みんなのシネマレビュー |
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101. グレイヴ・エンカウンターズ2 《ネタバレ》 正直かなりガッカリした。 1の恐怖を返してほしい。 多くの映画でもあることですが、1作目は方向性の軸がしっかりしてるのに 2作目はアドベンチャー要素やファンタジー性が増して本来の面白さがブレることがある。 この映画はまさにそれだった。 本来描くべきことから逃避した結果だと思う。 前作のファンなら変化球よりも直球を求めるんじゃないかと思う。 少なくとも僕は前作のような直球の恐怖と絶望感を求めていた。 前作も最後は気に入らなかったがこの続編ではその気に入らない点が 多く引き継がれているみたいだった。 それから「迷路には法則がある」って、"ソウ"や"キューブ"じゃないんだからと思う。 「法則性」は「恐怖」とは真逆だ。 同ジャンルに蔓延気味なソリッドシチュエーションの悪影響が出てしまったみたいだ。 やっぱりアジア系の人が真っ先に死んだ。分かり易すぎ。 ガッカリの内容だったのでしょうもないツッコミでもしてみる。 真実だったら映像処理なんて加える必要ねーだろ。 方向性に困ったらすぐに陰謀論に結びつけないでください。 エレベーターは思い切ったことしたけど、思ったよりも成功してたと思う。 小児病棟とかめちゃ不気味だったし、追いかけてくる少女はかなりクリーピーだった。 貞子みたいなやつも出現シーンはかなりキテたけど、あの首の傾げ方はないわ。 退屈な場面が多かったけど、それでもお化け屋敷の展開はちょっとエキサイトしたので+1点。[DVD(字幕)] 5点(2014-02-23 23:46:19)(良:1票) 《改行有》 102. フィツカラルド 《ネタバレ》 これまたよく分からないが凄い作品だ。 フィツカラルドさんブッ飛んでますな。やることが。 極端な事をするのは美しいことだって思う。 一人の男の大きな夢は多くの人を動かした。 そこが感動的だ。 山越えで言葉の壁も文化の壁もぶっ壊した。 極端なことすると壁がぶっ壊れる。 もう「CGって何スカ?」って感じの大きさ。 映像から「簡単じゃないな」って感じが伝わる。 画面の中の人たちの肉体労働とか緊張感って観客にも伝わる。 CGだとそういうところが丸ごと抜け落ちてる気がする。 船で川を下ったり、先住民族が出てきたりと冒険な感じなんですけれど、終始冷静で淡々とした描写が良かった。自然の美しさや深い静けさがある。 フィツカラルドさんブッ飛んでる。フィツカラルドさんスゲー金髪。 (2009年の映画メモをもとにレビュー) [DVD(字幕)] 8点(2013-06-06 22:34:59)(良:1票) 《改行有》 103. ジュラシック・パーク 《ネタバレ》 パニック映画としてもアドベンチャー映画としても凄く良く出来ています。 観客を飽きさせない神がかった展開でかなり面白いです。 前半の場面、ヘリで飛んで雄大な大自然を前にしたときテーマソングが鳴り出します。 その時の感動とワクワク感は今でも色あせてません。 ”ジュラシックパーク3”などと比較するとこの1作目はグラフィックが低くてしばしばCGらしさが表れています。 しかし映画はグラフィックで語るものではないということはこの1作目を見ればよく分かります。 映画の迫力はグラフィックだけでは出せません。 ・・・・それでも当時はこの恐竜のグラフィックに周りのみんなが感動してた記憶があります。 この映画はいろいろな意味で夢を与えてくれた映画です。 モンスターパニックの傑作で、ジョーズの恐竜版かもしれません。 ジュラシックパークのマークが良い感じに当時のアメリカっぽい世界観を出してます。 他のモンスター映画への影響力が物凄いと思います。 博士はスピルバーグ自身なのかもしれません。 エンターテイメントの極致に限りなく近いです。 この作品に欠如しているものが見つけられません。[DVD(字幕)] 9点(2015-01-23 22:29:53)(良:1票) 《改行有》 104. ブロークバック・マウンテン 《ネタバレ》 最高のヒューマン映画にして友情(純愛)映画の傑作。 同性愛モノって嫌煙されがちだと思うのですが、 ヒューマンな部分とアメリカン情緒がそれを全部包み込んで補ってる。 