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プロフィール
コメント数 210
性別 男性
ホームページ http://mixi.jp/show_friend.pl?id=8512182
年齢 49歳
自己紹介 映画は娯楽である。笑ったり泣いたり学んだり、空想という鑑賞時間を過ごす「芸術作品」である。実際に映画づくりを体験していない人間に、映画批評が出来るとは思えない。プロの批評家でもなく映画を作った経験も無いのだから、作品のシナリオや背景など、基本設定に理屈っぽくケチをつけるようなナンセンスな行為はなるべく止めにしたい。映画好きのハシクレとして、作家が作った作品を、素直に楽しみ、感動できる姿勢を何よりも大事にしたいと思う。

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評価順1234

41.  ブラッド・ダイヤモンド 《ネタバレ》 物語の終盤、ショーウィンドウに飾られたダイヤモンドのネックレスの輝きが血に染まって見える。「白人がダイヤを欲しがるのは分かる。しかし、なぜ、アフリカ人同士が争わなければならないのだ?」たき火を見つめるソロモンが呟いた言葉が胸を突いた。‥‥‥ダイヤしかり、石油しかり、象牙しかり。先進国の都合によって、ただ愛する家族と穏やかに生きていくことだけを願っていた人々が引裂かれ、殺されていく。ラストの壇上に向かうソロモンを拍手で見ている人々や、それをエンターテインメントとして鑑賞している私は、そんなアフリカの悲惨な現実を受け止める資格があるだろうか。‥‥‥今までも数々のドキュメンタリーや映画で思い知らされてきたことだけど、所詮海の向こうの他人事と目を背けてしまう自分が嫌になる。そんな自分達に気付いても、何をしてやれる?その無力さに、ただただ虚しい気持ちになるだけだ。需要と人間の欲望ある限り、こんな悲惨は決して消えることはない、その厳しい現実。それでも、どんなキレイごとよりも、まずは行動。たとえ偽善でもイイから、まずは行動。できるだけのことは、やっていくしかないではないか。‥‥‥のっけから始まる血生臭い襲撃シーン、グイグイと画面に惹き付けられてしまい、テンポよく進む物語は2時間半の長丁場ながら観ている側を飽きさせない。この映画に至って、ようやくディカプリオは「タイタニック」の亡霊から脱する事ができたように思う。役柄が良かったのは勿論だが、無精髭を生やしたワイルドな演技はイイ味を出していた。[映画館(字幕)] 8点(2007-04-15 23:09:46)(良:1票)

42.  ALWAYS 三丁目の夕日 《ネタバレ》 銀玉鉄砲の駄菓子屋、湯たんぽ、ポンプ式の井戸、ガラス障子の軒先、ゴム仕掛けのプロペラ飛行機。私の生まれた時代には当然集団就職なんか無く、この映画に登場するものの最後の断片が残っているだけだったけど、同世代の人々にを感動させるだけのディティールの凝り方だけでもかなり印象深い。ご近所付き合いに象徴される人と人との繋がりが強く、幸せに至る過程こそが幸せなんだということも気付かずに、便利で豊かになっていく生活を日々喜んでいた時代。私もチューブの中を車が飛んでいる21世紀を思い描いていたっけ。‥‥‥私もそれなりに毎日一生懸命働いてるつもりだけど、豊かな現代の飽和しきった閉塞感を思えば、この映画の中の人々の方がよほど楽しく生きているように見えてしまう。若輩で豊かな時代しか知らない自分だし、贅沢を必ずしも悪いことだとは思わないけど、本当に大切だったのは、モノの豊かさの裏にある「ゆとり」という心の持ち方だったんじゃないか。「心のゆとり」を超えた贅沢は、単なる浪費になってしまう。心に平安をもたらさず、更なる浪費を求めるものなのに。‥‥‥堤真一、吉岡秀隆をはじめ、この映画のキャスティングは満点だ。お涙頂戴な筋書きも、要所に笑いを盛り込んでホノボノとした物語に仕上げてあるのが、素直にとてもいいなと思えた。完璧なハッピーエンドを期待する私は歌い子のヒロミが戻ってきてくれることを期待したけど、いいじゃないか、みんなプラスの方向へ力強く歩んで行く様な、そんなエンディングだった。[映画館(字幕)] 8点(2005-11-25 13:00:19)(良:1票)

