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プロフィール
コメント数 646
性別 女性
自己紹介 2006年のレビュー本数4本ってあんまりですわね。
2005年には「姑獲鳥の夏」まで見ていたクセに。
ってこういう使い方やっぱ邪道ですよね。来年こそは。

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評価順1234567891011

161.  エレファント・マン 単なるキワモノ趣味だと思うんだけどなあ。アン・バンクロフトが絡んで話がややこしくなりましたね。実在した伝説の奇形児を、さも人間万歳みたいなオブラートでくるんで美しく描いてしまいましたが、実際に観に行った人の何割が人間の尊厳や心の美しさみたいな感想を抱いて帰ったか、ちょっと自信がないです。「すげーヘンなのがいた。しかも実話だ。」っていうニオイしか伝わって来ないんですよね。狼に育てられた子がいたぞ、そいつぁ珍しいや、って飛びつく人たちがぞろぞろ観に行く映画なんじゃないでしょうか。ジョン・メリックは可哀相で、ラストも涙をそそるモノでしたが、やっぱり監督がデビッド・リンチで、前に「イレイザーヘッド」を撮った人なんだ、っていう先入観が強すぎて、どうしてもキワモノ趣味としか受け止められませんでした。私自身、身体障害者に対する偏見や差別意識は極めて低い方だと思うんですがね。こういう不幸な人を、見世物小屋でお金を払って見るというのが人間のやって来た現実なんだ、という意味では存在価値がないとは思いませんが、この映画をお金を払って観に行く私たちと、見世物小屋に集まった人たちの違いがどうしても説明できないんです。そういう意味では、非常に後味の悪い映画でしたね。4点(2003-12-09 00:16:53)(良:1票)

162.  ジョニーは戦場へ行った ダルトン・トランボについては既に多くの方が語っておられるので私ごときに付け足せるものは何もない。この映画について言えることは、とにかく他のどんな「傑作」と比べても、一度は必ず観ておくべき作品であること。私は25年前にこれを観た。そして、それから25年間、この映画に出会えたことを感謝しない日はないし、もう1度この映画を観たいと思ったこともない。2度3度、繰り返してこの映画を観られる人は、人なみ外れた強靭な精神力の持ち主だろう。少なくとも私自身に関しては、もう2度とこの映画を直視できる勇気がない。それほどこの映画の放つメッセージは痛烈であり、はっきりとした胸の「痛み」として突き刺さって来る。これまで何度も、イヤというほど「衝撃の」という宣伝文句を聞かされて来たが、どの衝撃もこの映画に比べれば蚊に刺された程度のものでしかない。阪神淡路大震災の死者が6千人。911テロの犠牲者が3千人。その1人1人に家族があり思い出や将来の夢があり、顔を見たかったわが子や孫があり、あらゆる人生にかけがえのない重さがあることを、この映画は必死で私たちに訴えかけて来る。数多くの作品を残す機会に恵まれなかったトランボは、残り少ない人生の中でそれほど沢山の映画が作れるわけではないことを承知の上でこの作品を撮った。彼がその人生の中で語りたかったことを全て、余すことなく描き切りたかったその情熱が、この映画には凝縮された怨念のようにきっちりと封じ込まれている。ジョニーは銃を取った。それが別の時代、別の国なら、あなたも私もみんな、顔もない、名前もない、黙って死んで行くしかない「死者ン千人」の1人だったかも知れない。【追記】かくして25年間1度もリピートしていないので記憶が定かでないのですが、最後のモールス信号は「SOS HELP ME」ではなかったですか?字幕ではそう出ていたように思うのですが。実際には「KILL ME」だったとか? 10点(2003-12-14 18:49:13)(良:1票)

