に尾ひれを付けた程度の作品に観えてシラけてしまった。この作品のスポンサーに中国がついていたというのは本当だろうか?自国を絶対的な世界の基準と決めつけ、自国の利益のためには自分より遥かに古い歴史ある国の文化すら認めない。そんな視点が見えるようで恐ろしくも思えた。「セブン・イヤーズ~」などで中国の政府はアメリカに猛抗議をしましたが、日本政府もそんな姿勢があってもよさそうなものである。・・・やっぱりこの映画はどうしても単純に映画として楽しめない、いつも偏った視点で観てしまう・・・・。0点(2003-11-14 01:25:02)(良:1票)

27.  エレファント・マン 《ネタバレ》 トリーブスの家に行き、彼の妻とメリックが会話しているシーンで久しぶりに涙が出た。メリックを見せ物に仕立てた人々は言わずもがな、「私は偽善者だったのか?」と自問するトリーブスや、彼を含めて院長や部屋を訪れた女優も、私には多少「自分が良いことをしているナルシスト」のような偽善的な匂いがした。偽善の匂いを感じなかったのは、看護としてのプロに徹していた婦長だけに思える。しかし人々から好奇の視線にさらされ、それを糧として生きて行くしかない彼の宿命に、多少なりと違う結末を与えた点で、彼らの行為自体は善行と言える。その宿命の中で悲惨な結末を迎えるより、メリックは間違いなく幸せの中で、自分自身で結末を選ぶことが出来た。「いつか同じように、横になって眠りたいものですね」自分の死期を悟り最後の希望を選択した彼の心は、きっと今までになく満たされていただろう。エレファントマンの人生そのものよりも、それを取り巻く人間のエゴが濃厚に描かれた映画、トリーブスの行ったことは、エゴである人間でもそれを自覚すれば善行を成し得る姿を映し出している。7点(2004-01-25 03:18:01)(良:1票)

28.  アポカリプト 《ネタバレ》 ラストシーンのピサロの艦隊に、栄華を誇ったマヤ文明の衰退を匂わせるあたり、人類文明の栄枯盛衰を描いているのかと思わせる。成熟しきった文明の貧富の差、汚れきった街など、どこか現代の人類文明に通じているところがあるように思えて恐ろしい。‥‥‥映画全編に溢れるエネルギッシュな野性味と躍動感。生きようとする意思の中で誕生する新しい生命。手に汗を握るサバイバル・ランニング。人間の生命力の描き方は、どのシーンを観ても見応えがあった。‥‥‥しかし一方で、どうもメル・ギブソン監督の作品は自制心に欠けている気がする。「パッション」の時もそうだったが、残忍な場面を必要以上に露出しすぎる。生け贄の首切り、人間狩り、首を斬られた人間の死体の山、たとえ史実がそのようにあったにしろ、それをリアルに描く必要がどこにあろう。冒頭の野豚狩りにしろ、人間の生きるエネルギーの裏側には残忍さが常にあるということだろうか。「300」のように、残忍なシーンをすら芸術として魅せる工夫をするのではなく、エキサイティングを求めるために血を見せるかのような演出の数々には少し嫌悪感を覚えた。[映画館(字幕)] 6点(2007-06-17 22:56:15)(良:1票)

29.  マイ・ボディガード(2004) 《ネタバレ》 年の離れた二人の男女という設定のみが共通点で、主役のふたりに「危うさ」が無い点で「レオン」とは全く異質の作品だと思う。主人公が撃たれた時の「クリーシー!!」という絶叫、ダコタ・ファニング演じる子役の演技は良かった。なぜ主人公が酒浸りになったのかの説明は無くても、途中誘拐されるまでは話の盛り上がりは共感できたしなかなか良かった。しかし、この映画のテーマと思っていた「少女との交流によって荒んだ心を癒され人間らしさを取り戻す主人公」の過程が、少女が殺された(と思われた)あたりから突然途切れてしまい、あとは単なる殺戮復讐劇になってしまって少々ガッカリしてしまった。さらに結末が「実は生きていた」では本末転倒である。あと、要所にチラチラと揺れるイメージ映像を使い過ぎ、あれでは観ていて目が眩んでくる。話の流れは誰が裏切り者やらグルやらしまいに分からなくなった。あの誘拐は最後になっても良いから、クリーシーの荒んだ心の背景や、少女と心を通わせていく様子をもっと描いて欲しかったと思う。4点(2005-01-04 12:41:33)(良:1票)