よく出来ているヒューマン映画はなぜこうも人生を通しての人間観察が見事なのかと感じる。 ブロークバックマウンテンの自然描写があまりにも美しい。 アコースティックなサウンドがまた最高に情緒的で、同性愛の雰囲気とも合っている。 ある種の過ちを犯した二人のその後の日常生活はやがて荒涼と化し、年月は無情にも刻々と移り変わってゆくが、 それとは逆にブロークバックマウンテンの自然は変わらぬ美しさで雄大に、二人の心の中にあり続けるのだった。 「日常」や「現実」と真逆な意味でブロークバックマウンテンが描かれているようで印象的だった。 ジャック・ツイストが義父を制する場面が最高だと思う。 奥さんが二人の情事を目撃する場面は印象的だ。 また実家の屋内が真白で、老夫婦の空虚な心情を表したかのような不思議な感じだったのは印象に残る。 憎むべきは差別であり、自分にとって害のない人を自分と違うからって攻撃するなんて馬鹿だと思う。 それにしたってジェイク・ジレンホールに揉み上げつけてカウボーイハット被せちゃアウトでしょ。[DVD(吹替)] 9点(2014-02-09 23:19:31)(良:1票) 《改行有》 105. 風立ちぬ(2013) 《ネタバレ》 久々に宮崎駿らしいアニメだったと思う。 これを観ると”ハウル”や”ポニョ”は少しファンタジーに傾倒し過ぎていたと思う。 宮崎駿アニメは描写力があるのでファンタジーよりも日常を軸にして描いたほうが表情が生き生きとするかもしれない。 この作品を観ると、近年の彼の作品にあった停滞感は意味があってのことだったなのだと思った。 というのもこの作品は、彼の過去の作品の多くが生かされた力作だったからだ。 宮崎駿の作品というと「大人から子供までが楽しめる」という印象がある。 しかしこの”風立ちぬ”は子供向けな作品ではない。 実際に「面白かった」と言っている子供の声も聞いているので決して断定はできませんが、この作品は子供には難しいんじゃないかなと思う。 今までの彼の作品は少年少女の視点で描かれていたが、 本作では青年の視点で青春が描かれているからかもしれない。 男のロマンや男女の純愛とかいったものは子供向けに属するはずがない。 ところでこの作品では宮崎駿監督の飛行船好きがハンパなく表れている。 彼の作品には空を飛ぶものが多い。その点では”ラピュタ”が最も評価され”もののけ姫”は不評だった。 この”風立ちぬ”ではその点はしっかりしている。 途中でなんか”ハウル”を見ているときのようなダルい疲れを感じてしまった。 これは纏まりに欠けたところが中盤にあるからだと思ったが、 もしかしたら鑑賞者である僕の問題かもしれない。 ヒロインは二人いる。メインヒロインの菜穂子は美しかった。 この作品は宮崎駿の母に対する想いが最も強く出ていると感じる。 ゆえに宮崎駿アニメ史上最も感涙必至な作品だった。 松任谷由実の歌うテーマソングを聴くとまた泣けてくる。 既に述べられていると思うけど宮崎駿の作品のタイトルには「の」が必ず入るがこの作品にはそれがない。ちょっと残念。 宮崎駿のアニメはしばしば予言説がネット上で噂されるので、それも考えると真に迫った地震のシーンなどは少し怖く感じる。 宮崎駿は最後までライバル高畑勲を意識してたんじゃないかと思う。 というのも本作の結婚式での着物姿のヒロインは宮崎アニメにしては異様な場面で、高畑勲監督が制作中の「かぐや姫の物語」からのインスピレーションはあったんじゃないかと思う。 [映画館(邦画)] 7点(2013-08-06 19:06:21)(良:1票) 《改行有》 106. フリーク・ハウス 《ネタバレ》 (2010年映画メモをもとに)「フリークス神の子ら」VS「B級ホラー」といった印象。 こういった遊園地やら見世物小屋やらサーカスやらをテーマとした作品は好き。 そこに潜む何か都市伝説チックな闇に惹かれる。 カラフルな嘘っぱちの奥には暗い闇の世界が潜んでいる。 闇を隠すためのカラフルさというのが良い。 この作品は非常にアホの連続でありながら、奇妙だったり不気味だったるするところも少しあります。 お笑いでしかない稚拙なB級フリークスですが奇妙です。 そこに巻き込まれる一般客の青年達もいろいろとコンプレックスを抱えてます。 結局、彼らはフリークス達とまったく変わらないってことだと思います。 