163.  宇宙戦争(2005) アホ映画だと思いますけど・・・あまりにもお金がかかっているので、普通のアホ映画のように手放しで応援できないようなところがあります。いわゆる大作系であっという間に津波に飲まれちゃったりしている群集みたいな、ああいう人たちをリアルに描いたという点では確かに新しいのでしょうが、描きたいモノがもっとキッチュで下品であるべきモノなのに、やけにゴージャスなので違和感ありすぎ。五つ星レストランのシェフに焼き鳥を焼いてもらってるみたいな居心地の悪さというんでしょうか。要するに「宇宙人が攻めて来たぞ~」という話なわけで、もっとオモチャで安っぽいノリだったら素直に乗れる内容だと思うんですよね。ダコタ・ファニングはめちゃめちゃ可愛いし、トム・クルーズも意外と普通のお父さん路線をうまくこなしてますが、話を伸ばすためだけに出て来るティム・ロビンスとか、ほとんど小道具同然のお兄ちゃんとか、半端に膨らませるぐらいならベタベタで突っ走ればいいのに、という感じでした。そしてスクリーンサイズは案の定、どうしてもやっぱりビスタです。わざわざ映画館で見るほどの映画ではないですが、テレビで見るには豪華すぎます。やっぱりわたしは焼き鳥食うなら貧乏屋台で食べたいです。[映画館(字幕)] 5点(2005-07-26 01:29:38)(良:1票)

164.  ユージュアル・サスペクツ 《ネタバレ》 一発芸としては極めて高く評価できるのだが、リピート鑑賞には堪えなかった。しかもオチがあると予め知っていたら特に驚くほどのオチでもなかった。ケビン・スペイシーは上手いとは思うが、オスカーを獲るほどの素晴らしさは感じられなかったし、アイデアは買うけど映画としてどうこうと言える出来ではないように思う。あくまでも映画であってテレビドラマではない以上、2度目、3度目でも楽しめるかどうかが評価の分かれ目。1回だけ観るなら良いと思いますが・・・4点(2003-11-29 14:36:31)(良:1票)

165.  ターミナル トム・ハンクスはコメディアンであると信じる立場から、本来の彼の持ち味が生かされたコメディ作品は嬉しい。問題は1000人もの観客と同じスクリーンを見ているはずなのにゲラゲラ笑い続けていたのが私一人であったこと。この寂しさはいったい何なんだ。 トム・ハンクスだから、スピルバーグだからと言って大箱でいかにも感動系なコピーをつけて売らなければならないという事情もわからなくはない。だからと言ってクスリとも笑わずに深刻ぶってスクリーンを見つめ、とってつけたようなラストでは涙まで流す観客の異様なまでの主体性の無さに愕然とした。人々は映画に対する感想まで誰かに教えてもらわなければならなくなってしまったんだろうか。自分の頭でモノを考えていれば、この程度の「感動話」に泣ける方がどうかしている。 もはや「大作」にしか出演を許されなくなってしまったトム・ハンクスと、「大作」しか手がけられなくなってしまったスピルバーグにとって、果たしてこの選択が正しかったのかどうかは疑問。これは低予算で低スケールで、地味に撮って味の出るストーリーだったと思うし、泣く泣く大作に仕立てた割には頑張っていると思うのだけれど客寄せパンダのキャサリン・ゼタ=ジョーンズは蛇足だったし主人公がNYへ行きたい理由も実際そんなに必要ではなかった。ただ飛行場から出て行かない主人公というシチュエーションだけが重要だったのであって、優れたアイデアだっただけに潤沢すぎる予算は却って邪魔になってしまった。売れすぎた才能の行き場の無いエネルギーという皮肉。ついにスキンヘッドになってしまったスタンリー・トゥッチの熱演に敬意を表して7点。返す返すも惜しい作品ではある。「トゥルーマン・ショー」にとても似ていると感じたのは私だけだろうか。7点(2005-01-02 00:18:35)(良:1票) 《改行有》