30.  マッハ!!!!!!!! 《ネタバレ》 アクションは超一級、ド肝を抜くあのジャンプ力には言葉もでない。鍛え抜けば人間の身体能力というのは、かくも高く美しいものか。リングの上のような軽快なフットワークではなく、腰を落とし身体中の関節を自在に操る古式ムエタイ独特の体捌き。派手なアクションはあるものの、肘や首相撲など極めて実戦的な動きは凄みがあり目を見張る。骨がぶつかり合うショックが画面から伝わってくるようで、従来の中国拳法系の映画とは違った「痛み」が伝わってくるアクション。ブルース・リーに始まりジャッキーが確立させてきたカンフー映画とは新しいジャンルの映画の始まりだ。ただ物語よりもアクションを観る映画なのは分かっているにしても、もう少し話のヒネリや面白さが欲しかったところ。今のアクション映画界を占めつつあるワイヤートリックに対抗し、ぜひ本物の肉弾アクションの凄みのある作品を作って行ってほしい。これに留まることなく、脚本や物語まで更に完成度の高いタイ式アクション映画を期待したい。[映画館(字幕)] 4点(2005-02-12 02:09:44)(良:1票)

31.  ロード・オブ・ウォー 「我々は必要悪なんだ」捜査官を前に言い切る主人公の台詞が印象的だった。悪を悪と断罪するのは簡単だが、どの国だって外交も貿易も、所詮は自国の利益を第一にやっていることだろう。人道支援などという言葉で飾り立てるのも結構だが、そんな人道行為だって利益優先で行われている。戦争や売春がビジネスにしてはびこり、結果それが国の利益を生むこともまた現実なのだ。こんな現実から目を背けて平和を説く国や人々の、なんと薄っぺらなことだろう。そんな哀しい現実を踏まえて、その上に立つ平和や人道を考えなければならない。人間の性善説を真っ向から否定した、価値のある映画だ。‥‥‥銃弾が作られ、人の命を奪うまでを追ったオープニングは秀逸。ここまで本編のテーマを象徴し、かつ観る側をその世界に引きずり込む、ショッキングで魅力的な映像は初めてだった。[映画館(字幕)] 6点(2006-01-30 19:46:12)(良:1票)

32.  戦場のアリア 戦争の悲惨をドンパチ画面だけで説明しようにも、所詮戦争を体験していない私たちには実感として分かるはずもない。ただ悲惨を観念だけで捕らえるだけだ。この映画では、戦争の悲惨を「血や痛み」というマイナス面ではなく、人々の「交流」というプラス面を通して語られているから、大変現実味があって感情移入できた。・・・・・・冒頭の突撃の前、司令室の片隅でただ一人、恐怖のプレッシャーに嘔吐する司令官の姿。目的が公的な死であれ、私的な死であれ、死を目前にした人間の心境なんてそんなものだろう。国としての義務から戦争には参加するけど、誰だって出来ることなら殺し合いなんてしたくない。そんな極限のプレッシャーの中、クリスマスイブという「共通の観念」が入り込んだ時、そこに歩み寄ることでお互いに救いを見出そうとした心境は、とてもよく分かる。どこか滑稽で心温まる場面に光が当たっているから、「戦争の悲惨」がその影で際立っていて心に染みた。・・・・・・敵同士とはいえ、一度お互いが「ホンネでは殺し合いを望んでいない」ことを確認しあった時、情が移ってしまうのは当たり前だ。相手を敵として憎んでいるのは、国の上層部やこれから出征する兵士など、戦う相手の顔を見たこともない人間だけ。戦争なんてものは、国レベルの損得でしか勘定できないことであるのを思う。・・・・・・悲惨な状況の中で、唯一の共通観念であり正義であるはずの宗教さえ、戦争のための道具にしかなりえない。何かを諦めたようにロザリオを外し、去っていったあのバッグパイプ吹きの優しい神父さんの行方が気になって仕方がなかった。[映画館(吹替)] 8点(2006-05-01 16:08:56)(良:1票)

33.  シェルブールの雨傘 《ネタバレ》 筋書きは予想通りで、ごくごくありふれたものなのだが、あの雪のラストシーンはグッと来るものがあった。「あなた、元気?」「ああ、元気さ」普通なら出会いがしらに言うような台詞を交わすあの別れ際が何とも言えない。互いに憎むことも責めることもなく、自分や相手の過去を肯定した大人の別れ。哀しいけれど、単純に見えるけれど、これこそ良い恋愛で、良い別れではないか。スクリーンを観ながら、思わず「イイねぇ!」と呟いてしまった。古典的な悲恋物語の常道だが、やっぱりこれが古い映画の醍醐味だ。‥‥‥個人的には、ミュージカルとは、「サウンド・オブ・ミュージック」や「マイ・フェア・レディ」のように、物語の筋書きを台詞で追い、その中で高まった感情を歌で表現するのが王道だと考えている。この映画のように全てを歌で表現したら物語の脈絡もつかなくなってしまいそうだが、不思議にこの映画はその違和感を感じない。同じく全ての台詞を歌で表現した「オペラ座の怪人」が受け付けられなかったのはなぜだろう?[映画館(字幕)] 7点(2005-09-24 12:03:34)(良:1票)

