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性別 女性
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自己紹介 After shutting down my former blog, I'm writing some boring stories at new site. Anyone who's interested in, come along if you'd like to.

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141.  コッポラの胡蝶の夢 《ネタバレ》 ヒモの干渉を嫌ったコッポラが、私費を投じて製作したという。…すると、コッポラ作への出演を熱望していたティム・ロスを起用した意味がわかるような気がしてくる。…たっぷりギャラが払えるならば、ティム・ロスを使わなかったと思うのだ。 なにやら難解に思えるお話だが、若き日のドミニクが追求していた「言語の起源」「人間の意識」「時間の概念」というテーマを、1938年以降のドミニクの人生にそのまんま絡めていったようなストーリー。夢オチか?という期待は、ラストのホテルフロントの電話とパスポートの中味を見せることで否定される。わざわざ。そう、わざわざ否定することによって、この作品についてはどこらへんが夢でどこらへんが現実だったのか、とか、チマチマ考えても意味がない、ということにもなります。事実の整合性を保つことは目的とされていません。謎解きをする映画ではないです。 そこで、謎解き以外に映画としての魅力は何になるのか、と考えてみるに、これはもう、ドミニク役の役者さんにホレるしかありません。いろんな意味で、ドミニクにホレるしか。ドミニクと共に泣き、ドミニクと共に不安に震え、ドミニクと共に不可思議な物語を歩む。 ところが、主役は誰だ。ティム・ロスだ。 観客はティム・ロスに2時間も恋ができますか。 身長とか体格のことを言っているのではなくて、基本的に主役を張る俳優さんではないと思う。カレは「2時間恋ができるか」という条件を満たさないんだから。 で、私はドミニクをスティーブ・ブシェーミにやって欲しかったと思うのです。 なんとなくキャラがかぶっている感じでロスのライバルであるブシェーミ、彼なら2時間は長くなかった。ラウラ=ヴェロニカ役の女優が無名であっても、ブシェーミなら私は泣けたかもしれない。 主役選びを間違えてはいけないという見本のような映画です。〝主役に恋する〟は〝上手い〟かどうかと関係ないんです(ブシェーミはもちろん上手いですけど)。 〝みんなが心配している問題〟とは〝人類の叡智を善悪のどちらに使うか〟ですね。[CS・衛星(字幕)] 6点(2010-05-24 13:24:47)(良:1票) 《改行有》

142.  おまけつき新婚生活 《ネタバレ》 誰もコメントしてないのにこういうこと言ってなんだけど、借りて後悔しきり。 名優ダニーデビートの余技であろうが、個人的には全く受け付けません。ダニーデビートは嫌いじゃないよ。バーサンが憎たらしすぎる。日本的には、年寄りには「かわいげ(多少の赤ちゃん返)」とか「(煩悩から解放されて)枯れた感じ」をどうしても求めてしまうんだな。笠智衆みたいなさあ。西洋の年寄りは枯れにくいとは聞いてたけどさあ。そんでまた、このカップルがやられっぱなしで、やることなすことバーサンにかなわないので、ものすごくストレスたまります。それは私が非Mであるせいかもしれないが。そんで最後までいっぱい食わされていたんじゃ、どこでストレス発散すればよいのじゃあ。こんな状況を楽しめるのは真性Mの方のみでしょうか。非Mの方にはおすすめしませぬ。バリモアはめずらしくダイエットに成功したのか美人に見えた。[DVD(字幕)] 4点(2005-12-23 23:06:25)(良:1票) 《改行有》