166.  コントロール(2004) レイ・リオッタ、ウィレム・デフォーというまさに異色の顔合わせでもわかるように、派手さはないが手堅い作りでまさに秀作という表現がふさわしい作品。更正の見込みのない正真正銘の社会病質者にレイ・リオッタ、彼を実験台にして精神をコントロールする新薬を完成させようとする科学者役にウィレム・デフォー。マッド・サイエンティスト物の流れを汲んでいながら、狂っているのがどちらなのか微妙に悟らせないキャスティングが効果を上げている。スケール感を見誤らず、シンプルな構成でタイトに見せる作りは好感度大。この手の作品は流行り過ぎてしまいもはや何が来てもさほどの目新しさはないのだが、心理劇としてもミステリとしてもそれなりの水準は満たしているし、この顔ぶれ・このストーリーに賭ける期待に値するものはきっちり返して来る。いろんな意味でブレの少ない、やるべきことをきっちりやった映画だと思います。お勧め出来ます。9点(2005-03-27 02:56:27)(良:1票)

167.  ブロークン・アロー とにかく冒頭でクレジットタイトルの微妙に小さい赤い文字がダサすぎて私は引いた。クレジットだけでこんなに観る気を失わせる作品って滅多にないと思う。予告編とクレジットは普通どんな映画でも面白そうなものなのだが。全体の印象としてとにかく作りが雑。何故か砂煙をバックにいつもスローモーションで登場するジョン・トラボルタも暑苦しい。せっかくなので大きめのスクリーンを選んだのに、爆発しても爆発してもちっとも迫力がない。クリスチャン・スレイターは初のビッグバジェットで肩の力入りまくり、結果思いっきり空回っている。滅多にないほど華のないサマンサ・マシスは途中意味不明に列車からぶら下がったりしているし、殺される端役は必ずアップになってから撃たれるし、とにかくひたすら早く終わることだけを祈っていたような記憶がある。あと15分、トラックで逃げても被爆は免れないだろうと日本人なら誰でも知っている核爆弾に対するハリウッドの認識の甘さも痛い。チョウチョ飛んでるし。あらゆる意味で空振っている映画。ジョン・トラボルタの煙草の持ち方に1点。1点(2004-01-17 23:58:00)(笑:1票)

168.  フォーガットン ある程度柔軟性を求められる映画だと思うがこういう世界にファイト一発で乗れる人ならそこそこ時間潰しにはなると思う。やはり特筆すべきはこういう映画にジュリアン・ムーアやゲイリー・シニーズ、アルフレ・ウッダードといった濃いメンバーを放り込んだことであって、異種格闘技的な醍醐味は充分。スター隠し芸大会だと思って楽しむのが一番だが、ジャンルを見誤ったり乗り遅れてしまうと後半はかなり辛い展開となるだろう。要するに豪華メンバーが正月の企画番組でXファイルごっこをやってると思えばこんなに楽しい企画モノはない。はっきり言って久しぶりの真性立ちくらみ系作品だと思うが、個人的にはこういう現場が楽しそうな映画は大好きだ。ビデオで見たらサラッと見流してしまいがちな映画ではあるので、どうせなら踊る阿呆として当日券払って劇場で立ちくらみたい。しかしジュリアン・ムーアはそれなりに老けた。15年前のメリル・ストリープぐらいの力量は充分ある女優だと思うのだが、この人のある種ふっきれた芸人根性にはひたすら感服するばかり。だからこそこういう映画がスゴくなっちゃうんだけど。[映画館(字幕)] 7点(2005-06-12 19:43:59)(笑:1票)

