みんなのシネマレビュー |
|
【製作年 : 1990年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
1. アメリカン・ビューティー 我々が(特にアメリカ人が)「普通」だと思っていることって何だろう?ということをあらためて考えさせられる。自分が普通だと思っているような習慣を,他人に話して驚かれた経験は誰にでもあるだろう。「普通」とは,かように奇妙でブラックなものなのだという逆説がここにある。確かにこの映画に描かれている事象はとてもアメリカ的な「ビューティー」なのだけれども,レスターの姿は「中流」を自称するすべての人間(オッサンだけ?)に通ずる普遍的なひとつの真実ではないかと私は思う。[映画館(字幕)] 9点(2004-02-12 16:05:06) 2. アポロ13 題材も監督も好みだし、特にあざといところもない。地味だが見せ所もあるので面白いと思った...とはならないのが我ながら不思議なところ。これだけのスタッフとカネがあるなら、地味なり派手なり人間ドラマなり、突き抜けた面白さみたいなものが欲しい。レビューを観るに、同じような感想を持った方も多いようだから、私の感想もそう的外れではなさそうだ。ロン・ハワードの持ち味とテーマが合わなかったのだろうか?ドキュメントを意識して抑えすぎたか?いや、私の偏見では主人公が「彼」だからだ。思えば「彼」は常に無難であった。敵を作らぬ作品選び。概ね脇役の方が印象に残るという巧みな演技。そして「超保守的」な顔と体格...。出る映画すべてを無難にする「彼」のパワーが、今回もフルに発揮されたと思いたい。6点(2004-02-10 02:30:40)(笑:1票) 3. あなたが寝てる間に・・・ 素直に面白かった。「あなたが寝てる間に」というタイトルも粋な、いかにもアメリカらしいロマンティック・コメディーの佳作である。ロマンティックなストーリーに、ユーモア+ホロリ涙を絡めるそのサジ加減がいい塩梅で、いかにもそれらしい仕上がりだ。話がうまくいきすぎる点を逆手にとって客を笑わせるポイントに仕立てたり、それを次のエピソードへのバネにしたりと脚本も巧み。演出・配役も適切だ。特に可愛い主人公を演ずるサンドラ・ブロックが良く、彼女の魅力がこの映画の印象に大きく貢献していると思う。レビューを書きながら思ったことだが、この映画は、CGドタバタアクション警察犯罪者スパイ不思議ちゃん変人病人死人自殺他殺刑務所法廷暴力戦争ナチ未来過去タイムスリップパラレルワールド入れ替わりミュージカルお色気天使幽霊悲恋熱愛子供動物涙ハラハラドキドキ実は有名人大金持ちといった「お約束」が主役ではない。つまり一切合財が「普通」なわけだが、良く考えればネタが出尽くした感のある現在、「お約束」抜きで映画を作るのは結構凄いことなのではあるまいか。 8点(2004-01-06 09:26:25)(良:1票) 《改行有》 4. アメリカン・ヒストリーX 《ネタバレ》 傑作だ。強いメッセージ、ピリピリとした緊張感と強烈なバイオレンス。取り扱っている題材からみて,よくある「人種差別を無くそう映画」と思われがちだが,その種の映画と決定的に異なるのは「黒人VS白人」とか「暴力VS非暴力」といった構造そのものをヒューマニズムで消失させよう,と呼びかける偽善をばっさり捨てていることである。「対立は永遠である」ということを受け入れ,そのようなある種の諦観の中での生き方を提示するまでの高みに達した映画がかつてあったろうか?。美しい映像と構成、マッチョな肉体で「力」を,そして服を着ることで「理性」の象徴となるデレクを演じたエドワード・ノートンが素晴らしい。9点(2003-12-30 22:12:00)
|
Copyright(C) 1997-2024 JTNEWS