143.  ショコラ(2000) 《ネタバレ》 フランス語でよかったんじゃないかな。ロケーションや衣装に凝ったわりにリアリティを損なうことを考えると残念な気がする。 ヴィアンヌのファッションが斬新だった。れんが色のシャツに明るいブルーのカーディガンとか。赤い靴とか。 それで問題のビノシュだけども。「ダメージ」で全世界の女性に「なぜこいつの一人勝ち???」と深く疑問を抱かせたビノシュだ。 今回は、そのボンレスハムのような腕、広くたくましい背中、太い胴回り、安定感のある下半身が、役柄の求めるものにぴったりマッチしていたのだった。それはいわずもがなの「生命力」なのであった。 ビノシュにあってレナ・オリンにないもの、それは女優さんの「身体」から発する「スタミナ」「ねばり」である。それは分厚い体から発信されまくる。68キロはあるであろう。レナ・オリンやニコール・キッドマンに勝ち目はない。 まじめなことを少し言うと、原作ものの映画で、「カトリック教会VS人間の欲の解放」がテーマになっているようだが、最後の神父の説教で「何を拒否するかではなく何を受け入れるかが大切である」と言いますね。こういう無責任なことを世界に配給するレベルの映画で言ってはいけない。当たり前だが、「受け入れない」ものは「拒否」するしかないんです。「拒否」しなければ「受け入れる」ことになるんだから。「拒否」と「受容」の間に「グレーゾーン」がないからこそ、国と国、民族と民族、カトリック教会と異教徒や異端との間で争いが絶えず、殺しあってきたわけですよね。カトリック教会の押し付けた因習対無神論者による快楽の解放を描いてそんな極楽トンボな結論でいいのか?原作者でも監督でもいいけど、この問題に答えていただきたい。「拒否と受容の間に何があるというのか。そこに『無関心』をもってくればすむ問題と思っているなら、この現代世界を、歴史をどうとらえているのか。」ファンタジーであっても、こういうメッセージを送ってくるなら「お子様」むけとしか思えない。「サイダーハウスルール」を見るのはやめた。 ジュディ・デンチがすばらしい。007の怖いおばさんだったのね。 [DVD(字幕)] 6点(2006-07-09 14:21:58)(良:1票) 《改行有》

144.  カレンダー・ガールズ 《ネタバレ》 かわいくて、ちょっとせつなくて、美しい風景。イングランドの田舎は「この世の天国か」と思ってしまいます。いろんなセリフがよく考えられていて美しい。死んだジョンのメッセージとか。誰も考えつかないことを、なんとしてでもやってしまう人間の姿を見るのは心地よいです。こういうのを「インテリジェンス」と呼びたい。ヌード撮影シーンなんて、すっごく愉快で何度も見てしまった。酒場でたむろってる旦那衆ってのも笑える。超日常の中に突然に非日常。こんな賢くて愉快な金集め、思いついたおばさんはさすが。実話もの好物です。後半ダレましたが、集会の合唱曲の耳に残ること残ること。イギリスのおばさんははんぱじゃない。[DVD(吹替)] 9点(2005-10-31 23:40:00)(良:1票)

145.  プライドと偏見 《ネタバレ》 「ユーガットメール」のキャスリーンが大ファンだと言っていた「高慢と偏見」だ。もちろんあの映画も「高慢と偏見」をなぞったものであったらしく。大金持ちで高慢?なジョーに、小さな本屋の女主人のキャスリーンという設定もしかり。キャスリーンがジョー(と知らずNY152さんに)「ぜひ読んで。気に入るわよ」と本を薦めたりする場面まで用意されていた。 ということで原作読んでいないが「きっとユーガットメールのような小粋なやりとりがあるのであろう」という期待をしていたのだが。 18世紀のイギリスの田舎、中流以下の農場主であろうベネット宅、衣装もそれなり、家具も分相応。そこにキーラ・ナイトレイ。なぜキーラ・ナイトレイ。 いきなり21世紀へトリップ。妹たちの顔とギャップがありすぎる。この子の顔を見ている限り、「今私は映画を見ている」と思わざるを得ない。18世紀へどっぷり浸かることなんてとてもとても。 この顔が18世紀のイギリスの田舎を歩いていたなんてこと、日本人でさえ信じられないね。 そんでまた、キーラ・ナイトレイのエリザベスってのは、その場しのぎの言い訳ばっかしてる単に口の減らない安い女に見えちゃう。ニヤニヤしていればいいってもんじゃない。 ミスターダーシーはあの人でもいいと思うんですよ。それなりにダサくてまじめそうだし。 目玉である2人の対決場面も、1箇所しかなかったし。雨の庭園ね。それだって、キャスリーンとジョーのカフェラローでのイカした対決には遠く及ばない。そしてダーシーはこの対決ですーぐ心を入れ替えて手紙書いたりエリザベスのために陰で骨を折ったりする素直ぶりだ。素直すぎる。 当時の女性は結婚のことばっか考えざるを得なかったからキャスリーンと立場が違うとは言え、これだけ長く愛されているという原作の魅力がこれっぽっちも感じられない。もしかしてこれを見るなら「ユーガットメール」を見たほうが原作に近いのではないだろうか。妙に若い監督さんだよなあ。笑いのセンスはゼロに違いない。 とにかくキーラ・ナイトレイを時代物に出そうと思うこと自体が間違い。ほかに古典的な容貌の女優さんはいくらでもいたろうに。ジュディ・デンチも出したけどダメなものはダメ。 結果的に「エニグマ」にも出ていたあの背の低い男優さんのインタビューしか面白くなかった。(それすら10秒くらいしかない) [DVD(字幕)] 5点(2006-09-15 22:17:09)(良:1票) 《改行有》