フリークスを見て楽しむ者すなわちフリークスであると。 そういったフリークス映画を観て楽しむ自分もまたフリークスなんだと思いました。 フリークスはやがてフリークスに取り込まれる。 のっぺらぼうがちょっと不気味です。[DVD(字幕)] 4点(2012-03-23 02:45:57)(良:1票) 《改行有》 107. 忘れられない人 《ネタバレ》 とても悲しいラブストーリーでした。 片思いは悲しいですが、両思いになっても悲しかったです。 ただ相手を愛することと、そしてその相手から愛されることが素晴らしいことであるということは映画を観ていて伝わりました。 愛に包まれた二人は素晴らしかったです。 この男の片思いはちょっと異常に思えて、一歩間違えばこれは犯罪なんですが、 しかしうまい方向に働いてそれが愛にまでなったのだと思います。 ”愛から逃げる男”と”愛を求めた女”はお互いに一方的で相手を思いやることを忘れた者同士だったのかもしれませんが、 一方的だった二人がお互いの足りない点を補い合ってイイ感じの恋人同士になってゆきます。 男は不器用な感じですが女を危険から守り、女は男に人間の心(ハート)を与えた。 作品中にヒヒからもらった動物の心臓の御伽噺があります。 彼の中では漠然とした動物の心(ハート)のままで戸惑っていたものが、 女の胸のハートに触れて男は彼自身のハートの位置を知ることで、 動物の心臓だと思ってた彼の心臓は人間の心へと変化したのだと思います。 この映画では一方的な愛の恐ろしさとしてレイプとストーカー行為が出てきましたがあまりにも動物的で、 「愛」とはその真逆のことであるとでもいってるかのようです。 またもし人間が「愛」というものを心に抱けなければ、それは動物となんら変わらないとでもいわれたかのようで手厳しいです。 僕もまた動物の心臓から人間の心へと生まれ変わりたいです。[DVD(字幕)] 8点(2011-12-22 03:52:40)(良:1票) 《改行有》 108. ピッチブラック 《ネタバレ》 なんか一筋縄ではいかないジャンルが面白かった。 めちゃ「エイリアン」してるんだけど、ぜんぜんホラーじゃないっていうか、 スリルも恐怖も絶望感もない。 さらにチョイワルヒーロー映画の要素がある。 ジュラシックパークのようなアドベンチャーもある。 以前にリディックって映画を観た記憶が微かにあるけど、 本作はその関連作のようだ。 「暗闇に潜むクリーチャー」という設定が生かされていたかどうかは分からないが、 モンスターの擬態を観客に体感させるシーンがモンスターパニック映画としては面白かったと思う。 個人的に面白いと思ったのはメインヒロインを演じるラダ・ミッチェルが「暗闇に潜むクリーチャー」 という似た題材を扱った映画「サイレントヒル」にも主演していること。 この映画は軽くアッラーの神を批判し、イスラム系の子供は3人いれば3人が死ぬけど 白人の子供は一人いれば一人が絶対に助かる。 最後でイスラム教の信者は「何に祈ればいいのか分からない」といい、 白人の子は「私は分かる」という。 これは映画の出来と関係ないけど、 映画の中で宗教や文化の優劣をやるのってフェアじゃないと思う。 とても斬新だったのは冒頭でいきなり乗客全員を切り捨てようとした薄情なメインヒロイン。 いままでにないタイプだ。 こいつはたぶんソウでジグソーに拷問されるタイプだ。 ホラー映画的なものを期待したので、もっとグチャ、ドロ、ギャー!っていうのが欲しかった。 鑑賞中はリディックがオリジナルでこっちがスピンオフだと思ってた。 こっちを先に見ていたら評価も違ったかもしれない。 エイリアンの二番煎じにしては面白かったけど。 [DVD(吹替)] 6点(2013-09-09 01:51:01)(良:1票) 《改行有》 109. 死霊伝説 《ネタバレ》 「村」というものがよく描かれている。 平穏な村が徐々に崩壊してゆく描かれ方が素晴らしい。 村には狂気が根強く感じられる。 登場する人々の多くが心に闇を抱え、少し狂っている。 その狂った部分がこの村全体で渦巻いている。 警官が酔っ払い男を脅す場面は狂気がみえる。 ビール好きのデブ男が銃を構えたときの笑顔は狂気がみなぎる名場面。 ホラー映画でこの場面を超えるシーンはそうない。 この映画はオカルト映画としての演出が神がかってる。 