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【製作年 : 1960年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
1. ある戦慄 《ネタバレ》 人間誰しも他人に犯されたくない弱い部分、大切にしているものがある。それを土足で踏みにじられたとき、立ち上がる事はできるのか。それでも見てみぬふりを決め込めるのか、お前もこいつらと同じじゃないかと画面の向こうから、知的な狂人ジョーとアーティが問いかけてくる。 密室、無音、モノクロという下地の上で絶対領域に踏み込まれる恐怖と誰もが潜在的に抱いている日常に潜む不条理な恐怖が描かれていた。[DVD(字幕)] 7点(2014-02-13 16:20:07)《改行有》 2. 甘い生活 《ネタバレ》 どうでもいい人達のどうでもいい内容の話で全ての言動は、最後のポニーテールの少女の美しさや尊さを引き立たせるためだけの役目でしかありませんでした。入り江を隔てた隙間がマルチェロ達と少女の住んでいる世界の差。向こう側に行こうと思えば行けた距離と水位であったにもかかわらずマルチェロは行こうとしなかった。それによって、彼が友人の死や日頃の退廃的な生活によって人と向き合い会話をしようという、記者にとって大切なものを失ってしまったという事が表れていた気がします。また、死してもなお何かを見続けようとする魚と友の死から目をそらしドンチャン騒ぎをして現実を見ようとしなかったマルチェロの対比。悲惨な描写ばかりでしたが、ラストの少女の満面の笑みからはそれらの憂鬱さを全て吹き飛ばすほどの力強い美しさ、希望を感じ、それが唯一無二の救いになっていました。今作が初めて観たフェリーニの作品でしたが彼が「映像の魔術師」と呼ばれている理由が少し分かりました。[DVD(字幕)] 5点(2008-02-12 11:23:45)
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