43.  ニュー・シネマ・パラダイス 《ネタバレ》 前々から評判を聞いていてやっと観た。確かに名作、素晴らしい映画だ。トトがアルフレードと分かれ故郷を旅立つ場面、年老いた母親がトトに昔の鍵のエピソードを語る場面、様々なシーンで涙が出てくる。映画に憧れた幼い日から、あの映画館が爆破され全ての郷愁が終わりを告げ、トトが自分の過去と決別する時まで、アルフレードはトトを思い、彼の人生を支え続けた。愛し合っていても幸せになれるとは限らない、故郷から旅立たねば本当の人生は見えてこない‥‥‥人生の拠点において、たとえ自分自身が愛する者に憎まれることになろうとも、愛する者を支え続ける。アルフレードの様な人間こそが、学の有る無しなんか全く関係のない、真の「人生の師」なんだなと思う。あの映画館の爆破は、彼がこの師から完全に卒業した瞬間なのだ。「このフィルムはお前にやる。そして、俺が保管しておく」遠い昔の約束どおり、自分の死後にトトに返したあのフィルムは、形見と言うよりも、アルフレードという先生が愛弟子に送った、自分からの卒業証書のようだ。誰しもの人生のどこかにある「人生の師」。自分自身もいつか、彼のような人の存在に気付く時が来るのかもしれない。イタリアの田舎町の画がとても美しく、音楽も素晴らしい。車の中での妻子持ちの既婚者とのキスは個人的に賛成できなかったが、できれば映画館で観たかったと思わせる大変良い映画だった。9点(2004-12-05 03:52:00)(良:1票)

44.  マスク・オブ・ゾロ 《ネタバレ》 昔読んだ原作とは随分違った筋書きだったが、幼い頃の想像より遥かにバンデラス演じるゾロがカッコいい。ゼタ・ジョーンズも美しく、原作では確かアレハンドロの息子であるディエゴを演じるホプキンスも渋い。原作のイメージを極めて忠実に、それ以上に楽しく、情熱の国らしく「濃い」役者揃いで体現した、極めてエンターテインメント性の高い作品に仕上っていると思う。最初は少々おマヌケだった主人公が初代ゾロに鍛えられ成長していく様子、おてんば娘エレナとの情熱的な恋、人々を虐げる悪との戦い、子供に見せたっていいくらいの明解痛快な西洋チャンバラ活劇だ。夜の山に浮かび上がる炎の頭文字、黒マントを翻して颯爽と登場する二代目ゾロの初陣シーンには、童心に帰って思わず拍手を送りたくなってしまった。これを作った監督も、きっとこの小説が大好きだったのに違い無いと思う。[映画館(字幕)] 8点(2004-12-08 13:11:50)(良:1票)

45.  グエムル/漢江の怪物 《ネタバレ》 印象に残ったのはふたつ。ひとつは、今までに無いパニックのオープニング。毒薬をタレ流したり、釣り人が怪物(の赤ちゃん時代?)を目撃したりとワザとらしい複線はあるが、ある日突然始まる怪物騒動のショッキングなところだ。何気ない日常の風景、見慣れないものを見て集まる呑気な市民達、そして(ジョーズの様にBGMなどで「恐怖の下準備」をさせる間もなく、)全く唐突に始まる怪物の襲来。こっちが心の準備をはじめる間もない勢いで続く襲来パニックには本当にドキドキした。……もうひとつは、物語の随所に見られるどこかコミカルなシーンの数々。エンドロールのテーマも、まるで蒲田行進曲のようだったし、怪物の犠牲者となった人々の合同葬の場でも、号泣している家族の姿に思わず噴出してしまう。朝鮮半島には昔の葬式の「泣き女」のように悲しみや怒りなどの感情を表に表現する文化があるけれど、このコミカルなシーンはきっと監督の意図するところなのだろう。……恐怖を演出するのに、「血」な映像を極力控えてあるところにも監督の手腕が見える。スプラッターに頼るのではなく、怪物の巣からの脱出を試みるシーンの様に心理戦を重要視しているので、安っぽい残虐CGよりもよっぽど心臓に悪い。モンスターパニック映画のお手本のような、きれいに仕上がった良い作品だったと思う。[映画館(字幕)] 7点(2007-01-01 16:35:31)(良:1票)