169.  うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー 原作やテレビシリーズ等で既に多くの人々にイメージづけられた個性的なキャラクター達それぞれに、役柄に見合った役をきちんと割り振り、それらがこの映画のために用意されたストーリーの中でその魅力を最大限に示すことができたという点で、正しく原作を消化し、脚色し、自らの世界観に引き込んで新しく再構築するというあまり成功例のない試みに勝利した人物として、特にアニメに関心のない私のような観客にとっても、押井守の名は長く記憶に残り続けた。たとえば生徒をどやしつけながら、今日が何月の何日なのかとうわごとのように言い続ける温泉マーク。あざやかな推理で友引町に起きた奇妙な現象の謎解きをするサクラ。そして宇宙人ならではの素朴さで、自らの夢を楽しげに語るラム。不毛な笑いが売り物のドタバタコメディマンガを原作に、ここまでそれぞれのキャラクターの持ち味を活かしたまま、独特の世界観にまで物語を昇華させた手腕は実に見事というより他にない。「アニメなんて・・・」と抵抗を持つ、実写こそ映画の素晴らしさの一つであると信じて疑わない、私もその一人である。日頃アニメに関心のない人々にこそ、この作品は滅多に観られない傑作の一つとして、是非トライしてみて戴きたいと思う。10点(2003-12-08 22:33:21)(良:1票)

170.  王様と私(1956) 歌い踊るユル・ブリンナーというものをハナから期待しておらず、「ウェストワールド」と「SF最後の巨人」を観たついでにと借りて来たらあの眼光鋭いユル・ブリンナーがマントをひるがえして踊っておられた。ああびっくりした。実はこの映画の原作となった舞台劇こそ無名だった彼の出世作であり、ガンで亡くなる一ヶ月前までこの役を演じ続けたという、文字通りのライフワークであったことを知ったのは後の話。当時はSFや時代劇でエキセントリックな悪役を演じている彼しか知らず、なんで彼がミュージカルなんかを、と仰天したのを覚えている。こっちが本業だったんですね。原作者のマーガレット・ランドンは、アンナ・レオノウェルズ本人の自伝を元にこの小説を書き上げたそうだが、そもそもこの自伝というのが身の上話からすでに嘘八百の自慢話にすぎなかったという説もあり、それを小説化したランドン自身もタイ王国を訪れたことがあったかどうかは疑わしい。仮に現地を訪問していたとしても作品の舞台となった1862年のタイ王国は既になく、映画の中に当時のタイの風景を再現することはほとんど不可能だったに違いない。そういう意味では、この作品は50年代当時のアメリカ人の東洋観を投影しているという点で非常に興味深い。実際、都市部を除いたほとんどのアメリカの片田舎の人々にとって東洋人なんて見たこともなく、タイを訪れるなんて夢のまた夢だった時代に、ちょっと個性的な顔立ちのユル・ブリンナーはまさに東洋一美しいと言われるタイ国の国王にふさわしい風貌だったのだろうし、セットや小道具、彼らの身につける衣装はアメリカ人の想像するオリエンタリズムそのものだったのだろうと思う。今なお再演が繰り返されていることからも、この作品のミュージカルとしての完成度の高さはお墨付きだが、実際のタイ国の考証がどうだとか言うよりは、「へぇ~アメリカ人から見た東洋ってこんななんだ」と別の面からも楽しめる、1粒で2度おいしい作品と言えるかも知れない。本物のタイの風物詩を楽しみたい方には、リメイク版「アンナと王様」の方をお勧めする。7点(2003-12-09 23:24:04)(良:1票)

171.  あなたのために なにげない面白つまんなさで次々見せてしまう手腕にうっかり巻き込まれてしまいました。ストーリーは本当にコレでいいのか、というほど安直かつ不条理な展開なのに、「可愛いから」というだけの理由で最後まで見せてしまうナタリー・ポートマンってやっぱり異常に可愛いんだと思う。いつまでたっても小学生並みの演技力なのに、生き残ってるだけの理由はある。ストッカード・チャニングやアシュレイ・ジャッドなど、脇役陣の器用さが横スベりしてないところは演出家の手腕ですね。見終わっても、見返しても、何度観ても「本当にコレでいいのか」って話なんだけど、かもし出してる雰囲気だけで逃げ切れてしまっているある意味スゴい映画だと思います。うーん、でも本当にコレでいいのか???7点(2003-12-28 13:04:42)(笑:1票)