観る度にその素晴らしさに気づいてゾクッとする。 この映画で闇はひっそりと忍び寄るがその力は強い。 「悪」が魔力を帯びたかのように根強くある。 窓から少年が泳ぐように進入してくる場面はこれまた非凡なものを感じる。 不思議な不気味さの漂う場面だ。昔の本物オカルト映画にしかない恐怖だ。 墓守の男の演技はユニークで面白い。 ヴァンパイアの手下の老人の内から発せられる迫力は凄い。 たぶんキューブリックの「ロリータ」で共依存にとらわれた男を演じた役者だ。 ドラキュラの館は荒涼としたところが幻想的だ。 トビーフーパーの手腕が「悪魔のいけにえ」の次に冴えている作品である。 「悪魔のいけにえ」のリアリティはこの作品にも少しだけ表れる。 土埃の感じが古臭くて良い。 このレトロでローカルな村の雰囲気が魅力的でならない。 平穏な村にも裏の顔が存在する。 これほど吸血鬼を実在するかのように描く作品は知らない。 吸血鬼が村や人に及ぼす影響力をここまで描いた作品を知らない。 [DVD(字幕)] 7点(2007-12-04 00:58:59)(良:1票) 《改行有》 110. ヒルズ・ハブ・アイズ 《ネタバレ》 悪魔のいけにえ直系またはリスペクトなスプラッタホラー。 ウルフクリークのように旅行が怖くなる映画だ。 そしてクライモリのような奇形が沢山出てくる。 さらに北斗の県またはマッドマックスのような世紀末の雰囲気、 これと従来のスプラッタホラーとの組み合わせが面白い。 オープニングの、カントリーな映像と畸形児の写真とを交互に映す場面は効果音も決まっていて素敵だ。 奇形はクライモリもそうだったがSFファンタジーのようなところがある。 それが最もよく表れてるのは奇形の少女だったような気がする。 アクセサリーなどたくさんつけて不思議な存在感だ。 奇形少女とベッドで寝てるぬらりひょんは特殊メイクがよくできてる。 だいたいこういう映画は複数の若者バカップルたちの旅行(なぜか一人だけ童貞が混ざっていることが多い)の場合が多いが この作品の場合は家族旅行なので残酷度はそっちよりも高い。 普通のホラーならとっとと死ぬようなところを、痛そうにしていてなかなか死ねないところがさらに残酷だ。 殺人鬼の何人かはレイプみたいなことしてるけど、それがヴァイオレンスさや不快感を高めるためには効果的だけど、 直系ホラーはそういうことしない。 悪魔のいけにえなどは殺人行為の恐怖や残酷さのみで勝負している。 たとえB級ホラーにエロシーンがあっても殺人鬼はそこには関与しない。 だから個人的に殺人鬼がレイプとかするとなんかガッカリする。 殺人鬼がレイプしていいのはサイコサスペンスでだけだ。 この映画では殺人鬼というよりも悪党なのであるが。 スプラッタホラーの残酷さはあるが暗さは薄く、それよりもヴァイオレンスアクションのワイルドさが上。 しかし本家ホラーをリスペクトするところはして、変化球もしっかりとこなす優秀作だ。[DVD(字幕)] 7点(2013-07-14 14:01:03)(良:1票) 《改行有》 111. コールドプレイ 《ネタバレ》 ノルウェージャン雪山スラッシャー・ホラーですか。 シチュエーション的にはありふれたものかもしれません。 しかしB級ホラーの中では映像も良い方です。 退屈もあまりしません。 多くのスラッシャーホラー映画のように青春映画っぽいところもありますが、こちらは少々お上品な感じです。 さすがヨーロピアン。どっかのガバガバ大国とは大違いです(←怒らないでね)。 それぞれのカップルを引き離すことにより、人間関係におもしろさが出たか?。 最初はイエティが出てきたのかと思った。 真っ白なので凍てつくような寒々しい感じです。 その寒さはもしかしたらば「シャイニング」「生きてこそ」のような感じです。 殺人鬼は気の毒な人です。死ぬときも悲しそうな目をしていました。 その目でこちら側に訴えかけるのです。 しかし、そんな目で同情を誘ってもダメです。この殺人鬼が。 、、、う~ん、点数の方は、、、テンポも映像も良さ気だし、とりあえず現時点での平均点の5点を付けときましょう。[DVD(字幕)] 5点(2010-08-14 03:25:45)(良:1票) 《改行有》 112. ストーカー(1979) 《ネタバレ》 タルコフスキーのストーカー。久々に見ました。 