46.  もののけ姫 《ネタバレ》 公開前から予告展なんかも観に行って楽しみにしていた。自然が神であった古代の日本を舞台に、自然と人間との修羅場の中で、勇猛果敢な古の狩人の末裔と狼に育てられた可憐な少女が出会う。ボーイ・ミーツ・ガールにはこの上ないワクワクするような物語に、「ラピュタ」以来の感動を期待したのだ。この映画の公開当時、「健康的なエロスを期待していた」と述べていた某コラムニストが居たが、恥ずかしながら私もその部類であったのかも知れない。‥‥‥真っ先に観て、終わって、映画の意味を確かめようとそのまま映画館に残って2回観た。自然への畏敬を人間と自然の立場から描いたその世界観の素晴らしさは今さら述べるまでもない。しかしそこで得られた感動は当初期待していたものとは全く異質のものだった。「ハウル」では薄い物語の上にキスシーンを描くなど、急に色恋路線がクローズアップされていたが、大人向けの映画なら、こんな深い物語にこそ見る側が期待する部分に応えて欲しかったと思う。十二分に描き切った大きなテーマの上に、主人公となる二人の関係が今一つ中途半端で煮え切れない。モロが言ったように、アシタカはサンを救えたのだろうか。誰が悪い訳でもなく、誰が誰を救えるという訳でもなく、それら全てを肯定することにこの映画の意味があったのだと自分に結論付けた。共に生きることを確認しながらも別れる二人は、相容れない「自然」と「人間」の象徴なのだろう。‥‥‥宮崎作品が人が争う「血」をあからさまに描いたことも衝撃だったが、CGを効果的に使い従来とは違う完成度で、この作品を境に宮崎作品は過去の作品とは違う次元に進みはじめたと思う。お子さまにも分かる親しみを捨てても自分の世界を練りに練り、凝った芸術作品となったこの作品から、宮崎作品は「千と千尋」で完全な成熟期となった。そして今、彼等はどこに向かっているのだろうか。営利目的のために練りの少ない浅い作品を発表するくらいなら、分かりやすいと言わぬまでも「宮崎ブランド」を傷つけない凝った芸術作品の発表を期待したい。[映画館(吹替)] 7点(2005-04-09 13:18:51)(良:1票)

47.  スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐 特に熱烈なSWファンでもない私だが、それでも十分に楽しめる。主人公がダークサイドに堕ちた理由が余すところなく演出され、熱烈なファンの方々にとってはさぞかし感慨深い出来なのだろうと羨ましい。エピソード1,2を観ていたので気軽に見に行ったが、正義感溢れる若者であったアナキンが、愛する人を救いたいがために、分かっていながら暗黒面へと足を踏み入れていく姿が痛々しかった。ふと気が付いてみれば、初作から長い時を経た今でも、ダースベイダーのデザインが古さを感じさせないのがすごい。TVであっていたエピソード4を観たが、古さを感じさせないダースベイダーに対して、CGが無いせいか、やたら前時代的に見える一兵卒の人々がおかしかった。自分の価値観からこの点数をつけるが、もう一度、全作品をじっくり観たいと思わせる、価値ある一作であると思う。[映画館(字幕)] 6点(2005-07-05 18:43:51)(良:1票)

48.  大人は判ってくれない 《ネタバレ》 長崎で催されていたフランソワ・トリュフォー映画祭で観る機会に恵まれた。「やったのには子供なりの理由があったのだけれども、言葉ではうまく説明できず、結局怒られるしかなかった」誰もがそんな経験を持っているだろう。大人がどんなに枠にはめようとしても、子供の有り余るエネルギーは留まるところを知らない。しかしたとえどんなに手に余っても、彼らしか知らない視点が在るのだから大人は子供を決して見放してはいけないのだと思った。自分の浮気そっちのけで子供の素行を避難し鑑別所送りにし、挙げ句に見放したあの母親は、ボヤの一件以来、やたらと愛情表現が大きい。しかし作中の一番楽しげな映画のシーンでも、彼女にはまるで浮気がばれたその穴埋めに子供の機嫌をとっているような偽善的なものが感じられてならなかった。決してハッピーエンドではないけれど、最後の少年の表情は哀しくもどこか強さを感じさせる。なんとも飾り気がなく、どこかコミカルで、常に淡々とした哀愁が漂う映画。「大人は判ってくれない」このタイトルは実に的確だ。6点(2004-09-20 00:37:41)(良:1票)

