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【製作年 : 1990年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
1. アダムス・ファミリー2 確かにあのサマーキャンプは悪夢だとしか言いようがないですね。虫唾が走ります。ウェンズデーを見ていると、12歳位の頃の自分を思い出します。7点(2004-09-04 18:39:50)(良:1票) 2. 赤い薔薇ソースの伝説 情熱だとか官能だとかはきっと、抑圧されることから生まれる。慣習でも社会的通念でも価値観でも強迫観念でも何でもいい、大なり小なりそこにある何らかの制約に抵触する禁忌を観念的に破る行為そのものが情熱で、その状態変化の一形態もしくは性的な形での発露が官能なのかも知れない。終始暗色の赤が練り込まれた画面。生々しく狡猾、それでいてラフで無垢な情熱の色。良い映画だったと、私は思う。8点(2004-08-22 16:18:09) 3. アンジェラの灰 垢と汚物に塗れて泣く子供。貧乏金なし子沢山。極貧、赤貧洗うが如し。昔のアイルランドの貧民窟をここまで再現したのは素直に凄い。“悲惨”という言葉を見事に映像化していて、疫病と死の臭いすら漂って来そうだった。でも別に暗澹たる気持ちにはならなかった。安直な収拾の付け方ではあるけれど、ラストに希望もあるし。イギリス産・貧乏金なし子沢山もので括るなら、設定と時代背景は違うけれど、「日蔭のふたり」の方が大分悲惨。7点(2004-08-06 17:34:18) 4. アメリカン・ヒストリーX アメリカの人種差別の全体像の縮図を1組の兄弟に見出し、大胆に「アメリカの歴史」と題し描いたその試みは秀逸。彼らが黒人を蔑み殴り蹴る姿は、全てのカラードを蔑み殴り蹴る姿でもある。画面の中で蹴られるのは、つまりは私たち。白人至上主義という言葉、私は大嫌い。いかにもジャンクフードで構成されたというような、生活のだらしなさが体に出たような、自己管理能力の欠如を露呈したような白人の男が、他人種に対して無条件の優越意識を持っている姿には、不快感を禁じえない。それは本当に、気分のいいものではない。ラストシーンにしても実のところ、私は自業自得としか思えない。殴られるまで殴られる痛みの分からない人間に、私は同情など出来ない。そしてその私の冷酷な反応さえ、提起された“人種差別”から波及された感情の1つであり、問題の一環なのだと思う。たった1人の人間の半径数メートルでこれだけのドラマがある。そしてアメリカは、2億5千万人の人間がいる国だ。6点(2004-08-03 20:48:09) 5. ア・フュー・グッドメン 見応えのある法廷劇。字の如く四面楚歌・孤立無援の背水の陣。肥大化し、巨大な力を蓄えたセクト主義に挑む“ア・フュー・グッドメン”。現実にああいうことは罷り通っている。世の中には嫌なことが溢れている。そして悔しいことに、その嫌なことをする人たちは、それを潰せるだけの権力を持っている。そういう世の中だからこそ、色々な人に観て欲しいと思う。この作品、一旦社会に出た人間には、絶対に考えるものがあるから。6点(2004-07-13 14:13:00) 6. アイス・ストーム 《ネタバレ》 家族崩壊ものの中でもかなり印象的な作品。「家族」の意義とはなんぞや、ということを極めてネガティブで内省的な描写を以って静かに静かに問題提起する。そこに在るのは、個人と個人と個人と個人と…をただ1つの枠内に形式的に収めるだけの、便宜としての「家族」の姿。すでに形骸と化した、型だけ残した「家族」の姿。1つ、また1つ…と訪れる嵐の兆候、そして最後に訪れる容赦のない「アイス・ストーム」が、決定的な破綻を否応なく白日の下に晒し、それはもう誰もが目を逸らせないレベルにまで達してしまう。99%の崩壊、1%の希望。そんな絶望と言い切ってしまうには惜しい、あまりにも微妙な状態に物語は帰結する。決して万人受けはせず、多くの部分を観る者の思考に委ねる作品だけれど、それ故に観る価値はあると思う。