34.  ピエロの赤い鼻 《ネタバレ》 戦争が来るまでは普通に大人となり、普通に酒を飲み、普通に女を愛する平凡な一生を送っていた男たち。捕われ泥まみれの穴の中、エゴむき出しで罵り合った彼らも、やがて次に生まれ変わるものに思いを巡らす。そんな絶望の状況の中でひとりの兵士が与えた「笑い」という一筋の光は強さとなり、やがて彼らを生還へと導く。希望を持てと言うのは容易いが、希望を産み出すには、それだけの「強さ」が必要だ。映画の冒頭に「笑いは最強の兵器」という言葉が出ていたように、笑いとはその人間の「強さ」そのものであるということを教えられる。笑いとは人間だけが持っている行為だが、戦争という人間らしさを拒否される状況の中で、この人間らしさの象徴である行為を忘れないからこそ希望が生まれる。銃を下ろし、赤鼻をつけて上官に逆らったあの兵士は、銃以上に強さを持った人間らしい男であった。激しい戦争シーンも飛び散る血飛沫もないが、それ以上に人の強さ、戦争の哀しさ、笑う行為の尊さを、一市民や一平氏という一個人の立場から美しく人間臭く描いた秀作であると思う。9点(2005-02-12 03:31:15)(良:1票)

35.  ダニー・ザ・ドッグ リュック・ベッソン脚本なのだから案の定、やっぱりこんな作品か、という感じ。彼の脚本の映画は、作る度にB級になっていく気がする。モーガン・フリーマンの演技は流石だが、正直、彼が出るような映画ではないような気がして違和感を感じた。最近流行りの重力無視不自然ワイヤー特撮がほとんど見当たらず、ジェット・リーのアクションが活きていたのは良かった。演技派に転向を考えているのかとも思える彼のオドオドした演技は、今までになく新鮮に映った。捕われた犬という役柄で、意識してやっていることなのだろうが、アクションは洗練された功夫というよりはドロくさい喧嘩、彼の場合はやっぱり完全無欠のヒーローの方が似合っている。ただ、全体としては決して悪い作品ではなく、(彼の主演するアクション映画にしては)凝った演出や演技が見受けられたのはひとつの進化ではないか。この作品で演技派としての境地にも挑戦した彼の、次のアクション大作に期待したい。[映画館(字幕)] 5点(2005-06-29 12:36:59)(良:1票)

36.  ラスト サムライ よくぞやってくれた、という胸のすく思い。 確かにロケがほとんど海外だったから生えている植物がちょっと違和感あったり、史実上では正確でないと思われる部分も数々ある。しかしドキュメンタリーでもない映画に必ずしも史実に忠実に描く必要もなく、気が付くと全く違和感なく鑑賞している自分がいた。時代考証に労力を費やしただけあってかなり「凝って」描かれた明治初期の日本、従来のハリウッドが描いてきた日本の姿とは比較にならないほどスケールが大きく緻密。幕末から明治の日本、世界大戦後の日本のように、他の国の文化を受け入れることで自国のアイデンティティーが失われることを危惧したこんな人物や、こんな事件が実際に存在したのではないか、と思わず納得してしまうだけのリアリズムがある。あれだけの世界がハリウッドで再現され世界に発信されたことは、日本人としてなんだか誇らしい気持ちになった。 こんな現代のアメリカでも、他国の文化を理解しようと努め、なおかつ「滅び行く相手側の視点」に立って映画づくりができる人がいるのが嬉しかったが、これを観た外国人の人が、今までにない正確さで描かれた切腹や古い時代の日本人の美徳をどう思うか、大変興味がある。トム演じるネイサンはかつてのアメリカのインディアン侵攻に嫌悪感を露骨に持ち侍に共感するが、果たして現代のアメリカの人々は。アメリカは世界でみれば最も歴史の浅い国。古い他国の歴史や文化を重んじているこの作品、イラク問題まっただ中のアメリカの人々は、どう観るか?切腹という自殺を、「名誉ある死のかたち」というひとつの「文化」として認めることができるか?この映画を観た海外、特に我こそ正義のアメリカの人々がどんな感想を抱いたのか、是非感想が聞きたい。 渡辺謙や真田広之も、トム・クルーズに負けない名演技!物語がトムの独り舞台ではなく、渡辺謙演じる勝元や日本のサムライとのヒューマンドラマとして描かれているのがとてもいい。この映画を観る時代劇に慣れた日本人の視点は、当然ながらかなり時代考証的になってしまうであろうが、物語の構成自体も決してつまらなくない。シンプルな物語の中に日本人の良き姿を再現してくれたこの映画スタッフに感謝。8点(2003-11-24 01:00:07)(良:1票) 《改行有》