49.  天空の城ラピュタ 一切れのパン、ナイフ、ランプを鞄に詰めて出かける、未知の世界への旅。この映画こそファンタジーの王道、このジャンルにおいては世界に比類の無い作品だと断言できると思う。誰しもが幼い頃に憧れた夢の冒険、その要素全てがこの映画には集約されている。前に投稿されていた「さすらいの」氏、私もまったくあなたと同感です。 物語の終わりに近付くにつれて、たまらない寂しさを感じることができたのはこの映画だけ、願わくば10歳未満の時期にこの映画と出会いたかった。 オープニングのスラッグ渓谷の朝、響き渡るトランペット、これからきっと始まる大冒険を予感させるこのシーンを観ると、恥ずかしながら今も心がワクワクしてくるのだ。 個人的には帰路へとついた2人とドーラ一家がその後どうなったのか、エピローグをとても知りたいのだが、やっぱりそんな心残りのあるままに終わった方がいいのだろう。もし自分に子供ができたら、真っ先に見せたい、自分と同じようにまだ結婚すらしていないのにそんなことを考えてしまう人もいるのではないだろうか。この映画にはそれだけの純粋な夢とロマンがある。9点(2003-11-07 01:41:52)(良:1票) 《改行有》

50.  イーオン・フラックス(2005) シャーリーズ・セロンの同じ人類とは思えないあのプロポーションと美貌は反則である。彼女の為のプロモーション映画と言っても過言ではない。彼女の美しさの演出へのこだわりは随所にみえた。‥‥‥しかし、それだけ。あまり映画の設定やシナリオに理屈っぽくケチをつけるのは映画ファンの姿勢に反するので嫌だが、この映画は大きな背景を説明できず言葉で省略しすぎて、かなり空っぽになった感がある。実は悪だった的なベタベタのオチや記憶喪失の超能力がある主人公、フラッシュバックは前世の記憶など使い古された設定は良いとして、映画の中で展開される物語に至るまでの過程やレジスタンスのボスも最後まで善悪がはっきりしないため、組織の目的や発生の意図、目指すものや存在意義も分からない。「倒そうとする組織と狙われる政府」の構図や設定が明確ではないので、末端の工作員の主人公がいくら頑張っても物語にも面白さがない。‥‥‥ただ、映像の随所にみえるジャパナイズは観てて面白かった。背中に背負った忍者刀ならぬガンホルダー、特殊部隊や狙撃隊の忍者ファッションや、畳や壁の雲紋様などのインテリアデザイン、生死をかけた舞台の桜。薬物を使った通信や口笛爆弾など描かれている未来図は意外性があって新しかった。「人間は死ぬもの。だから、生きる意味があるのよ」物語は浅いのに、台詞は深いのが憎い。[映画館(字幕)] 3点(2006-03-12 11:20:08)(良:1票)

51.  28日後... スプラッターでもなく、グロテスクな死体でもなく、ウイルスによって狂暴化した人と正常な人間とのせめぎ合いで、恐さが大変良く演出されている。下記のレビューにある「心理映画」という批評は、まさにそのとおり。奇妙な殺人鬼なんかよりも、遥かにスリルがあり、ゾクゾクと心に響く恐さがあった。ある逃げ出せない一か所の中で、必死に逃げ回る複数のメンバーが一人またひとり、というのは恐怖映画のセオリーだが、これは襲って来る人間が間違いなく同じ人間という点、また舞台がよく知られたイギリスという点で大変リアリティがある。同時期にあった「バイオハザード」よりもこちらの方が遥かに恐いのは、そうした現実味によるものだろう。5点(2004-08-31 00:06:15)(良:1票)