タルコフスキーの映画の映像に宿る美しさの正体とはなんだろう? それは未だにわからない。 それとは別に、 タルコフスキーは人の孤独を突きつけるような気がした(しかし孤独は美しい哲学だ)。 男は孤独であると、それを思い知らされる。 囚人の気分になる男は、 日常という牢獄に苦しみ、哲学を求め、夢やロマンを求め、冒険を求め、そういう何かを(家庭の外に?)求める男の姿を描いています。 しかし「死」というものが凄く間近にあってチラつきます。 この作品の不思議な空間の中では、「死」が非常に近くにあって危険で、一歩間違えると危うい異次元のような感じが好きです。 また、そういう危ない場所に挑む男達が好きです。 映画の中の言葉にありましたように、人生は僅かな楽しみ以外には、苦しみか空しさの選択しかありません。なんだかそんなこと考えちゃいました。 ゾーンという空間は女性を受け付けないみたいですね。おもしろいです。 自然が美しく、植物の美しさが好きです。水も火も美しいです。 タルコフスキーの映画はなんでズッコケる人が続出するのか分かりません。 タルコフスキーの映画は舞台芸術を見ているかのようです。 役者の台詞が、観客に向けて訴えているみたいです。静かな演説のようでもあります。 タルコフスキーの表現者としての表現の仕方が好きです。表現しかしていないみたいです。 観客に伝えるのが、まるでなにかの運動のようです。 最後でコップが動いてこちら側に向かってくるのは(その意図は分かりませんが)、少女の念がまるで観客にまで迫ってくるようで、リングのテレビから貞子が出現する恐怖の伝え方みたいです。 タルコフスキーの訴えんとするメッセージをまるで彼が少女の瞳に込め、その少女の眼力とコップの動きで迫ってくるような迫力が、観客への念の伝動みたいです。 コップが落ちたときに、ハッとしてそのメッセージを受け取ったような錯覚を受けました。 知識に関係なくタルコフスキーのスピリットを多少なりとも受け取ることが出来ると思います(タルコフスキーは知識として伝えようとしているのではなく、効果で伝えようとしているからです)。 「利益を目的とするとヤマアラシのようになります」と話す場面では、 演技の域を超えていたと思います。 演技の域を超えた瞬間に映像に命が宿るのだと思いました。 [DVD(字幕)] 9点(2011-05-17 23:37:37)(良:1票) 《改行有》 113. おジャ魔女どれみ♯ この「おジャ魔女どれみ」はTVアニメ版がとても面白くて大好きな作品。 劇場版ということでとても期待して観たのですが、、、いや~短いですね。。。 劇場版とありましたので2時間は楽しめるかと思ったのですが、、30分ですか。。。 いや!でも、とても面白かったですよ! どれみちゃん達ってホントに良いグループだなぁ!それぞれの役割も素晴らしいです。 この「おジャ魔女どれみ」は、「愛」「優しさ」をテーマにした作品のうちの一つだと思います。 ファンシーなデザイン、パステル調の色使い、少女から見た子供の世界を見事に描いたアニメだと思います。 お菓子作りやアクセサリー作り、編み物、そういう少女の雰囲気がとても素晴らしいです。 「ドラえもん」が「少年の夢」ならば、「どれみ」は「少女の世界」といえるかもしれません(男の僕が言うので御幣があるかと思いますが)。 またTV版は、小学校や図書館や公園、幼稚園、市民会館などが細かく設定がされていて、あたかも美空町という町が実在するかのようにリアルです。 クラスメートも「その他大勢」ではなく、ちゃんと一人一人名前から性格、特技まで設定されています。 なので一見浅いように見えて、実はとても深いアニメだと僕は思います。 「魔法」も「敵を倒す」とかそういうのが目的ではありません。 このアニメの「魔法」は「優しさ」のようなものだと思われます。 どれみちゃん達はあまり自分のためには魔法を使わないのです。 「ステーキだ、、、」って、可愛過ぎます! 絵も厭らしくないし、とても可愛いアニメだと思います。 しかしこれはTVアニメを観たものとしての感想です。 ※ TVアニメ版を観たことのない人は、この点数から4点をマイナスしてください。 TVアニメ版はとても面白いので、皆様、時間がありましたら是非観てくださいね! そしてハマったら、一話一話で感動し、涙することでしょう。