37.  アンジェラ(2005) 自分自身を肯定することで、主人公が生きる希望を見出していくまでの展開が、ただただ素晴らしい。もしも自分にフランス語が分かったら良かったのに。日本語に訳されてはいるが、そう思わせるほど言葉の運びがうまい。人の弱さの描写がうまい。相手が天使である事実を知らされ、「なぜ、俺だ?」と浮かべる涙。鏡を前に「愛している」とつぶやく時の涙。全てのシーンの涙に共感できる。それに併せて、鏡の中や空の上など、主人公の心理描写に合わせて繊細に撮られた、古典的な匂いのするカメラアングルも秀逸。こんな時代に、こんな映画にお目にかかれるとは思っていなかった。・・・・・・ああそれなのに、なぜベッソン、あなたは余計な興醒め演出を好むのか?なぜ繊細な高級料理に蜂蜜をぶちまけるのだ?翼を描く必要がどこにある?超能力を描く必要がどこにある?主人公の素晴らしい台詞、表情だけで、ただシンプルにそれだけで、彼女は素晴らしい天使なのに!モノクロームの繊細な心の世界から一転、最後の最後に余計でガサツな演出が入ってしまい、それだけが悔しくて悔しくてならない。それがなかったら、近年にない完璧な映画なのに!・・・・・・エンターテインメントに走った(それは別に悪いことじゃないが)リュック・ベッソンには、もうこんなレオン・二キータ時代の映画は撮れないのかと思っていた。個人的に大変惜しまれる部分はあったが、次の作品に大きな期待が膨らむ一作だった。[映画館(字幕)] 8点(2006-05-15 08:43:38)(良:1票)

38.  レジェンド・オブ・ゾロ 前作に比べるとややトーンダウンだが、それでも十分に楽しめたと思う。個人的には家庭問題に悩むスーパーヒーローなんて見たくなかったが、あちこちに小ネタが効いてるし、奥様が相変わらずの美貌のキャサリンならまあイイか。さすがに二人の子どもは大人をも凌ぐアクションヒーロー、ゾロ3代目の素質十分である。夫婦二人から子どもまで息が合ったところからの展開は、やっぱり観ていて面白い。[映画館(字幕)] 7点(2006-01-23 12:41:00)(良:1票)

39.  レミーのおいしいレストラン 《ネタバレ》 物語序盤の、レミーがリングイニ操縦を訓練するシーン。ボトルから手酌で注がれたワインがグラスを外れ、背景にピンボケで見えている白いテーブルクロスの上に落ちて跳ねる。その質感、水滴が跳ねながら、半ば布に染み込んでいく様子。その一瞬のリアルなことに思わず見とれた。‥‥‥キャラクターはユーモラスにデフォルメされ、完全に漫画キャラだが、背景のリアルさや料理のシズルはますます磨きがかかっている。さすがはピクサー、CGアニメ世界一を自負するだけのことはある。動きもCGならではの不自然さがなく重量感もあり、観ていて違和感を全く感じなかった。‥‥‥ヒロインがリングイニを好きになる行程が無く、筋書きはツッコミどころ満載だが、節々にボケとツッコミが効いていて大変面白い。散弾銃を打ちまくられシャンデリアと一緒に落ちたネズミたちとそれを凝視するオバアさん、保健所の調査員がキッチン一杯のネズミ軍団を見て立ちすくむ保健所の調査員。このあたりの「一瞬呆気にとられて固まる」様子がスピーディーでリズミカルに表現されていてユーモラスだ。‥‥‥またレミーが「味を感じる」様子や、イジワル評論家が田舎料理に衝撃を受けるシーンなど、CGの技術だけに頼るのではなく心象表現も大変工夫されている。主人公は結局ネズミの力を借っ放しで自立できないダメコックのままだけど、とても見応えのある一作だった。[映画館(吹替)] 7点(2007-08-08 01:16:02)(良:1票)

40.  エイリアンVS. プレデター 《ネタバレ》 2大スター(?)の夢の共演と言うことで、なんにも考えずに観れた。冷酷無比のプレデターが、人減相手のジェスチャーなどやたら人間臭い。終わり間際のプレデターとのボブスレーは結構笑えた。プレデターはもっと人数増やして、大軍団同士の激突かと思っていたら、結構戦いは地味だった。人間は早く死に過ぎ。あっという間にみんないなくなっちまって恐怖も半減だ。なぜかみんなエイリアンが「宇宙の」トカゲだと知っているし。[ビデオ(字幕)] 4点(2005-05-27 11:50:46)(良:1票)


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