172.  マーズ・アタック! ある土曜日の朝、昼まで眠りこけてボ~ッとしたままTVをつけたらスターチャンネルでこの映画をやっていて、何やら人だかりの中で宇宙船から宇宙人が降りて来たところだった。一瞬、ついに自分の頭がおかしくなってしまったのかと思い、他のチャンネルでもこの同じ現場を放送してたらどうしようと思うとチャンネルが変えられなくなってしまい、そのまま画面に釘付けになって固まっていた。映画だと気づくまでの数分間が、非常に長く感じられた瞬間であった。8点(2003-12-18 01:25:58)(笑:1票)

173.  エントラップメント 「キャサリン・ゼタ・ジョーンズはカラダが柔らかい」っていう映画ですよね?でも芸になってるからいいじゃん。と思った私は寛容すぎ?だってやっぱりカラダは固いより柔らかい方がいいですよ。それだけで6点あげちゃう私もどうかと思うが。6点(2003-12-14 04:01:58)(笑:1票)

174.  知らなすぎた男 もちろんビル・マーレーが良いのはあったりまえなんだけど、この作品では特にピーター・ギャラガーの存在を思いっきり誉めてあげたいですね。この人って普通にハンサムボーイでも十分通用するルックスのはずなのに、敢えてダメ男系にものすごく真剣なところが素敵です。この作品でもビル・マーレーを露骨に邪魔にするエリート銀行員の弟役なんだけど、後半はステキに巻き込まれてロシアン・マフィアにボロボロにされています。そういうボロボロの一生懸命さが、決してコメディをナメない彼の一途な役者魂を感じさせてくれて泣かされます。私はこういう巻き込まれ型の不毛なコメディってものすごく好きなので、冒頭、イギリスの入国審査官を相手にマーレーがボケの大連発かますあたりから、後半のロシアン・ダンスまで非常に快調にげらげら笑い続けました。コメディ駄目な人は全然駄目でしょう。「シャイニング」のパロディシーンではちゃんと「Here's Johnny!」と言っているのに字幕は「お待たせ!」だったのでおそらく日本語字幕もあまり期待はできないでしょう。細かいところに映画ネタ山ほど詰まってます。ちゃんとパロディになってます。この映画を愛するためにはある程度ビル・マーレーへの愛情が要求されます。あるのはビル・マーレーの激しい空回りに次ぐ空回り、どこまでもツッコミようのない一人ボケ。それを支えるピーター・ギャラガーの共倒れぶり。のっけから最高にセンス良いフォービートの選曲、オープニングタイトルの素晴らしい出来栄え、真剣にコメディをやろうと思うこの姿勢が素晴らしいです。私はコメディが好き。10点(2004-03-09 23:20:55)(良:1票)

175.  JFK 渾身の、という表現がこれほどふさわしい作品もないでしょうね。オリバー・ストーンは文字通り命賭けでこの映画を撮った。というよりむしろ、この映画を撮るためにあらゆることをやってここまで這い上がって来た。JFK暗殺でアメリカが何を失ったのか、その全てがここにある。1度でもこの映画を真剣に見たことのある人なら、マイケル・ムーアの何が甘いかわかるだろう。Rolling Stonesが「Sympathy For The Devil」の中で歌う、「Who killed the Kennedys? When after all, It was you and me.」の意味がわかるだろう。ブッシュは再選し、テロとの戦いは続く。大統領が殺されてしまう国で、人々にいったい何が出来るのか。誰も死にたくはない。あなたも私も、出来れば死にたくはない。「これは正義の問題ではなく、システムの問題なんだ」。そのシステムが一握りの正義を殺すことによって、この国は生き延びて来た。あなたも私も、その恩恵に与って来た。あなたも私も、心では戦争に反対しているが、湯水のように電気を使い、石油化学製品に囲まれ、温室で育てられた、空輸された野菜を食べて、1人1台が携帯を持ち5人に1人が大学に行けるこの生活を続けることで全員が戦争に参加している。11月22日、アメリカの正義が死んだ日が、今年もまたやって来る。9点(2003-11-29 02:45:17)(良:1票)