52.  エリザベスタウン 昔、祖父が死んだ葬式のときを思い出した。子供の頃集まっていた面々も皆社会人になっていて、これから取り壊される家での葬式に、妙なノスタルジーが溢れていたっけ。「ビッグ・フィッシュ」を観たときにも思ったけど、成し遂げた物事や生き方によらず、大勢の人に惜しまれて終わる一生なら素晴らしい。そして帰る故郷のあるということは、とても有り難いものなんだなと思う。……帰るといつも待っていてくれる田舎町、「エリザベスタウン」の人々、まるで永遠に時間が止まっているようなノスタルジー。出てくる人々一人一人がイイ奴ばかりで、妙にコミカルな自殺方法を考えた主人公よりも、骨になってしまったお父さん「ミッチ」がとても羨ましかった。あのトンだ追悼集会の終わり方も、きっと後々何年も「ミッチ」を思い出す語り草になるのだろう。……その容姿で酷評されることの多いキルスティン・ダンストだが、底抜けにキュートなキャラクターが、この作品では彼女に大変マッチしていると思う(意味の捉え方によっては彼女に大変失礼だけれど)。高嶺のセレブリティな美女よりも、むしろ恋人として好きになる過程には共感できるし女性として大変魅力的に思えた。最後のハッピーエンドにも安心して万歳、車も持っていないのに、あんなドライブに出かけたくなってしまう。[DVD(字幕)] 7点(2007-01-08 02:01:29)(良:1票)

53.  ナイロビの蜂 《ネタバレ》 確かにリアルな映画ではあったが、アカデミーに選ばれた根拠が分からない。俳優の演技がずば抜けて優れているとも思わなかったし、音楽もさほど印象には残っていない。もし、この残酷なテーマが賞の理由なら、それを権威ある賞に取り上げる事自体が、何か大国の偽善的な匂いが感じられてならない。鑑賞しながら、映画好きのハシクレとして恥ずかしい、そんな「下衆の勘ぐり」が拭い去れなかった。・・・・・・西欧の国の大企業の、なりふり構わぬ搾取をリアルに描いてあるのは分かる。現に、海外といわず日本国内だって、こんなことは行われているのだろう。アメリカの石油産業や軍需産業と政府の結びつきもそうだが、国と企業が利益で手を結んだときのやり方は、ホントにエゲツない。・・・・・・己が利益のために、他国の苦しみを黙認する、そんな人間にはなりたくないなんて、誰もが思っていることだ。それでも、我々が豊かな生活を送っている陰では、少なからずこの映画のような他国の搾取的な事実があるのだろう。それに気がついても、見えないフリの生活から逃げられない。救済募金がせいぜい、結局、我が身可愛さに豊かな生活を捨てることなどできないのだ。・・・・・・話題の本「国家の品格」じゃないが、人類愛をまず最初に説くならば、まずは家族愛から出発しなければならない。身近な家族や友さえ幸せにできない人間が、どうして他国の人間を救えるだろうか。ヒロインは自己犠牲に徹し、家庭をも顧みずに糾弾活動に命を燃やしたが、夫は理解していたとしても本当に幸せだったんだろうか。自分の活動が死後、夫に理解され、夫もまたそれに殉じる。確かに糾弾には成功した。しかし結局、夫の命までも失う結果になった。夫の死ぬことなんて、自分の活動に夫を巻き込みたくなかったヒロインは望んでいなかったに違いない。・・・・・・どうにもならない現実に、ただただ悲しくなる、そんな映画だった。[映画館(字幕)] 6点(2006-05-14 15:11:02)(良:1票)

54.  アレキサンダー 破竹の快進撃で大王になる過程ではなく、むしろ大王の破滅に重きをおいて描かれているのが大変印象的だった。孤独と寂しさに苦しみながら、ついに死ぬまで母親の手から逃れることができなかった世界の覇王。主役の顔はどうみたって英雄顔じゃないと思っていたが、眉が下がり気味のコリン・ファレルの表情で彼の弱々しい苦しみがよく表現できていたと思う。若干20歳で王となり、30にして数十万の大軍と共に世界の果てへ挑戦した偉大な夢想家の心境はいかばかりであったろうか。自分に納得のいく安住の地を目指し、気の遠くなるような年月と距離で未知の世界を行く遠征。不幸にも王に産まれついた男、逃れようにも自分の居場所は王座の他にあるはずもなく、一生強者を演じ続けねばならない。その唯一の居場所が脅かされると思えば、些細なことまで脅えなければならない生活、「故郷に帰ろう」傷を負い部下にそう言った彼だが、彼自身の故郷などどこにもなかったのだろう。歴史は一見、男による支配が大きいように思える。しかし、アレキサンダーの母オリンピアスのように、その男を産み出すのは女なのだ。歴史を支配しているのは常に子を産む力を持った女であり、その影響力には男は決して逆らいようがない。オリンピアスを演じたアンジェリーナの妖しい演技は評判ほど悪いとは思えなかった。あの切れ長のグレーの瞳、まだ若年の女優でありながら、狂気の母の貫禄をよく演じきっていたと思う。7点(2005-02-06 04:41:33)(良:1票)