独特の寂寥感が全編に漂い、寒々しい景色はどこか心象風景的。そういう作品が好きな方にお勧めしたい。10代のクリスティーナ・リッチ、イライジャ・ウッドも印象的。8点(2004-07-09 20:05:58)(良:1票) 7. アダムス・ファミリー(1991) ああ、素敵だ、何て隙のない家族なんだ。大好きだ。どこかにひっそりながらも堂々と棲息していそうな極濃ゴス家族。ゴスっぷり大全開。自分を堂々と貫ける人たちは大好き。自分は自分、他人は他人。私たち、おかしいことは何一つしてないわ、と毅然と振舞うその姿。「みんなやってるからぁ」的に回りに倣う人が多く、そこから外れる者を排斥したがる、非個性大国日本。もううんざりです。だから私は、その対極にいるこの家族が大好き。8点(2004-07-06 20:38:32) 8. アサシン(1993) 個人的にはブリジット・フォンダはこの作品の時が1番綺麗だったと思う。どうにもならない不良少女から凛とした大人の女性に成長して行く姿。その姿がかっこ良かった。実はオリジナルの「二キータ」は観ていない。そもそも当時はこの作品をリメイクと知らずに観た。おそらく味気も何もない焼き直しなのだろうけれど、普通に楽しめたのでこの点。6点(2004-06-15 17:55:38) 9. 愛人/ラマン 中学生の時に初めて観たのだけれど、友人間でレオン・カーフェイの顔がことごとく不評だった。うん、トミーズ雅だよね。スカしたトミーズ雅だよね。そういえばジェーン・マーチにそっくりな同級生がいた。痩せていてとても綺麗な女の子だった。痩せた女の子特有の色気を発散していたジェーン・マーチ。全然パッとしないまま消えて行ったのが残念ですが、ああいう雰囲気を出せる女性、私は結構好きです。7点(2004-06-15 17:53:26) 10. 悪魔を憐れむ歌 人知を超える永い間を生き続けた悪魔が、何であんなアメリカナイズされた俗物なのかがよく分からなかった。「これで7,8人殺せるぜ~」なんて言って悦に入るなんて、まるでただの変質者でした。そこが全然ピンと来なかった。あの悪魔には悪魔としての品位がなかった。得体の知れない怖さとか、染み入るような恐ろしさが感じられない。ただ、あの歌は印象に残る。無条件に口ずさみたくなる。いい感じに邪悪な歌です。貶しているけど、実はよくまとまった作品だとは思っています(笑)。6点(2004-06-07 20:04:28) 11. Undo “アンドゥー” 息苦しく重苦しく濃密で病理的な、歪曲した官能。そういう雰囲気はとてもよく出ている。とりあえず山口智子は女優として色々な引き出しがあるのだな、と感心した。連ドラでは見ることの出来ないダウナーな山口智子を見てみたい方に。5点(2004-06-02 22:00:54) 12. アラジン(1992) ディズニーはやっぱりこういうのは上手い。素直に感動させる。映像の美しさにも見とれた。ついついビデオも買ってしまった。主題歌も好きだった。CDも買ってしまった。キャラも可愛い。ジーニーがモノマネをするシーンは、当然外タレばかりなので、全部は分からなかった。元ネタの分かるアメリカ人は楽しめただろうと思う。7点(2004-06-02 21:56:40) 13. アモーレス・ペロス 愛だ何だとくどくどと語るのは野暮なこと。それでも、地べたに這い蹲って生きる者たちの語る「愛」は、何と説得力のあることか。「アモーレス・ペロス」=「犬のような愛」。ブラジルという地には、陰惨でありながらも乾いた不毛な愛が、何とも特別に映える。9点(2004-06-02 21:29:56) 14. アメリカン・ビューティー アメリカ人が、自分たちの矛盾や欺瞞、社会の病理に一応は気付いてはいるのだ、ということを知ることが出来たという点で、良かった。これがアメリカなのだよ、という1つのネガティブでダウナーなプロパガンダを感じる。ソーラ・バーチの存在感が凄い。7点(2004-05-26 01:06:59) 15. アナザー・デイ・イン・パラダイス どうも綺麗にまとまり過ぎているような気もしたけれど、岡崎京子の漫画みたいな“破滅に向かって疾走する青春”みたいなものが好きな方は好きなんじゃないだろうか。