176.  奇跡の人(1962) 先に79年のメリッサ・ギルバート版を観ていたので「つまんなかったらどうしよ~」と要らぬ心配をしてしまいましたが、まったく比較の対象にするのもおこがましいほど素晴らしい出来でした。これまで数え切れないほどの「天才子役」を紹介されて来ましたが、天才というのは本当はパティ・デュークのような人にしか言ってはいけないことだったんですね。彼女のヘレン・ケラーがこれほどまでに語り継がれていることに心の底から納得できました。本当は目が見えるんですよ、って言われたらちょっと驚くぐらいの本物っぽさで。舞台出身のアーサー・ペンらしく、長回しも多く非常に演技力を問われる作品なんですが、有名な食事の特訓シーンなど、観ているこちらまでヘトヘトになってしまうすさまじさでした。アン・バンクロフトも女優然としてなくて良いですね。いかにも根性ありそうな、当たり役だったと思います。語り尽くされた感のある物語で、何を今さら、という感じはするかも知れませんが、百聞は一見にしかずと言いますので、まだご覧になってない方は是非観てみて戴きたいです。泣けますよ。9点(2003-12-13 00:37:21)(良:1票)

177.  ドーン・オブ・ザ・デッド いろいろな意味で旧作への「愛」、そして四半世紀後の今、再映画化するにあたって、単に旧作の焼き直しにとどまらない「心意気」を感じる作品。ガラッと変わったストーリー展開の中にあっても旧作のモチーフが随所に散りばめられ、その精神性は正しく引き継がれたと思う。リメイクというよりはオマージュに近い内容だが、「人はそれでも生きることを諦めない」という最大のメッセージは強烈に生かされている。看護婦、セールスマン、警備員・・・実に普通の、決して特殊な能力に長けたトップエリートではない彼ら生存者が、「生」へのエゴをぶつけ合いながらも次第にお互いの個性を認め合って一つのチームに成長していく姿の中に、アメリカ社会が最も重んじるグループ・ダイナミクスの妙が見える。時にシニカルに、時にエゴイスティックに、しかし断固として「生」への執着を捨てない一握りのアンチ・ヒーローたちは、絶望的な篭城の果てに英知を駆使して脱出に一縷の望みを賭ける。スタイリッシュな映像、軽快なプロット、完璧な楽曲選択。非現実的な設定の中で、無名ながらあまりにも魅力的な登場人物たちが織り成すリアルな人間模様。ホラーを愛し、ホラーで遊ぶという旧作の精神そのままに、死者と生者を分かつ物という深遠なテーマをとことん遊び倒した本作の精神は、映画という芸術において特にホラー映画が担って来た「娯楽とは何か」という本質的な問いかけに対する率直な答えでもある。 【DVD版を見た後の追記】シーンが追加された分、劇場公開版にあったキレの良さが多少損なわれた印象。でもCJの見せ場が増えたのは嬉しいです。10点(2004-05-16 05:00:58)(良:1票)