55.  パッション(2004) まず一言、監督が何を言いたかったのか分からない。この映画はキリストの悲惨な殉職を描いたドキュメンタリー映画なのか?監督ギブソン自身は敬虔なクリスチャンだということだが、ならば彼が何を目的にこの映画を創り、映画に表現したかったのが何だったのか。タイトルのとおり全ての人を救済しようとしたキリストの受難を描きたかったのなら、単に凄惨な肉体的苦痛を被った部分をリアルに描いただけの底の浅い映画に見えてならない。聖書をちょっと読みかじった程度のクリスチャンではない私が言う資格はないのかもしれないが、聖人たるキリストを描きたいのならば、その死に様だけにスポットを当てるべきなのだろうか?キリストの受難とは、キリストが全ての人を救わんと一身に罪を負い十字架にかけられたというその意味とは、その凄惨な死に様だけに象徴されるような底の浅いものではないように思う。下のレビューにもある通り、世界中の多くの人々の聖人とされる人物をこのように描く必要がどこにあったのか理解できない。3点(2004-05-03 01:47:16)(良:1票)

56.  バグズ・ライフ いろんな登場人物がそれぞれの持ち味を活かすあたり、日本昔話の「さるかに合戦」を観ているような感覚。それぞれの昆虫ならではのネタが随所に見られて、大人が観るにも十分楽しい。しかしそれよりも好感が持てるのは、観ている人間の年代層を完全に子どもに設定し、その期待を裏切らないように細部にわたって心配りがされていること。「ぐるぐる」さんの言っているように、悪役サイドであったハズのバッタのボスの弟分が、最後にはサーカスの一員になっていたり、ラストのNG集などはその象徴だろう。悪役とはいえ、子どもにとってはバッタ君の最後はショッキングかもしれないが、あのNG集を観ると「なーんだ、お芝居の世界だったんだ」と、安心して心地よいエンディングを迎えられてしまう。[地上波(吹替)] 7点(2006-01-19 20:09:55)(良:1票)

57.  硫黄島からの手紙 《ネタバレ》 この映画が、戦争映画として従来の映画と一線を画しているところは、徹底された戦争の客観視にあると思う。一方の悲惨や戦争犯罪を追いかけるのではなく、日本人が米兵に対して行うリンチ、米兵が日本人捕虜に対して行った処刑など戦時下の狂気の中で発生する残虐行為に加え、双方の立場の人間にも対等に、「愛する家族の存在」を描いている。……バロン西が捕虜の米兵の手紙を読んでいるところで思わず涙腺が緩んでしまった。「若造。お前はアメリカ人に会ったことがあるのか?」そりゃそうだ、戦時下で会ったこともない相手だからこそ敵軍として抽象的に憎めるのだ。相手にも自分達と同じ家族のある人間に過ぎないことをリアルに知ってしまったら、情も移ってしまうだろう。……下のレビューにも描かれていたように残念なのは、今までこんな映画を日本もハリウッドも撮る事ができなかったことだ。分っていながら誰もが踏み込むことのできなかった世界に、「父親たちの星条旗」に続いて見事に一歩を踏み出したクリント・イーストウッド監督に、心から敬意を表したい。……皮肉ではなく、この映画はまるで戦争映画撮影の教科書のようだ。物語はともかく、戦争映画を撮影するなら、この映画のような視点で撮影しなければならない。数年前に遊び半分で撮影されたとしか思えないような尻軽女のラズベリー戦争映画とは対極的だ(比較するのもイーストウッドに失礼だが)。今回、中国が国策からハリウッド撮影決定に成功した南京大虐殺の映画も、完成すれば目を覆わんばかりの歪んだ歴史認識が溢れていることだろう。芸術を国策に使い汚す人間には、イーストウッドの爪の垢でも煎じて飲めと言いたい。……たった一つ、どこの国にも立場を越えて共通していることは、これら先人達の累々たる犠牲の上に、自分達の享受している現代の豊かな生活があるという事実。でも栗林中将、常識であるハズのそんな事実を受け継がず、尊い歴史の犠牲となったあなた達への感謝の念すら忘れ去られていることを、他の国の映画に諭されなければならない現実があまりにも悲しいのです。[映画館(字幕)] 9点(2006-12-30 00:11:14)(良:1票)