(とくに後半のほうは、、、) 最終回の卒業式にどれみちゃんがとった意外な行動には、もう感動し過ぎて泣くしかありません! 本当に深い、やさしいものを描いたアニメだと僕は思います。 (どうぞ、劇場版の方を先に観ないでいただきたいのです) [DVD(邦画)] 7点(2007-11-12 00:50:04)(良:1票) 《改行有》 114. お熱いのがお好き 《ネタバレ》 「マリリンモンローってそんなに凄いの?」そんな僕でした。 それが恥ずかしながら本作でマリリンモンローを始めて観ました。 ノックアウトです。 いやぁ、やられちゃいました。 ここまで美しいとは思ってもみませんでした! それで作品なのですが、素晴らしいです。 「お熱いのがお好き」名前だけは知っていましたが、ここまで面白いとは思いませんでした。 どんどん物語に惹き込まれて行きました。 ジョーとジェリーのコンビもとても良いです。 なんだか微笑ましいです。 女装して女性たちに紛れ込むなんてとても夢のような(無理な)話です。 それを見事に作品で描かれているので、観ていてとても夢のような気分になりました。 まさに天国と言っても良いでしょう。 特に汽車での宴会パーティーとか、天国のようでした。 女性たちのとても楽しそうで賑やかな感じが良かったです。 僕はまだ20代で「昔の映画って良かった」なんて言うと、「オヤジ臭い」とか「懐古中だ」とか「生意気だ」「知ったかぶるなよ」なんてよくみんなから言われますけど、でもこの作品を例に出せば「ああ、なるほど、昔の映画って良いね」と分かってくれるような気がします。 人それぞれだと思いますが、僕が(生意気にも)「昔の映画が良い」というのは、ロマンがあって、人間味があって、喜びがあって、、、そんな感じを受けるからです。 この作品ですが、なんだかとても人間味のある素晴らしい作品です。 観た後、喜びに包まれました。 とても楽しかったです。[DVD(字幕)] 9点(2008-08-26 01:05:25)(良:1票) 《改行有》 115. バッドサンタ 《ネタバレ》 これは非常に良いですよ。 クリスマスっぽくないんだろうなと思っていたら、思ったよりもクリスマスっぽいです。 しかしこれは家族向けではないとても下品な映画です。 あまりにも酷いサンタですから子供には見せられません。 とくにサンタさんを信じているお子さんの目には触れさせないでください。 サンタは深刻なアル中でサンタの仕事後に椅子でオシッコを漏らしたり、泥酔して仕事場に向かう途中でぶっ倒れたりします。 ホント、世界中のどこを探しても仕事場で酔いつぶれてオシッコ漏らすサンタさんなんていません。 でもあまりにもブッ飛んでいるサンタさんは素敵ですよ。 この打っ飛びザマがなんとも男らしく破滅的で気に入ってしまったのです。 ある意味でダンディーです。 しかし一人の少年との出会いがこのアル中オヤジを変えます。 その徐々に心が動いてゆくところが非常に面白いんです。 かなりおススメ!ですが、あまりにブッ飛んだ下品さは家族向けとは大きく異なる内容ですので、大人どうしで見る映画だと思います。 また主人公が酷く堕落しているので、クリスマスに一人で見るのにはとてもピッタリくるんです。 でも最後には感動があります。 この映画を見ると少し救われたような気になります。 またどん底にいる人をだいぶ開き直って描いています。 日本語吹き替えだとまぁイカしてますよ。 [DVD(吹替)] 8点(2011-12-22 03:11:34)(良:1票) 《改行有》 116. リリイ・シュシュのすべて 《ネタバレ》 繊細すぎる!観ていてとても痛いです。 高校のときを思い出します。できれば高校のころに観ていたかった作品。 校舎にピアノの伴奏が鳴り響くのもまたとても繊細な空気を感じる。 ピアノの繊細な音色がとても良い。時間の流れ、空気を感じる。素晴らしい演奏です! こういう作品って主人公がボコボコにされていると、 「本当に本気でやってるんじゃないの!?」とか思っちゃう。 うわっ、この作品、重い! 中学生っていうより高校生に見えます。 映像に惹き込まれる。だから僕まで痛いです。ヒドい。 もしかしたら、高校時代に「閉じていた人」ほど、この作品に惹き込まれるのかもしれません(ていうか僕が)。 不良役のリーダーの女の子が可愛いなあ! あと、この作品に出てくる女性たちが不思議とエロティックな雰囲気を放っている。 