178.  蒲田行進曲 邦画はあまり詳しい方ではないのだが、この映画は私の観たことのある邦画の中では文句なくベスト1。売れなくなって、男にも捨てられた元トップ女優。看板スターの座に必死でしがみつこうともがきながらも、ジワジワと人気が落ちて行く男。万年大部屋で、優しいだけが取り得の貧乏役者。それぞれが純粋に、だがどこまでもマゾヒスティックに、傷つけたり傷つけられたりを繰り返しながら不思議な愛情で結ばれている。銀ちゃんのスターの座をかけた新作映画「新撰組」の池田屋階段落ち。いくらなんでも、あんなにバカ高くなくたっていいだろうと誰もがあんぐり口をあける巨大な階段。「新撰組」を成功させるためには、そして銀ちゃんをスターの座に返り咲かせるためには、誰かがその階段からまっ逆さまに転げ落ちる役を演じなければならない。妊娠した愛人・小夏を押し付けられて、憧れのスターと結婚できたと無邪気に喜ぶ大部屋役者ヤスは、銀ちゃんへの恩返しのためにと命がけでその階段落ちに挑む。観れば観るほど「バカじゃないの?」としか思えない三人三様の大バカぶりは、義理人情のために命を捨てて来た大和魂の新しい形。映画のためなら人の命さえ犠牲にする活動屋魂、スターであり続けるために愛人の人生を踏みつけて恥じない名声バカのスター魂。愛する男のためにイヤイヤ大部屋役者と結婚したものの、いつの間にか夫に尽くしてしまう女の悲しい性。あり得ないぐらいバカに突っ走る登場人物たちの姿に、日本人ならではの悲しい純情をアイロニカルに綴った作品。何度観たか知れない、ヤスが人吉の母親の元へ小夏を連れて「凱旋」するシーンでは、今でも観るたびに涙がこぼれてしまう。おバカで一生懸命なのって不思議に楽しい、そう思わせてくれる日本映画の傑作である。10点(2003-12-11 23:42:55)(良:1票)

179.  めぐりあう時間たち 《ネタバレ》 雰囲気一発、観ている間はなかなか楽しめるのだが結局何が言いたいのかわからない映画。いいでしょう?いい感じでしょう?いい雰囲気でしょう?とたたみかけて来られるうっとうしさはぬぐい切れない。それが狙いなのはわかるのだが、そもそも暑苦しいメリル・ストリープにあんな暑苦しい役で飛ばされたんでは参りましたとしか言い様がない。エド・ハリス、クレア・デインズの存在感は非常に良かったですが。単に「レズって辛いよね」と言いたいだけならわざわざこんな大仕掛けにする必要もなかったのでは。完成度は高いと思うけど、個人的にフィーリングが合わなかったようです。5点(2003-11-22 16:35:07)(良:1票)

180.  レジェンド・オブ・メキシコ/デスペラード どうなんでしょう。例によって前作を観ずに「2」だけを観るというものすごく邪道な観方をしてしまっている私の意見があまり参考になるとは思えないのですが、正直、期待したものはしっかりある映画でしたヨ。どういうものを期待するかというのは本来「1」によって培われるモノじゃないかと思うので、ここのところが微妙にズレてるかも知れないんですが。何事も徹底的であって欲しい、と願う立場から、このぐらい徹底的におバカでク~ル、笑っちゃうほどのカッコ良さ、中途半端にやったらもう鳥肌モノだと思うんですが、明らかに確信犯で超本気だから安心して笑ってられます。ある意味「オースティン・パワーズ」と同じベクトルです。笑うつもりが全然なくて、本気で心酔したいと思ってる人とかが観たら、うっかり寒い内容ではあると思います。要するに映画に何を求めるかという立場によって印象が大きく変わる作品ではないかと思いますが、キネマの世界を愛し尽くしたおバカな活動屋たちが目に涙をためて嬉しそうに作っている雰囲気がプンプンして、バカな私は大いに笑いころげながらもこのアホらしさ、脱力感がやけに病みつきになってしまう。なんだかんだと後半はちゃんとクーデターになっているし、仕立てはかなり戦争映画でした。どう見ても007のパロディというか冗談にしか見えないギターケースの秘密兵器とか、思いっきりオスカーのノミネートと日本公開を重ねて来たのもわざとかと疑いたくなるジョニデの怪進撃とか、撃たれた人が(どんな端役でも)ちゃんと数メートル以上は派手にふっ飛ぶ無駄な律儀さとか、どこを取っても「・・・ステキ。」という感想がぴったりな作品でした。おバカに乗り切れる自信のない方、シャレっけに理解のない方には全然おすすめしません。アホ映画だと思います。偶然かも知れませんがブシェミ監督の「アニマル・ファクトリー」とほとんどキャストが一緒のような気がするんですが、彼らは一座でも始めたんでしょうか?(笑)10点(2004-02-14 09:57:41)(良:1票)


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