ちょっと表層的な感じはするけれど、出来は悪くはない。主演のヴィンセント・カーシーザーと恋人役の女優は実年齢は10歳位違うのに(女性の方が上)、そんな違和感が全然なかったですね。6点(2004-05-22 13:44:27) 16. 青いパパイヤの香り 全く私事で申し訳ない話なのだけれど、レンタルでこの映画を借りて来て観終わってTVの番組画面に戻した瞬間、飛行機が双子のビルに突っ込み爆発炎上する映像が目に飛び込んで来たのでした。そうです。私がこの映画を観ている間にあの9・11のテロが起きていたのです。この物語のようなアジア的なゆったりとした時の流れから、突如世界の先端を走る都市での恐慌状態の中に叩き込まれた私。びっくりでした。そういう意味でこの映画は私にとってかなり印象的なものになってしまったけれど、そうでなくてもこの映画は、「世の中はシュールだよ、ここは激しさと穏やかさ、足踏みと進歩、相対するものが矛盾なく共存している本当にシュールな世界だよ」と語りかけるに充分な力を持っている。忙しい日本の中にどっぷりつかってしまっている私たちにとって、古き良き過去の日本にも通じる発展途上の国の時間の流れは、異質だけれども確かに心地いい。6点(2004-05-20 21:21:41) 17. 愛と精霊の家 「グレン・クローズが泡吹いて倒れた」という話だけ聞いて観てみたけれど、想像したのとは随分違った(笑)。キャストが不思議な位豪華だけれど、何だか無駄に長い。シリアスで重厚な物語を描こうとする製作者の意図、その意は汲めるのだけれど、やたらに弱く印象が薄い。冗長なだけになっている。ちょっと失敗しちゃったかな。ただ、ギャロは当時から「只者ではないオーラ」を放っている。凄い存在感。見るからにヤバい感じでした。4点(2004-05-20 00:02:17) 18. アルマゲドン(1998) 「インデペンデンス・デイ」と同じ匂いがする。自国礼賛映画を国外に出して外貨稼げちゃう国っていうのは本当に羨ましい限りですね。めでたいですね。残念ながら私もそれに一役買っちまいました。特撮の凄さは認めます。派手で良いと思う。視覚的には楽しいですよ。だから6点献上。でもこの映画に関しては、根底に流れるものが決定的にバカです。あ、あとブシェミがいた。ブシェミはよいよ。ブシェミは最高。ブシェミだけ最高。6点(2004-05-19 23:57:14) 19. I love ペッカー 可愛いっ!楽天的なエドワード・ファーロングも、ブスけたクリスティーナ・リッチも凄く魅力的。脇を固める数々の役者もみんなそれぞれにいい味出していてとってもグー。「こういうのも一応撮ったりします」と変化球で来たジョン・ウォーターズ。この作品は彼の“表代表作”の1つと言っても過言ではないのでは。社会から疎外されたマイノリティーの主張を描かせたら一流のこの監督。その作風に嫌悪感を抱いていた方も、これ位大衆レベルに引き上げられたものなら観やすいと思う。“裏代表作”の「ピンク・フラミンゴ」の世界にはどうしても入れない方も、これなら安心して観れるかも。9点(2004-05-19 23:21:21) 20. アウトブレイク ちょうどこの頃、アフリカにおけるエボラ出血熱感染拡大のニュースが頻繁に報道されており、何てタイムリーなんだと思った記憶がある。あまり映画に関する造詣が深い方ではないので、この映画以前にこのようなウイルス感染ものの映画があったのかどうかは分からないけれど、凄いな、新しいな、と素直に感動した。エボラをモデルにしているのだろうけれど、実際のエボラ感染者の死に様なんて、とんでもなく凄惨。細胞壁が破壊されてどろどろに溶けた臓器を、体中の穴という穴から噴き出しながら死ぬのだから。そういうのを娯楽にしてしまうというのは本当はとても不謹慎だけれど、基本的に「人類の破滅」的な話は何かもう凄く大好きなので、わくわくしながら観れた。7点(2004-05-18 21:57:12)(良:1票)
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