あと誰もがもつ(?)子供時代、学生時代の少年特有の同性愛的な雰囲気も感じた。 星野君は嫌いじゃない(そりゃアンタ、チケット捨てちゃった件はヒド過ぎよ!)。僕も高校の頃にあれだけキレていれば、人生が変わっていたのかもしれない。 高校生の頃に「エヴァンゲリオン」と、この作品を観れなかったのが僕の人生の失敗だ。 窓から暖かな日差しが差し込んでいて、それがとても奇麗で、懐かしさを感じさせる。 それが遠い学園生活を想わせる。 僕はこういう学園生活を見事に描いた作品が大好きだ。 最後のほうの、面談室で先生が「なんか悩み事ある?」って、 そりゃクラス内であんだけの事が起こっていれば何も無いワケないでしょう! 「インターネットの文章」みたいのがとても「現代的」で、現代人の心の闇や葛藤みたいなものが効果的にあらわれていたように思います。 「ウソっぽくない」作品です。 そんなはずは無いけど、「現実」より「リアル」!? まさか~、、、[DVD(邦画)] 9点(2007-12-04 02:11:38)(笑:1票) 《改行有》 117. サンゲリア 《ネタバレ》 知り合いが「観たらガッカリするよ」と言っていたのがなんとなく分かるような、、、 でも「絶対にアレは観た方がいい!」と言っていたのもなんとなく分かりました。 僕の個人的な感じ方なのですみませんが、 あまりゾンビのことには詳しくないんですけど、ロメロゾンビとはなんか違うかんじですね。 うまく言えないけど、ロメロに比べると、ルチオのゾンビには「腐敗」を感じました。 肉を黙々と食べるルチオのゾンビの方がダウナーですね。 不快感もルチオのほうが強いように思います。 (それは腐った食べ物、虫、患者の嘔吐物などの不快描写からもいえると思います) 「B級」をよく理解していないので、ロメロは「B級」なのかそうじゃないか分からないけど、 でもルチオのほうが「B級色」が強いように感じた。 しかしこれはあくまで僕の個人的な感じ方であります。 ゾンビ一体一体にもロメロとは違ったリアリティがあって良いのではないでしょうか。 ゾンビ一体一体にオリジナリティがありますね。 そこに監督の意思を感じる。 場面場面では、「僕の中でのゾンビ映画の名場面」が沢山ありました。 (知り合いが「目にプスリ、、」のシーンが、ホラー映画史に残る名場面だ!と言っていましたが、うん、確かにそんな様な気がいたしました) DVDのジャケットを3種類みたことあるけど、どれもセンスが良いです。 (その中でも25周年アニバーサリーのジャケが素晴らしかったのでジャケ買いしてしまいました) 音楽に高揚感があって良い。サスペリアのような曲もあったような。。。 マツール島には絶対に行きたくない!とそう思わされた。 はっきりいうと途中はダレたけど、、、 でもね、最後は凄まじかった!炎には浄化作用みたいな効果があると思う。 炎がとても迫力があって良かった。 でも女性が着替えて泳ぐシーンは、エ、エロ過ぎる、、、! そして主人公の記者はハゲ過ぎるぅ!(正面から見るとちゃんと毛が生えているんです!) [DVD(字幕)] 8点(2008-02-09 04:05:08)(良:1票) 《改行有》 118. 少女 an adolescent 《ネタバレ》 おお、いわれてみればおフランス映画っぽかったような。 まったく僕は邦画には全く疎い。 ただ「少女」ってタイトルとジャケットに引かれてレンタル。 しょしょ、、、しょっ少女にいいぃぃっい刺青、、、!? 本当にそんな下らない理由で、まるでエロ漫画を選ぶかのような、ごく幼い中2なエロス目的でレンタルした記憶がある。 その際は全くあらすじも読みません。 まず僕はあのダメダメ警官が好きになれませんでしたし、感情移入するのも嫌な感じでした。 なぜだかは記憶にありませんが、そんな気がしました。 ただどうでもいい話ですが、最初に警官が郷愁漂う田舎道をチャリでこいでゆく場面は なかなか良いもんです。 ああいう町並みは好きです。夏っぽくていいです。ただ、それはどうでもいい話です。 少女ですが中学生だそうですが、いやいや全く嘘800億です。いやいやいや! 女子高生?いやまぁ!それも疑わしいこと。 ま、当然ですね。だって犯罪になっちゃうもんね(爆)(爆)(爆)。 ははは犯罪はいけまへん。 