146.  ラスト サムライ 《ネタバレ》 「ダンスウィズウルブス」の日本版のノリで作ったのかもしれないが、皆さんご承知のことでしょうが、蛇足と思って聞いてください。この作品を見る時に、「西南戦争」「田原坂の戦い」「西郷隆盛」「山縣有朋」を押さえつつ見てください。こないだNHK「その時歴史が動いた」で「西南戦争」やってましたね。あれは「西南戦争」を大変分かりやすく説明していました。あれを見てから「ラストサムライ」を見るのです。「おお、なーるほどう」となります。日本人が見たらこれは「西南戦争」にしか見えぬ。「大村」のメインモデルとなったであろう山縣有朋の名誉のために言っておくと、彼が汚職で私財を貯めこんだという事実はなさそうですよ。(松本清張のうけうり)大久保利通、伊藤博文と3人足したようなキャラであるが。 「ありえない」の突込みどころは満載ですが、まあ、これはハリウッド映画。ひとつだけどうしても許せないのはどうみても西郷隆盛である勝元を「殿様」に設定したことだ。西南戦争は殿様が起こした戦争じゃない。西郷隆盛はもちろん殿様じゃない。「殿様」にされてしまったら、「西南戦争」(武士による最後の反乱)の「意味」が全然違うじゃないかあ。 「西郷」を「殿様」にされてどうですか、と鹿児島方面のレビュワーさんの感想を伺いたいですね。「武士道」については、個人的には徳川家の都合によって押しつけられ、朱子学により歪められたものという感が強い。その「武士道」に欧米人が勝手にロマンを感じて映画までつくっちゃうなんて、片腹痛い気がするのは否めない。「西南戦争」においては、旧薩摩藩士たちは「武士道」というよりは「カリスマ西郷」のために戦ったと言われているし、そう考えている。鹿児島方面の方はよくご存知であろう。監督はほとんど日本人の観客のことは念頭に置かず「私のロマン、サムライ」と思ってつくったようだけど、(勝元役、大村役に対し、何よりも英語力を求めたことから明白)ここまで実在の人物や事象に添っている以上、日本方面から「違う」の声が出ることはしょうがない。奈良橋陽子なんて見た目だけが日本人な女を重用したのも腹立つ。あんな女が日本事情を教えるなんか、へそで茶がわくよ。ラストの戦闘場面以外のアクションには鬼気せまるものがあった。護衛の福本清三が素晴らしい。(70歳!)彼はそのままタイムスリップしようが全く違和感無さそうだ。子役秀逸。[DVD(字幕)] 7点(2006-01-01 14:13:10)(良:1票) 《改行有》

147.  Avalon アヴァロン 生活感のない女の人が生活感のないPCつけっぱなしの部屋でなぜ急にシチューを作るのか? 急にシチューを作るにはだなー、野菜や肉などの材料がたまたま冷蔵庫にあったということでないと無理。そういうものが常に冷蔵庫にあるのなら元気に自炊しているはず。(料理は生きる元気を生む)元気に自炊している女ならあんなんか?急にシチューを作りたくなる気持ちはわかるけど、それには材料。[ビデオ(字幕)] 5点(2005-11-30 21:03:13)(笑:1票) 《改行有》

