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【製作年 : 1960年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
1. 穴(1960) 《ネタバレ》 フランスの刑務所では、食事を部屋で取るようになっているのをはじめて知った。エンドロールの時以外、最初から最後まで、音楽無しで通したことが、仕事の音を際立たせる効果を生んでいた。自分もあたかも仲間の一人になったかのように、物音の大きさにひやひやしていた。当然の選択(自分ならば得られた情報から間違いなく同じ選択をする。つまり、出るにしても、追われる身のままか正々堂々かの二者択一)がなされているにもかかわらず、そうとは思わせず、肺腑をえぐられたような気にさせるのが作り手の腕であり、素晴らしいところである。なお、掘りガラについては、床と地下室の間が空洞になっているという設定なので、そこに落とせば処理できると解釈した。9点(2004-05-17 12:32:13) 2. アルジェの戦い つねひごろ、映画は娯楽だと思っている私だが、この作品ばかりは、娯楽性は皆無に近いのに、傑作以外に評する言葉が出てこない。映画という表現形式のもつ可能性を限界まで使いきっているのではないだろうか。淡々と個々の場面が進んでいくのに、とにかく凄く、熱い。いったいどういう種類の涙なのか自分でもよく整理がつかないが、観終わると涙が出ているのに気づく。10点(2004-04-21 11:43:10)(良:1票) 3. 明日に向って撃て! 冒頭「これは実話に近い物語である」と訳された英語フレーズだけの場面がある。男の主人公二人の役柄は確たる根拠はないが実話に近いのだろうと感じる。では実話に近くないのは一体何か。私はエッタの役柄だと思う。整理してみるとこの作品の時代背景の19世紀の女性とは思えない。学校の先生という職業をもっており、どうやら一人住暮らしできるほどには経済力があって、外国語であるスペイン語をしゃべることができる26歳の独身女性として描かれている。すなわち今の言葉でいえば、キャリアウーマンであり、自立した女性である。そう考えるとサンダンスとベッドを共にしたその朝にブッチと自転車遊びをしていいムードになってしまうほど奔放なのも、結婚とかを言い出さずにボリビア行きを即決するのも、また、行く先見込みが無いと悟ればあっさりと男を捨てられるのもエッタが男に依存しなくても生きられる現代女性の象徴とみればすべてが腑に落ちるのである。まったく手強い映画だ。(以下2004/3/7追記)エッタ以外のことも少し。この作品がわれわれの心をうつのは、平家物語だから。おごれるものは久しからず。二人はどうみても「落武者」です。壇の浦が現代まで日本人の間で語り継がれてきたように、このラストシーンも、映画ファンの間でずっと語り継がれていくことでしょう。9点(2004-03-07 09:54:21) 4. アラベスク 恥ずかしながら昨日のNHK衛星で初見。あまりにハード・ボイルドな展開のため登場人物の関係が把握しづらいが、それでも娯楽スパイ物としては007と同等かそれ以上の面白さ。ビデオを借りて細かいところを見直してみたくなった。「北北西に進路を取れ」のとうもろこし畑に対抗したのではと思わせる麦畑の逃走シーンが美しい。8点(2004-01-15 08:21:04) 5. アパートの鍵貸します これは落語に通じる。笑って泣かせる最高の人情噺。今まで何度も観たが飽きない。この先も繰り返し観るだろう。10点(2003-12-10 22:37:59)
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