しかし不思議なもんですね。見ているうちに本当に女学生に見えてくるものです。 入浴シーンや少女が自分のセーラー服を洗濯する場面では、それは「覗き」のエロスです! 入墨するシーンでは白くて柔らかい肌が傷つけられるという、少女がこれから一生かけて「傷物」になるという、少女の顔が苦痛に歪む、そういったごく一部の愛好家にとってのエロスです。 それにしてもデブがひきつけを起こす場面は汚いです。 おじいちゃん彫り師は「アンタのその綺麗な肌に彫りたいねん!」 少女:「そんなことしたらお友達とプールにも行けないわ!身体測定は?」 おじいちゃん彫師:「彫りたいねん!かまわへん、彫ったらええねん!じょじょっ女子ちゅっ中学生が刺青を入れちゃいかんと法律ばあると!?どうどうとしちょれ!」(そんな言い方じゃねぇか?バカにし過ぎですね) もう、超一方的なんですね。 いや~変態ですね。まったく僕と同じですよ。 [DVD(邦画)] 6点(2010-10-05 03:36:46)(良:1票) 《改行有》 119. ザ・ホード -死霊の大群- 《ネタバレ》 迫力満点のゾンビ・アクション映画。 「史上最多のゾンビ」が当時の売りだったみたいです。 まぁ、今ではこれ以上のものがあるのですが。 開始から約25分をダラダラとゾンビ無しの退屈なドラマで綴るので、 これでゾンビ最多記録の更新には間に合うの?とか思ったけど。 それを後半で見事に挽回した様子。 まさにゾンビゾンビの大盛況。その盛況っぷりといったら、 「人気ロックバンドのライヴかよ」っていうくらいにゾンビがあふれてました。 これは楽しいw それから、めっちゃ怖いと思った人が実は意外と気の合う奴だった、っていう展開には他の映画で何回ひっかかっても相変わらず驚きます。 てかビルの管理人ウザすぎます。 それにメインヒロインで気張ってる女、意味不明だし最後の最後までフザけ過ぎ。 逆にこの映画で一番最高なのはデブのオッチャン。終始ハイテンションで面白すぎ。 感染速度がとても速過ぎで急展開。 もうこの世界が終ってる感じなので正直いって誰が生き残っても死んでどうでもいいんだけど。 画面が暗くてカメラが速いので「状況が分かりづらい」というのがあると思いますが、それが結構失敗していない気がする。 たぶんホラーやグロよりもアクションや展開を楽しむ映画だったかもしれない。 暗闇と血と格子が凄惨な感じ出てる。恐怖感はあまり無かったかもしれない。[DVD(字幕)] 7点(2014-04-18 23:05:57)(良:1票) 《改行有》 120. オーシャンズ11 《ネタバレ》 有名すぎて見るのを避けていたんですが、周りがみんな見ている作品だと、そうもいかなくなってきます。「え?まだ観ていないの!?」といった言葉が時としてナイフのようです。 たまにちょっとした劣等感を味わいます。 それも昔ほどは気にならなくなったんだけど、見る気もない映画のクセに、その映画のオチとか聞くのを意図的に避ける努力も大分疲れたんで、見ることにしました、、、。 吹き替えで見ました。登場人物が多そうなので。 なかなか良いじゃありませんか。ゴッドファーザーのような、ヴィンテージで(シックではありませんが)お洒落な雰囲気を手軽に味わえるので、とてもいいです。 大人になっても愛せそうな作品ですが、見る頻度は少なそうです。 でもとても鮮やかに決まってカッコイイです。 まるで大人の社会の、極上のファンタジーといった感じで、お酒もこだわって選び、映画のお供で一緒にその雰囲気を楽しむ感じです。 非現実味を楽しみましょう。 自分も普段は飲まないお酒が欲しくなるシックな大人の雰囲気で、普段は飲まないブランデーなど片手にゆらし(揺らすのはワインか?)飲んで気持ちワリい気分です。 でもカジノのようなビッグでゴージャスな上流階級の雰囲気をスタイリッシュに楽しむことが出来ると思います。ゴッドファーザーのアダルティーな雰囲気に比べたら、まるで3歳児のオモチャだって!?、、、まあそうなのかも知れませんが、、、任務が完璧に進み、計画が見事になされてゆく様は、とてもカッコ良く感じます。 [DVD(吹替)] 6点(2011-04-03 03:16:04)(良:1票) 《改行有》 |
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