148.  ヒドゥン(1987) 《ネタバレ》 いいなあこれ。カイル一番の出来。カイルのフェロモンは、使命に拘束されているときに出るようだ。娯楽作品として惜しみないサービス全開。宇宙人がロックとスポーツカー好きって何で思いついたんだろ。右脳の発想ですね。自己犠牲でフェロモン爆発のカイルを堪能しましょう。[ビデオ(字幕)] 9点(2005-11-17 19:43:34)(笑:1票)

149.  白バラの祈り/ゾフィー・ショル、最期の日々 《ネタバレ》 丁寧な作り方には好感がもてる。陰影を生かした映像や、折々に空を見上げて自由を確信するゾフィーを表現するなど、とーてもマジメな映画。そうドイツの映画って、いつも真面目さを感じてしまう。 若くて恵まれた境遇なのに、正義のために命を惜しまなかった若者たち、とくに女なのに勇気あるゾフィーはすごい…というふうには済ませたくない視聴後感だった。 なんというか、「死ねばいいんでしょ死ねば」という気がしませんか。 信念や正義のためには、潔く死んでいくことが美しい…というふうに、感化されてしまうことがこわい気がするのです。とくに若い観客のみなさんが。 「○○のために潔く死ぬ」というのは、日本の特攻隊と同じモーティブですね。私はどんな場合でも、「死ねばいいんでしょ死ねば」という見せ方をされたら肯定したくない。 「死んでたかもしれない」という経験をすると(事故でも病気でも)、日頃はなはだあやふやにして放っておいた「死」というものを認めざるを得ない。すると、「とにかく死なないようにしなければいけない」というふうに思いますフツーは。それで人によっては健康オタクになったり、サプリに凝ったり、外出しなくなったりする。 そういう目で見ると、抵抗運動というにはあまりに計画性に乏しく杜撰に見えるハンスらの行動や、「自分が犠牲になれば仲間が助かる」という甘い目算や、「あと99日以内には連合軍によって解放される見込み」をアテにしたゾフィーの強気の態度などは、「死の恐怖」というのものを度外視しているように私には見える。 彼らの「アテ」は見事に全部はずれて、どんな敵を相手にしているかという覚悟の不足をぬぐえない。 そして誰もがゾフィーのように泰然として断頭台に身を横たえるかといったらそんなわけはなく、「常人離れした特別に勇気のある女の子」の物語…というふうに見るしかない。 死んだら終わりなんですよ。ゾフィーはモーアと取引するべきだった。したたかな相手にはしたたかに対応しなければ。南アフリカのビコのように、自分が死んで英雄視され抵抗運動が盛り上がることを目算にあえて死を避けなかった場合もあるけれど、私はこの映画を見る限りは「恵まれた坊ちゃん嬢ちゃんのクラブ活動が度をはずした」というふうに見えてしまう。 とにかく、若い観客には「どんなことがあっても死なないようにしろ」と強調したいがわかってもらえるかしら。[CS・衛星(字幕)] 7点(2008-08-24 13:13:02)(良:1票) 《改行有》

150.  ディセント 《ネタバレ》 おおこれは、と期待を持たせる序盤。 なんてったって、このスリル好きの女性たちというありえない設定。 「ライディング・ザ・ブレット」でも述べたように、「スリルのない人生なんて!」というのは、通常は女の人には必要ないセリフなのじゃ。そんなものわざわざ求めて洞窟にまで行かなくたって、現実の生活のほうが、スリルと緊張にあふれているというのが、女の人生であるのが常である。金と体力とヒマがあったらついついスリルを求めずにはいられない、というのは、男の属性であって、ふつうの女性にはあてはまらない。 そこをあえて〝新しい女性たち〟という視点で描いたのか?「もしかして、フェミな映画なのか?」という予想は、〝監督が男〟という時点でやっぱり「ありえな」かったのだった。 「今は男よりスポーツね」なんていう、〝男らしい〟セリフに期待をもたせておいて、ジュノなんていう、「やんちゃヒーロー型の女性」を登場させたりしてさ。まったくの肩すかし。ここらへんが「男性監督の限界であーる」と声を大にして言うぞ! つまりは、男の集団で演ずるべきところを、女に置き換えただけなのであった。 んで、その理由は、〝そんなのもう手垢がついちゃてるし〟というところなのだった。 話題を狙っただけで、女の集団で洞窟めぐりさせるなよなあ。 ああー、期待してしまっただけにがっくり。なにって、〝新しいリプリーの登場〟とか。[DVD(字幕)] 6点(2006-12-02 22:47:55)(良:1票) 《改行有》