58.  アサルト13 要塞警察 ザ・ロックやらダイ・ハード、コン・エアーなんかの、素人がプロ集団に対抗する様なアハラハラドキドキを期待していたが、もうちょっとイマイチ。収賄の口封じのために警官が警官を組織だって攻撃する、という設定は従来に無く、なるほど!、と思ったが、極悪人であるはずのボスも懐が深くてなんだかイイ奴だし、仲間の犯罪者もチンピラばっかりで、超極悪人とよべるようなヤツがいない。当初に撃たれて怪我した警官も、動けずに皆の足を引っ張ることなく死んじゃったし、精神科医の先生や逃げようとした二人など、登場人物があまりにもあっさり消されて、「弱者のハンデを乗り越えた一発逆転的な要素」が少なく拍子抜けした。ただ引退間際の爺さんの裏切りは(下水道脱出あたりから気付いちゃったけど)意外で意表を突かれた。[映画館(字幕)] 4点(2006-02-19 11:37:11)(良:1票)

59.  白い嵐 《ネタバレ》 「希望を持ってすすめ」‥‥‥それぞれの家庭環境から脱し、様々な事情をかかえた少年達が次第にお互いを理解しあい、助け合い、成長を遂げてゆくその姿は見ていて清々しい。子供達への教育という視点から見ても、とても良くできたドラマではないか。だからこそ、あの悲劇はやるせない気持ちにさせる。しかしなぜだろうか、あの悲劇以後の物語はそれほど印象に残っていない。私にとってあの映画のクライマックスは、映画のタイトルである悲しい「白い嵐」のシーンではなく、そこに至るまでの心躍る物語なのだ。鮮烈に印象に残っているのは、無人島の尾根を元気一杯に駆ける少年達と、勉強を皆の協力で克服して及第点を取り、答案用紙を日暮れの海に丸めて放る少年達の姿。言わば物語の折り返し、楽しい旅の最高潮に達するシーンだ。しかしそれが過ぎた時、これから旅が終わりに向かってゆくという何とも言えない寂しさの予感がする。確か少年の一人が「この旅から帰りたくない」という言葉を口にしたと思うが、映画を観ながらきっと私も同じ気持ちだったのだと思う。私にとってのこの映画の印象的なクライマックスも感動も、この言葉で終わりを告げた。うまく言葉にできないが、だからこの映画のエンディングはそれほど印象に残っていないのだと思う。私は「旅の帰り道」が嫌だったのだ。リドリー・スコット監督らしくダイナミックな映像も大変美しい。大きな帆船で友と大洋を巡る‥‥‥私もたった一度でもいい、少年時代にあんな航海にでてみたかったなぁ。 あー、でも船酔いには滅法弱いからやっぱりムリかなぁ‥‥‥。7点(2004-10-23 02:17:50)(良:1票)

60.  バットマン ビギンズ 《ネタバレ》 ハリウッドのアクションとしては、素直に質が高いと思える良い作品だ。なぜあんなにお金持ちなのか、肉親がいないのか、コウモリのコスプレなどする必要があるのか、秘密兵器をどうやって開発しているのかetc、それら謎の背景に恵まれている主人公だからこそ、その始まりを描く価値がある。案外、「007ビギンズ」なんて作ると面白いのかもしれない。特にバットマンシリーズを大好きでもない私でも、他の作品はこれよりも面白いのだろうか?と思わせるだけのクオリティがある。特にコウモリを幼年期のトラウマ、心の底に焼き付いた克服すべき恐怖のシンボルと描いてあるのは説得性がある。個人ではなく象徴となるもので悪に恐怖のイメージを与えるという話の流れも無理がなく、思わず膝をたたいて納得、なるほど!。唯一残念なのはゲイリー・オールドマン、やはり彼は冷徹な悪役でいて欲しかった。真面目な警官、と見せかけて実は悪の黒幕、という展開を期待していたのだが‥‥‥。[映画館(字幕)] 7点(2005-06-20 23:57:41)(良:1票)


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