151.  モーリス 《ネタバレ》 西欧文化圏において同性愛とは常に「神との関係」で語られるものであり、この作品もちゃんとその枠内で語られています。まっ日本人にはいまいちピンと来ないのはそのせいだしある程度仕方のないことですよね。 なんたって人体は「神の宿る神殿」なんですから、なんと美しい表現なのかと感動しますけれども、そういうことがピンとこなければ「モーリス」を見てもなんだかなあ、というふうになります。 私だってそうなんですけど、まー、そんな自分でも「神」との関係でこの二人が散々悩んでいることは知れます。「彼らにとっての神」とは日本人には理解しがたいものですきっと。 さて、最初に火がついたほうのクライヴは「燃えやすく冷めやす」かったわけで始末が良かったのですが、「後から火をつけられた」ほうのモーリスのほうが、「燃えたら最後」冷めない状態になってしまったわけです。皮肉な感じです。 そしてあまりにもわかりやすい展開でもって「身分も性別も越えて」スカダーと結ばれるのですが、私はいつも男性の同性愛関係について思うんですけど「それは〝愛〟なの?」。 男どうしの同性愛って、「性欲」とどう違うのか?セットというより、イコールじゃないのか?中には例外もあるでしょうが、愛=セックスというよりセックス=愛、というふうに私には見えてしまう。そしてモーリスとスカダーもまさにその例ですよね。 彼らはこれからフランスかイタリアにでも行って、しばらくは仲良く暮らすのでしょうが、二人には「社会に対するカップルとしての居場所も責任」もなく「子供の育雛」を共同で行う目的もなく、「共に神に仕える仲間」でもないわけです。そんな中で関係を保ち続けるほど、普通の人間は賢くも強くもなくて、だから頭のいい誰かが用意して推進したキリスト教の神はかの地で「機能」し続けているわけで、クライヴはそのことに気がついたわけです。私は二人の先行きは見えていると思います。 なので、この時点で物語が終わってしまうことはある意味ズル…と私は言いたい。 あと、難を言えばウィルビーのようにまつ毛まで金髪の色素の薄い俳優って、情感に欠けて見えるところがソンですね。お人形感があるので、こういう情感重視の作品の重要な役柄には向かないかも。 ちなみに、この日のシネフィルイマジカチャンネルの予定は「モーリス」の次が「ブロークバックマウンテン」。…。わかりやすいプログラムだよね。[CS・衛星(字幕)] 6点(2009-11-14 16:00:31)(良:1票) 《改行有》

152.  バイオハザードIII 《ネタバレ》 ふと気付けば、これはすごい貧乏映画ではないのか? ヘリコプターが1機しか出てこないうえ、壊さないで返すことになっているのか銃弾の一発すら当てず、血で汚したりもせず窓ガラスにヒビさえ入れず…。 アリ・ラーターがいくら売り出し中といったってまだまだB級だし、ミラ以外に目玉俳優を一切使わず、アンダーソン本人が監督もせず。ヒジョーにお粗末な作品じゃあないか。 Ⅰはそれなりに良かったとはいえ金がないならなぜ無理をしてⅢなど作る、アンダーソンよ。 見どころのアクションシーンはすべてスロモ仕様でその点ではⅠ以上にお粗末だし、ミラのワイヤーアクションがフワフワしてしまったり、とてもまともに見られぬ出来。 カルロスが仲間のために犠牲になる部分とて、最大の盛り上げ場だというのにあんまりにもあっさりしている。感染した仲間の件とて、ゾンビ映画のお約束のエピソードなのに全然盛り上がらない。 ゾンビを出すならばー、喰われた仲間の葛藤とか、やむを得ず仲間を見捨てる苦しみとか、土壇場で必然性のある自己犠牲とか、そういうのが見たいんだ。登場人物と一緒になって、悩みたいんだよ。 この作品には、お約束のファクターは盛り込まれているけど「死の恐怖」「生への執着」という決定的なマターがゼロに近いほど無視されているためホレ、これだけつまらない。金が無いならドラマに力を入れるしかないのに本当にお座なり。ああーアンダーソンよキミはどこへ行く。[DVD(字幕)] 3点(2008-07-18 15:22:35)(良:1票) 《改行有》

153.  リクルート 《ネタバレ》 パチーノが出ているというのにどうしてこう緊迫感が足りないのかと思った。(ゴッドファーザーの見すぎか) このお話では、パチーノが「悪者」であったことがはっきりした時点で観客は「衝撃」を受けなければいけないのだがそういう気持ちにはあまりならなかったのだった。そうすると、他に見るべきところも特にないのだった。なので見たことも忘れていた。 それと、死ぬ気で挑む訓練風景に、色恋を出すのはやっぱりウザいので訓練に集中して見せて欲しかった。あちらの男女っていつもいつも色目を使って異性を釣り上げるのに余念が無いけど疲れないのか?訓練中でもそちらに精を出すことは忘れないほど異性への欲求が強いとは恐れ入る。 サル顔のコリンはやっぱりダメだ。[DVD(字幕)] 5点(2006-07-30 23:13:38)(笑:1票) 《改行有》

154.  ストーリーテリング 《ネタバレ》 最初に「二度と見たくない」ことを表明いたしますが、どうしようもない駄作だからではありません、念のため。「ハピネス」でニヤニヤ笑うことも可能だった観客が、「凍りつく」。ううむ、これはなんなのじゃ、いったい。思いますに、「アメリカの3大タブーおよび先入観を破壊せよの巻」ではないのかなあ。3大「タブーおよび先入観」の1は、「障害者はめげずにがんばってまじめに生きているいいやつ」。障害者だからって、聖人じゃないんだ、性欲もあれば嫉妬もするし、人を都合良く使おうとしたりするんだよ、ベイビー。その2は、「黒人だからって、いいやつとは限らないぜ」。シリアルキラーを多く輩出するアングロサクソンも顔負けの変態もいるんだぜ、ベイビー。その3は、「子供だからって、純粋無垢であどけないとは限らないぜ」。これはいうまでもありませんね。トッドソロンズは、なんだかもう「アメリカの偽善」に疲れてキレてしまったかに見えるな。「王様の耳はロバの耳」って大声で言っちゃえ、みたいな。そんで「文句があんならどこがどう間違ってるかちゃんと言ってみろ」みたいな。3大タブーには入れませんでしたが、もちろん、「黒人の男が白人の女を無理やりやっちゃう」ってのも、欧米の映画では絶対の「タブー」でありましょう。(白人の男にとって、このことこそが、あってはならない何百年に渡る恐怖でしょう)このように「ご当地事情」を極東の日本にまで伝えてくれているトッドソロンズだが、すまないがこれだけはもう見ない。[ビデオ(字幕)] 5点(2006-01-08 01:07:11)(良:1票)

155.  スターゲイト 《ネタバレ》 すばらしい。エメリッヒは天才と認めましょう。自分の頭の中にしかないプロダクツを、映画につくって見せてくれるなんて。ありがとう。スターウォーズよりよっぽど面白いと本気で思う。 カートラッセルよい。どっからどうみても軍人。しびれる。[ビデオ(字幕)] 9点(2005-11-08 23:08:08)(笑:1票) 《改行有》

156.  ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女 《ネタバレ》 スカパーで、長尺を4話に分割してドラマ放送されたものを見ました。たぶん、内容は同じはずです。 …う~ん、正直言って、見なくても良かったかな。 見ても見なくても良かった、ではなく、見なくても良かった、かな。 この原作者のヒトはヘビースモーカーのうえ不健康な生活で若死にしましたが、なにか、そういう「無茶」な感じが、「お話」にも流れている…ように思いますね私は。 リアリティつーもんが、これっぽっちも、ないがな。 キャラクターの誰一人として、現実に居そうではない。 起こった出来事も、有り得なさ過ぎるうえ、必然性を感じさせるようなテクも別にない。 なんかこう、地に足が、ぜんぜん、着いとらん。 「突飛」すぎ…はっきりいって、誰に対してもシンパシーを感じないし、「こんな出来事が起こるかも!」「こんな出来事が本当にあったかも!」とも、1ミリたりとも思えない。 これは「女性を憎む男たち」にまつわる話ということになっていますけど、もうそれがその、「露骨」すぎるんだよなあ。当然のように近親相姦あり、当然のように連続レイプ殺人があり、エロいオヤジは当然のようにレイプする。リスベットは主人公とサッサと寝る。 目を背けたいシーンも、はっきりすっきり全部見せる。 なんか、あけすけなんだよなあ。 これが北欧流…ということなんでしょうか。もともとは海賊が住んでたような野蛮なとこ?ですし。よくわかりません。 全体的に、ショッキングな事件に対するタメが足りないし、事件の衝撃度に比べて関係者のリアクションも足りない。 私はこういうのって、どうも拒否反応が出ちゃってダメですね。 1話ものと割り切った使い捨ての犯罪ドラマなら、なんでもなくスルーするところですが、れっきとした原作者つきの大作しかも3部作でしょう。それでコレなのか。 「好きじゃない」だけでなく「ダメである」と思う。 3部作の第2~3作目も放送予定ですが、私はもういいや。[CS・衛星(字幕)] 3点(2011-02-27 23:13:39)(良:1票) 《改行有》

157.  ショーン・オブ・ザ・デッド 《ネタバレ》 最初のほうほど見ごたえがあって、最後に行くほどダメになる、残念な感じがした。 自宅を脱出するまでは、小気味良く丁寧な描写がつづく。チラチラと現れる異変を日常と織り交ぜながら巧妙に描くあたりは、とてもうまい。 が、逃避行に入ってからは、エキストラ(ゾンビ)を整理しつつアクション込みのロケをしながらストーリーを進めるだけでせいいっぱい、という感じがする。これも低予算でスタッフの数が限られていることからくる限界なのだろうなあ。 後半がドタバタに終わってしまったのがつくづく惜しまれる。 ショーンをデキの悪いブルース・ウィリスに見立てて、ハチマキをしめさせているところもおもしろい。エドみたいな、人をおちょくったキャラを愛すべきキャラとして大事に扱うのも、ヨーロッパならではの大人の感覚ということでしょうか。(アメリカだったらすぐ死ぬ系のキャラですね)といっても私はエドみたいなヤツはそばに来ないでほしいほうだけどさ。[DVD(字幕)] 7点(2006-11-15 17:59:40)(良:1票) 《改行有》

158.  25時(2002) 《ネタバレ》 悪くない。 スパイク・リーを見たのは久しぶりだったけど、期待をはずさない出来だと思う。 明日は楽しい収監日。さあ何をして過ごそうか?というシンプルな話なんだけど、「逃げる」か「自殺する」か「出頭する」かの3つの選択枝の中から、モンティがどれを選ぶか。1番と2番は無いよね、というのは映画の雰囲気からして見るほうはなんとなく分かっているわけだ。じゃあ当然「出頭する」しかないんだけどそうやってそこまでもっていくのか?というツカミで引っ張るわけだ。そして、「チクったのはいったい誰?」。「収監される」というだけで、死刑囚にでもなったかのように、おおげさに苦しむモンティと周囲の人たちに、「??たったの7年でしょ?」と思うわけだが。彼らの認識では刑務所の中は「アメリカンヒストリーX」のような状態になっているらしいのだった。(なぜかこちらもノートンだ) 鏡のシーン、ラスト近くの妄想シーンは他の作品と一線を画すのに効を奏している。 最終的にモンティは己の浅はかさを悔い、友人たちは、モンティに苦言を呈しなかったことを悔いる。 そしてモンティは年貢の納め時を受け入れる。のだが例の妄想シーンの間中、「??これは夢?現実?」と観客を迷わせて技を見せる。「存在しなかった未来」を見せることによって、モンティが諦めたものの重さを示して秀逸だ。 鏡のシーンも異色だった。ニューヨークはアメリカじゃない、と言っていたのは誰だったか忘れたけど、そう、ニューヨークのように人種と文化が混在している都市は人類の歴史から見たら奇形なんだと思う。 たぶん人間の神経には、己と異なる文化を容認する許容量があるのだ。コップの水のように。花粉症の発生点のように。 スパイク・リーもそのことを言いたかったのだが、同時にそれがモンティを免罪するわけではなく、「(自分と異なっているから)おまえらみんな大嫌いだ」と言ったら当然相手も同じ事を思っている、という事実をつきつける。 見る価値はある。 [DVD(字幕)] 8点(2006-08-19 22:58:37)(良:1票) 《改行有》

159.  LOFT ロフト(2005) 《ネタバレ》 黒いワンピースを着て、ダラリと腕をたらした髪の長い女。怖い…と思う前に、「あっ安達祐実じゃん」。 台無し。 や、台無しの理由はそれだけでもないのだが、やっぱりこれに尽きるなあ。 なぜここに安達を使うかなあ。ダメじゃん。まあ、あんまり怖がらせよう、と思ってないってことだな。 全編通じて、セリフが聞き取りづらく、トヨエツなどは何を言っているかわからない。ヘッドフォンを装着して、聞きなおしてみる。重要なセリフを、小さな声でつぶやいていた。こんなことでいいのか。 邦画の苦手なところは、字幕がないので聴覚に集中しなければならないところ。舞台じゃないんだから、全部の日本語が聞き取れるとは限らん。字幕つけてくれないかなあ(私は聴覚より視覚が優性なので)。 中谷美紀。ほとんど浅野温子のコピーと化してきた。花柄のノースリーブを着て、髪の毛ワンレン(死語か)でさあ。しかし、私は浅野に比べたら彼女が結構好き。 中谷は、なんていうか、男に媚びないことを全身で表現している。まあそれが、突如発生させられたトヨエツとの純愛にそぐわないわけでもあるが。 いつもながら西島のセリフまわしの異様さには驚く。「大奥」でもヘンだったが、最初っから「怪しいものです」と主張しているかのようだ。西島一人が、何を言っているかはっきりききとれるという、ヘンさだ。しかも、セリフが全部キザである。脚本も書いたのだから、黒沢というのは、自分でもこういう会話をするのだろうか。だとしたら、かなりブキミな男性だ。会話はしたくないなあ。 この映画はさ、話がどうとかもうくだらないので、「都会の喧騒を離れてひなびた洋館で孤独を楽しむ妙齢のインテリ美女と、その周辺のヘンな男たち」を鑑賞するつもりになったほうが、楽しめる。あなたが女性なら、「長い休み」をとって、田舎にこもったつもりにでもなってみる。 実際、洋館のインテリアとか今風のユーズド感がとても味あるし、中谷はキレイだし、自然は美しいし、余計な人間があんまり出てこないし。たぶん、田舎に住んでる人が見たら、あんまり面白くないだろう。人はいつも、無いものを求める。 あと、トヨエツの足の長さを再確認できる。 それにしても、鈴木砂羽はいつでもどこでも「お友達キャラ」が定着。役には困らなくても、この先どうするのか。これでいいのか。[DVD(邦画)] 5点(2007-06-12 12:46:03)(良:1票) 《改行有》

160.  東京裁判 《ネタバレ》 点をつける作品じゃないけど。事実のみだし。私も母親と見に行きました。パンフの原題をいっしょうけんめい暗記しました。もう忘れた。思い出した。Military Tribunal For the Far Eastだったな。パンフには、俳優さんのごとくひとりひとりの顔写真および経歴アンド判決と受刑内容まで盛り込まれ、豪華であった。あのころは、子供が元気で学校行くだけで親は満足じゃなくて、さらなる教養をつけてやろうなどということを考える余裕があったように思うなあ。なんか他の方も親と行ってたりするみたいだし。東條が頭ポコンてやられるの、実際に見るとすごいよね。「げげー。実物ー」。ひたすら本で読むのみの「戦争」の実物が目の前に。このころ何を思ったか「大日本帝国」も見に行ったな。ウルトラマンタロウと夏目雅子が出てた。映画「東京裁判」にソ連と司法取引したとかしないとか近頃疑惑の瀬島龍三が出ていたかどうかわからず。もし出てたら、「あー、このとき妻子と会わせてもらってたわけね」なんていう臨場感もありだな。今これを子供に見せる親なんているのかな。戦後は遠くなりにけり。2000年近くも親から子へと怨念をつないで行ったユダヤ人とはなんたる違いか、単に宗教のある無しか。映像は100冊の本より雄弁。[映画館(字幕)] 10点(2005-12-25 22:09:02)(良:1票)


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